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インストールガイド

Red Hat Enterprise Linux 6

Red Hat Enterprise Linux 6.9 のインストール方法 (全アーキテクチャー向け)

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概要

本ガイドでは、 Red Hat Enterprise Linux 6.9 のインストールプログラム (anaconda) を起動して Red Hat Enterprise Linux 6.9 をインストールする方法について説明しています。対象システムは 32 ビットおよび 64 ビットの x86 システム、64 ビットの Power Systems サーバー、IBM System z になります。また、 キックスタート を使ったインストール、PXE インストール、VNC 経由によるインストールなど、高度なインストール方法についても解説しています。後半では、インストール後の一般的な作業やインストールに関する問題のトラブルシューティングなどについて記載しています。

第1章 Red Hat Enterprise Linux の取得

Red Hat サブスクリプションをお持ちの場合は Red Hat カスタマーポータルのソフトウェアとダウンロードセンターで Red Hat Enterprise Linux 6.9 の インストール用 DVD の ISO イメージファイル をダウンロードすることができます。まだサブスクリプションをお持ちでない場合はご購入いただくか https://access.redhat.com/downloads のソフトウェアとダウンロードセンターで無料の評価版サブスクリプションをダウンロードしてください。
以下の表では、 起動用とインストール用それぞれのメディアの作成に必要なイメージファイルをアーキテクチャーごとに示します。

表1.1 インストール用メディアと起動用メディア

アーキテクチャーインストール用 DVD起動用 CD または DVD起動用 USB フラッシュドライブ
variant とは Red Hat Enterprise Linux の種類です。例えば serverworkstation などになります。version とは最新のバージョン番号です。例えば 6.5 などになります。
BIOS ベース 32-bit x86x86 DVD ISO イメージファイルrhel-variant-version-i386-boot.isorhel-variant-version-i386-boot.iso
UEFI ベース 32-bit x86なし 
BIOS ベース AMD64 と Intel 64x86_64 DVD ISO イメージファイル (64-bit のOSをインストールする場合)、x86 DVD ISO イメージファイル (32-bit のOSをインストールする場合)rhel-variant-version-x86_64boot.iso または rhel-variant-version-i386-boot.isorhel-variant-version-x86_64boot.iso または rhel-variant-version-i386-boot.iso
UEFI ベース AMD64 と Intel 64x86_64 DVD ISO イメージファイルrhel-variant-version-x86_64-boot.isoefidisk.img (x86_64 DVD ISO イメージファイルより抽出)
POWER (64-bit のみ)ppc DVD ISO イメージファイルrhel-server-version-ppc64-boot.isoなし
System zs390 DVD ISO イメージファイルなしなし
既にサブスクリプションまたは評価版サブスクリプションをお持ちの場合は、以下の手順に従って Red Hat Enterprise Linux 6.9 の ISO イメージファイルを取得します。

手順1.1 Red Hat Enterprise Linux ISO イメージのダウンロード

  1. カスタマーポータル https://access.redhat.com/home に行きます。ログインしていない場合はページ右側の ログイン をクリックします。プロンプトに従いアカウント認証情報を入力します。
  2. ページ上部の ダウンロード をクリックします。
  3. Red Hat Enterprise Linux をクリックします。
  4. Product VariantVersionArchitecture がそれぞれ適切な選択になっているか確認します。デフォルトでは Red Hat Enterprise Linux Serverx86_64 が選択されます。どれを選択してよいのかわからない場合は http://www.redhat.com/en/technologies/linux-platforms/enterprise-linux を参照してください。
  5. ダウンロードが可能な一覧が表示されます。最小限の Boot ISO イメージと完全インストール用の Binary DVD ISO イメージに注目してください。Boot ISO は最小限の起動用イメージでインストーラーしか含まれていません。パッケージをインストールするためのソース (HTTP、FTP サーバーなど) が必要になります。Binary DVD のダウンロードにはインストーラーと必要なパッケージの両方が含まれているので必要な設定が少なくて済みます。
    設定済み仮想マシンのイメージなど他にも利用できるイメージがありますが、これについては本ガイドの範疇を越えるため説明していません。
  6. 使用するイメージファイルを選択します。Red Hat カスタマーポータルから ISO イメージをダウンロードする方法がいくつかあります。
    • web ブラウザを使ってイメージ名をクリックしコンピューターにそのイメージをダウンロードします。
    • イメージ名を右クリックして リンクの URL をコピー などのメニューアイテムをクリックします (メニューアイテムの表示はブラウザによって異なる)。ファイルの URL がクリップボードにコピーされ、別のアプリケーションを使ってファイルをコンピューターにダウンロードすることができるようになります。インターネット接続が不安定な場合にはこの方法が役に立ちます (接続不安定のため中断されブラウザでファイル全体をダウンロードできず、またダウンロードリンクに含まれている認証キーの有効期間が短いため中断されたダウンロードプロセスの再開試行が失敗してしまうような場合)。curl などの特殊アプリケーションを使用するとカスタマーポータルからのダウンロードなど中断されたプロセスを再開することができます。つまり、ファイル全体を再度ダウンロードする必要がなく時間や回線容量を節約することができます。

      手順1.2 curl を使ってインストールメディアをダウンロードする

      1. 次のコマンドを root で実行し curl パッケージを必ずインストールしてください。
        # yum install curl
        ご使用の Linux ディストリビューションでは yum を使用していない、または Linux 自体をまったく使用していないなどの場合は curl web site から最適なソフトウェアパッケージをダウンロードしてください。
      2. ターミナルウィンドウを開きダウンロード先となるディレクトリーに移動します。次のコマンドを入力します。
        $ curl -o filename.iso 'copied_link_location'
        filename.iso にはrhel-server-6.9-x86_64-dvd.iso などカスタマーポータルで表示される ISO イメージの名前を入力します。カスタマーポータル内のダウンロードリンクには curl でダウンロードしたファイル名にも使用する追加文字が含まれているため入力には注意してください。次のパラメーターの単一引用符は付けたまま copied_link_location にはカスタマーポータルからコピーしたリンクを入力します。
        Linux ではウィンドウ内で中央ボタンをクリックするか、Shift+Insert を押すとクリップボードの内容をターミナルウィンドウに貼り付けることができます。Enter を押してコマンドを実行、ISO イメージの転送を開始します。単一引用符を使用するのはダウンロードリンクに特殊な文字が含まれていた場合などにコマンドが誤解釈をしないよう防ぐためです。

        例1.1 curl で ISO イメージをダウンロードする

        curl コマンドラインの例を示します。
        $ curl -o rhel-server-6.9-x86_64-dvd.iso 'https://access.cdn.redhat.com//content/origin/files/sha256/85/85a...46c/rhel-server-6.9-x86_64-dvd.iso?_auth_=141...7bf'
        実際のダウンロードリンクには複雑な識別子が含まれるため非常に長い記述になる点に注意してください。
      3. 転送が完了する前にインターネット接続が中断された場合はカスタマーポータル内のダウンロードページを更新し、必要であればログインし直します。新しいダウンロードリンクをコピー、先ほどと同じ curl コマンドラインパラメーターに新しいダウンロードリンクを使用します。-C - を追加して既にダウンロードしたファイルのサイズに応じて継続するポイントを自動的に確定するよう curl に指示します。

        例1.2 中断されたダウンロードを再開する

        選択した ISO イメージが一部しかダウンロードされていない場合に使用する curl コマンドラインの例を示します。
        $ curl -o rhel-server-6.9-x86_64-dvd.iso 'https://access.cdn.redhat.com//content/origin/files/sha256/85/85a...46c/rhel-server-6.9-x86_64-dvd.iso?_auth_=141...963' -C -
  7. オプションで sha256sum などのチェックサムを使用し、ダウンロード完了後にイメージファイルの整合性を検証することもできます。ダウンロード Red Hat Enterprise Linux のページのダウンロードはすべてチェックサム付きで提供されています。
    $ sha256sum rhel-server-6.9-x86_64-dvd.iso
    85a...46c rhel-server-6.9-x86_64-dvd.iso
    Microsoft WindowsMac OS X 向けにも同様のツールがあります。また、インストールの開始時にインストールプログラムを使用してメディアの検証を行うこともできます。詳細は 「起動用メディアを検証する」 を参照してください。
Red Hat カスタマーポータルからインストール用 DVD の ISO イメージファイルをダウンロードしたら次のような作業を行うことができるようになります。

第2章 メディアの作成

以下のようなタイプのインストール用メディアおよび起動用メディアを作成する場合は、本セクションの説明にしたがいます。
  • インストール用 DVD
  • インストーラーを起動させる最小限の起動用 CD または DVD
  • インストーラーを起動させる USB フラッシュドライブ

2.1. インストール用 DVD の作成

インストール用 DVD はお使いのコンピューターにインストールされている CD / DVD 書き込みソフトウェアを使用して作成します。
まず搭載されているディスク書き込みソフトウェアでイメージファイルをディスクに書き込みことができるかどうか確認してください。ほとんどのソフトウェアで行うことができるはずですが、例外となるソフトウェアも存在します。特に、Windows XP と Windows Vista に搭載されているディスク書き込み機能では DVD への書き込みはできません。また Windows XP および Windows Vista より旧式の Windows オペレーティングシステムの場合はディスクへの書き込みを行うような機能がデフォルトでは搭載されていません。つまり、Windows 7 より旧式の Windows オペレーティングシステムをインストールしている場合にはディスクへの書き込みを行うためのソフトウェアが別途必要になります。Nero Burning ROMRoxio Creator などの書き込みソフトウェアは Windows 対応で一般的なソフトウェアになるため、お使いのコンピューターにすでにインストールされている場合もあります。
Linux 対応として最も広範囲に使用されているディスク書き込みソフトウェアの BraseroK3b には ISO イメージファイルをディスクに書き込むことができる機能が搭載されています。
ISO イメージファイルから DVD を作成するための具体的な手順は、オペレーティングシステムやインストールされているディスク書き込みソフトなどによりコンピューターごとに大きく異なります。DVD 書き込みに関する詳細情報については、ご使用のディスク書き込みソフトウェアの説明書を参照してください。

2.2. 最小限の起動用メディアの作成

最小限の起動用メディア とは CD、DVD、あるいは USB フラッシュドライブなどを指します。 システムを起動してインストールプログラムを開始するためのソフトウェアを収納していますが、 Red Hat Enterprise Linux インストールを作成するためにシステムに転送しなければならないソフトウェアは収納していません。
最小限の起動用メディアの使用例
  • ネットワーク経由の Red Hat Enterprise Linux インストールを行なうためシステムを起動する
  • ハードドライブから Red Hat Enterprise Linux インストールを行なうためシステムを起動する
  • インストール中にキックスタートファイルを使用する (「キックスタート起動用メディアの作成」 参照)
  • ネットワークインストールやハードドライブインストールを開始する、 または DVD インストールで anaconda の更新やキックスタートファイルを使用する
32 ビットの x86 システム、AMD64 または Intel 64 のシステム、Power Systems のサーバーなどで最小限の起動用メディアを使用したインストールプロセスを開始することができます。UEFI ファームウェアのインター フェースを備える AMD64 と Intel 64 のシステムを除き (「UEFI ベースのシステム向け最小限の USB 起動用メディア」 を参照)、最小限の起動用メディアを作成する場合の手順はいずれのシステムも同じです。
最小限の起動用メディアの作成方法 (32 ビット x86 のシステム、 BIOS ベースの AMD64 または Intel 64 のシステム、 Power Systems のサーバー)
  1. rhel-variant-version-architecture-boot.iso という名前の ISO イメージファイルをダウンロードします。これは、Red Hat Enterprise Linux 6.9 インストール用 DVD のイメージと同じ場所にあります。詳細は 1章Red Hat Enterprise Linux の取得 を参照してください。
  2. 「インストール用 DVD の作成」 に記載されているインストール用ディスクの作成と同じ手順で .iso ファイルを空の CD または DVD に書き込みます。
または、 dd コマンドを使用して .iso ファイルを USB ドライブに転送します。.iso ファイルは 200 MB 程度の大きさしかないので、特に大容量サイズの USB フラッシュドライブは必要ありません。

2.2.1. BIOS ベースのシステム向け最小限の USB 起動用メディア

警告

この手順を実行すると USB フラッシュドライブ上のデータは警告無しに破壊されます。 正しい USB フラッシュドライブを指定していること、 またそのフラッシュドライブには保存しておきたいデータが含まれていないことを必ず確認してください。
  1. USB フラッシュドライブを差し込みます。
  2. フラッシュドライブのデバイス名を確認します。メディアにボリューム名がある場合は、そのボリューム名を使って /dev/disk/by-label 内のデバイス名を探すか、findfs コマンドを使用します。
    findfs LABEL=MyLabel
    メディアにボリューム名がない、もしくはボリューム名がわからない場合は、コンピューターにメディアを接続した後 dmesg コマンドを使って探すこともできます。このコマンドを実行すると、出力の後半で複数行に渡るデバイス名が表示されるはずです (sdbsdc など)。
  3. root になります。
    su -
  4. dd コマンドを使って起動用 ISO イメージを USB デバイスに転送します。
    # dd if=path/image_name.iso of=/dev/device
    path/image_name.iso にはダウンロードした起動用 ISO イメージを入力します。device には USB フラッシュドライブのデバイス名を入力します。必ずデバイス名を指定してください (sdc など)。パーティション名 (sdc1 など) を入力しないよう注意してください。以下に例を示します。
    # dd if=~/Downloads/RHEL6.9-Server-x86_64-boot.iso of=/dev/sdc

2.2.2. UEFI ベースのシステム向け最小限の USB 起動用メディア

警告

この手順を実行すると USB フラッシュドライブ上のデータは警告無しに破壊されます。 正しい USB フラッシュドライブを指定していること、 またそのフラッシュドライブには保存しておきたいデータが含まれていないことを必ず確認してください。
Red Hat Enterprise Linux 用に最小限の USB 起動用メディアを作成する場合は、Red Hat Enterprise Linux 6.9 インストール用 DVD の images/ ディレクトリー配下にあるefidisk.img ファイルを使用してください。
  1. 1章Red Hat Enterprise Linux の取得 の手順に従い Red Hat Enterprise Linux 6.9 のインストール用 DVD の ISO イメージファイルをダウンロードします。
  2. root になります。
    su -
  3. ISO イメージファイル用にマウントポイントを作成します。
    # mkdir /mnt/dvdiso
  4. イメージファイルをマウントします。
    # mount DVD.iso /mnt/dvdiso -o loop
    DVD.iso には ISO イメージのファイル名を入力します。 例えば、RHEL6.9-Server-x86_64-DVD.iso などです。
  5. ISO イメージファイル内の efidisk.img を USB フラッシュドライブに転送します。
    # dd if=/mnt/dvdiso/images/efidisk.img of=/dev/device_name
    例を示します。
    # dd if=/mnt/dvdiso/images/efidisk.img of=/dev/sdc

