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第4章 CLI コマンドでの LVM 管理
この章では、論理ボリュームを作成し、これを保守するために LVM CLI (Command Line Interface) コマンドで実行できる個別の管理タスクについてまとめています。
注記
クラスター環境用に LVM ボリュームを作成するか、または変更する場合、
clvmd
デーモンが稼働していることを確認する必要があります。詳細は 「クラスター内での LVM ボリューム作成」 を参照してください。
4.1. CLI コマンドの使用
すべての LVM CLI コマンドには一般的な特性がいくつかあります。
コマンドライン引数でサイズが必要な場合は、単位を常に明示的に指定することができます。単位を指定しないと、デフォルト (通常 KB または MB) が使用されます。LVM CLI コマンドでは小数は使用できません。
コマンドライン引数内で単位を指定する場合、LVM は大文字/小文字を区別せず (たとえば、M または m を指定しても同じことになります)、2 の累乗 (1024 の倍数) が使用されます。しかし、コマンド内で
--units
引数を指定する場合、小文字の場合は単位が 1024 の倍数であり、大文字の場合は 1000 の倍数であることを示します。
コマンドが、ボリュームグループ名または論理ボリューム名を引数として取る場合、完全なパス名はオプションとなります。ボリュームグループ
vg0
内の論理ボリューム lvol0
は vg0/lvol0
と指定できます。ボリュームグループの一覧が必要であるのに空のままの場合、すべてのボリュームグループの一覧が代用されれます。論理ボリュームの一覧が必要な状態で、1 つのボリュームグループだけ指定されている場合、そのボリュームグループ内のすべての論理ボリュームの一覧が代用されます。たとえば、lvdisplay vg0
コマンドは、ボリュームグループ vg0
内のすべての論理ボリュームを表示します。
すべての LVM コマンドは
-v
引数を使用できるため、これを複数回入力して出力の詳細度を高くすることができます。たとえば、次の例は lvcreate
コマンドのデフォルト出力を示しています。
# lvcreate -L 50MB new_vg
Rounding up size to full physical extent 52.00 MB
Logical volume "lvol0" created
以下の例は、
-v
引数を使用した lvcreate
コマンドの出力を示しています。
# lvcreate -v -L 50MB new_vg
Finding volume group "new_vg"
Rounding up size to full physical extent 52.00 MB
Archiving volume group "new_vg" metadata (seqno 4).
Creating logical volume lvol0
Creating volume group backup "/etc/lvm/backup/new_vg" (seqno 5).
Found volume group "new_vg"
Creating new_vg-lvol0
Loading new_vg-lvol0 table
Resuming new_vg-lvol0 (253:2)
Clearing start of logical volume "lvol0"
Creating volume group backup "/etc/lvm/backup/new_vg" (seqno 5).
Logical volume "lvol0" created
また、
-vv
、-vvv
、または -vvvv
の引数を使用して、コマンドの実行内容を徐々に詳しく表示することができます。-vvvv
引数は、現時点で最も詳細な情報を提供します。以下の例は、-vvvv
引数が指定された lvcreate
コマンドの出力の最初の数行のみを示しています。
# lvcreate -vvvv -L 50MB new_vg
#lvmcmdline.c:913 Processing: lvcreate -vvvv -L 50MB new_vg
#lvmcmdline.c:916 O_DIRECT will be used
#config/config.c:864 Setting global/locking_type to 1
#locking/locking.c:138 File-based locking selected.
#config/config.c:841 Setting global/locking_dir to /var/lock/lvm
#activate/activate.c:358 Getting target version for linear
#ioctl/libdm-iface.c:1569 dm version OF [16384]
#ioctl/libdm-iface.c:1569 dm versions OF [16384]
#activate/activate.c:358 Getting target version for striped
#ioctl/libdm-iface.c:1569 dm versions OF [16384]
#config/config.c:864 Setting activation/mirror_region_size to 512
...
LVM CLI コマンドのいずれかに
--help
引数を付けると、そのコマンドのヘルプを表示することができます。
# commandname --help
コマンドの man ページを表示するには、
man
コマンドを実行します。
# man commandname
man lvm
コマンドは、LVM に関する一般的なオンライン情報を提供します。
すべての LVM オブジェクトは、オブジェクトを作成する時点で割り当てられる UUID によって、内部で参照されます。これは、たとえばボリュームグループの一部である物理ボリューム
/dev/sdf
を削除した後で、接続し直した際に /dev/sdk
になっている場合などに役立ちます。LVM は物理ボリュームをそのデバイス名ではなく、UUID で識別するため、依然として物理ボリュームを見つけることができます。物理ボリュームの作成時に物理ボリュームの UUID を指定する方法については、「物理ボリュームメタデータの復元」 を参照してください。