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4.6. ファイルシステムの拡張

gfs2_grow コマンドを使用すると、ファイルシステムが常駐するデバイスを拡大した後に、GFS2 ファイルシステムを拡張することができます。既存の GFS2 ファイルシステム上で gfs2_grow コマンドを実行すると、新たに初期化された GFS2 ファイルシステムの拡張により、ファイルシステムの現在の終端とデバイスの終端との間の予備領域がすべて埋められます。この充填操作が終了すると、ファイルシステムのリソースインデックスが更新されます。この後に、クラスター内のすべてのノードが追加ストレージ領域を使用できるようになります。
gfs2_grow コマンドはマウント済みのファイルシステムで実行する必要がありますが、この作業を行う必要があるのはクラスター内の 1 つのノードのみです。他のノードはすべて、ファイルシステムが拡張されたことを自動的に認識して新規領域を使い始めます。

注記

mkfs.gfs2 コマンドで GFS2 ファイルシステムを作成した後はそのファイルシステムのサイズを縮小することはできません。

使用法

gfs2_grow MountPoint
MountPoint
動作を適用する GFS2 ファイルシステムを指定します。

コメント

gfs2_grow コマンドを実行する前に次の作業を行ってください。
  • ファイルシステム上の重要なデータをバックアップします。
  • df MountPoint コマンドを実行して、拡張対象のファイルシステムで使用するボリュームを決定します。
  • LVM でベースとなるクラスターボリュームの拡張を行います。LVM ボリュームの管理については 『Logical Volume Manager Administration (論理ボリュームマネージャの管理)』 を参照してください。
gfs2_grow コマンドを実行した後、ファイルシステム内で新たに拡張した領域が使用できるようになっているか df コマンドを使って確認します。

以下の例では、/mygfs2fs ディレクトリー上のファイルシステムが拡張されています。
[root@dash-01 ~]# gfs2_grow /mygfs2fs
FS: Mount Point: /mygfs2fs
FS: Device:      /dev/mapper/gfs2testvg-gfs2testlv
FS: Size:        524288 (0x80000)
FS: RG size:     65533 (0xfffd)
DEV: Size:       655360 (0xa0000)
The file system grew by 512MB.
gfs2_grow complete.

完全な使用法

gfs2_grow [Options] {MountPoint | Device} [MountPoint | Device]
MountPoint
GFS2 ファイルシステムがマウントされているディレクトリーです。
Device
ファイルシステムのデバイスノードです。
表4.3「ファイルシステムを拡張する際に使用できる GFS2 固有のオプション」 では、GFS2 ファイルシステムを拡張する際に使用できる GFS2 固有のオプションについて説明しています。

表4.3 ファイルシステムを拡張する際に使用できる GFS2 固有のオプション

オプション説明
-hヘルプ、使用法について短いメッセージを表示
-q非表示、出力表示を少なくする
-r MegaBytes新規のリソースグループサイズを指定、デフォルトサイズは 256 MB
-Tテスト、計算だけを行いディスクへのデータ書き込みおよびファイルシステムの拡張などは行いません
-Vコマンドのバージョン情報を表示