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5.13. Quorum disk の設定

注記

Quorum-disk のパラメーター及びヒューリスティックは、サイトの環境及び必要となる特別な要件によって異なります。quorum-disk のパラメーター及びヒューリスティックの使用について理解するには、qdisk(5) の man ページを参照してください。Quorum disk の理解と使用にサポートが必要な場合は、Red Hat 認定サポート担当者までご連絡ください。
以下のコマンドを使用して、quorum disk を使用するためにシステムを設定します:
ccs -h host --setquorumd [quorumd options]
「以前の設定を上書きするコマンド」 に記載されているように、このコマンドは、--setquorumd オプションで設定したその他のプロパティをすべて、デフォルト値にリセットする点に注意してください。
表5.1「Quorum disk のオプション」 は、設定する必要のある quorum disk のオプションの意味を要約しています。quorum disk のパラメーターの完全な一覧は /usr/share/cluster/cluster.rng にあるクラスタースキーマと /usr/share/doc/cman-X.Y.ZZ/cluster_conf.html にある注釈付きスキーマを参照してください。

表5.1 Quorum disk のオプション

パラメーター 説明
interval 秒単位の読み取り/書き込みサイクルの頻度
votes 十分に高いスコアがある時に quorum デーモンが cman に広告する投票数
tko ノードが dead と宣言されるまでにミスするサイクル数
min_score ノードが「生存」と見なされるための最低限スコア。スコアが省略されている場合や「0」にセットされていると、デフォルトの関数である floor((n+1)/2) が使用されます。n はヒューリスティックのスコアの合計です。Minimum Score の値は、ヒューリスティックのスコアの合計を超過してはいけません。超過した場合は、quorum disk は利用できません。
device quorum デーモンが使用するストレージデバイスです。このデバイスは全てのノードで同一でなければなりません。
label mkqdisk ユーティリティで作成される quorum disk のラベルを指定します。このフィールドにエントリがある場合は、ラベルは Device フィールドを上書きします。このフィールドが使用されると、 quorum デーモンは /proc/partitions を読み取り、見付かった全てのブロックデバイス上の qdisk 署名をチェックし、指定されたラベルと比較します。これは quorum デバイス名がノード間で異なる場合の設定に役立ちます。
以下のコマンドを使用して quorum disk のヒューリスティックを設定します:
ccs -h host --addheuristic [heuristic options]
表5.2「Quorum disk のヒューリスティック」 はセットする必要がある quorum disk のヒューリスティックの意味を要約しています。

表5.2 Quorum disk のヒューリスティック

パラメーター 説明
program このヒューリスティックが利用可能か判断する際に使用されるプログラムへのパス。/bin/sh -c で実行可能なものなら何でも構いません。戻り値が 0 の場合は成功で、それ以外の値は失敗を意味します。このパラメーターは quorum ディスクを使用するために必要です。
interval ヒューリスティックが投票される頻度 (秒数) です。いずれのヒューリスティックもデフォルトの間隔は 2 秒です。
score このヒューリスティックのウェイトです。ヒューリスティックのスコアを決定する時には注意が必要です。各ヒューリスティックのデフォルトのスコアは 1 です。
tko ヒューリスティックが利用不可能と宣言されるまでの連続する失敗数。
システムで設定されている quorum disk のオプションとヒューリスティックの一覧を表示するには、以下のコマンドを実行します:
ccs -h host --lsquorum
ヒューリスティックオプションで指定したヒューリスティックを削除するには、以下のコマンドを実行します:
ccs -h host rmheuristic [heuristic options]
「クラスタノード群への設定ファイルの伝播」 に説明してあるように、クラスターの全コンポーネントの設定を終了した時点で、クラスター設定ファイルを全てのノードに対して同期する必要がある点に注意してください。

注記

同期とアクティベートにより、更新されたクラスター設定ファイルの伝播とアクティベートが行われます。ただし、quorum disk が動作するには、クラスターを再起動する必要があります (「クラスターの起動と停止」 を参照)。これで、各ノードで qdiskd デーモンを確実に再起動できます。