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第3章 仮想化の利点と誤解

仮想化には多くの利点がありますが、おそらく同じくらいの誤解があるようです。本章では、これらの点について説明します。

3.1. 仮想化コスト

一般的な誤解は、仮想化への変更はコストが高すぎて正当化できない、というものです。仮想化の導入は費用がかかることもありますが、長期的には節約になる場合が多くあります。ご自分の環境における仮想化の最大限の活用を測定するには、投資回収率 (ROI) の分析を行うことが重要です。以下の利点を検討してみてください。
省電力
仮想化により、複数の物理プラットフォームの必要性がほとんどなくなります。これは、マシン稼働や冷却に使われる電力の節約を意味し、エネルギー費用の削減につながります。マシンの消費電力と必要となる冷却を合わせると、複数の物理プラットフォー厶購入の初期費用は、仮想化の利用により大幅に削減されます。
メンテナンスの省力化
物理システムから仮想化システムへの移行前に十分なプラニングを行うことで、メンテナンスにかかる時間は少なくなります。つまり、部品にかかる費用や人件費が削減されることになります。
インストール済みソフトウェアの使用期限の延長
古いバージョンのソフトウェアは、新しいベアメタルマシン上では直接機能しない可能性があります。しかし、より大きく速い仮想システム上でこれらを稼働することにより、新しいシステムからのパフォーマンスを活用する一方で、古いソフトウェアの使用期限が延長される場合があります。
予測可能なコスト
Red Hat Enterprise Linux のサブスクリプションは、仮想化サポートが固定料金なので、コスト予測が容易になります。
スペースの節約
サーバーをより少ないマシンに統合することは、必要な物理的スペースが減ることを意味します。つまり、通常サーバーハードウェアが占拠していたスペースを他の目的に使用できることになります。