    注記

    イメージファイルをデバイスに書き込む場合は dd コマンドを使用し直接書き込みを行ってください。cp を使ってファイルをコピーしたり、ファイルマネージャーを使ってファイルの転送を行うとデバイスが起動できなくなります。
  6. ISO イメージファイルをアンマウントします。
    # umount /mnt/dvdiso

2.3. USGCB (米国政府共通設定基準) 準拠のインストールイメージの作成

Red Hat Enterprise Linux 6 の scap-security-guide パッケージには特別なキックスタートファイルが含まれており、これは United States Government Configuration Baseline (USGCB) に従って強化されたシステムのインストールに使用できます。例えば、政府の規制によってこの基準への準拠が義務付けられた場合などにこれは便利です。
このキックスタート設定は、Red Hat Enterprise Linux 6 のサーバーのバリアントに使用できます。これを使用した場合、インストール後のスクリプトの一部として、OpenSCAP がシステムを自動的に USGCB 準拠に設定します。インストールが完了したら、インストール済みシステムの /root/ ディレクトリーにあるレポートで確認することができます。

注記

scap-security-guide が提供するキックスタートファイルには必要な全コマンドが含まれており、インストールが完全に自動となります。
キックスタートファイルは、インストール中に最新のベンチマークをダウンロードするためにインターネットへのアクセスを必要とすることにも注意してください。
コンプライアンスと OpenSCAP を使用した脆弱性のスキャンに関する詳細情報は、Red Hat Enterprise Linux 6 セキュリティガイド を参照してください。
キックスタートファイルを取得するには、scap-security-guide パッケージを既存の Red Hat Enterprise Linux 6 システムにインストールします。パッケージがインストールされたら、キックスタートファイルは /usr/share/scap-security-guide/kickstart/ssg-rhel6-usgcb-server-with-gui-ks.cfg に配置されます。
このファイルを取得したら、自分のホームディレクトリーにコピーし、プレーンテキストエディターを使って編集します。「キックスタートのオプション」 とファイル内のコメントを参照してください。コメントには Common Configuration Enumeration (CCE) 識別子番号について記述してあるものもあります。これについての情報は、CCE Archive を参照してください。
キックスタートファイルで変更可能な主な点は以下の通りです。
  • パッケージリポジトリーの場所 - url コマンドがこれになります。HTTP または FTP サーバー上にあるパッケージリポジトリーを使用する場合は、デフォルトの IP アドレスをパッケージリポジトリーがあるサーバーのアドレスで置き換えます。このコマンドを nfscdrom、また harddrive のいずれかで置き換えます (それぞれ NFS サーバー、光学ドライブ、ローカルハードディスクの場合)。
  • システムの言語、キーボードレイアウト、タイムゾーン - langkeyboard および timezone コマンドになります。
  • Root パスワード - rootpw コマンドになります。デフォルトでは、このキックスタートで設定される root パスワードは "server" です。新規チェックサムを生成し、変更してください。
  • ブートローダーのパスワード - bootloader --password= コマンドになります。デフォルトのパスワードは "password" です。新規チェックサムを生成し、変更してください。
  • ネットワーク設定 - network コマンドになります。デフォルトでは、DHCP を使用した自動設定が有効になっています。必要に応じて設定を調整してください。
  • パッケージの選択 - ファイルの %packages セクションを編集して、必要なパッケージとグループをインストールします。

    重要

    gitaide および openscap-utils のパッケージは常にインストールする必要があります。これらはキックスタートファイルと インストール後の OpenSCAP のシステム評価で必要になります。
  • ディスクパーティションのレイアウト - partvolgroup および logvol のコマンドになります。
    USGCB 標準は、準拠するシステムの具体的なディスクレイアウト要件を定義します。つまり、/home/tmp/var/var/log、および /var/log/audit といったデフォルトのキックスタートファイルで定義される論理ボリュームは常に別個のパーティションまたは論理ボリュームとして作成する必要があることになります。また Red Hat Enterprise Linux では、/swap 用に /boot 物理パーティションとボリュームを作成する必要もあります。これらはすべてデフォルトのキックスタートで定義されており、別個の論理ボリュームやパーティションを追加したり、デフォルトのサイズを変更したりすることができます。

    注記

    デフォルトでは、/var/log/audit ボリュームのサイズは 512 MB に過ぎません。コールの数が多いことから、このサイズは少なくとも 1024 MB に増やしておくことが強く推奨されます。
キックスタートファイルの残りの部分はそのままで使用できます。ファイルの編集が終わったら、「キックスタート起動用メディアの作成」 に進んでこれを ISO イメージに配置し、新規システムのインストールに使用します。

パート I. x86、AMD64、Intel 64 - インストールと起動

Intel および AMD の 32-bit/64-bit システム向けとなる 『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 の本パートでは、Red Hat Enterprise Linux のインストール方法およびインストール後の基本的なトラブルシューティングについて説明しています。
高度なインストールオプションについては、パートIV「高度なインストールオプション」 を参照してください。

第3章 x86 アーキテクチャーへのインストール計画

3.1. アップグレードまたはインストールの選択

現行システムを Red Hat Enterprise Linux の次のメジャーバージョンにアップグレードするには 2 通りの方法があります。以下の説明をよくお読みの上、ご使用のシステムに適した方法をご利用ください。
クリーンインストール
クリーンインストールとは、システムの全データのバックアップ、ディスクパーティションのフォーマット化、インストールメディアからの Red Hat Enterprise Linux 7 のインストール、最後にユーザーのデータ復元の順で行う方法です。

注記

Red Hat Enterprise Linux のメジャーバージョン間でアップグレードを行う場合はこの方法を推奨しています。
インプレースアップグレード
インプレースアップグレードとは、旧バージョンを残したままシステムのアップグレードを行う方法です。ご使用のシステムで使用できる移行ユーティリティーをインストールして、他のソフトウェアと同様に稼働させておく必要があります。 Red Hat Enterprise Linux では、Preupgrade Assistant で現行システムの評価を行い、アップグレード中またはその後に発生する可能性がある問題を特定します。また、システムに対し若干の修正および変更も行われます。実際にパッケージをダウンロードしてアップグレードを行うのは Red Hat Upgrade Tool ユーティリティーになります。インプレースアップグレードにはかなりのトラブルシューティングやプラニングが必要になるため、ほかに選択がない場合に限ってください。Preupgrade Assistant については 37章現在のシステムのアップグレード を参照してください。

警告

システムのクローンとなるバックアップコピーでのテストを行なわないまま実稼働中のシステムにインプレースアップグレードを適用することは絶対に避けてください。

3.2. ハードウェアの互換性について

旧システムや自作のシステムを使用している場合、ハードウェアの互換性は特に重要です。Red Hat Enterprise Linux 6.9 は、過去 2 年以内に工場生産された大半のハードウェアと互換性があります。
ただし、ハードウェアの仕様はほとんど毎日ように変化しているため、ハードウェアと 100% 互換性があることを保証するのは困難です。
要件が一貫しているのはプロセッサーです。Red Hat Enterprise Linux 6.9 は、最小でも P6 以降の Intel マイクロアーキテクチャー、Athlon 以降の AMD マイクロアーキテクチャーの 32 ビットおよび 64 ビットいずれの実装にもすべて対応しています。
サポートされているハードウェアの最新リストは以下のサイトでご参照ください。
https://hardware.redhat.com/

3.3. ハードウェア要件

Red Hat Enterprise Linux 6 のハードウェア最小要件については、Red Hat Enterprise Linux テクノロジーの機能と制限 のページを参照してください。また、このページに記載されているメモリーの最小要件では、「パーティション設定に関する推奨」 に基づいてスワップ領域を作成していることを前提としてます。(1 GB 以下の) メモリーしかなく、推奨されるスワップ領域よりも少ないものしかないシステムでは、反応が遅いという問題や、最悪の場合にはインストール後に起動できないという問題が発生する可能性があります。
x86、AMD64、および Intel 64 システムに対して Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合、インストール先として Red Hat では以下のハードウェアに対応しています。
  • SCSI、SATA、SAS など標準的な内蔵インターフェースで接続するハードドライブ
  • BIOS/ファームウェア RAID デバイス
また、ファイバーチャネルのホストバスアダプターおよびマルチパスデバイスにも対応します。ハードウェアによってはベンダー提供のドライバーが必要な場合があります。
Red Hat では USB ドライブや SD メモリーカードへのインストールはサポートしていません。
Red Hat では、以下のような仮想化技術を利用するインストールにも対応しています。
  • Xen ブロックデバイス、Intel のプロセッサーで Xen の仮想マシン
  • VirtIO ブロックデバイス、Intel のプロセッサーで KVM の仮想マシン

3.4. RAID と他のディスクデバイス

重要

Intel の BIOS RAID にインストールを行う場合、Red Hat Enterprise Linux 6 では dmraid ではなく mdraid が使用されます。BIOS RAID セットは自動的に検出され、Intel ISW メタデータを含むデバイスが dmraid ではなく mdraid として認識されます。mdraid でのデバイスのデバイスノード名と dmraid でのデバイスノード名とは異なるため注意してください。このため、Intel の BIOS RAID を搭載したシステムの移行を行う際は特別の注意が必要です。
デバイスノードパスを使ってデバイスを参照する /etc/fstab/etc/crypttab、その他の設定ファイルに対してローカルな変更を加えても Red Hat Enterprise Linux 6 では役に立ちません。このため、移行を行う前に、こうしたファイルのデバイスノードパスの部分をデバイスの UUID に置換するためファイルを編集する必要があります。デバイスの UUID は blkid コマンドを使って探します。

3.4.1. ハードウェア RAID

RAID (Redundant Array of Independent Disks) を使用すると、複数のドライブで構成される 1 つのグループまたはアレイを単一のデバイスとして動作させることができます。インストールを開始する前に、コンピューターのメインボードで提供される RAID 機能をすべて設定するか、またはコントローラーカードを接続しておいてください。アクティブな RAID アレイはそれぞれ Red Hat Enterprise Linux 内では 1 つのドライブとして表示されます。
複数のハードドライブを持つシステム上では、Red Hat Enterprise Linux を設定することで複数のドライブを 1 つの Linux RAID アレイとして動作させることができます。追加のハードウェアは必要としません。

3.4.2. ソフトウェア RAID

RAID 機能が専用のハードウェアではなく、オペレーティングシステムによって制御される Linux ソフトウェア RAID アレイを作成する際、Red Hat Enterprise Linux のインストールプログラムを使用することができます。詳細は 「カスタムレイアウトの作成、またはデフォルトレイアウトの変更」 で説明しています。

3.4.3. FireWire と USB ディスク

FireWire や USB ハードドライブの中には、 Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは認識できないものがあります。 インストール時にこのようなディスクを設定する必要がなければ、 混乱を避けるため接続しないようにしてください。

注記

外付けの FireWire と USB のハードディスクはインストール後でも接続と設定ができます。ほとんどのタイプが自動で認識され、接続後に使用可能となります。

3.5. UEFI 対応に関する注意点

3.5.1. 機能サポート

Red Hat Enterprise Linux 6.9 では AMD64 および Intel 64 のシステムの場合 (x86_64)、BIOS、UEFI ファームウェアの両方に対応しています。UEFI ベースのシステムに対応する場合は次のような制限があります。
  • UEFI Specification 2.0 またはそれ以降に対応していなければなりません。これより古いリビジョンには対応していません。
  • Secure Boot テクノロジーには対応していないため、このテクノロジーにより Red Hat Enterprise Linux のインストールが阻止されます。UEFI Specification 2.2 またはそれ以降を使用するシステムで Red Hat Enterprise Linux 6.9 をインストールして稼働させる場合は Secure Boot 機能を無効にしておく必要があります。
UEFI 2.0 またはそれ以降を使用しているシステムで Secure Boot 機能を無効にしていれば問題なく Red Hat Enterprise Linux をインストールして起動することができます。ただし、該当する UEFI 仕様の全機能に対応するわけではないため注意してください。
UEFI の仕様に関する詳細は http://www.uefi.org/specifications を参照してください。

3.5.2. UEFI のシステムで MBR のディスクドライブを使用する

UEFI ファームウェアを搭載するシステムには GUID パーティションテーブル (GPT) を含むディスクが必要になります。マスターブートレコード (MBR または msdos とも呼ばれる) ラベルの付いたディスクに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、ディスクのラベルを付け直す必要があります。つまり、MBR パーティションのディスク上に現在あるパーティションを再利用することはできません。また、このディスク上にあるデータは全て失われることになります。Red Hat Enterprise Linux をインストールする前に、このドライブ上にあるデータはすべて必ずバックアップをとっておいてください。
GUID パーティションテーブルが必要とされるのは、起動ドライブ、つまりブートローダーのインストール先となるディスクのみです。他のドライブはマスターブートレコードでラベル付けして、そのパーティションレイアウトを再利用することができます。
UEFI のシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールし、マスターブートレコードを含むドライブを使用する方法がいくつかあります。
  • 既存の Linux システムにドライブを接続し、partedfdisk などのユーティリティーを使ってドライブに GPT ラベルを作成します。たとえば、parted を使って /dev/sdc ディスクに GPT ラベルを作成する場合は次のコマンドを使用します。
    # parted /dev/sdc mklabel gpt

    警告

    ドライブの指定をまちがわないよう注意してください。ディスクのラベルを付け直すとそのディスク上の全データが破棄されることになります。parted からデータ破棄の確認が求められることはないので注意してください。
  • 自動キックスタートインストールを実行し、clearpart コマンドと zerombr コマンドを使用します。UEFI ファームウェアを使用している場合は、起動ドライブでこのコマンドを使用すればラベルが付け直されて GPT ラベルになります。
  • グラフィカルユーザーインターフェースで手動インストールを行う際、パーティション設定の画面で行います。カスタムパーティション設定 以外 のオプションを選択します (すべての領域を使用する など)。 パーティションのレイアウトをレビューまたは修正する のチェックボックスに印を付け をクリックします。
    次の画面で自動的に作成されたレイアウトをニーズに合わせて修正します。終わったら をクリックすると、 Anaconda によりレイアウトが使用されドライブラベルの付け直しが自動的に行われます。

3.6. 十分なディスク領域の確保

最近のオペレーティングシステムはほとんど ディスクパーティションを使用しており、Red Hat Enterprise Linux も例外ではありません。Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合、ディスクパーティションに関する作業が必要となる場合があります。今までディスクパーティションに関する作業をしたことがない (または基本概念を簡単に復習したい) 場合は、まず先に 付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux で使用されるディスク領域は、 Windows、OS/2、または Linux の別のバージョンなど、システムにインストールしている他の OS で使用されているディスク領域とは別々にする必要があります。x86、AMD64、Intel 64 のシステムの場合、少なくとも 2 つのパーティション (/swap) を Red Hat Enterprise Linux 専用にしてください。
インストールのプロセスを開始する前に、以下の点を確認してください。
  • Red Hat Enterprise Linux のインストール用に十分な パーティション未設定[1] のディスク領域があること。または、
  • 削除しても構わないパーティションが 1 つまたは複数あること。このパーティションのディスク領域を解放して、Red Hat Enterprise Linux をインストールします。
「パーティション設定に関する推奨」 に記載されているパーティションの推奨サイズを参照し、実際に必要な領域を確認してください。
これらの条件を満たしているかよくわからない場合、または Red Hat Enterprise Linux インストール用に空き領域を確保する方法を知りたい場合は、付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。

