3.11. 拡張グラフィックス電力管理

Red Hat Enterprise Linux 6 は不必要な消費が発生するソースを取り除くことにより、グラフィックスおよびディスプレイデバイスの節電を行います。
LVDS 再クロック

LVDS 低電圧差動信号 (Low-voltage differential signalling) とは、電子信号を銅線上で伝えるシステムです。このシステムが応用されている重要な例の1つは、ピクセル情報をノート PC の 液晶ディスプレイ (LCD) 画面に送信することです。すべてのディスプレイには リフレッシュレート があります。これはディスプレイがグラフィックコントローラから新しいデータを受け取り、画像を画面に再表示する頻度です。通常、画面は毎秒 60 回新しいデータを受信します (60 Hz の周波数) 。画面とグラフィックコントローラが LVDS でリンクされている時は、LVDS システムはリフレッシュのたびに電力を使用します。アイドル状態の時、多くの LCD 画面のリフレッシュレートは、目立った変化なく 30 Hz まで低下することがあります (リフレッシュレートが低下すると特有のフリッカーが起こる ブラウン管 (CRT) モニターとは異なります) 。Red Hat Enterprise Linux 6 のカーネルに組み込まれている Intel グラフィックスアダプタ用のドライバーは、自動的にこの ダウンクロック (downclocking) を実行し、画面がアイドル状態の時には約 0.5 W の節電をします。

メモリのセルフリフレッシュの有効化

SDRAM Synchronous dynamic random access memory — これは、グラフィックスアダプタのビデオメモリに使用されます。毎秒何千回もリチャージされるため、個々のメモリセルは保管されているデータを保持します。データはメモリの内外へと移動するためそのデータを管理するその主要機能の他に、メモリコントローラには通常これらのリフレッシュサイクルを開始する役割があります。一方、SDRAM には低電力の セルフリフレッシュ モードもあります。このモードでは、メモリは内部タイマーを使用して、そのリフレッシュサイクルを生成します。これにより、現在メモリに保存されているデータを危険にさらすことなく、システムはメモリコントローラをシャットダウンできます。Red Hat Enterprise Linux 6 で使用されているカーネルは、アイドル状態の時に Intel グラフィックスアダプタのメモリにセルフリフレッシュをさせることがあります。これにより約 0.8 W の節電ができます。

GPU クロックの低減

標準的なグラフィカルプロセッシングユニット (GPU) には、その内部回路の各種パーツを制御する内部クロックが含まれています。Red Hat Enterprise Linux 6 で使用されているカーネルは、Intel および ATI の GPU 内の内部クロックの一部の周波数を低くすることができます。GPU コンポーネントが所定時間内に実行するサイクル数を低減すると、それらが実行する必要がなかったサイクルで消費されていたであろう電力を節減します。GPU がアイドル状態の時には、カーネルは自動的にそうしたクロックの速度を遅くし、GPU の活動が増加すると速めます。GPU のクロックサイクルを低下させることで、最大で約 5 W の節電ができます。

GPU の電源オフ

Red Hat Enterprise Linux 6 の Intel と ATI グラフィックスドライバーは、アダプタにモニターが接続されていない時を検出できるため、GPU を完全にシャットダウンすることができます。この機能は、常時モニターを接続していないサーバーで特に重要です。