第7章 インストーラーの起動

7.1. インストールプログラムの起動

重要

Red Hat Enterprise Linux 6.9 では 32 ビットx86 システム向けの UEFI には対応していません。
64 ビットのシステムの場合、UEFI と BIOS の起動設定は大幅に異なります。このため、インストール済みのシステムはインストール時に使用されたファームウェアと同じものを使って起動する必要があります。BIOS を使用するシステム上でオペレーティングシステムをインストールしてから、UEFI を使用するシステム上でこのインストールを起動することはできません。
インストールプログラムを起動するには、 まずインストールに必要なリソースがすべて揃っているか確認します。 すでに 3章x86 アーキテクチャーへのインストール計画 を読んで説明に従っている場合は、 インストールを開始する準備が整っているはずです。 開始準備が整っていることを確認したら、Red Hat Enterprise Linux の DVD、または作成した起動用メディア、のいずれかを使ってインストールプログラムを起動します。

注記

ハードウェアコンポーネントの中には、 時折、 インストール中に ドライバー更新 を必要とするものがあります。 ドライバー更新により、 インストールプログラムではサポートされないハードウェアをサポートできるようになります。 詳細については 6章Intel および AMD システム上でのインストール時のドライバーの更新 を参照してください。

7.1.1. x86、 AMD64、および Intel 64 システムでのインストールプログラムの起動

次のいずれのメディアを使用してもインストールプログラムを起動することができます (システムの対応状況による)。
  • Red Hat Enterprise Linux DVD — マシンが起動可能な DVD ドライブに対応していて、 Red Hat Enterprise Linux インストール用 DVD が手元にある場合
  • ブート CD-ROM — マシンが起動可能な CD-ROM ドライブに対応していて、 ネットワークインストールまたはハードドライブインストールを行ないたい場合
  • USB フラッシュドライブ — マシンが USB デバイスからの起動に対応している場合
  • ネットワーク経由による PXE 起動 — マシンがネットワークからの起動に対応している場合 (高度なインストール方法になります。 この方法に関する詳細を 30章インストールサーバーの設定 でご覧ください)

重要

Red Hat Enterprise Linux 6.9 では 32 ビットx86 システム向けの UEFI には対応していません。
64 ビットのシステムの場合、UEFI と BIOS の起動設定は大幅に異なります。このため、インストール済みのシステムはインストール時に使用されたファームウェアと同じものを使って起動する必要があります。BIOS を使用するシステム上でオペレーティングシステムをインストールしてから、UEFI を使用するシステム上でこのインストールを起動することはできません。
以下の手順に従って Red Hat Enterprise Linux の DVD または最小限の起動用メディアからインストールプログラムを起動します。
  1. インストールに必要のない外付けの FireWire ディスクや USB ディスクは取り外してください。 詳細については 「FireWire と USB ディスク」 を参照してください。
  2. コンピューターシステムの電源を入れます。
  3. コンピューターにメディアを挿入します。
  4. 起動用メディアが挿入された状態でコンピューターの電源をオフにします。
  5. コンピューターシステムの電源を入れます。
ブート CD-ROM の作成、 および起動用またはインストール用 USB フラッシュドライブの準備については、 「最小限の起動用メディアの作成」 を参照してください。
起動用メディアを挿入してシステムを再起動します。
メディアから起動する場合、特定のキーやキーの組合せを押す必要がある場合があります。ほとんどのコンピューターでは、コンピューターの電源をオンにするとすぐ、画面上に簡単なメッセージが表示されます。一般的には「Press F10 to select boot device(ブートデバイスを選択するには F10 を押してください)」などのメッセージになります。ただし、このメッセージの言い回しや指定されるキーについてはコンピューターによって異なります。 詳細については、そのコンピューターまたはマザーボードのマニュアルを参考にするか、ハードウェア製造元または販売会社にお問い合わせください。
起動時にブートデバイスの選択ができない場合、 メディアから起動するようシステムの BIOS (Basic Input/Output System) を設定する必要があるかもしれません。
x86、AMD64、あるいは Intel 64 のシステム上で BIOS の設定を変更する場合、 コンピューターが最初に起動する時点でディスプレイに表示される指示に注意してください。 BIOS 設定に入るにはどのキーを押せばよいのかを示す 1 行のテキストが表示されます。
BIOS セットアッププログラムに入ったら、 起動順序を変更できるセクションを見つけます。 デフォルトでは多くの場合、 C の次に A、または A の次に C になっています (ハードドライブ [C] から起動するか、 フロッピー [A] から起動するかによる)。 この順序を DVD が 1 番目、 C または A を 2 番目に変更します。 この設定変更により、 コンピューターはまず最初に起動可能なメディアがないか DVD ドライブをチェックするようになります。 DVD ドライブに起動可能なメディアが見つからない場合には、 2 番目になっているハードドライブかフロッピードライブをチェックします。
変更を保存してから BIOS を終了します。 詳細については、 システムに添付されているマニュアルをご覧ください。
しばらくすると、 各種の起動オプションの詳細が記載されたグラフィカルな起動画面が表示されます。 1 分内に何も操作を行わなければ、 インストールプログラムが自動的に開始されます。 この画面に表示されるオプションの詳細については、 「ブートメニュー」 を参照してください。
また、 Esc キーを押すと boot: プロンプトにアクセスできます。 「追加できる起動オプション」 で説明されているように、 ここでは起動オプションを追加で入力することができます。

