第5章 Ext3 ファイルシステム
- 可用性
- 予期しない停電やシステムクラッシュ (クリーンでないシステムシャットダウン とも言われる) の発生後に、マシン上の各 ext2 ファイルシステムは
e2fsckプログラムによって整合性をチェックする必要があります。これは時間を浪費するプロセスであり、大量のファイルを含む大型ボリュームでは、著しくシステムの起動時間を遅らせてしまいます。この期間中、そのボリュームにあるデータはどれも使用できなくなります。稼働中のファイルシステムでfsck -nを実行することはできますが、変更を実行することはできず、部分的に書き込まれたメタデータが発生すると誤解を生じさせる結果になりかねません。スタック内で LVM が使用されている場合は、もう1つの選択肢としてファイルシステムの LVM スナップショットを取り、スナップショットでfsckを実行できます。最後に、ファイルシステムを読み込み専用で再マウントするオプションがあります。すべての保留中メタデータの更新 (および書き込み) は再マウントの前にディスクへ強制的に入れられます。これにより、これ以前に破損がない限り、ファイルシステムは整合性を確保できます。この時点でfsck -nの実行が可能になります。ext3 ファイルシステムで提供されるジャーナリングは、クリーンでないシステムシャットダウンの発生後でもこの種のファイルシステムのチェックが不要であることを意味します。ext3 の使用で整合性チェックが必要になる唯一の場面は、ハードドライブの障害が発生した場合などのごく稀なハードウェア障害のケースのみです。クリーンでないシャットダウンの発生後に ext3 ファイルシステムを復元する時間はファイルシステムのサイズやファイルの数量に左右されません。むしろ、整合性の維持のために使用される ジャーナル のサイズで決まります。デフォルトのジャーナルサイズの場合、ハードウェアのスピードにもよりますが復元に1秒ほどかかります。注記
Red Hat でサポートされている ext3 の唯一のジャーナリングモードはdata=ordered(デフォルト) です。 - データの整合性
- ext3 ファイルシステムは、クリーンでないシステムシャットダウンが発生した際にデータの整合性が失われることを防止します。ext3 ファイルシステムにより、データが受けることのできる保護のタイプとレベルを選択できるようになります。ファイルシステムの状態に関しては、ext3 のボリュームはデフォルトで高度なレベルのデータ整合性を維持するように設定されています。
- 速度
- ext3 のジャーナリングはハードドライブのヘッド動作を最適化するため、一部のデータを複数回書き込んだとしても、ほとんどのケースで ext2 よりも高いスループットがあります。速度を最適化するために 3 つのジャーナリングモードから選択できますが、システムに障害が発生する可能性のある状況では、モードの選択はデータの整合性がトレードオフの関係になることがあります。
- 容易な移行
- ext2 から ext3 へ移行して、再フォーマットをせずに堅固なジャーナリングファイルシステムの利点を活かす操作は簡単です。このタスクの実行方法の詳細については、「Ext3 ファイルシステムへの変換」 を参照してください。
ディスク上の inode のデフォルトサイズは、ACL または SELinux 属性などの拡張属性をより効率的に保存できるように拡大されています。この変更に伴い、所定サイズのファイルシステム上にある inode のデフォルト数は減少しています。inode のサイズは mke2fs -I オプションで選択するか、または /etc/mke2fs.conf 内で指定し、mke2fs のシステム全体のデフォルトを設定することができます。
注記
data_err
新規のマウントオプションが追加されました。data_err=abort です。このオプションは、data=ordered モードでファイルデータ (メタデータではない) のバッファーにエラーが発生した場合に、ジャーナルを中断するように ext3 に指示します。このオプションはデフォルトでは無効にされています (data_err=ignore として設定されています)。
ファイルシステムを作成する際に(つまり、mkfs を実行)、mke2fs は、ファイルシステムのメタデータで使用されていないブロックの破棄または削除を試行します。これは SSD やはシンプロビジョニングのストレージの最適化に役立ちます。この動作を抑制するには、mke2fs -K オプションを使用します。

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