3.7. インストール方法の選択

使用するインストール方法を選択します。以下のインストール方法があります。
DVD
DVD ドライブと Red Hat Enterprise Linux DVD があればこの方法を使用できます。 DVD からのインストール方法については 「DVD からのインストール」 を参照してください。
インストール用 DVD 以外のメディアからインストールを起動した場合は、linux askmethod または、 linux repo=cdrom:device:/device などの起動オプションを使用してインストールソースの DVD を指定します。または Installation Method メニューで Local CD/DVD を選択してインストールソースの DVD を指定することもできます (「インストール方法」 を参照)。
ハードドライブ
Red Hat Enterprise Linux の ISO イメージをローカルのハードドライブにコピーしている場合はこの方法を使用します。起動用の CD-ROM が必要になります (linux askmethod または linux repo=hd:device:/path の起動オプションを使用)。 または、Installation Method のメニュー (「インストール方法」 を参照) で Hard drive を選択します。 ハードドライブからのインストール方法については 「ハードドライブからのインストール」 を参照してください。
NFS
Red Hat Enterprise Linux の ISO イメージまたはミラーイメージを使って NFS サーバーからインストールを行う場合にこの方法を使用します。起動用の CD-ROM が必要になります (linux askmethod または linux repo=nfs:server :options:/path の起動オプションを使用するか、「インストール方法」 に記載されている Installation Method のメニューで NFS directory オプションを選択する)。ネットワークからのインストール方法については 「NFS 経由のインストール」 を参照してください。 NFS インストールは GUI モードでも実行できます。
URL
HTTP/HTTPS (Web) サーバーまたは FTP サーバーから直接インストールする場合にこの方法を使用します。起動用の CD-ROM が必要となります (linux askmethodlinux repo=ftp://user:password@host/pathlinux repo=http://host/path などの起動オプションを使用する、 linux repo=https://host/path 起動オプションを使用する、 または 「インストール方法」 に記載されている Installation Method のメニューで URL オプションを選択する)。 FTP、 HTTP、 HTTPS からのインストール方法については、「FTP、HTTP、HTTPS 経由のインストール」 を参照してください。
ディストリビューション DVD から起動し、別のインストールソースを指定する askmethod を使用しなかった場合、その DVD から次のステージが自動的に読み込まれます。「言語の選択」 の手順に進みます。

注記

Red Hat Enterprise Linux インストール用 DVD から起動すると、インストールプログラムにより次の手順はそのディスクから読み込まれます。先に進む前にそのディスクをドライブから取り出さない限り、選択したインストール方法にかかわらず、次の手順はそのディスクから読み込まれることになります。パッケージデータ については、 ユーザーが選択したソースからダウンロードされます。

3.8. 起動方法の選択

Red Hat Enterprise Linux を起動する方法はいくつかあります。
DVD からインストールする場合は、 Red Hat Enterprise Linux 製品を購入していること、 また Red Hat Enterprise Linux 6.9 の DVD が手元にあり、DVD からの起動に対応する DVD ドライブがシステムに搭載されていなければなりません。インストール用の DVD を作成する方法については 2章メディアの作成 を 参照してください。
DVD/CD-ROM ドライブから起動できるよう BIOS の変更が必要になる場合があります。BIOS の変更については 「x86、 AMD64、および Intel 64 システムでのインストールプログラムの起動」 を参照してください。
インストール用 DVD 以外にも、起動可能な CD や USB フラッシュドライブなどに格納した 最小限の起動用メディア を使っても Red Hat Enterprise Linux のインストールプログラムを起動することができます。最小限の起動用メディアからシステムを起動したら、ローカルのハードドライブやネットワーク上の別のインストールソースを使ってインストールを完了させます。起動用の CD や USB フラッシュドライブの作成方法については 「最小限の起動用メディアの作成」を参照してください。
また、PXE (preboot execution environment) サーバーからネットワーク経由でインストーラーを起動することもできます。30章インストールサーバーの設定 を参照してください。ここでも同様に、システムを起動したらローカルハードドライブやネットワーク上などにある別のインストールソースからインストールを完了させます。


[1] パーティション未設定のディスク領域とは、インストールしようとしているハードドライブ上で使用できるディスク領域がまだデータ用に分割されていないという意味です。ディスクにパーティション設定すると、各パーティションは別個のディスクドライブのように動作します。

第4章 インストールの準備

4.1. ネットワークからのインストールの準備

注記

ネットワークベースのインストールを実施している場合は、ご使用のホストパーティションのドライブにインストール用 DVD (またはその他の種類の DVD や CD) がないことを確認してください。DVD または CD がドライブに入っていると、予想外のエラーが生じる可能性があります。
CD、DVD、または USB などのストレージデバイスで起動用メディアが使用できる状態になっているか確認します。
ネットワークからのインストール (NFS、FTP、HTTP、HTTPS のいずれかを経由) またはローカルのストレージを使ったインストールで Red Hat Enterprise Linux インストール用メディアが使用できる状態になっていなければなりません。NFS、FTP、HTTP、HTTPS のいずれかでインストールを行う場合は以下の手順に従ってください。
ネットワーク経由のインストールに使用する NFS、FTP、 HTTP、 HTTPS などのサーバーはネットワークアクセスが可能な独立サーバーでなければなりません。 また、 サーバーはインストール用 DVD-ROM の全コンテンツを提供できなければなりません。

注記

anaconda には、 インストールメディアの整合性を検証する機能が備わっています。 DVD、ハードドライブに配置した ISO、 NFS 経由でアクセスする ISO などを使ったインストール方法の場合に使用できます。インストールの開始前、 またインストール関連のバグを報告しようとしている場合はその前に (報告されているバグの多くは実際には不適切に書き込まれた DVD が原因です)、 すべてのインストール用メディアの検証を行なうことを推奨しています。 検証を行なう場合は、 boot: プロンプトで次のコマンドを入力します。
linux mediacheck

注記

FTP、NFS、HTTP、HTTPS 経由でインストールファイルにアクセスする場合に使用するパブリックディレクトリはネットワークサーバー上のローカルのストレージにマッピングされます。 例えば、ネットワークサーバー上にあるローカルのディレクトリ /var/www/inst/rhel6.9 には http://network.server.com/inst/rhel6.9 でアクセスすることができます。
以下の例では、インストールファイルを格納するインストールステージングサーバー上のディレクトリは /location/of/disk/space として示しています。FTP、NFS、HTTP、HTTPS を介して一般に公開されるディレクトリは /publicly_available_directory として示しています。 例えば、 /var/isos という名前でディレクトリを作成した場合、 このディレクトリが /location/of/disk/space になります。 また、HTTP インストール用に /var/www/html/rhel6.9 を用意したならこれが /publicly_available_directory になります。
以下では ISO イメージが必要になります。ISO イメージとは、DVD の内容の完全なコピーを収納しているファイルです。DVD から ISO イメージを作成するには以下のコマンドを使用します。
dd if=/dev/dvd of=/path_to_image/name_of_image.iso
dvd は DVD ドライブデバイス、name_of_image は作成する ISO イメージファイルに与える名前です。path_to_image は作成した ISO イメージの格納先となる場所へのパスです。
インストールステージングサーバーとして動作する Linux インスタンスにインストール用 DVD のファイルをコピーする場合は、「FTP、HTTP、および HTTPS インストールの準備」 または 「NFS インストールの準備」 いずれかの手順をお読みください。

4.1.1. FTP、HTTP、および HTTPS インストールの準備

警告

Apache web サーバーまたは tftp FTP サーバーの設定により SSL セキュリティが有効になる場合は TLSv1 プロトコルのみ有効にしてください。POODLE SSL 脆弱性 (CVE-2014-3566) を回避するためSSLv2SSLv3 は必ず無効にしてください。 安全性を確保するため Apache を使用する場合は https://access.redhat.com/solutions/1232413tftp を使用する場合は https://access.redhat.com/solutions/1234773 をそれぞれ参照してください。
インストール用 DVD の ISO イメージからファイルを抽出し、FTP、HTTP、または HTTPS を介して共有するディレクトリに配置します。
次に、このディレクトリが FTP、 HTTP、 HTTPS などを介して共有されているか、またクライアントからアクセスできるか確認します。まずディレクトリがサーバー自体からアクセスできるかどうかのテストを行い、次に同じサブネット上にあるインストール対象のマシンからアクセスできるかどうかのテストを行います。

4.1.2. NFS インストールの準備

NFS インストールの場合は ISO イメージからすべてのファイルを抽出する必要はありません。ISO イメージと install.img ファイル、オプションとして product.img ファイルが NFS 経由のネットワークサーバーで利用できるようにしておけば十分です。
  1. NFS でエクスポートしたディレクトリに ISO イメージを転送します。Linux システム上で以下を実行します。
    mv /path_to_image/name_of_image.iso /publicly_available_directory/
    path_to_image は ISO イメージファイルへのパス、name_of_image は ISO イメージファイルの名前です。publicly_available_directory は、NFS 経由でアクセスできるディレクトリーまたは NFS 経由でアクセス可能にする予定のディレクトリーです。
  2. SHA256 checksum プログラムを使用して、コピーした ISO イメージが変更されていない完全な状態かどうかを確認します。各種のオペレーティングシステムを対象とした SHA256 checksum プログラムが数多くあります。Linux システムでは以下を実行します。
    $ sha256sum name_of_image.iso
    name_of_image には ISO イメージのファイル名を入力します。SHA256 checksum プログラムを実行すると ハッシュ と呼ばれる 64 文字の文字列が表示されます。このハッシュを Red Hat カスタマーポータルの ダウンロード ページに表示されるイメージ固有のハッシュと比較します (1章Red Hat Enterprise Linux の取得 を参照)。ハッシュの文字列がまったく同一にならなければなりません。
  3. images/ ディレクトリを ISO イメージ内から ISO イメージファイル自体を格納した同じディレクトリにコピーします。以下のコマンドを実行します。
    mount -t iso9660 /path_to_image/name_of_image.iso /mount_point -o loop,ro
    cp -pr /mount_point/images /publicly_available_directory/
    umount /mount_point
    ここで、path_to_image は ISO イメージファイルのパスであり、name_of_image は ISO イメージの名前で、mount_point は、イメージからファイルをコピーしている間にイメージをマウントするマウントポイントです。例えば以下のとおりです。
    mount -t iso9660 /var/isos/RHEL6.iso /mnt/tmp -o loop,ro
    cp -pr /mnt/tmp/images /var/isos/
    umount /mnt/tmp
    ISO イメージファイルと images/ ディレクトリが、同一ディレクトリ内に並んで表示されます。
  4. images/ ディレクトリに少なくとも install.img ファイルが格納されていることを確認します。このファイルがないとインストールを継続できません。また、images/ ディレクトリには product.img ファイルも格納してください。このファイルがない場合は、パッケージグループの選択をする段階で 最小限 のインストール用パッケージしか利用できなくなります (「パッケージグループの選択」 を参照)。

    重要

    images/ ディレクトリに必要なファイルは、install.img および product.img のみです。
  5. ネットワークサーバー上の /etc/exports ファイルに公開するディレクトリのエントリーが存在することを確認してください。これにより、そのディレクトリは NFS 経由で利用可能になります。
    ディレクトリを特定のシステムに読み取り専用でエクスポートするには、以下を使用します。
    /publicly_available_directory client.ip.address (ro)
    ディレクトリをすべてのシステムに読み取り専用でエクスポートするには、以下を使用します。
    /publicly_available_directory * (ro)
  6. ネットワークサーバー上で NFS デーモンを開始します (Red Hat Enterprise Linux システム上では、/sbin/service nfs start を使用)。NFS がすでに実行中の場合は、設定ファイルを再ロードします (Red Hat Enterprise Linux システムでは、/sbin/service nfs reload を使用)。
  7. Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド』に記載の手順に従って NFS 共有のテストを必ず行なってください。NFS サーバーの開始と停止についての詳細については NFS のドキュメントを参照してください。

注記

anaconda には、 インストールメディアの整合性を検証する機能が備わっています。 DVD、ハードドライブに配置した ISO、 NFS 経由でアクセスする ISO などを使ったインストール方法の場合に使用できます。インストールの開始前、 またインストール関連のバグを報告しようとしている場合はその前に (報告されているバグの多くは実際には不適切に書き込まれた DVD が原因です)、 すべてのインストール用メディアの検証を行なうことを推奨しています。 検証を行なう場合は、 boot: プロンプトで次のコマンドを入力します。
linux mediacheck

4.2. ハードドライブからのインストールの準備

注記

ハードドライブのインストールは、ext2、ext3、ext4、または FAT のいずれかのファイルシステムからしか行えません。これ以外のファイルシステムでフォーマットしたハードドライブは、Red Hat Enterprise Linux のインストールソースとして使用することはできません。
Windows オペレーティングシステムのハードドライブパーティションのファイルシステムをチェックするには、ディスク管理 (Disk Management) ツールを使用します。Linux オペレーティングシステムのハードドライブパーティションのファイルシステムをチェックするには、fdisk ツールを使用します。

