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第11章 ストレージの概念
この章では、ストレージデバイスの説明と管理に使用される概念を紹介します。ストレージプールやボリュームなどの用語については、次のセクションで説明します。
11.1. ストレージプール
ストレージプール は、ゲスト仮想マシンにストレージを提供する目的で libvirt によって管理されるファイル、ディレクトリー、またはストレージデバイスです。ストレージプールはローカルにすることも、ネットワーク経由で共有することもできます。ストレージプールは、ゲスト仮想マシンで使用するために、管理者 (多くの場合は専用のストレージ管理者) によって確保されるストレージの量です。ストレージプールは、ストレージ管理者またはシステム管理者によってストレージボリュームに分割され、ボリュームはブロックデバイスとしてゲスト仮想マシンに割り当てられます。要するに、ストレージボリュームはパーティションになり、ストレージプールはディスクになります。ストレージプールは仮想コンテナーですが、次の 2 つの要因で制限されます。つまり、qemu-kvm が許可する最大サイズと、ホストの物理マシンのディスクのサイズです。ストレージプールは、ホストの物理マシン上のディスクのサイズを超えてはなりません。最大サイズは、以下のとおりです。
- virtio-blk = 2^63 バイトまたは 8 エクサバイト (raw ファイルまたはディスクを使用)
- Ext4 = ~ 16TB (4KB のブロックサイズを使用)
- XFS = ~8 エクサバイト
- qcow2 およびホストのファイルシステムでは、非常に大きなイメージサイズを試行する際に、独自のメタデータとスケーラビリティーを評価/調整する必要があります。raw ディスクを使用すると、スケーラビリティーまたは最大サイズに影響を与えるレイヤーが減ります。
libvirt は、ディレクトリーベースのストレージプールである
/var/lib/libvirt/images/
ディレクトリーをデフォルトのストレージプールとして使用します。デフォルトのストレージプールは、別のストレージプールに変更できます。
- ローカルストレージプール - ローカルストレージプールは、ホストの物理マシンサーバーに直接接続されています。ローカルストレージプールには、ローカルディレクトリー、直接接続されたディスク、物理パーティション、および LVM ボリュームグループが含まれます。これらのストレージボリュームは、ゲスト仮想マシンイメージを格納するか、追加のストレージとしてゲスト仮想マシンに接続されます。ローカルストレージプールはホストの物理マシンサーバーに直接接続されているため、移行や多数のゲスト仮想マシンを必要としない開発、テスト、および小規模な展開に役立ちます。ローカルストレージプールはライブマイグレーションをサポートしていないため、ローカルストレージプールは多くの本番環境には適していません。
- ネットワーク型 (共有) ストレージプール - ネットワーク型ストレージプールには、標準プロトコルを使用してネットワーク上で共有されるストレージデバイスが含まれます。virt-manager を使用してホスト物理マシン間で仮想マシンを移行する場合はネットワークストレージが必要ですが、virsh を使用して移行する場合は任意です。ネットワークストレージプールは libvirt によって管理されます。ネットワークストレージプールでサポートされているプロトコルは次のとおりです。
- ファイバーチャネルベースの LUN
- iSCSI
- NFS
- GFS2
- SCSI RDMA プロトコル (SCSI RCP) - InfiniBand アダプターおよび 10GbE iWARP アダプターで使用されるブロックエクスポートプロトコル
注記
マルチパスストレージプールは完全にはサポートされていないため、作成または使用しないでください。