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第5章 仮想化

Red Hat Enterprise Linux 6.5 の仮想化の更新では、ライブ移行やエラー報告、ハードウェアおよびソフトウェアの互換性などのエリアで多くのバグ修正が行われました。さらに、パフォーマンスおよび全般的な安定性に関する改善が実装されました。これらのなかで最も重要なものは、以下の通りです。

5.1. KVM

VMDK イメージファイルフォーマットのサポート改善

Red Hat Enterprise Linux 6.5 には、仮想マシンディスク (VMDK) や、多くの VMware 製品が作成するサブフォーマットを含むイメージファイルフォーマットへの読み込み専用サポートの数多くの改善点が含まれています。

Windows ゲストエージェントの完全サポート

Windows ゲストエージェントが完全対応となり、virtio-win ドライバーと合わせて Supplementary チャンネルで独自のインストーラーが提供されます。

VHDX イメージファイルフォーマットのサポート

Red Hat Enterprise Linux 6.5 には、Hyper-V 仮想ハードディスク (VHDX)や、Microsoft Hyper-V が作成するイメージフォーマットへの読み込み専用サポートが含まれます。

QEMU での GlusterFS のネイティブサポート

QEMU での GlusterFS のネイティブサポートでは、ローカルでマウントされた FUSE ファイルシステムではなく、libgfapi ライブラリを使用した GlusterFS ボリュームへのネイティブアクセスが可能になります。このネイティブアプローチにより、かなりのパフォーマンス改善がなされます。

ライブ仮想マシンの外部バックアップのサポート

ホスト上で稼働するサードパーティのアプリケーションが読み取り専用形式のゲストイメージコンテンツにアクセスできるようになり、ファイルをコピーしてバックアップが実行可能となります。

Linux ゲストの CPU ホットプラグ

CPU のホットプラグ/アンプラグ が Linux ゲスト上の QEMU ゲストエージェントでサポートされています。ゲスト稼働中に CPU を有効/無効化することができるので、ホットプラグ/アンプラグ機能と同じようになります。

qemu-ga-win 上で VSS サポートを使った Microsoft Windows でのアプリケーション認識の freeze および thaw

VSS (ボリュームシャドウコピーサービス) は Microsoft Windows API で、その機能の一つはアプリケーションの適切かつ一貫性のある freeze および thaw 操作の通知を可能にすることです。この機能により、仮想マシンが稼働中に取られたスナップショットはスタック全体 (ブロック層からゲストアプリケーションまで) で一貫性が保たれ、バックアップに使用できます。詳細は、仮想化管理ガイド を参照してください。

qemu-ga フックを使用した Linux 上でのアプリケーション認識の freeze および thaw

Windows VSS バージョンと同様に、ゲスト上で稼働する QEMU ゲストエージェントにアタッチするスクリプトを使用してアプリケーションで一貫性のあるスナップショットが作成できます。これらのスクリプトはアプリケーションに通知を行い、このアプリケーションが freeze もしくは thaw の操作中にデータをディスクにフラッシュします。これにより一貫性のあるスナップショットが作成できます。

VMware OVF および Citrix Xen ゲストの KVM ゲストへの変換

virt-v2v 変換ツールはアップストリームバージョンにアップグレードされ、VMware Open Virtualization Format (OVF) および Citrix Xen ゲストの KVM への変換をサポートします。

KVM メモリスケーラビリティーの拡張

単一ゲスト内での KVM 仮想メモリのスケーラビリティーは、4TB に拡張されました。

Microsoft Windows ゲスト内からのボリュームコントロールのサポート

ユーザーは、Microsoft Windows XP ゲスト上で AC'97 コーデックを使ってボリュームレベルを完全にコントロールできます。

5.2. Microsoft Hyper-V

Microsoft Hyper-V 準仮想化ドライバー

Microsoft Hyper-V 上での Red Hat Enterprise Linux サポートを強化するため、Synthetic Video Frame Buffer Driver が Red Hat Enterprise Linux 6.5 に追加されました。さらに、ホストとゲスト間のシグナルプロトコルが更新されました。詳細は、仮想化管理ガイド を参照してください。

5.3. VMware

VMware プラットフォームドライバーの更新

VMware ネットワークの準仮想化ドライバーが最新のアップストリームバージョンに更新されました。