重要

LVM (論理ボリューム管理) で制御しているパーティション上では ISO ファイルは使用できません。
DVD ドライブまたはネットワーク接続を使用せずに Red Hat Enterprise Linux をシステムにインストールするにはこのオプションを使用します。
ハードドライブインストールには、以下のファイルを使用します。
  • インストール用 DVD の ISO イメージ。ISO イメージとは DVD のコンテンツの完全なコピーを格納するファイルです。
  • ISO イメージから抽出した install.img ファイル。
  • オプションとして、ISO イメージから抽出した product.img ファイル。
ハードドライブにこれらのファイルがあると、インストールプログラムをブートする時にインストールソースとして ハードドライブ を選択できます (「インストール方法」 を参照)。
CD、DVD、または USB などのストレージデバイスで起動用メディアが使用できる状態になっているか確認します。
インストールソースとしてハードドライブを準備するには、以下の手順に従います。
  1. Red Hat Enterprise Linux のインストール用 DVD から ISO イメージを取得します (1章Red Hat Enterprise Linux の取得 を参照)。または、物理メディア上に DVD が存在する場合、Linux システムで 以下のコマンドを使用するとそのイメージを作成することができます。
    dd if=/dev/dvd of=/path_to_image/name_of_image.iso
    dvd は DVD ドライブデバイス、name_of_image は作成する ISO イメージファイルに与える名前です。path_to_image は作成した ISO イメージの格納先となる場所へのパスです。
  2. ISO イメージをハードドライブに転送します。
    ISO イメージは必ずハードドライブ上に配置してください。 つまり、 Red Hat Enterprise Linux をインストールするコンピューターの内部にあるハードドライブ、 または USB でそのコンピューターに接続しているハードドライブのいずれかになります。
  3. SHA256 checksum プログラムを使用して、コピーした ISO イメージが変更されていない完全な状態かどうかを確認します。各種のオペレーティングシステムを対象とした SHA256 checksum プログラムが数多くあります。Linux システムでは以下を実行します。
    $ sha256sum name_of_image.iso
    name_of_image には ISO イメージのファイル名を入力します。SHA256 checksum プログラムを実行すると ハッシュ と呼ばれる 64 文字の文字列が表示されます。このハッシュを Red Hat カスタマーポータルの ダウンロード ページに表示されるイメージ固有のハッシュと比較します (1章Red Hat Enterprise Linux の取得 を参照)。ハッシュの文字列がまったく同一にならなければなりません。
  4. images/ ディレクトリを ISO イメージ内から ISO イメージファイル自体を格納した同じディレクトリにコピーします。以下のコマンドを実行します。
    mount -t iso9660 /path_to_image/name_of_image.iso /mount_point -o loop,ro
    cp -pr /mount_point/images /publicly_available_directory/
    umount /mount_point
    ここで、path_to_image は ISO イメージファイルのパスであり、name_of_image は ISO イメージの名前で、mount_point は、イメージからファイルをコピーしている間にイメージをマウントするマウントポイントです。例えば以下のとおりです。
    mount -t iso9660 /var/isos/RHEL6.iso /mnt/tmp -o loop,ro
    cp -pr /mnt/tmp/images /var/isos/
    umount /mnt/tmp
    ISO イメージファイルと images/ ディレクトリが、同一ディレクトリ内に並んで表示されます。
  5. images/ ディレクトリに少なくとも install.img ファイルが格納されていることを確認します。このファイルがないとインストールを継続できません。また、images/ ディレクトリには product.img ファイルも格納してください。このファイルがない場合は、パッケージグループの選択をする段階で 最小限 のインストール用パッケージしか利用できなくなります (「パッケージグループの選択」を参照)。

    重要

    images/ ディレクトリに必要なファイルは、install.img および product.img のみです。

注記

anaconda には、 インストールメディアの整合性を検証する機能が備わっています。 DVD、ハードドライブに配置した ISO、 NFS 経由でアクセスする ISO などを使ったインストール方法の場合に使用できます。インストールの開始前、 またインストール関連のバグを報告しようとしている場合はその前に (報告されているバグの多くは実際には不適切に書き込まれた DVD が原因です)、 すべてのインストール用メディアの検証を行なうことを推奨しています。 検証を行なう場合は、 boot: プロンプトで次のコマンドを入力します。
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第5章 システム仕様一覧

サポートされているハードウェアの最新リストは、https://hardware.redhat.com/ にあります。
インストールプログラムはコンピューターのハードウェアを自動的に検出してインストールします。Red Hat Enterprise Linux をインストールするための最小要件 (「ハードウェアの互換性について」 を参照) をハードウェアが満たしていることを確認する必要がありますが、通常はシステムの詳細情報をインストールプログラムに指定する必要はありません。
ただし、特定タイプのインストールを実行している場合、一部の具体的な詳細情報が役に立つか、または必須になる場合があります。
  • カスタム化したパーティションレイアウトを使用する予定の場合、以下を記録しておきます。
    • モデル番号、サイズ、タイプ、およびシステムに接続されるハードドライブのインターフェース。例えば、SAT A0 上の Seagate ST 3320613AS、320 GB。SAT A1 上の Western Digital WD7500AAKS、750 GB など。これにより、パーティション設定のプロセス時に特定のハードドライブを識別できるようになります。
  • Red Hat Enterprise Linux を既存のシステム上に追加のオペレーティングシステムとしてインストールしている場合は、以下を記録しておきます。
    • システム上の既存のパーティションのマウントポイント。例えば、sda1 上にある /bootsda2 上にある /、および sdb1 上にある /home など。これにより、パーティション設定のプロセス時に特定のパーティションを識別できるようになります。
  • ローカルハードドライブ上のイメージからインストールする予定の場合:
    • ハードドライブとイメージを格納しているディレクトリ
  • ネットワーク位置からインストールする場合、または iSCSI ターゲット上でインストールする予定の場合:
    • システム上のネットワークアダプターの製造元とモデル番号 (例: Netgear GA311)。これにより、ネットワークを手動で設定する際にアダプターを識別できるようになります。
    • IP、DHCP、および BOOTP アドレス
    • ネットマスク
    • ゲートウェイの IP アドレス
    • 単数または複数のネームサーバー IP アドレス (DNS)
    上記のネットワークに関する要件や用語が不明な場合は、ネットワーク管理者にお問い合わせください。
  • ネットワーク位置からインストールを行なう場合:
  • iSCSI ターゲット上でインストールする場合:
    • iSCSI ターゲットの場所。ネットワークによっては、CHAP のユーザー名とパスワード、また場合によっては、リバース CHAP ユーザー名とパスワードも必要になる場合があります– 「高度なストレージオプション」を参照してください。
  • Intel iSCSI リモートブートを使ってインストールを行う場合:
    • 接続された iSCSI ストレージデバイスはすべて無効にする必要があります。そうしないと、インストールは成功しても、インストール済みシステムは起動しません。
  • コンピューターがドメインの一部である場合:
    • ドメイン名が DHCP サーバーによって指定されることを確認する必要があります。指定がない場合は、インストール時にドメイン名を手動で入力する必要があります。

第6章 Intel および AMD システム上でのインストール時のドライバーの更新

ほとんどの場合、 Red Hat Enterprise Linux にはシステムを構成するデバイス用のドライバーが既に含まれています。 しかし、 かなり最近にリリースされたハードウェアが搭載されている場合、 そのハードウェア用のドライバーはまだ含まれていない可能性があります。 新しいデバイスのサポートを提供するドライバー更新が Red Hat やハードウェアの製造元から ドライバーディスク の形で入手できる場合があります。 ドライバーディスクには複数の rpm パッケージ が含まれています。 一般的には、 ドライバーディスクは ISO イメージファイル としてダウンロードすることができます。
インストール中にこうした新しいハードウェアを必要とすることはあまりありません。 例えば、 DVD を使用してローカルのハードドライブにインストールを行なう場合、 ネットワークカード用のドライバーが無くてもインストールは成功します。 このような場合、 まず先にインストールを完了させてから、 そのあと新しいハードウェアのサポートを追加します。 サポートを追加する方法については 「ドライバー更新の rpm パッケージ」 を参照してください。
これ以外で、特定の構成をサポートするためインストール中にデバイス用のドライバーを追加する場合もあります。例えば、システムで使用するストレージデバイスにインストーラーがアクセスできるよう、ネットワークデバイスやストレージアダプターカード用のドライバーをインストールする場合などです。次の 2 種類いずれかの方法で、インストール中にドライバーディスクを使用してサポートを追加することができます。
  1. インストーラーがアクセスできる場所に ISO イメージファイルを配置する
    1. ローカルのハードドライブ上
    2. USB フラッシュドライブ
  2. イメージファイルを以下の場所に抽出してドライバーディスクを作成する
    1. CD
    2. DVD
    ISO イメージファイルを CD または DVD に焼き付ける方法については 「インストール用 DVD の作成」 にあるインストールディスクを作成する方法を参照してください。
インストール中にドライバーの更新が必要であることが Red Hat やハードウェアの製造元、 信頼できるサードパーティーなどによって明示されている場合には、 この章で説明している方法の中からいずれか適したものを選び、 更新を行なってください。 インストールを行なう前に、 更新用のファイルの検証を行なうようにしてください。反対に、システムでドライバー更新が本当に必要であることが分かっている場合以外は、インストール中のドライバー更新は行なわないようにしてください。システム上に意図しないドライバーが存在することでサポートが複雑になる可能性があります。

6.1. インストール中にドライバーを更新する場合の制約

あいにく、特定の状況ではインストール中にドライバーを提供するドライバー更新が使用できないことがあります。
デバイスが既に使用中の場合
インストールプログラムによって既にドライバーが読み込まれてしまっている場合、 そのドライバーを差し替えるためのドライバー更新は使用できません。 まずインストールプログラムによって読み込まれたドライバーでインストールを完了してから、インストール後に新しいドライバーに更新してください。 または、 インストールプロセスで新しいドライバーが必要な場合は、 初期 RAM ディスクドライバーでの更新を考慮してください。 詳細は 「初期 RAM ディスク更新の準備」 を参照してください。
同じタイプのデバイスが複数ある場合
同じタイプのデバイスはすべて一緒に初期化されるため、インストールプログラムによって任意のデバイス用のドライバーが既に読み込まれている場合、 そのデバイスと同じタイプのデバイスのドライバーは更新できません。 例えば、 2 種類のネットワークアダプターがあり、 そのうちの一つにドライバー更新があるとします。 インストールプログラムは両方のアダプターを同時に初期化するため、 このドライバー更新は使用できません。 ここでもまず、インストールプログラムで読み込まれたドライバーでインストールを完了してから、 インストール後に新しいドライバーに更新します。 または、 初期 RAM ディスクドライバーを使った更新を行ないます。

6.2. インストール中にドライバーを更新するための準備

ハードウェア用のドライバー更新があり、 更新を行なう必要がある場合、 一般的には Red Hat やハードウェアの製造元など信頼できるサードパーティーより ISO 形式のイメージファイルで提供されます。 ドライバーの更新方法により、 インストールプログラムでイメージファイルを使用可能としておく必要があるタイプと、イメージファイルを使ってドライバー更新ディスクを作成する必要があるタイプがあります。
イメージファイルを直接使用する方法
  • ローカルのハードドライブ
  • USB フラッシュドライブ
イメージファイルから作成したドライバー更新ディスクを使用する方法
  • CD
  • DVD
ドライバーの更新方法を選択し、 「ドライバー更新用のイメージファイルを使用する準備」「ドライバー更新用の ISO ファイルを CD または DVD に書き込み更新用ディスクを準備」「初期 RAM ディスク更新の準備」 いずれか適したセクションを参照します。 USB ストレージデバイスは、 イメージファイルを使用する場合、 ドライバー更新ディスクを使用する場合、 いずれにも使用できます。

6.2.1. ドライバー更新用のイメージファイルを使用する準備

6.2.1.1. ローカルのストレージにあるイメージファイルを使用する準備

ハードドライブや USB フラッシュドライブなどローカルのストレージに ISO イメージファイルを配置する場合は、 まず更新を自動的にインストールするか手動で選択するかを決定する必要があります。
更新を手動で選択してインストールする場合には、 イメージファイルをストレージデバイスにコピーします。 ファイルの名前を変更した方がよい場合には変更しても構いませんが、 ファイルの拡張子は .iso のまま変更しないでください。 以下の例では、 dd.iso というファイル名にしています。
ドライバー更新イメージファイルを収納している USB フラッシュドライブの内容

図6.1 ドライバー更新イメージファイルを収納している USB フラッシュドライブの内容

この方法を使用する場合、 ストレージデバイスに含まれるのはファイルが一つだけである点に注意してください。 CD や DVD など、 数多くのファイルを含むドライバー更新ディスクとはこの点が異なります。 ISO イメージファイルには、 ドライバーディスクに通常存在するすべてのファイルが含まれます。
インストール中にドライバー更新を手動で選択する方法については、「インストーラーによるユーザーへのドライバー更新の確認」 および 「起動オプションを使用したドライバー更新ディスクの指定」 を参照してください。
更新を自動的にインストールする場合には、 ISO をコピーするのではなく、ストレージデバイスの root ディレクトリに抽出する必要があります。 ISO をコピーする方法が使用できるのは手動でインストールを選択する場合のみです。 また、 デバイスのファイルシステムラベルは OEMDRV に変更してください。
インストールプログラムにより、 抽出したドライバー更新ファイルの ISO が自動的にチェックされ、 検出した更新を読み込みます。 この動作は dlabel=on 起動オプションで制御され、 デフォルトで有効になっています。 「インストーラーによるドライバー更新ディスクの自動検出」 を参照してください。

6.2.2. ドライバー更新用の ISO ファイルを CD または DVD に書き込み更新用ディスクを準備

ドライバー更新ディスクは CD または DVD 上に作成することができます。

6.2.2.1. CD または DVD にドライバーの更新ディスクを作成する

重要

CD/DVD クリエーター は GNOME デスクトップの一部です。 別の Linux デスクトップや全く異なる OS を使用している場合は、 別のソフトウェアを使用して CD または DVD を作成する必要があります。 作成の手順についてはほぼ同じです。
選択したソフトウェアでイメージファイルからの CD または DVD の作成が可能かどうか確認します。 イメージファイルからの作成は、 ほとんどの CD および DVD 作成ソフトウェアで可能ですが例外もあります。 イメージから作成 または似たような名前のボタンやメニューエントリーを探してみてください。 ソフトウェアにこの機能が無い場合、または選択していない場合、作成されたディスクは中身のないイメージファイルのみになります。
  1. デスクトップファイルマネージャを使用して、Red Hat またはハードウェア製造元で提供しているドライバーディスクの ISO イメージファイルを見つけます。
    ファイルマネージャウィンドウで表示される標準的な .iso ファイル

    図6.2 ファイルマネージャウィンドウで表示される標準的な .iso ファイル

  2. このファイル上で右クリックして 書き込む を選択します。 以下のようなウィンドウが表示されます。
    CD/DVD クリエーターで表示されるダイアログ

    図6.3 CD/DVD クリエーターで表示されるダイアログ

  3. 書き込む ボタンをクリックします。 空のディスクがドライブに挿入されていないと、 ディスクを挿入するよう求められます。
ドライバー更新ディスクの CD または DVD を作成したら、 そのディスクが正常に作成されたか確認します。 システムにディスクを挿入しファイルマネージャーを使って閲覧してみます。 rhdd3 というファイルがひとつと rpms というディレクトリがひとつ見えるはずです。
CD または DVD 上の標準的ドライバー更新ディスクのコンテンツ

図6.4 CD または DVD 上の標準的ドライバー更新ディスクのコンテンツ

末尾が .iso のファイルがひとつしかない場合はディスクが正しく作成されていません。 作成しなおしてください。 GNOME 以外の Linux デスクトップや Linux 以外のオペレーティングシステムを使用している場合は、 イメージから作成 (焼き付ける) などに似たオプションを選択しているかよく確認してください。
インストール中にドライバー更新ディスクを使用する方法については 「インストーラーによるユーザーへのドライバー更新の確認」 および 「起動オプションを使用したドライバー更新ディスクの指定」 を参照してください。

