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4.2. libvirt および libvirt ツール

libvirt パッケージはハイパーバイザーに依存しない仮想化 API で、幅広いオペレーティングシステムの仮想化機能との対話が可能です。
libvirt パッケージが提供する機能
  • ホスト上の仮想マシンを安全に管理する共通、一般的、かつ安定的な層
  • ローカルシステムおよびネットワーク接続されたホストを管理する共通インターフェース
  • 仮想マシンのプロビジョニング、作成、修正、監視、制御、移行、停止に必要なすべての API 。ただし、ハイパーバイザーがこれらの操作に対応している場合のみ。libvirt で複数のホストに同時アクセスはできますが、API はシングルノード操作に限られています。
libvirt は単一ホストの管理にフォーカスし、CPU やメモリー、ストレージ、ネットワーキング、NUMA (Non-Uniform Memory Access) パーティションを含む管理ノード上で利用可能なリソースをエミュレートし、監視し、使用する API を提供します。管理ツールは、セキュアなプロトコルを使用してホストからそれぞれの物理マシンに配置できます。
Red Hat Enterprise Linux 6 は libvirt に対応しており、(Red Hat Enterprise Virtualization Management 同様に) 仮想化管理のデフォルトの方法として libvirt ベースのツールが含まれています。
libvirt パッケージは、GNU 一般公衆利用許諾契約書 (GPL) の下でフリーソフトウェアとして利用可能です。libvirt プロジェクトは、様々なハイパーバイザー技術上で稼働する仮想化管理ツールに長期的な安定性のある C API を提供することを目的としています。libvirt パッケージは、Red Hat Enterprise Linux 5 上の Xen と Red Hat Enterprise Linux 5 および Red Hat Enterprise Linux 6 上の KVM に対応しています。
virsh
virsh コマンドラインツールは、libvirt 管理 API 上で構築されており、グラフィカルな virt-manager アプリケーションの代替手段として作動します。 virsh コマンドは、権限を持たないユーザーは読み取り専用モードで、ルートアクセスでは完全な管理者機能を使用することができます。virsh コマンドは仮想化管理のスクリプト作成に適しています。
virt-manager
virt-manager は、仮想マシン管理用のグラフィカルなデスクトップツールです。グラフィカルなゲストコンソールへのアクセスが可能になり、仮想化管理や仮想マシン作成、移行、設定タスクが実行できます。仮想マシン、ホスト統計、デバイス情報、パフォーマンスグラフの表示機能も提供されます。ローカルハイパーバイザーとリモートハイパーバイザーは、単一インターフェースで管理可能です。

注記

virsh および virt-manager に関する詳細は、 『Red Hat Enterprise Linux 6 仮想化管理ガイド』を参照してください。