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26.2.2. カーネルダンプ設定ユーティリティの使用

カーネルダンプの設定 ユーティリティを起動するには、パネルから システム管理カーネルクラッシュダンプ を選択するか、シェルプロンプトで system-config-kdump を入力します。すると、図26.1「基本設定」 に示したウィンドウが表示されます。
このユーティリティにより、kdump を設定したり、ブート時のサービス起動を有効化/無効化したりすることができます。設定が完了したら、適用 をクリックして、変更を保存します。システムの再起動が要求され、認証済みでない場合には、スーパーユーザーのパスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。

重要

システムに十分なメモリーがなければ、このユーティリティは起動せず、エラーメッセージが表示されます。最小のメモリー要件については、Red Hat Enterprise Linux Technology capabilities and limits comparison chart (バージョン比較) の 『Required minimums (最小メモリ容量)』 のセクションを参照して下さい。kdump クラッシュリカバリが有効化されている場合、最小のメモリー要件は、クラッシュリカバリに確保されているメモリー容量の分が増えます。この値はユーザーによって決定され、デフォルトでは 128 MB に物理メモリー 1 TB ごとに 64 MB を加えたものとなります (つまり、物理メモリーが 1 TB のシステムでは、合計 192 MB になります) 。

26.2.2.1. サービスの有効化

ブート時に kdump デーモンを起動するには、ツールバー上の Enable (有効にする) のボタンをクリックします。これにより、ランレベル 2345 に対してサービスが有効となり、現行セッションで起動されます。同様に、Disable (無効にする) のボタンをクリックすると、サービスがすべてのランレベルに対して無効となり、直ちに停止されます。
ランレベルとサービス設定全般に関する詳細は 10章サービスとデーモン を参照して下さい。

26.2.2.2. 基本設定タブ

基本設定 タブでは、kdump カーネル用に確保するメモリの量を設定することができます。この設定を行うには、Manual kdump memory settings (手動の kdump メモリーセッティング) のラジオボタンを選択し、New kdump Memory (新規の kdump メモリー) フィールドの横にある上向き/下向きの矢印ボタンをクリックして値を増減します。この値に応じて Usable Memory (使用可能なメモリ) フィールドが変わり、システムが使用可能な残りのメモリ容量が表示される点に注意して下さい。
基本設定

図26.1 基本設定

26.2.2.3. ターゲットセッティング タブ

Target Settings (ターゲットセッティング) タブでは、vmcore ダンプのターゲットロケーションを指定することができます。これは、ローカルシステムにファイルとして格納、デバイスに直接書き込み、NFS (Network File System) または SSH (Secure Shell) のプロトコルを使用したネットワーク上で送信のいずれかを選択することができます。
ターゲットの設定

図26.2 ターゲットの設定

ダンプをローカルファイルシステムに保存するには、Local filesystem (ローカルファイルシステム) のラジオボタンを選択します。オプションとして、Partition (パーティション) プルダウンリストから異なるパーティションを選択したり、Path (パス) プルダウンリストからターゲットディレクトリを選択して、設定をカスタマイズすることができます。
ダンプをデバイスに直接書き込むには、Raw device (生デバイス) のラジオボタンを選択し、横にあるプルダウンリストから希望のターゲットデバイスを選択します。
リモートマシン上にダンプを格納するには、Network (ネットワーク) のラジオボタンを選択します。NFS プロトコルを使用するには、NFS のラジオボタンを選択し、Server name (サーバー名)Path to directory (ディレクトリへのパス) のフィールドに必要事項を記入します。SSH プロトコルを使用するには、SSH のラジオボタンを選択し、サーバー名ディレクトリへのパス、及び User name (ユーザー名) のフィールドにリモートサーバーのアドレス、ターゲットディレクトリ、有効なリモートユーザー名をそれぞれ記入します。SSH サーバーの設定法とキーベースの認証の仕方についての詳細には、12章OpenSSH を参照して下さい。
現在サポートされているターゲットの完全な一覧は、表26.1「サポートされている kdump ターゲット」 を参照して下さい。

表26.1 サポートされている kdump ターゲット

タイプ サポートされているターゲット サポートされていないターゲット
生 (Raw) デバイス ローカルで添付されたすべての生デバイスとパーティション
ローカルファイルシステム 直接接続されているディスクドライブ、ハードウェア RAID 論理ドライブ、LVM デバイス、および mdraid アレイ上にある ext2ext3ext4minixbtrfsxfs のファイルシステム この表で明示的にサポート対象とされていないローカルファイルシステム。auto タイプ (自動ファイルシステム検出) を含む。
リモートディレクトリ IPv4 上で NFS または SSH プロトコルを使用してアクセスされるリモートディレクトリ NFS プロトコルを使用してアクセスされる rootfs ファイルシステム上のリモートディレクトリ
iBFT (iSCSI Boot Firmware Table) が利用されていない場合に、ソフトウェアイニシエーター上で iSCSI プロトコルを使用してアクセスされるリモートディレクトリ ソフトウェアイニシエーター上で iBFT を利用した iSCSI プロトコルを使用してアクセスされるリモートディレクトリ
ハードウェアイニシエーター上で iSCSI プロトコルを使用してアクセスされるリモートディレクトリ
IPv6 上でアクセスされるリモートディレクトリ
SMB/CIFS プロトコルを使用してアクセスされるリモートディレクトリ
FCoE (Fibre Channel over Ethernet) プロトコルを使用してアクセスされるリモートディレクトリ
ワイヤレスネットワークインターフェイスを使用してアクセスされるリモートディレクトリ
マルチパスベースのストレージ

26.2.2.4. フィルタリングセッティング タブ

Filtering Settings (フィルタリングセッティング) タブでは、vmcore ダンプのフィルターレベルを選択することができます。
フィルタリングセッティング

図26.3 フィルタリングセッティング

ダンプから ゼロページキャッシュページキャッシュプライベートユーザーデータ、または フリーページ を除外するには、該当するラベルの横にあるチェックボックスにチェックマークを付けます。

26.2.2.5. エキスパートセッティング タブ

Expert Settings (エキスパートセッティング) タブでは、使用するカーネルや初期 RAM ディスクを選択したり、カーネル及びコアコレクタープログラムに渡されるオプションをカスタマイズすることができます。
エキスパートセッティング

図26.4 エキスパートセッティング

異なる初期 RAM ディスクを使用するには、Custom initrd (カスタム initrd) のラジオボタンを選択して、その横にあるプルダウンリストから任意の RAM ディスクを選びます。
別のカーネルをキャプチャーするには、Custom kernel (カスタムカーネル) のラジオボタンを選択して、その右側にあるプルダウンリストから任意のカーネルイメージを選びます。
ブート時にカーネルに渡されるオプションのリストを調整するには、Edited (編集済み) のテキストフィールドの内容を編集します。Refresh (更新) ボタンをクリックすると、いつでも変更を元に戻すことができる点に注意して下さい。
kdump がコアダンプの作成に失敗した際に実行する動作を選択するには、デフォルトの動作 プルダウンリストから該当するオプションを選びます。利用可能なオプションには、rootfs をマウントして /sbin/init を実行 (デフォルトの動作)、reboot (システムを再起動)、shell (ユーザーにインタラクティブなシェルプロンプトを提示)、halt (システムを停止)、および poweroff (システムの電源を切断) があります。
makedumpfile コアコレクターに渡されるオプションをカスタマイズするには、Core collector (コアコレクタ) のテキストフィールドを編集します。詳しくは、「コアコレクターの設定」 をご覧下さい。