重要

起動中にマウスを何回もクリックするなどの過剰な入力があると、インストーラーがインストールプロセスでキーボード入力を無視する原因になる場合があります。

7.1.2. ブートメニュー

起動用メディアにより、 数種の選択肢があるグラフィカルなブートメニューが表示されます。 60 秒内にキーを押さないと、 デフォルトの選択肢が実行されます。 デフォルトの起動を選択する場合は、 タイマーが時間切れになるのを待つか、 キーボードの Enter を押します。 デフォルト以外の選択肢を実行させたい場合は、 キーボードの矢印キーを使って該当の選択肢を強調表示させ、 Enter を押します。 特定の選択肢で起動オプションをカスタマイズしたい場合は、 Tab キーを押します。 カスタムの起動オプションを指定できる boot: プロンプトにアクセスするには、 Esc キーを押します。 詳細は 「追加できる起動オプション」 を参照してください。
起動画面

図7.1 起動画面

よく使う起動オプションとその説明については、 28章起動オプション を参照してください。
ブートメニューの選択肢を以下に示します。
Install or upgrade an existing system (インストールまたは既存システムのアップグレード)
この選択肢がデフォルトになります。 グラフィカルなインストールプログラムを使用してコンピューターシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合にはこの選択肢を実行します。
Install system with basic video driver (基本のビデオドライバーでシステムをインストール)
インストールプログラムでビデオカード用の適切なドライバーが読み込めない場合でも、 この選択肢を実行すると Red Hat Enterprise Linux をグラフィカルモードでインストールすることができます。 Install or upgrade an existing system の選択肢を実行すると画面が歪んでしまったり何も表示されない場合には、 コンピューターを再起動してこの選択肢を試してください。
Rescue installed system (インストール済みのシステムのレスキュー)
正常に起動できないインストール済みの Red Hat Enterprise Linux システムの問題を修復する場合はこの選択肢を実行します。 Red Hat Enterprise Linux は例外的に安定しているコンピューティングプラットフォームですが、 それでも起動を阻止するような問題がときどき発生することがあります。 このレスキュー環境には、 こうした多様な問題を修復できるようにするユーティリティプログラムが含まれています。
Boot from local drive
最初にインストールしたディスクからシステムを起動します。 誤ってインストールディスクから起動した場合、 この選択肢を使用してインストーラーは開始せずハードディスクからの起動を行います。

注記

インストールを中止する場合は、 Ctrl+Alt+Del を押すか、 電源スイッチをオフにします。 パーティションをディスクに書き込む の画面で 変更をディスクに書き込む を選択する直前までなら、 システムに一切の変更を加えることなくいつでもインストールをを中止することができます。 この時点までなら Red Hat Enterprise Linux による永久的な変更はありません。 パーティション設定が開始されてしまってからインストールの停止を行なうと、 コンピュータが使用不能になる場合がありますので注意してください。

