第10章 Intel または AMD システムでのインストールに関するトラブルシューティング

本セクションでは、いくつかの一般的な問題とそれらの解決方法について説明します。
デバッグの目的で、anaconda はインストールアクションを /tmp ディレクトリ内のファイルにログを記録します。これらのファイルには以下が含まれます。
/tmp/anaconda.log
一般的な anaconda メッセージ
/tmp/program.log
anaconda が実行するすべての外部プログラム
/tmp/storage.log
ストレージモジュールの詳細情報
/tmp/yum.log
yum パッケージインストールのメッセージ
/tmp/syslog
ハードウェア関連のシステムメッセージ
インストールが失敗すると、これらのファイルからのメッセージは /tmp/anaconda-tb-identifier に統合されます。ここで、identifier はランダム文字列になります。
上記のファイルすべてはインストーラーの ramdisk 内に存在しているため、消失する可能性があります。永続コピーを作成するには、インストールイメージ上で scp を使用して、これらのファイルをネットワーク上の別のシステムにコピーします (順序はこの逆にはなりません)。

10.1. Red Hat Enterprise Linux を起動できない

10.1.1. RAID カードから起動できない

インストールを実行してシステムを正しく起動できない場合は、再インストールを試みてパーティションの構成を変える必要があるかもしれません。
BIOS には RAID カードからの起動に対応しない種類があります。インストールの最後でテキストベースの画面にブートローダーのプロンプト (GRUB: など) が表示され、カーソルが点滅するだけの状態になることがあります。このような場合はシステムのパーティションを再構成しなければなりません。
自動または手動のパーティション設定のいずれを選択した場合でも、/boot パーティションは個別のハードドライブなど RAID アレイの外側にインストールしてください。内蔵ハードドライブは問題のある RAID カードでのパーティション作成に必要になります。
また、ブートローダー (GRUB または LILO) も RAID アレイの外側にあるドライブの MBR にインストールする必要があります。/boot/ パーティションを持たせるドライブと同じドライブにしてください。
変更を終えるとインストールを終了してシステムを正常に起動できるようになります。

10.1.2. シグナル 11 のエラーが表示される

シグナル 11 エラー (セグメンテーション障害 としても知られる) は、割り当てられていないメモリーロケーションにプログラムがアクセスしたことを意味します。シグナル 11 エラーの原因は、インストールされているいずれかのソフトウェアプログラムのバグか、または不良のハードウェアにある場合があります。
インストール時に致命的なシグナル 11 エラーが生じた場合、それはおそらくシステムのバス内のメモリーのハードウェアエラーである可能性があります。他のオペレーティングシステムと同様に、Red Hat Enterprise Linux は自らの要求をシステムのハードウェアに課します。これらのハードウェアの一部は 他の OS では正しく機能しても、これらの要求に対応できないことがあります。
最新のインストール更新とイメージがあることを確認してください。オンライン errata で新しいバージョンが入手できるかどうか調べてください。最新のイメージを使用してもまだ失敗する場合は、それはハードウェアに関連した問題である可能性があります。一般的にはこれらのエラーはメモリーまたは CPU キャッシュ内にあるものです。システムがサポートする場合は、BIOS 内で CPU キャッシュをオフにするとこのエラーが解決することもあります。またマザーボードスロット内のメモリーを入れ換えて、問題がスロットか、またはメモリー内にあるのかを確認してみることもできます。
もう 1 つのオプションは、インストール用 DVD のメディアチェックを実行することです。Anaconda インストールプログラムには、インストールメディアの整合性をテストする機能があります。これは、DVD、ハードドライブ ISO、および NFS ISO などのインストールメソッドで機能します。Red Hat では、実際にインストールを開始する前、およびインストール関連のバグを報告する前にすべてのインストールメディアをテストすることを推奨しています。(多くの報告されたバグは実際には DVD の焼き込みの不備が原因です)。このテストを使用するには、boot: または yaboot: プロンプトで以下のコマンドを入力します。
linux mediacheck
シグナル 11 エラーに関しての詳細は以下のサイトをご覧ください。
http://www.bitwizard.nl/sig11/

10.1.3. 起動初期の問題を診断する

GRUB 起動メニューは正しく表示されるのにシステムの起動には失敗するような場合には ブートコンソール が役に立つ場合があります。ブートコンソール内のメッセージからは現在のカーネルバージョン、起動メニューからカーネルに渡されたコマンドラインパラメーター、現在のカーネルに対して有効にされているハードウェアサポート、物理メモリーマップ、その他問題の原因を追求するのに役立つ可能性のある情報を得ることができます。
ブートコンソールを有効にするには、GRUB 起動メニューのエントリーを選択し e を押して起動オプションの編集を行います。kernel (linux の場合もある) で始まる行に以下を追加します。
  • BIOS ファームウェアのシステムの場合は earlyprintk=vga,keep を追加します。ブートコンソールメッセージがシステムのディスプレイに表示されるはずです。
  • UEFI ファームウェアのシステムの場合は earlyprintk=efi,keep を追加します。ブートコンソールメッセージが EFI フレームバッファに表示されるはずです。
また、他のメッセージは表示させずブートコンソールからのメッセージのみを表示するよう quiet オプションを追加することもできます (まだ使用していない場合)。

注記

BIOS および UEFI 用の earlyprintk オプションもカーネルの /boot/config-version ファイルで有効になっていなければなりません。CONFIG_EARLY_PRINTK=CONFIG_EARLY_PRINTK_EFI= のオプションの値は y に設定されている必要があります。このオプションはデフォルトでは有効になっています。無効にしていた場合にはレスキューモードで /boot パーティションをマウントし、設定ファイルを編集してオプションを再度有効にする必要があるかもしれません。