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21.15. 時間管理

ゲスト仮想マシンのクロックは、通常ホスト物理マシンのクロックから初期化されます。大半のオペレーティングシステムは、ハードウェアのクロックがデフォルトの設定である UTC のままであることを想定しています。Windows ゲスト仮想マシンの場合は、ゲスト仮想マシンを localtime に設定する必要があります。

  ...
  <clock offset='localtime'>
    <timer name='rtc' tickpolicy='catchup' track='guest'>
      <catchup threshold='123' slew='120' limit='10000'/>
    </timer>
    <timer name='pit' tickpolicy='delay'/>
  </clock>
  ...

図21.21 時間管理

ドメイン XML のこのセクションを構成するコンポーネントは以下の通りです。

表21.12 時間管理の要素

状態説明
<clock>offset 属性は 4 つの使用できる値を取り、ゲスト仮想マシンクロックをホスト物理マシンに同期する方法に対する詳細な制御を可能にします。ハイパーバイザーは、すべてのタイムソースに対するすべてのポリシーに対応する必要がないことに注意してください。
  • utc - クロックを起動時に UTC に同期します。utc モードは variable モードに変換でき、これは adjustment 属性を使用して制御できます。値が reset の場合、変換は実行されません。数値は、初期 adjustment としてその値を使用することで、variable モードへの変換を強制します。デフォルトの adjustment はハイパーバイザーに固有のものになります。
  • localtime - ゲスト仮想マシンクロックを、起動時にホスト物理マシンの設定タイムゾーンに同期します。adjustment 属性は 'utc' モードと同様に作動します。
  • timezone - ゲスト仮想マシンクロックを、timezone 属性を使って要求されるタイムゾーンに同期します。
  • variable - basis 属性に基づいて、ゲスト仮想マシンクロックに、UTC または localtime との対比で適用される任意のオフセットを指定します。UTC (または localtime) に対する差分は、adjustment 属性を使用して数秒単位で指定されます。ゲスト仮想マシンは、RTC (リアルクロックタイム) を自由に調整することができ、行なわれた調整は再起動後も維持されます。これは、RTC 調整が再起動のたびに失われる utclocaltime モード (オプション属性 adjustment='reset' を指定) とは対照的です。さらに、basis 属性には、utc (デフォルト) または localtime のいずれかを使用することができます。clock 要素には、ゼロまたは 1 以上の <timer> 要素を含めることができます。
<timer>注記を参照してください。
<frequency>これは、name="tsc" が実行される周波数を指定する符号なし整数です。
<mode>mode 属性は、name="tsc" <timer> が管理される方法を制御し、autonativeemulateparavirt、または smpsafe に設定することができます。他のタイマーは常にエミュレートされます。
<present>特定のタイマーがゲスト仮想マシンで利用できるかどうかを指定します。yes または no に設定することができます。

注記

<timer> 要素には name 属性を含める必要があり、指定される名前に応じて以下の属性を持つ場合があります。
  • <name> - 変更される timer を選択します。以下の値が受け入れ可能です。kvmclock (QEMU-KVM)、pit(QEMU-KVM)、または rtc(QEMU-KVM)、または tsc(libxl のみ)。platform は現在サポートされていないことに注意してください。
  • track - timer track を指定します。以下の値が受け入れ可能です。bootguest、または walltrackname="rtc" にのみ有効です。
  • tickpolicy - ゲスト仮想マシンにティックを挿入するための期限に間に合わなかった場合にどうなるかを決定します。以下の値を割り当てることができます。
    • delay -通常レートでのティックの配信を継続します。ゲスト仮想マシンの時間は、ティックの遅延により遅れます。
    • catchup - ティックの遅れを取り戻すために、高めレートでティックを配信します。ゲスト仮想マシンの時間は、遅れが取り戻されると表示されなくなります。さらに、threshold、slew、および limit の 3 つのオプション属性があり、それぞれは正の整数になります。
    • merge - 遅れたティックを単一ののティックにマージし、それらを挿入します。ゲスト仮想マシンの時間は、マージの実行方法により、遅れる可能性があります。
    • discard - 遅れたティックを破棄し、デフォルトの間隔設定で挿入を続行します。ゲスト仮想マシンの時間は、遅れたティックの処理についての明示的なステートメントがない場合に遅れる可能性があります。