Red Hat Training

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3.6. サーバー向け仮想化と個人向け仮想化

仮想化はサーバーだけのものではなく、個人にも便利なものとなります。デスクトップの仮想化は、集中型管理やデスクトップソリューションの改良、すぐれた障害回復をもたらします。接続ソフトウェアを使用することで、デスクトップのリモート接続が可能になります。
サーバーの場合、仮想化は大規模ネットワークだけではなく、2 台以上のサーバーがある状況で利用可能です。ライブマイグレーションや高可用性、耐障害性、簡素化されたバックアップなどの機能を提供します。

3.6.1. 仮想化デプロイメントシナリオ

以下は、仮想化における一般的なデプロイメントシナリオとこれらのシナリオのデプロイメントに使用可能なツールです。
最大 3 台の物理ホストおよびゲスト 10 台の小規模デプロイメント: virt-manager
厳密なアップタイム要件やサービスレベルアグリーメントがないサーバー数台を稼働している小規模ビジネスでは、virt-managerのようなツールが役立ちます。この環境では、管理者 1 人が全体のインフラストラクチャーに責任を負い、コンポーネントの変更が必要な場合は、手順の柔軟性を維持することが重要です。この環境には、ウェブブラウザーやファイルおよびプリントサーバー、アプリケーションサーバーが含まれます。
大規模デプロイメントまたはミッションクリティカルなアプリケーション: Red Hat Enterprise Virtualization (RHEV)
Red Hat Enterprise Virtualization (RHEV) のような完全仮想化プラットフォー厶は、大規模デプロイメントやミッションクリティカルなアプリケーションを稼働している企業に適しています。この環境では、物理インフラストラクチャーは IT 部門が必要になるほど大きく、ビジネス要件は新たなニーズに対する明確な対応が必要となります。Red Hat Enterprise Virtualization が適する大規模デプロイメントの例としては、ダウンタイムなしに継続的な稼働が必須となるデータベースや商用プラットフォーム、メッセージングシステムなどがあげられます。
管理アプリケーションを作成しているソフトウェア開発者: libvirt
virt-manager と Red Hat Enterprise Virtualization (RHEV) の両方が libvirt を使用して仮想マシンを管理します。libvirt はソフトウェア開発者による管理アプリケーションの作成と適応を可能にする仮想化アプリケーションプログラミングインターフェース (API) です。