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4.5.4. ホストストレージ

ディスクイメージは、ホストに接続される様々なローカルおよびリモートのストレージテクノロジーの上に格納できます。
イメージファイル
イメージファイルはホストファイルシステム上に格納されます。イメージファイルは、ext4 または xfs などのローカルファイルシステム上や、NFS などのネットワークファイルシステム上に格納することができます。
libguestfs などのツールを使用して、ファイルの管理、バックアップおよび監視を行うことができます。KVM 上で使用されるディスクイメージの形式には以下が含まれます。
Raw
Raw イメージファイルには、ディスクのコンテンツが含まれますが、メタデータは一切追加されません。
ホストファイルシステムが許可する場合、Raw ファイルのタイプは Preallocated (事前割り当て) ファイルまたは Sparse (スパース) ファイルのいずれかになります。Sparse ファイルはホストディスク容量をオンデマンドで割り当てるため、一種のシンプロビジョニングと言うことができます。Preallocated ファイルは完全にプロビジョニングされますが、Sparse ファイルよりもパフォーマンスが高くなります。
Raw ファイルは、ディスクの I/O パフォーマンスが重要となる場合や、イメージファイルをネットワーク上で転送する必要がほとんどない場合に適しています。
qcow2
qcow2 イメージファイルは、バッキングファイルや、スナップショット、圧縮および暗号化などの数多くの高度なディスクイメージ機能を提供します。これらのイメージファイルは、テンプレートイメージから仮想マシンのインスタンスを作成するために使用することができます。
qcow2 ファイルは、通常ネットワーク上でより効率的に転送できるファイルです。仮想マシンによって書き込まれるセクターのみがイメージに割り当てられるためです。
LVM ボリューム
論理ボリュームはディスクイメージに使用でき、システムの LVM ツールを使用して管理できます。LVM のブロックストレージのモデルは他のファイルシステムよりもシンプルであるため、LVM はより高いパフォーマンスを提供します。
LVM シンプロビジョニングはスナップショットを提供し、LVM ボリュームの領域のより効率的な使用を可能にします。さらに、qcow2 に対する移行の代替手段として使用することができます。
ホストデバイス
物理 CD-ROM および Raw ディスク、または論理ユニット番号 (LUN) などのホストデバイスをゲストに提示することができます。これにより、ゲストは SAN (Storage Area Network) や iSCSI LUN、およびローカル CD-ROM メディアをパフォーマンスを維持した状態で使用できます。
ホストデバイスは、ストレージ管理がホスト上ではなく SAN 上で行なわれている場合に使用することができます。
分散ストレージシステム
Gluster ボリュームはディスクイメージとして使用できます。これにより、ネットワーク上で高パフォーマンスのクラスター化ストレージを使用することができます。
Red Hat Enterprise Linux 6.5 以降には、GlusterFS を使用して仮想マシンを作成するためのネイティブサポートが含まれます。これにより、KVM ホストは GlusterFS ボリュームから仮想マシンイメージを起動し、仮想マシンのデータディスクとして GlusterFS ボリュームのイメージを使用することができます。GlusterFS FUSE と比較すると、KVM のこのネイティブサポートは、より高いパフォーマンスを実現します。

注記

ストレージおよび仮想化に関する詳細は、 『Red Hat Enterprise Linux 6 仮想化管理ガイド』を参照してください。