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Red Hat Training
A Red Hat training course is available for Red Hat Enterprise Linux
C.5. ランレベルと X
Red Hat Enterprise Linux インストーラーは、ほとんどの場合 ランレベル 5 として知られるグラフィカルなログイン環境にブートするようマシンを設定します。ただし、ランレベル 3 と呼ばれるテキストのみのマルチユーザーモードにブートして、そこから X セッションを始めることも可能です。
次項からは、X がランレベル 3 及び 5 で起動する方法を確認します。ランレベルの詳細については、「デフォルトのランレベルの設定」 を参照して下さい。
C.5.1. ランレベル 3
ランレベル 3 で実行している場合に X セッションを開始する最良の方法は、ログインして、
startx
と入力することです。startx
コマンドは、xinit
コマンドのフロントエンドで、X サーバー (Xorg
) を起動して、それに X クライアントアプリケーションを接続します。ユーザーはすでにランレベル 3 でシステムにログインしているため、startx
はディスプレイマネージャーの起動やユーザーの認証を行うことはありません。ディスプレイマネージャーの詳細については、「ランレベル 5」 を参照して下さい。
startx
コマンドが実行されると、ユーザーのホームディレクトリにある.xinitrc
ファイルを探して、デスクトップ環境、場合によっては実行する他の X クライアントアプリケーションも定義します。.xinitrc
ファイルがない場合は、代わりにシステムデフォルトの/etc/X11/xinit/xinitrc
ファイルを使用します。- その後、デフォルトの
xinitrc
スクリプトは、次のようなユーザー定義のファイルとデフォルトのシステムファイルを検索します。ユーザーのホームディレクトリにある.Xresources
、.Xmodmap
、.Xkbmap
、及び/etc/X11/
ディレクトリにあるXresources
、Xmodmap
、Xkbmap
です。Xmodmap
及びXkbmap
ファイルが存在する場合、それらはキーボードを設定するxmodmap
ユーティリティにより使用されます。Xresources
ファイルは、特定の設定値をアプリケーションに割り当てるために読み取られます。 - 上記のオプションの設定後、
xinitrc
スクリプトは/etc/X11/xinit/xinitrc.d/
ディレクトリにあるすべてのスクリプトを実行します。このディレクトリにある重要なスクリプトはxinput.sh
であり、デフォルトの言語などの設定を行います。 xinitrc
スクリプトはユーザーのホームディレクトリにある.Xclients
の実行を試行します。それがない場合は、/etc/X11/xinit/Xclients
の実行を試みます。Xclients
ファイルの目的は、デスクトップ環境、場合によっては簡易なウィンドウマネージャーのみを起動することです。ユーザーのホームディレクトリにある.Xclients
スクリプトは.Xclients-default
ファイルにあるユーザー指定のデスクトップ環境を起動します。.Xclients
がユーザーのホームディレクトリに存在していない場合は、標準の/etc/X11/xinit/Xclients
スクリプトは、最初に GNOME、次に KDE、続いてtwm
と、異なるデスクトップ環境の起動を試みます。
ランレベル 3 で実行している場合、X セッションの終了後、ユーザーはテキストモードのユーザーセッションに戻されます。