7.1.3. 追加できる起動オプション

DVD で起動してグラフィカルインストールを実行するのが一番簡単ですが、 場合によっては他の方法での起動が必要になることがあるかもしれません。 このセクションでは Red Hat Enterprise Linux に使用できる起動オプションについて説明します。
x86、AMD64、または Intel 64 のシステムのブートローダーにオプションを渡す場合は、 ブート時に Esc キーを押します。 boot: プロンプトが表示されます。 このプロンプトで以下に記載するブートローダーのオプションを使用します。

注記

このセクションで触れていない他の起動オプションについては、 28章起動オプション を参照してください。
  • テキストモードのインストールを行なう場合は、 インストールブートプロンプトで以下を入力します。
    linux text
  • インストールソースを指定する場合は、 linux repo= オプションを使用します。 例えば、
    linux repo=cdrom:device
    linux repo=ftp://username:password@URL
    linux repo=http://URL
    linux repo=hd:device
    linux repo=nfs:options:server:/path
    linux repo=nfsiso:options:server:/path
    上記の例の cdrom は CD または DVD ドライブを指します。 ftp は FTP によりアクセス可能な場所し、 http は HTTP によりアクセス可能な場所、 hd はハードドライブパーティション上にあるアクセス可能な ISO イメージファイル、 nfs は NFS でアクセス可能なインストールファイル群を展開させたツリー、 nfsiso は NFS でアクセス可能な ISO イメージファイルをそれぞれ指しています。
  • ISO イメージには SHA256 チェックサムが組み込まれています。 ISO イメージのチェックサム整合性を検証する場合は、 インストールブートプロンプトで以下を入力します。
    linux mediacheck
    検証を行なう ISO イメージを選択するか DVD を挿入するよう求められます。 OK を選択してチェックサム演算を実行させます。 チェックサム演算はどの Red Hat Enterprise Linux DVD 上でも実行できます。 ダウンロードした ISO イメージから作成した Red Hat Enterprise Linux DVD はいずれもこの演算の実行を行なうことを強く推奨しています。 このコマンドは、 DVD、 ハードドライブ ISO、 NFS ISO などのインストール方法で使用できます。
  • シリアルモード でインストールを実行する必要がある場合は、 以下のコマンドを入力します。
    linux console=<device>
    テキストモードのインストールの場合は次を使用します。
    linux text console=<device>
    上記のコマンドの <device> には使用しているデバイスを入れます (ttyS0、 ttyS1 など)。 例えば、linux text console=ttyS0 などです。
    シリアルターミナルが UTF-8 に対応しているなら、 そのターミナルを使用したテキストモードのインストールが最適です。 UNIX および Linux では Kermit で UTF-8 に対応しています。 Windows の場合、 Kermit '95 が適切に機能します。 UTF-8 対応していないターミナルの場合には、 インストール中、 英語のみを使用している限り機能します。 拡張シリアルディスプレイは、 起動時オプションとして utf8 コマンドをインストールプログラムに渡すと使用できます。 例えば、
    linux console=ttyS0 utf8

7.1.3.1. カーネルオプション

オプションをカーネルに渡すこともできます。 例えば、USB ストレージデバイス から anaconda インストールプログラムの更新を適用するには次を入力します。
linux updates
テキストモードのインストールの場合は次を使用します。
linux text updates
このコマンドを入力すると、 anaconda の更新を含んでいるデバイスへのパス入力を求めるプロンプトが表示されます。 ネットワークインストールを実行していてサーバー上の rhupdates/ 内にすでに更新イメージのコンテンツを配置させている場合は必要ありません。
オプションを入力したら、これらのオプションを使って起動させるため Enter を押します。
ハードウェアを認識させるために起動オプションの指定が必要な場合には、 そのオプションを書き留めておきます。 起動オプションはインストールのブートローダー設定の所で必要になります (詳細については 「x86、AMD64、および Intel 64 のブートローダーの設定」 を参照)。
カーネルオプションについての詳細は 28章起動オプション を参照してください。