6.2.3. 初期 RAM ディスク更新の準備

重要

この方法は高度な手順で、他の方法でドライバー更新を実行できない場合にのみ検討してください。
Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは、 インストールの前半で Red Hat Enterprise Linux 自体の更新を RAM ディスク から読み込むことができます (コンピューターメモリーの一部分で、 一時的にディスクのように動作する)。 この機能を利用して同じようにドライバーの更新を読み込むこともできます。 インストール中にドライバーの更新を行なう場合は、 PXE (Preboot Execution Environment) サーバーからの起動が可能であること、 またネットワーク上でそのサーバーにアクセスできなければなりません。 インストール中に PXE を使用する方法については 30章インストールサーバーの設定 を参照してください。
PXE サーバーでドライバー更新を利用可能にするには、以下の手順にしたがいます。
  1. ドライバーの更新イメージファイルをインストールサーバーに配置します。 イメージファイルは Red Hat やハードウェア製造元で指定している場所からインターネットでサーバーにダウンロードするのが一般的です。 ドライバーの更新イメージファイル名は末尾が .iso になります。
  2. ドライバーの更新イメージファイルを /tmp/initrd_update ディレクトリにコピーします。
  3. ドライバーの更新イメージファイルに dd.img の名前を付けます。
  4. コマンドラインで /tmp/initrd_update ディレクトリに移動し、 次のコマンドを入力してから Enter を押します。
    find . | cpio --quiet -o -H newc | gzip -9 >/tmp/initrd_update.img
  5. /tmp/initrd_update.img ファイルをインストールに使用したいターゲットを格納しているディレクトリにコピーします。 このディレクトリは /var/lib/tftpboot/pxelinux/ ディレクトリ配下にあります。 たとえば、 /var/lib/tftpboot/pxelinux/rhel6/ なら Red Hat Enterprise Linux 6 用の PXE ターゲットを格納しています。
  6. /var/lib/tftpboot/pxelinux/pxelinux.cfg/default ファイルを編集して、 先ほど作成した初期 RAM ディスク更新があるエントリーを以下のような形式で含めます。
    label target-dd
    kernel target/vmlinuz
    append initrd=target/initrd.img,target/dd.img
    target にインストールに使用するターゲットを入力します。
インストール中に初期 RAM ディスク更新を使用する方法については、 「ドライバー更新を含む PXE ターゲットの選択」 を参照してください。

例6.1 ドライバー更新イメージファイルを使って初期 RAM ディスク更新の準備をする

この例では、 driver_update.iso がインターネットから PXE サーバー上のディレクトリにダウンロードしたドライバーの更新イメージファイルになります。 PXE 起動するターゲットは/var/lib/tftpboot/pxelinux/rhel6/ にあります。
コマンドラインでファイルを格納しているディレクトリに移動してから次のコマンドを入力します。
$ cp driver_update.iso /tmp/initrd_update/dd.img
$ cd /tmp/initrd_update
$ find . | cpio --quiet -c -o -H newc | gzip -9 >/tmp/initrd_update.img
$ cp /tmp/initrd_update.img /var/lib/tftpboot/pxelinux/rhel6/dd.img
/var/lib/tftpboot/pxelinux/pxelinux.cfg/default ファイルを編集して次のエントリーを含めます。
label rhel6-dd
kernel rhel6/vmlinuz
append initrd=rhe6/initrd.img,rhel6/dd.img

6.3. インストール中にドライバーの更新を実施する

インストール中のドライバー更新は、 以下のような方法で行なうことができます。
  • インストーラーにドライバー更新ディスクの自動検出を行なわせる
  • インストーラーにドライバー更新のプロンプトを表示させる
  • ドライバー更新ディスクの指定に起動オプションを使用する

6.3.1. インストーラーによるドライバー更新ディスクの自動検出

インストールを開始する前に、ブロックデバイスに OEMDRV というファイルシステムラベルを付けます。 インストーラーにより自動的にデバイスがチェックされ、 検出されたドライバー更新はすべて読み込まれるため、 このプロセス中にプロンプトは表示されません。 インストーラーに検出させるストレージデバイスの準備については、 「ローカルのストレージにあるイメージファイルを使用する準備」 を参照してください。

6.3.2. インストーラーによるユーザーへのドライバー更新の確認

  1. どの方法を選択した場合でもインストールを普通に開始します。 インストールのプロセスに必須となるハードウェア用のドライバーがインストーラーで読み込めない場合 (例えば、 ネットワークやストレージのコントローラーを検出できないなど)、 ドライバー更新ディスクの 挿入を求めるプロンプトが表示されます。
    「ドライバーが見付かりません」ダイアログ

    図6.5 「ドライバーが見付かりません」ダイアログ

  2. ドライバーディスクを使用する を選択してから、 「ドライバー更新イメージファイルまたはドライバー更新ディスクの場所の指定」 を参照してください。

6.3.3. 起動オプションを使用したドライバー更新ディスクの指定

重要

この方法は完全に新しいドライバーを採用する場合にしか機能しません。既存のドライバーの更新には使用できません。
  1. インストール開始時に、 ブートプロンプトで linux dd と入力して Enter を押します。 インストーラーによりドライバー ディスクを持っているか確認するプロンプトが表示されます。
    ドライバーディスクのプロンプト

    図6.6 ドライバーディスクのプロンプト

  2. CD、 DVD、 USB フラッシュドライブなどに作成したドライバー更新 ディスクを挿入してから、 Yes を選択します。 インストーラーにより検出できるストレージデバイスがチェックされます。 ドライバーディスクを保持できる場所が 1 ヶ所のみの場合は (例えば、 DVD ドライブの存在が検出され、 これ以外のストレージデバイスは検出されない)、 その場所で検出したドライバー更新をすべて自動的に読み込みます。
    ドライバー更新を収納する場所が複数検出された場合は、更新が収納されている場所を指定するよう求められます。「ドライバー更新イメージファイルまたはドライバー更新ディスクの場所の指定」 を参照してください。

6.3.4. ドライバー更新を含む PXE ターゲットの選択

  1. コンピューターの BIOS またはブートメニューで network boot を選択します。このオプションを指定する方法についてはコンピューターの種類により大きく異なります。詳細についてはご使用のハードウェアに添付されているマニュアルをお読み頂くか、 製造元にお問い合わせください。
  2. PXE (preboot execution environment) で、PXE サーバー上で準備を整えたブートターゲットを選択します。 たとえば、 PXE サーバー上の/var/lib/tftpboot/pxelinux/pxelinux.cfg/default ファイル内で PXE 環境に rhel6-dd のラベルをつけている場合なら、プロンプトで rhel6-dd と入力して Enter を押します。
インストール中の更新に PXE を使用する方法については、 「初期 RAM ディスク更新の準備」 および 30章インストールサーバーの設定 を参照してください。 これは高度な手順となるため、 他の方法ではすべてドライバーの更新に失敗してしまうような場合以外、 この方法は行なわないようにしてください。

6.4. ドライバー更新イメージファイルまたはドライバー更新ディスクの場所の指定

インストーラーにより、 ドライバー更新を収納できるデバイスが複数検出された場合、 適切なデバイスを選択するよう求めてきます。 ドライバー更新が格納されているデバイスを表すオプションがどれかわからない場合は、 オプションを順番に試してみて正しいものを見つけます。
ドライバーディスクのソースを選択する

図6.7 ドライバーディスクのソースを選択する

選択したデバイスに適切な更新メディアが含まれていないと別の選択が求められます。
ドライバー更新ディスクを CD、 DVD、 USB フラッシュドライブのいずれかに作成した場合は、 インストーラーによるドライバー更新の読み込みが開始されます。 ただし、 選択したデバイスが複数のパーティションを持つことができるタイプのデバイスの場合 (現在、 複数のパーティションがあるかどうかには関係なく)、 ドライバー更新を収納しているパーティションを選択するよう求められる場合があります。
ドライバーディスクを収納しているパーティションを選択する

図6.8 ドライバーディスクを収納しているパーティションを選択する

ドライバー更新を含むファイルの選択が求められます。
ISO イメージを選択する

図6.9 ISO イメージを選択する

ドライバー更新を内蔵ハードドライブや USB ストレージデバイスに保存している場合は、 これらの画面が表示されます。 ドライバー更新を CD や DVD 上に保存した場合はこれらの画面は表示されないはずです。
提供するドライバー更新の形式がイメージファイルなのかドライバー更新ディスクなのかには関係なく、 該当する更新ファイルの一時ストレージエリア (ディスク上ではなくシステム RAM 上) へのコピーが開始されます。 追加のドライバー更新を使用するかどうかの確認を求められる場合があります。 Yes を選択すると、 次の更新を順番に読み込んでいくことができます。 すべてのドライバー更新の読み込みが完了し、 これ以上読み込む更新ドライバーがない場合は No を選択します。 ドライバー更新をリムーバブルメディアに保存していた場合は、 これでディスクやデバイスを安全に取り出しまたは切断できるようになります。 これ以降、 ドライバー更新は必要なくなるため、 他の目的にこのメディアを再使用しても構いません。

第7章 インストーラーの起動

7.1. インストールプログラムの起動

重要

Red Hat Enterprise Linux 6.9 では 32 ビットx86 システム向けの UEFI には対応していません。
64 ビットのシステムの場合、UEFI と BIOS の起動設定は大幅に異なります。このため、インストール済みのシステムはインストール時に使用されたファームウェアと同じものを使って起動する必要があります。BIOS を使用するシステム上でオペレーティングシステムをインストールしてから、UEFI を使用するシステム上でこのインストールを起動することはできません。
インストールプログラムを起動するには、 まずインストールに必要なリソースがすべて揃っているか確認します。 すでに 3章x86 アーキテクチャーへのインストール計画 を読んで説明に従っている場合は、 インストールを開始する準備が整っているはずです。 開始準備が整っていることを確認したら、Red Hat Enterprise Linux の DVD、または作成した起動用メディア、のいずれかを使ってインストールプログラムを起動します。

注記

ハードウェアコンポーネントの中には、 時折、 インストール中に ドライバー更新 を必要とするものがあります。 ドライバー更新により、 インストールプログラムではサポートされないハードウェアをサポートできるようになります。 詳細については 6章Intel および AMD システム上でのインストール時のドライバーの更新 を参照してください。

7.1.1. x86、 AMD64、および Intel 64 システムでのインストールプログラムの起動

次のいずれのメディアを使用してもインストールプログラムを起動することができます (システムの対応状況による)。
  • Red Hat Enterprise Linux DVD — マシンが起動可能な DVD ドライブに対応していて、 Red Hat Enterprise Linux インストール用 DVD が手元にある場合
  • ブート CD-ROM — マシンが起動可能な CD-ROM ドライブに対応していて、 ネットワークインストールまたはハードドライブインストールを行ないたい場合
  • USB フラッシュドライブ — マシンが USB デバイスからの起動に対応している場合
  • ネットワーク経由による PXE 起動 — マシンがネットワークからの起動に対応している場合 (高度なインストール方法になります。 この方法に関する詳細を 30章インストールサーバーの設定 でご覧ください)

重要

Red Hat Enterprise Linux 6.9 では 32 ビットx86 システム向けの UEFI には対応していません。
64 ビットのシステムの場合、UEFI と BIOS の起動設定は大幅に異なります。このため、インストール済みのシステムはインストール時に使用されたファームウェアと同じものを使って起動する必要があります。BIOS を使用するシステム上でオペレーティングシステムをインストールしてから、UEFI を使用するシステム上でこのインストールを起動することはできません。
以下の手順に従って Red Hat Enterprise Linux の DVD または最小限の起動用メディアからインストールプログラムを起動します。
  1. インストールに必要のない外付けの FireWire ディスクや USB ディスクは取り外してください。 詳細については 「FireWire と USB ディスク」 を参照してください。
  2. コンピューターシステムの電源を入れます。
  3. コンピューターにメディアを挿入します。
  4. 起動用メディアが挿入された状態でコンピューターの電源をオフにします。
  5. コンピューターシステムの電源を入れます。
ブート CD-ROM の作成、 および起動用またはインストール用 USB フラッシュドライブの準備については、 「最小限の起動用メディアの作成」 を参照してください。
起動用メディアを挿入してシステムを再起動します。
メディアから起動する場合、特定のキーやキーの組合せを押す必要がある場合があります。ほとんどのコンピューターでは、コンピューターの電源をオンにするとすぐ、画面上に簡単なメッセージが表示されます。一般的には「Press F10 to select boot device(ブートデバイスを選択するには F10 を押してください)」などのメッセージになります。ただし、このメッセージの言い回しや指定されるキーについてはコンピューターによって異なります。 詳細については、そのコンピューターまたはマザーボードのマニュアルを参考にするか、ハードウェア製造元または販売会社にお問い合わせください。
起動時にブートデバイスの選択ができない場合、 メディアから起動するようシステムの BIOS (Basic Input/Output System) を設定する必要があるかもしれません。
x86、AMD64、あるいは Intel 64 のシステム上で BIOS の設定を変更する場合、 コンピューターが最初に起動する時点でディスプレイに表示される指示に注意してください。 BIOS 設定に入るにはどのキーを押せばよいのかを示す 1 行のテキストが表示されます。
BIOS セットアッププログラムに入ったら、 起動順序を変更できるセクションを見つけます。 デフォルトでは多くの場合、 C の次に A、または A の次に C になっています (ハードドライブ [C] から起動するか、 フロッピー [A] から起動するかによる)。 この順序を DVD が 1 番目、 C または A を 2 番目に変更します。 この設定変更により、 コンピューターはまず最初に起動可能なメディアがないか DVD ドライブをチェックするようになります。 DVD ドライブに起動可能なメディアが見つからない場合には、 2 番目になっているハードドライブかフロッピードライブをチェックします。
変更を保存してから BIOS を終了します。 詳細については、 システムに添付されているマニュアルをご覧ください。
しばらくすると、 各種の起動オプションの詳細が記載されたグラフィカルな起動画面が表示されます。 1 分内に何も操作を行わなければ、 インストールプログラムが自動的に開始されます。 この画面に表示されるオプションの詳細については、 「ブートメニュー」 を参照してください。
また、 Esc キーを押すと boot: プロンプトにアクセスできます。 「追加できる起動オプション」 で説明されているように、 ここでは起動オプションを追加で入力することができます。

重要

起動中にマウスを何回もクリックするなどの過剰な入力があると、インストーラーがインストールプロセスでキーボード入力を無視する原因になる場合があります。

7.1.2. ブートメニュー

起動用メディアにより、 数種の選択肢があるグラフィカルなブートメニューが表示されます。 60 秒内にキーを押さないと、 デフォルトの選択肢が実行されます。 デフォルトの起動を選択する場合は、 タイマーが時間切れになるのを待つか、 キーボードの Enter を押します。 デフォルト以外の選択肢を実行させたい場合は、 キーボードの矢印キーを使って該当の選択肢を強調表示させ、 Enter を押します。 特定の選択肢で起動オプションをカスタマイズしたい場合は、 Tab キーを押します。 カスタムの起動オプションを指定できる boot: プロンプトにアクセスするには、 Esc キーを押します。 詳細は 「追加できる起動オプション」 を参照してください。
起動画面

