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5.4. リソースのメタオプション

リソース固有のパラメーターの他にも追加のリソースオプションを設定することができます。オプションはリソースの動作を決定するためクラスターによって使用されます。表5.3「リソースのメタオプション」 に詳細を示します。

表5.3 リソースのメタオプション

フィールドデフォルト説明
priority
0
すべてのリソースを実行できない場合は優先度の高いリソースの実行を維持するため低い方のリソースを停止します
target-role
Started
維持するリソースの状態、使用できる値:
* Stopped - リソースの強制停止
* Started - リソースの起動を許可 (多状態リソースの場合マスターには昇格されません)
* Master - リソースの起動を許可、また適切であれば昇格されます
is-managed
true
クラスターによるリソースの起動と停止を許可または許可しない、使用できる値: truefalse
resource-stickiness
0
リソースをそのノードに留まらせる優先度の値
requires
Calculated
リソースの起動を許可する条件
以下の条件の場合を除き fencing にデフォルト設定、可能な値:
* nothing - クラスターによるリソースの起動を常に許可
* quorum - 設定されているノードの過半数がアクティブな場合にのみクラスターによるこのリソースの起動を許可、stonith-enabledfalse に設定されている、またはリソースの standardstonith に設定されている場合はこのオプションがデフォルト
* fencing -設定されているノードの過半数がアクティブで 且つ 障害が発生しているノードや不明なノードの電源がすべてオフになっている場合にのみ、クラスターによるこのリソースの起動を許可
* unfencing - 設定されているノードの過半数がアクティブで 且つ 障害が発生しているノードや不明なノードの電源がすべてオフになっている場合にのみ アンフェンス が行われたノードに 限定 してこのリソースの起動を許可、フェンスデバイスに provides=unfencing stonith メタオプションが設定されていた場合はこれがデフォルト値 (provides=unfencing stonith メタオプションの詳細は 「ストレージベースのフェンスデバイスをアンフェンスを使って設定する」 を参照)
migration-threshold
INFINITY (無効)
任意のノードでの指定リソースの失敗回数、この回数を越えるとそのノードでの指定リソースのホストは不適格とする印が付けられる (migration-threshold オプションの設定は 「障害発生のためリソースを移動する」 を参照)
failure-timeout
0 (無効)
migration-threshold オプションと併用、障害は発生していなかったとして動作するまでに待機させる秒数、リソースの実行に失敗したノードで再度そのリソースの実行を許可する可能性がある (failure-timeout オプションの設定は 「障害発生のためリソースを移動する」 を参照)
multiple-active
stop_start
リソースが複数のノードで実行していることが検出された場合にクラスターに行わせる動作、使用できる値:
* block - リソースに unmanaged のマークを付ける
* stop_only - 実行しているインスタンスをすべて停止する (これ以上の動作は行わない)
* stop_start - 実行中のインスタンスをすべて停止してから一ヶ所でのみ起動する
リソースオプションのデフォルト値を変更する場合は次のコマンドを使用します。
pcs resource defaults options
例えば、次のコマンドでは resource-stickiness のデフォルト値を 100 にリセットしています。
# pcs resource defaults resource-stickiness=100
pcs resource defaultsoptions パラメーターを省略すると現在設定しているリソースオプションのデフォルト値の一覧を表示します。次の例では resource-stickiness のデフォルト値を 100 にリセットした後の出力を示しています。
# pcs resource defaults
resource-stickiness:100
リソースのメタオプションのデフォルト値をリセットしていたかいないかによって、リソース作成の際に特定リソースのリソースオプションをデフォルト以外の値に設定することができます。リソースのメタオプションの値を指定する時に使用する pcs resource create コマンドの形式を以下に示します。
pcs resource create resource_id standard:provider:type|type [resource options] [meta meta_options...]
例えば、次のコマンドでは resource-stickiness の値を 50 に設定したリソースを作成しています。
# pcs resource create VirtualIP ocf:heartbeat:IPaddr2 ip=192.168.0.120 cidr_netmask=24 meta resource-stickiness=5O
また、次のコマンドを使用すると既存のリソース、グループ、クローン作成したリソース、マスターリソースなどのリソースメタオプションの値を作成することもできます。
pcs resource meta resource_id | group_id | clone_id | master_id  meta_options
次の例では、既存の dummy_resource と言うリソースに failure-timeout メタオプションの値を 20 秒に設定しているコマンドの例を示します。これにより 20 秒でリソースが同じノード上で再起動試行できるようになります。
# pcs resource meta dummy_resource failure-timeout=20s 
上記のコマンドを実行した後、failure-timeout=20s が設定されているか確認するためリソースの値を表示させることができます。
# pcs resource show dummy_resource
 Resource: dummy_resource (class=ocf provider=heartbeat type=Dummy)
  Meta Attrs: failure-timeout=20s
  Operations: start interval=0s timeout=20 (dummy_resource-start-timeout-20)
              stop interval=0s timeout=20 (dummy_resource-stop-timeout-20)
              monitor interval=10 timeout=20 (dummy_resource-monitor-interval-10)
リソースの clone メタオプションについては 「リソースのクローン」 を参照してください。リソースの master メタオプションについては 「多状態のリソース: 複数モードのリソース」 を参照してください。