図7.1 起動画面

よく使う起動オプションとその説明については、 28章起動オプション を参照してください。
ブートメニューの選択肢を以下に示します。
Install or upgrade an existing system (インストールまたは既存システムのアップグレード)
この選択肢がデフォルトになります。 グラフィカルなインストールプログラムを使用してコンピューターシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合にはこの選択肢を実行します。
Install system with basic video driver (基本のビデオドライバーでシステムをインストール)
インストールプログラムでビデオカード用の適切なドライバーが読み込めない場合でも、 この選択肢を実行すると Red Hat Enterprise Linux をグラフィカルモードでインストールすることができます。 Install or upgrade an existing system の選択肢を実行すると画面が歪んでしまったり何も表示されない場合には、 コンピューターを再起動してこの選択肢を試してください。
Rescue installed system (インストール済みのシステムのレスキュー)
正常に起動できないインストール済みの Red Hat Enterprise Linux システムの問題を修復する場合はこの選択肢を実行します。 Red Hat Enterprise Linux は例外的に安定しているコンピューティングプラットフォームですが、 それでも起動を阻止するような問題がときどき発生することがあります。 このレスキュー環境には、 こうした多様な問題を修復できるようにするユーティリティプログラムが含まれています。
Boot from local drive
最初にインストールしたディスクからシステムを起動します。 誤ってインストールディスクから起動した場合、 この選択肢を使用してインストーラーは開始せずハードディスクからの起動を行います。

注記

インストールを中止する場合は、 Ctrl+Alt+Del を押すか、 電源スイッチをオフにします。 パーティションをディスクに書き込む の画面で 変更をディスクに書き込む を選択する直前までなら、 システムに一切の変更を加えることなくいつでもインストールをを中止することができます。 この時点までなら Red Hat Enterprise Linux による永久的な変更はありません。 パーティション設定が開始されてしまってからインストールの停止を行なうと、 コンピュータが使用不能になる場合がありますので注意してください。

7.1.3. 追加できる起動オプション

DVD で起動してグラフィカルインストールを実行するのが一番簡単ですが、 場合によっては他の方法での起動が必要になることがあるかもしれません。 このセクションでは Red Hat Enterprise Linux に使用できる起動オプションについて説明します。
x86、AMD64、または Intel 64 のシステムのブートローダーにオプションを渡す場合は、 ブート時に Esc キーを押します。 boot: プロンプトが表示されます。 このプロンプトで以下に記載するブートローダーのオプションを使用します。

注記

このセクションで触れていない他の起動オプションについては、 28章起動オプション を参照してください。
  • テキストモードのインストールを行なう場合は、 インストールブートプロンプトで以下を入力します。
    linux text
  • インストールソースを指定する場合は、 linux repo= オプションを使用します。 例えば、
    linux repo=cdrom:device
    linux repo=ftp://username:password@URL
    linux repo=http://URL
    linux repo=hd:device
    linux repo=nfs:options:server:/path
    linux repo=nfsiso:options:server:/path
    上記の例の cdrom は CD または DVD ドライブを指します。 ftp は FTP によりアクセス可能な場所し、 http は HTTP によりアクセス可能な場所、 hd はハードドライブパーティション上にあるアクセス可能な ISO イメージファイル、 nfs は NFS でアクセス可能なインストールファイル群を展開させたツリー、 nfsiso は NFS でアクセス可能な ISO イメージファイルをそれぞれ指しています。
  • ISO イメージには SHA256 チェックサムが組み込まれています。 ISO イメージのチェックサム整合性を検証する場合は、 インストールブートプロンプトで以下を入力します。
    linux mediacheck
    検証を行なう ISO イメージを選択するか DVD を挿入するよう求められます。 OK を選択してチェックサム演算を実行させます。 チェックサム演算はどの Red Hat Enterprise Linux DVD 上でも実行できます。 ダウンロードした ISO イメージから作成した Red Hat Enterprise Linux DVD はいずれもこの演算の実行を行なうことを強く推奨しています。 このコマンドは、 DVD、 ハードドライブ ISO、 NFS ISO などのインストール方法で使用できます。
  • シリアルモード でインストールを実行する必要がある場合は、 以下のコマンドを入力します。
    linux console=<device>
    テキストモードのインストールの場合は次を使用します。
    linux text console=<device>
    上記のコマンドの <device> には使用しているデバイスを入れます (ttyS0、 ttyS1 など)。 例えば、linux text console=ttyS0 などです。
    シリアルターミナルが UTF-8 に対応しているなら、 そのターミナルを使用したテキストモードのインストールが最適です。 UNIX および Linux では Kermit で UTF-8 に対応しています。 Windows の場合、 Kermit '95 が適切に機能します。 UTF-8 対応していないターミナルの場合には、 インストール中、 英語のみを使用している限り機能します。 拡張シリアルディスプレイは、 起動時オプションとして utf8 コマンドをインストールプログラムに渡すと使用できます。 例えば、
    linux console=ttyS0 utf8

7.1.3.1. カーネルオプション

オプションをカーネルに渡すこともできます。 例えば、USB ストレージデバイス から anaconda インストールプログラムの更新を適用するには次を入力します。
linux updates
テキストモードのインストールの場合は次を使用します。
linux text updates
このコマンドを入力すると、 anaconda の更新を含んでいるデバイスへのパス入力を求めるプロンプトが表示されます。 ネットワークインストールを実行していてサーバー上の rhupdates/ 内にすでに更新イメージのコンテンツを配置させている場合は必要ありません。
オプションを入力したら、これらのオプションを使って起動させるため Enter を押します。
ハードウェアを認識させるために起動オプションの指定が必要な場合には、 そのオプションを書き留めておきます。 起動オプションはインストールのブートローダー設定の所で必要になります (詳細については 「x86、AMD64、および Intel 64 のブートローダーの設定」 を参照)。
カーネルオプションについての詳細は 28章起動オプション を参照してください。

7.2. 異なるソースからのインストール

Red Hat Enterprise Linux は、ハードディスク上に保存した ISO イメージからのインストール、 また NFS、FTP、HTTP、HTTPS などを使ったネットワークからのインストールを行なうことができます。 ハードディスクやネットワークサーバーからのデータ読み込みは DVD からの読み込みよりも高速なため、 経験豊富なユーザーはこれらの方法をよく使用します。
以下の表では、 メディアごとに使用できる起動方法と推奨インストール方法について要約しています。

表7.1 起動方法とインストールソース

起動方法インストールソース
インストール用 DVDDVD、 ネットワーク、 ハードディスク
インストール 用 USB フラッシュドライブインストール用 DVD、 ネットワーク、 ハードディスク
最小限のブート CD または USB、 レスキュー CDネットワーク、 ハードディスク
システムを起動したメディアとは別の場所からインストールを行なう方法にについては 「インストール方法の選択」 を参照してください。

7.3. PXE を使用したネットワークからの起動

PXEを使って起動するには、 サーバーが正しく設定されていなければなりません。 また、 PXE 対応のコンピューターにネットワークインターフェースが必要になります。 PXE サーバーの設定方法については 30章インストールサーバーの設定 を参照してください。
ネットワークインターフェースから起動するようコンピューターの設定を行います。 この設定は BIOS 内で行ないます。 Network Boot または Boot Services などのラベルが付いています。 PXE 起動を正しく設定すると、 他のメディアを必要としないで Red Hat Enterprise Linux インストールを起動できるようになります。
PXE サーバーからコンピューターを起動するには、
  1. ネットワークケーブルが接続されていることを確認します。 コンピューターの電源スイッチは入っていない状態であっても、 ネットワークソケットのリンク表示ライトは点灯しているはずです。
  2. コンピューターのスイッチをオンにします。
  3. メニュー画面が表示されます。 目的のオプションに相当する番号キーを押します。
PC が netboot サーバーから起動しない場合は、 正しいネットワークインターフェースから最初に起動するよう BIOS が設定されているか確認してください。 BIOS システムの中には、 ネットワークインターフェースを使用可能なブートデバイスと指定していても、 PXE 標準には対応していないものがあります。 詳細についてはご使用のハードウェアのマニュアルを参照してください。

注記

複数のネットワークインターフェースを備えるサーバーの中には、 ファームウェアインターフェースが認識している通りに eth0 を 1 番目のネットワークインターフェースに割り当てないものがあります。 これにより、 インストーラーは PXE が使用していたインターフェースとは別のネットワークインターフェースを使用しようとする可能性があります。 この動作を変更するには、 pxelinux.cfg/* 設定ファイル内で以下を使用します。
IPAPPEND 2
APPEND ksdevice=bootif
上記の設定オプションにより、 インストーラーはファームウェアインターフェースと PXE が使用するネットワークインターフェースと同じものを使用するようになります。 また、 以下のオプションも使用することもできます。
ksdevice=link
このオプションにより、 インストーラーはネットワークスイッチにリンクされているネットワークデバイスで 1 番目に検出するネットワークデバイスを使用するようになります。

第8章 言語とインストールソースの設定

グラフィカルインストールプログラムを開始する前に言語とインストールソースを設定する必要があります。

8.1. テキストモードインストールプログラムのユーザーインターフェース

重要

弊社では、 グラフィカルインターフェースを使用した Red Hat Enterprise Linux のインストールを推奨しています。 グラフィカルなディスプレイがないシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、 VNC 接続によるインストールをぜひ検討してみてください – 31章VNC を経由したインストール を参照。 anaconda では、 VNC 接続によるインストールを行なえる可能性があるシステムなのにテキストモードでインストールしようとしていることが検出されると、 テキストモードでのインストールを選択することによりインストール中の選択オプションが制限されてしまっても本当にテキストモードでのインストールを続行したいのか確認を求めるプロンプトが anaconda により表示されます。
システムにグラフィカルなディスプレイが備わっているのにグラフィカルインストールに失敗する場合は、 xdriver=vesa オプション (28章起動オプション 参照) での起動を試してください。
ローダーとそれに続く anaconda はいずれも画面ベースのインターフェースを使用します。 これにはグラフィカルなユーザーインターフェースでよく見られるオンスクリーンの 「ウィジェット」 のほとんどが含まれます。 図8.1「URL Setup (URL 設定) で表示されるインストールプログラムのウィジェット」図8.2「Choose a Language (言語の選択) で表示されるインストールプログラムのウィジェット」 では、 インストール中に画面に表示されるウィジェットを示しています。

注記

グラフィカルなインストールモードでサポートされている言語がすべてテキストモードでもサポートされているわけではありません。 特にラテン文字、 またはキリル文字以外の文字セットで書かれた言語はテキストモードでは使用できません。 テキストモードでサポートされていない文字セットで書かれた言語を選択した場合、 インストールプログラムは英語バージョンの画面を表示します。
URL Setup (URL 設定) で表示されるインストールプログラムのウィジェット

図8.1 URL Setup (URL 設定) で表示されるインストールプログラムのウィジェット

Choose a Language (言語の選択) で表示されるインストールプログラムのウィジェット

図8.2 Choose a Language (言語の選択) で表示されるインストールプログラムのウィジェット

ウィジェットには以下が含まれます。
  • ウィンドウ — ウィンドウ (このガイドでは ダイアログ と呼ばれる) は、インストール中を通して画面に表示されます。一つのウィンドウが別のウィンドウの上に重なって表示されることもあります。こうした場合、操作可能なウィンドウは、一番上のものだけになります。操作が終了するとそのウィンドウが消え、その下にあったウィンドウが操作できるようになります。
  • チェックボックス — チェックボックスを使って項目を選択したり選択を解除したりすることができます。 ボックスにはアスタリスク (* 印 - 選択されている) か空白 (選択されていない) のどちらかが表示されます。 カーソルをチェックボックスに移動させ、 Space キーを押して項目を選択したり選択を解除したりします。
  • テキスト入力 — インストール プログラムによって求められる情報を入力する領域がテキスト入力行になります。 カーソルをテキスト入力行に移動させ、 入力行に情報を入力したり、 入力されている情報の編集をしたりすることができます。
  • テキストウィジェット — テキスト表示用の画面領域がテキストウィジェットです。 テキストウィジェットには、 チェックボックスなど他のウィジェットが含まれることもあります。 表示画面領域に表示しきれないほど多くの情報がある場合は、 スクロールバーが表示されます。 カーソルをテキストウィジェット内に移動させ、 の矢印キーを使ってスクロールしながらすべての情報を見ることができます。 現在位置は、 スクロールバー上に # の文字で表示され、 スクロールと同時に上下に動きます。
  • スクロールバー — スクロールバーはウィンドウの横か下に現れ、 現在ウィンドウの枠内にある一覧またはドキュメントの表示部分をコントロールします。スクロールバーを使うとファイルのどの部分に移動するのも簡単になります。
  • ボタンウィジェット — インストールプログラムとの対話型操作の基本となります。 TabEnter キーを使用してボタンを操作しながらインストールプログラムのウィンドウからウィンドウに進んでいきます。 強調表示されているボタンが選択操作できるボタンになります。
  • カーソル (Cursor) — カーソルはウィジェットではありませんが、 特定のウィジェットで選択 (および操作) を行うために使用します。カーソルがウィジェットからウィジェットに移動すると、そのウィジェットの色が変化することがありますが、 ウィジェットの中あるいは隣に移動するだけのこともあります。図8.1「URL Setup (URL 設定) で表示されるインストールプログラムのウィジェット」 では、 カーソルが Enable HTTP proxy チェックボックス上に位置しています。 図8.2「Choose a Language (言語の選択) で表示されるインストールプログラムのウィジェット」 では、 カーソルが OK ボタン上にあります。

8.1.1. キーボードを使用した操作

インストールのダイアログ操作は、 簡単なキー操作の組合せで行ないます。 カーソルを動かすには、 の矢印キーを使用します。 Tab と、 Shift-Tab を使用すると、 画面上のウィジェット間を前向きまたは後ろ向きに移動していきます。 画面の下部には、 ほとんどの場合、 カーソル移動キーの説明が表示されています。
ボタンを「押す」操作をするには、 カーソルをそのボタン上に移動して (Tab キーを使用するなど)、 Space キーまたは Enter キーを押します。 一覧から項目をひとつ選ぶ場合は、 カーソルをその項目に移動して Enter キーを押します。 チェックボックスが付きの項目を選択するには、 カーソルをその項目のチェックボックスに移動して Space キーを押すと選択できます。 選択を解除するには、その項目の上で再度 Space を押します。
F12 キーを押せば、現在の値をそのまま採用して、次のダイアログへ進みます。これは OK ボタンを押すのと同じことになります。

警告

ダイアログボックスが入力待ち状態の時以外は、 インストール中にキーを触れないようにしてください (触れると予期しない結果を招くことがあります)。

8.2. 言語の選択

キーボードの矢印キーを使用してインストール中に使用する言語を選択します (図8.3「言語の選択」 参照)。 選択した言語が強調表示されている状態で Tab キーを押して OK ボタンに移動、 Enter キーを押して選択を確定します。
ここで選択した言語がインストール終了後にオペレーティングシステムのデフォルト言語になります。 適切な言語を選択すると、 インストール後半のタイムゾーンの設定でも役に立ちます。 インストールプログラムは、 この画面で選択した言語に基づいてタイムゾーンを定義します。
他の言語サポートを追加する場合は、 パッケージ選択の段階でインストールのカスタマイズを行います。 詳細については 「ソフトウェア選択のカスタマイズ」 を参照してください。
言語の選択

図8.3 言語の選択

適切な言語を選択したら、Next (次) をクリックして進みます。

8.3. インストール方法

最小限の起動用メディアからの起動または askmethod 起動オプションでの起動を行なった場合は、 キーボードの矢印を使用してインストール方法を選択します (図8.4「インストール方法」 を参照)。 選択した方法が強調表示されている状態で Tab キーを押してOK ボタンに移動し、 Enter キーを押して選択を確定します。
インストール方法

図8.4 インストール方法

8.3.1. DVD からのインストール

DVD から Red Hat Enterprise Linux をインストールするには、DVD ドライブに DVD を挿入して、DVD からシステムを起動します。代替のメディアから起動した場合でも DVD メディアから Red Hat Enterprise Linux をインストールすることができます。
次に、 インストールプログラムによりシステムが検査され、 DVD ドライブの認識が試行されます。 IDE (別名 ATAPI) DVD ドライブの検索から開始されます。

注記

この時点でインストールプロセスを中止する場合は、 再起動して起動用メディアを取り出します。 変更をディスクに書き込む 画面の直前までなら、 いつでもインストールを安全に取り消すことができます。 詳細については 「ディスクへの変更の書き込み」 を参照してください。
DVD ドライブが検出されず、 そのドライブが SCSI DVD の場合、 SCSI ドライバーを選択するよう求められます。 使用アダプターに最も近いドライバーを選択します。 必要であればドライバー用のオプションを指定することもできます。 ただし、 ほとんどのドライバーで SCSI アダプターは自動的に検出されます。
DVD ドライブが検出されドライバーが読み込まれると、 DVD でメディアの整合性チェックを行なうオプションが表示されます。 整合性チェックは時間がかかりますので、 この手順は省略することもできます。 ただし、 後でインストーラーに問題が発生した場合は、 サポートチームに連絡する前に、 再起動を行なってメディア整合性チェックを実行してください。 メディア整合性チェックのダイアログから、 インストールの次のステージへと進みます (「Red Hat Enterprise Linux へようこそ」 参照)。

8.3.2. ハードドライブからのインストール

Select Partition 画面は、 ディスクパーティションからインストールしている場合にのみ表示されます (つまり、 Installation Method ダイアログで Hard Drive を選択した場合)。 どのディスクパーティションとディレクトリから Red Hat Enterprise Linux をインストールするのか指定します (インストール元の指定)。 repo=hd 起動オプションを使用している場合は、 パーティション指定は完了しています。
ハードドライブインストール用のパーティション選択ダイアログ

図8.5 ハードドライブインストール用のパーティション選択ダイアログ

表示されているパーティションの一覧から ISO ファイルを収納しているパーティションを選択します。 内蔵 IDE、SATA、SCSI、および USB ドライブデバイスなどの名前は /dev/sd で始まります。 各ドライブには、 /dev/sda などそれぞれ固有の文字が与えられ、 さらにそのドライブ上にある各パーティションにも /dev/sda1 などの番号が付けられます。
また、Directory holding images も指定します。 ISO イメージファイルを収納しているディレクトリへの完全パスを入力します。 以下の表にパスの入力例をいくつか示します。

表8.1 パーティションタイプ別の ISO イメージの場所

パーティションタイプボリュームファイルへのオリジナルパス使用するディレクトリ
VFATD:\D:\Downloads\RHEL6.9/Downloads/RHEL6.9
ext2、 ext3、 ext4/home/home/user1/RHEL6.9/user1/RHEL6.9
ISO イメージがパーティションの root ディレクトリ (最上レベル) に置かれている場合は「/」と入力します。 ISO イメージがマウントしたパーティションのサブディレクトリに置かれている場合は、 そのパーティション内で ISO イメージを収納している ディレクトリ名を入力します。 例えば、 ISO イメージが置かれているパーティションが通常、 /home/ としてマウントされ、 そのイメージが /home/new/ ディレクトリ配下にある場合、 /new/ と入力します。

重要

先頭にスラッシュがないとインストールが失敗する原因となる可能性があります。
OK を選択して続行します。9章Anaconda を使用したインストール のセクションに進んでください。

8.3.3. ネットワークインストールの実行

askmethod オプションまたは repo= オプションを使用してインストールを開始すると、 FTP、HTTP、HTTPS、NFS などのプロトコルを使ったネットワークサーバーからの Red Hat Enterprise Linux のインストールを行なうことができます。 Anaconda では、 インストールの後半で行なわれる追加のソフトウェアリポジトリの参照にも同じネットワーク接続を使用します。
システムに複数のネットワークデバイスがある場合は、 anaconda によって使用可能なデバイスの全一覧が表示され、 インストール中に使用するデバイスの選択を求めるプロンプトが表示されます。 ネットワークデバイスが 1 つだけの場合は、 自動的にそれが選択されるためこのダイアログは表示されません。
ネットワークデバイス

図8.6 ネットワークデバイス

一覧内のデバイスがそれぞれどの物理ソケットに該当するのかわからない場合は、 どれか 1 つ選んで Identify ボタンを押します。 Identify NIC ダイアログが表示されます。
NIC の識別

図8.7 NIC の識別

大半のネットワークデバイスのソケットには、 アクティビティライト (別名 リンクライト)、 つまりデータがソケットを流れていることを示す時に点滅する LED が備わっています。 AnacondaNetworking Device ダイアログで選択したネットワークデバイスのアクティビティライトを最長 30 秒まで点滅させることができます。 点滅させたい秒数を入力してから OK を押します。 anaconda によるアクティビティライトの点滅が終了すると、 Networking Device ダイアログ画面に戻ります。
ネットワークデバイスを選択すると、 TCP/IP の設定方法を選択するプロンプトが表示されます。

IPv4 のオプション

動的 IP 設定 (DHCP)
Anaconda はネットワーク上で実行している DHCP を使用して、自動的にネットワーク設定を行います。
手動による設定
Anaconda は、本システムの IP アドレス、ネットマスク、ゲートウェイアドレス、DNS アドレスなどのネットワーク設定を手動で入力するようプロンプトを表示します。

IPv6 のオプション

Automatic
Anaconda はネットワーク環境に応じて、 自動設定に ルーター広告 (RA - Router Advertisement) と DHCP を使用します (NetworkManagerAutomatic オプションと同等)。
Automatic, DHCP only
Anaconda は RA を使用しません。 ただし、 ステートフル設定を構成するため直接 DHCPv6 からの情報を要求します (NetworkManagerAutomatic, DHCP only オプションと同等)。
Manual configuration
Anaconda により、システムの IP アドレス、ネットマスク、ゲートウェイアドレス、DNS アドレスなどのネットワーク設定情報の手動による入力を求めるプロンプトが表示されます。
Anaconda では IPv4 および IPv6 のプロトコルに対応しています。 ただし、IPv4 と IPv6 の両方を使用するようインターフェースを設定した場合、 IPv4 接続が正しく確立されている必要があります。 IPv6 接続が成功していても IPv4 接続が正しく確立されていないと、 インターフェースは機能しません。
TCP/IP の設定

図8.8 TCP/IP の設定

デフォルトでは、anaconda は IPv4 には「DHCP」を使用してネットワークの設定を自動的に提供し、IPv6 には「Automatic」を使用してネットワークの設定を提供します。 TCP/IP を手動で設定するよう選択した場合は、anaconda より Manual TCP/IP Configuration ダイアログに詳細情報の入力が求められます。
手動による TCP/IP 設定

図8.9 手動による TCP/IP 設定

手動設定を選択したプロトコルにより、 ダイアログには IPv4 と IPv6 のアドレスとプレフィックスのフィールドの他、 ネットワークゲートウェイやネームサーバーのフィールドも表示されます。 ネットワークの詳細を入力して OK を押します。
インストールが完了すると、 この設定がシステムに転送されることになります。

8.3.4. NFS 経由のインストール

NFS ダイアログは、 Installation Method ダイアログ内で NFS Image を選択している場合にのみ表示されます。 repo=nfs 起動オプションを使用した場合は、 既にサーバーとパスは指定されています。
NFS 設定ダイアログ

図8.10 NFS 設定ダイアログ

  1. NFS server name フィールドに NFS サーバーのドメイン名または IP アドレスを入力します。例えば、 example.com ドメインの eastcoast という名前のホストからインストールする場合は、 eastcoast.example.com と入力します。
  2. Red Hat Enterprise Linux 6.9 directory フィールドにエクスポートされるディレクトリの名前を入力します。
    • NFS サーバーで Red Hat Enterprise Linux インストールツリーのミラーをエクスポートしている場合は、 インストールツリーの root を含むディレクトリを入力します。 すべてが正しく指定されると、 Red Hat Enterprise Linux のインストールプログラムが実行を開始したことを示すメッセージが表示されます。
    • NFS サーバーで Red Hat Enterprise Linux DVD の ISO イメージをエクスポートしている場合は、 その ISO イメージを収納しているディレクトリを入力します。
    「NFS インストールの準備」 で記載のとおりに設定を行うと、エクスポートされるディレクトリは publicly_available_directory として指定したディレクトリとなります。
  3. 必要となる NFS マウントオプションがある場合には、 NFS mount options フィールドに入力します。 オプションの包括的なリストについては、 mount および nfs の man ページを参照してください。 マウントオプションが必要ない場合は空白のまま残します。

8.3.5. FTP、HTTP、HTTPS 経由のインストール

重要

インストールソースに URL を入力する場合は、 http://https://ftp:// のいずれかをプロトコルとして明示的に指定する必要があります。
URL ダイアログは、 FTP、 HTTP、 HTTPSなどのサーバーからインストールを行う場合にのみ表示されます (Installation Method のダイアログで URL を選択した場合)。 Red Hat Enterprise Linux のインストール元となる FTP、 HTTP、 HTTPS などのサーバーに関する情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。 repo=ftp、または repo=http の起動オプションを使用した場合は、 サーバーとパスは既に指定されています。
インストール元となる FTP、 HTTP、 HTTPS いずれかのサイト名または IP アドレス、 また対象アーキテクチャーの /images ディレクトリを格納しているディレクトリ名をそれぞれ入力します。 例を示します。
/mirrors/redhat/rhel-6.9/Server/i386/
安全な HTTPS 接続経由でインストールを行う場合は、 プロトコルに https:// を指定します。
プロキシサーバーのアドレスを指定します。 必要に応じてポート番号、 ユーザー名、 パスワードなどを入力します。 すべてが正常に指定されると、 ファイルがサーバーから取り込まれていることを示すメッセージボックスが表示されます。
FTP、 HTTP、 HTTPS などのサーバーでユーザー認証が必要な場合には、 以下のように URL の一部としてユーザー名とパスワードを指定します。
{ftp|http|https}://<user>:<password>@<hostname>[:<port>]/<directory>/
例えば、
http://install:rhel6.9pw@name.example.com/mirrors/redhat/rhel-6.9/Server/i386/
URL 設定ダイアログ

図8.11 URL 設定ダイアログ

8.4. メディアの検証

DVD は、メディアの整合性を検証するためのオプションを提供します。DVD メディアの作成中には焼き込みエラーが時々発生します。インストールプログラム用に選択されたパッケージのデータにエラーがあるとインストールが中止される原因になります。データエラーがインストールに影響を与える機会を最低限にするために、インストール前にメディアを検証してください。
この検証にパスすると、インストールプロセスは正常に進行します。プロセスが失敗する場合は、先にダウンロードしている ISO イメージを使用して新規の DVD を作成してください。

第9章 Anaconda を使用したインストール

この章では anaconda のグラフィカルユーザーインターフェースを使用したインストールを説明しています。

9.1. テキストモードインストールプログラムのユーザーインターフェース

重要

テキストモードでインストールしても、インストール終了後にグラフィカルインターフェースが使用できなくなる訳ではありません。
グラフィカルインストーラーのほかにも、anaconda にはテキストベースのインストーラーが含まれます。
以下の状況のいずれかが発生した場合、インストールプログラムはテキストモードを使用します。
  • インストールシステムがコンピューター上のディスプレイハードウェアの識別に失敗した場合
  • ユーザーがブートメニューからテキストモードインストールを選択した場合
テキストモードのインストールは明確には文書に記載されていませんが、テキストモードのインストールプログラムを使用した場合も、GUI のインストール手順に従うと簡単にインストールできます。ただし、テキストモードではインストールプロセスがよりシンプルで簡素化されるため、グラフィカルモードで利用できる一部のオプションはテキストモードでは使用できません。この違いについては、本ガイドのインストールプロセスの説明にあります。以下の内容が含まれます。
  • LVM、RAID、FCoE、zFCP、および iSCSI などの高度なストレージメソッドの設定
  • パーティションレイアウトのカスタマイズ
  • ブートローダーレイアウトのカスタマイズ
  • インストール時のパッケージの選択
  • Firstboot を使用したインストール済みシステムの設定
Red Hat Enterprise Linux をテキストモードでインストールするように選択した場合でも、インストール後にグラフィカルインターフェースを使用するようにシステムを設定できます。その方法については、「グラフィカルログインへの切り替え」 を参照してください。
テキストモードでは使用できないオプションを設定するには、起動オプションの使用を検討してください。例えば、linux ip オプションは、ネットワーク設定値の設定に使用することができます。手順については、「ブートメニューでインストールシステムを設定する」 を参照してください。

9.2. グラフィカルインストールプログラムのユーザーインターフェース

今までに グラフィカルユーザーインターフェース (GUI) を使用したことがあれば、この手順は既に慣れていると思います。マウスを使って画面を操作したり、ボタンをクリックする、テキストフィールドに入力するなどです。
また、 キーボードを使ってもインストール操作を行なうことができます。 Tab キーで画面内を移動し、 上下の矢印で一覧をスクロール、 +- キーで一覧を展開したり折り畳んだりします。 また、 スペース キーと Enter キーはハイライトされているアイテムを選択したり選択項目からはずしたりします。 Alt+X のキーコマンドの組合せでボタンのクリックや他の画面の選択を行なうこともできます。 X はその画面内に表示された下線付きの文字に置き換えてください。

注記

x86、AMD64、あるいは Intel 64 のシステムを使用していて GUI インストールプログラムを使用したくない場合は、 テキストモードインストールプログラムも利用できます。 テキストモードインストールプログラムを開始する場合は、 boot: プロンプトで以下のコマンドを使用します。
linux text
Red Hat Enterprise Linux のブートメニューについては 「ブートメニュー」 を参照してください。 また、 テキストモードのインストールにいては 「テキストモードインストールプログラムのユーザーインターフェース」 に簡単な概要を記載しています。
インストールは GUI インストールプログラムを使用して行なうことを強く推奨しています。 GUI インストールプログラムでは、 テキストモードのインストールでは利用できない LVM の設定など Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムの全機能を提供しています。
テキストモードのインストールプログラムを使用しなければならない場合は GUI インストールの説明をご覧ください。 必要な情報はすべて GUI インストールのセクションで説明されています。

9.2.1. インストール中のスクリーンショット

Anaconda では、 インストール中にスクリーンショットを撮ることができます。 インストール中いつでも、 Shift+Print Screen を押すと、anaconda がスクリーンショットを /root/anaconda-screenshots に保存します。
キックスタートインストールを実行する場合は、 autostep --autoscreenshot オプションを使用すると、 インストールの各手順のスクリーンショットを自動的に生成することができます。 キックスタートファイルの設定方法については、 「キックスタートファイルを作成する」 を参照してください。

9.2.2. 仮想コンソールに関する注意事項

Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムは、インストール中にダイアログボックスを表示するだけではありません。 各種診断メッセージを利用することができる他、 シェルプロンプトでコマンドを入力することもできます。 これらのメッセージはインストールプログラムによって 5 つの 仮想コンソール 上で表示されます。 キーの組み合わせを入力するだけで仮想コンソールを切替えることができます。
仮想コンソールは非グラフィカル環境でのシェルプロンプトであり、 遠隔からではなく実際の物理的なマシンからアクセスします。 複数の仮想コンソールは同時にアクセスすることができます。
これらの仮想コンソールは、Red Hat Enterprise Linux のインストール中に問題が発生した場合に役に立ちます。 インストールコンソールやシステムコンソールに表示されるメッセージは、問題を特定する上で参考になります。 仮想コンソールの一覧、 仮想コンソール切り替えのためのキー入力、 仮想コンソールが表示する内容などについては 表9.1「コンソール、キー入力、内容」 を参照してください。
インストール関連の問題を診断しようとしている場合を除いては、 一般的にはグラフィカルインストール用のデフォルトコンソール (仮想コンソール #6) から他の仮想コンソールに移動する必要はありません。

表9.1 コンソール、キー入力、内容

コンソールキー入力内容
1ctrl+alt+f1グラフィカル表示
2ctrl+alt+f2シェルプロンプト
3ctrl+alt+f3インストールログ(インストールプログラムから発行されるメッセージ)
4ctrl+alt+f4システム関連メッセージ
5ctrl+alt+f5その他のメッセージ

9.3. Red Hat Enterprise Linux へようこそ

ようこその画面では、入力は一切要求されません。
「ようこそ」の画面

図9.1 「ようこそ」の画面

ボタンをクリックして続行します。

9.4. 言語の設定

マウスを使って、 インストール中およシステムのデフォルトとして使用する言語 (例、 U.S. English) を選択します (下図を参照)。
選択したら Next (次) をクリックして続行します。
言語設定

図9.2 言語設定

9.5. キーボードの設定

マウスを使って、 インストール中およびシステムのデフォルトに使用するキーボードのレイアウトタイプ (例、 U.S. English) を選択します。(以下の表を参照)。
選択したら をクリックして進みます。
キーボードの設定

図9.3 キーボードの設定

Red Hat Enterprise Linux は多くの言語に対して複数のキーボードレイアウトに対応しています。 特に、 ほとんどのヨーロッパ言語には latin1 オプションが含まれ、 このオプションでは発音区別記号が付く文字など特定の文字にアクセスするための デッドキー を使用します。 デッドキーを押すと、 別のキーを押して文字を完成するまで何も画面には現れません。 例えば、 latin1 キーボードレイアウト上で é を入力するには、 ' キーを押し (そして離して) それから E キーを押します。 対照的に、 他のキーボードでこの文字にアクセスするには、 あるキー (Alt-Gr など) を押しながら E キーを押すことになります。 また、 ボードにはこの文字専用のキーがあるかもしれません。

注記

インストールを完了した後でキーボードのレイアウトタイプを変更する場合は、 キーボード設定ツール を使用します。
シェルプロンプトで system-config-keyboard と入力して、 キーボード設定ツール を起動します。 root になっていない場合は、 続行するため root パスワードの入力が求められます。

9.6. ストレージデバイス

Red Hat Enterprise Linux は様々な種類のストレージデバイスにインストールすることができます。 この画面では、「基本ストレージデバイス (Basic Storage Devices)」か「特殊化したストレージデバイス (Specialized Storage Devices)」のどちらかを選択することができます。
ストレージデバイス

図9.4 ストレージデバイス

基本的ストレージデバイス
基本的ストレージデバイスを選択し、以下のストレージデバイスに Red Hat Enterprise Linux をインストールします。
  • ローカルシステムに直接接続されたハードドライブまたはソリッドステートドライブ
特殊化したストレージデバイス
特殊化したストレージデバイス (Specialized Storage Devices) を選択し、以下のストレージデバイスに Red Hat Enterprise Linux をインストールします。
  • ストレージエリアネットワーク (SAN)
  • ダイレクトアクセスストレージデバイス (DASD)
  • ファームウェア RAID デバイス
  • マルチパスデバイス
特殊化したストレージデバイスオプションを選択し、iSCSI (Internet Small Computer System Interface) および FCoE (Fiber Channel over Ethernet) 接続を設定します。
基本ストレージデバイス を選択している場合は、 anaconda によりシステムに接続しているローカルのストレージが自動的に検出されるため、 これ以上何も入力する必要はありません。「ホスト名の設定」 に進んでください。

注記

インストール中には、mdeventd デーモンによる LVM およびソフトウェア RAID デバイスの監視は行われません。

9.6.1. ストレージデバイス選択の画面

ストレージデバイス選択の画面には、anaconda でアクセスできるすべてのストレージデバイスが表示されます。
ストレージデバイスの選択 — 基本デバイス

図9.5 ストレージデバイスの選択 — 基本デバイス

ストレージデバイスの選択 — マルチパスデバイス

図9.6 ストレージデバイスの選択 — マルチパスデバイス

ストレージデバイスの選択 — 他の SAN デバイス

図9.7 ストレージデバイスの選択 — 他の SAN デバイス

デバイスはタブを使ってグループ分けされています。
基本デバイス (Basic Devices)
ハードディスクドライブやソリッドステートドライブなど、ローカルのシステムに直接接続されている基本的なストレージデバイスです。
ファームウェア RAID
ファームウェア RAID コントローラーに接続されているストレージデバイスです。
マルチパスデバイス
複数のパスでアクセスできるストレージデバイス、同じシステム上にある複数のファイバーチャネルポートや SCSI コントローラーなどからアクセスが可能です。

重要

インストーラーは、16 文字か 32 文字のシリアル番号を持つマルチパスストレージデバイスしか検出しません。
他の SAN デバイス
SAN (storage area network) で利用できる他のデバイスです。
iSCSI または FCoE のストレージを設定する必要がある場合は、高度なターゲットを追加 をクリックして、 「高度なストレージオプション」 を参照してください。
ストレージデバイス選択の画面には 検索 のタブがあり、ストレージがアクセスされる場合の WWID (World Wide Identifier) か、またはポート、ターゲット、LUN (論理ユニット番号) 別などでストレージデバイスにフィルターをかけることができます。
ストレージデバイスの検索タブ

図9.8 ストレージデバイスの検索タブ

このタブにはドロップダウンメニューがあり、ポート、ターゲット、WWID、LUN (各値にそれぞれテキストボックスが付いている) 別に検索することができます。WWID または LUN 別の検索の場合、各テキストボックスに追加で値を入力する必要があります。
anaconda で検出されるデバイスの一覧が各タブに表示され、デバイスを識別しやすいようにその情報も表示されます。小さなアイコンで表されているドロップダウンメニューはコラムの見出しの右の方にあります。このメニューを使うと各デバイスで表示されるデータのタイプを選択することができます。例えば、マルチパスデバイス タブのメニューで、WWID容量ベンダー相互接続パス などを指定して、デバイスについて表示させるデータのタイプを選択することができます。表示させる情報量の増減を調節し、デバイスを識別しやすくします。
コラムの選択

図9.9 コラムの選択

1 デバイスにつき 1 行で表示され、行の左側にはチェックボックスが付きます。チェックボックスをクリックするとそのデバイスをインストール時に使用できるようになります。コラムの見出しの左側にある ラジオボタン をクリックすると、その画面に表示されているデバイスのチェックボックスをすべて全選択したり、チェックボックスの全選択を解除したりすることができます。インストールプロセスの後半では、ここで選択したデバイスのいずれかに Red Hat Enterprise Linux をインストールするか、また他の選択デバイスをインストールが完了したシステムの一部として自動的にマウントするなどの選択ができます。
ここで選択するデバイスがインストールプロセスで自動的に消去されるわけではありません。この画面上でデバイスを選択すること自体はそのデバイスに保存しているデータに対して何ら影響を与えるものではありません。ここで、インストールを完了したシステムの一部を構成するデバイスとして選択しなかった場合でも、インストール後に /etc/fstab ファイルを修正すればシステムに追加することが可能です。

重要

この画面で選択しなかったストレージデバイスはすべて anaconda では完全に表示されなくなります。別のブートローダーから Red Hat Enterprise Linux ブートローダーを チェーンロード する場合は、この画面で表示されているすべてのデバイスを選択するようにしてください。
インストール中に使用可能にするストレージデバイスを選択したら、 をクリックして 「ハードディスクの初期化」 に進んでください。

9.6.1.1. 高度なストレージオプション

この画面では、 iSCSI (TCP/IP 経由の SCSI) のターゲットや FCoE (イーサネット経由のファイバーチャンネル) の SAN (ストレージエリアネットワーク) を設定することができます。 iSCSI の詳細については 付録B iSCSI ディスク を参照してください。
高度なストレージオプション

図9.10 高度なストレージオプション

Add iSCSI target または Add FCoE SAN を選択して、Add drive をクリックします。iSCSI ターゲットを追加する場合は、オプションで Bind targets to network interfaces のチェックボックスにチェックを入れます。
9.6.1.1.1. ネットワークインターフェースの選択と設定
高度なストレージオプション 画面では、anaconda がシステムで検出したアクティブなネットワークインターフェースが表示されます。1 つも検出されない場合は、anaconda はストレージデバイスに接続するためのインターフェースをアクティベートする必要があります。
高度なストレージオプション 画面の ネットワークの設定 をクリックし、インストール中に使用するネットワークインターフェースを NetworkManager を使って設定、アクティベートします。別の方法では、ドライブ追加 をクリックした後に anacondaSelect network interface (ネットワークインターフェースを選択) ダイアログで確認します。
ネットワークインターフェースの選択

図9.11 ネットワークインターフェースの選択

  1. ドロップダウンメニューからインターフェースを選択します。
  2. OK をクリックします。
AnacondaNetworkManager を開始し、インターフェースの設定が可能になります。
ネットワークの接続

図9.12 ネットワークの接続

NetworkManager の使用方法については 「ホスト名の設定」 を参照してください。
9.6.1.1.2. iSCSI パラメーターの設定
iSCSI ターゲットを追加するには、Add iSCSI target を選択して Add drive をクリックします。
インストール用 iSCSI ストレージデバイスを使用する場合は、 anaconda で iSCSI ストレージデバイスを iSCSI ターゲットとして 検出 し、 アクセスするための iSCSI セッション を作成できなければなりません。 各手順では CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) 認証用のユーザー名とパスワードが必要な場合があります。 さらに、 iSCSI ターゲットを接続しているシステムの iSCSI イニシエーターをそのターゲットで認証できるよう設定し、 検出とセッション作成の両方を行なえるようにすることもできます (逆順 CHAP)。 CHAP と 逆順 CHAP を共に使用する場合、 相互 CHAP または 双方向 CHAP と呼ばれます。 相互 CHAP により iSCSI 接続に非常に高いレベルの安全性を確保することができます。 特に、 CHAP 認証と逆 CHAP 認証でユーザー名とパスワードが異なる場合に安全性が向上します。
iSCSI 検出と iSCSI ログインの手順を繰り返して、必要なすべての iSCSI ストレージの追加を行います。ただし、初回の検出試行後は、iSCSI イニシエーターの名前の変更はできません。iSCSI イニシエーターの名前を変更する場合は、インストールを最初からやり直す必要があります。

手順9.1 iSCSI の検出

iSCSI 探索結果の詳細 ダイアログで、anaconda に iSCSI ターゲットの検出に必要な情報を入力します。
iSCSI 探索結果の詳細ダイアログ

図9.13 iSCSI 探索結果の詳細ダイアログ

  1. ターゲット IP アドレス フィールドに iSCSI ターゲットの IP アドレスを入力します。
  2. iSCSI 修飾名 (IQN) 形式で iSCSI イニシエータ名 フィールドに iSCSI イニシエーターの名前を入力します。
    有効な IQN は以下で構成されます。
    • iqn.」の文字列 (ピリオドが必要)
    • 日付コード (企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名が登録された年と月、記述の順序は年を表す4 桁の数字、 ダッシュ記号、 月を表す 2 桁の数字、 ピリオドの順で構成。 例、 2010 年 9 月の場合は「2010-09.」)
    • 企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名 (トップレベルのドメインを先頭にして逆順で表す。 例、 storage.example.com のサブドメインは、 com.example.storage と表す。)
    • コロン (「:」) とドメイン名またはサブドメイン内でその iSCSI イニシエーターを固有に識別する文字列 (例、 :diskarrays-sn-a8675309)
    以上から、完全な IQN は iqn.2010-09.storage.example.com:diskarrays-sn-a8675309 のようになります。 anaconda では、 IQN を構成しやすいようこの形式による任意の名前がすでに iSCSI イニシエータ名フィールドに自動入力されています。
    IQN の詳細については、 http://tools.ietf.org/html/rfc3720#section-3.2.6 にある 『RFC 3720 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI)』 の 『3.2.6. iSCSI Names』 のセクションや、 http://tools.ietf.org/html/rfc3721#section-1 にある 『RFC 3721 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) Naming and Discovery』 の 『1. iSCSI Names and Addresses』 のセクションを参照してください。
  3. ドロップダウンメニューを使って、iSCSI 検出に使用する認証タイプを指定します。
    iSCSI 検出の認証

    図9.14 iSCSI 検出の認証

    • no credentials (認証情報なし)
    • CHAP pair (CHAP 秘密鍵)
    • CHAP pair and a reverse pair (CHAP 秘密鍵と逆順鍵)
    • CHAP pair (CHAP 秘密鍵) を認証タイプとして選択した場合は、 CHAP ユーザー名CHAP パスワード フィールドに iSCSI ターゲット用のユーザー名とパスワードを入力します。
      CHAP 秘密鍵

      図9.15 CHAP 秘密鍵

    • CHAP pair and a reverse pair (CHAP 秘密鍵と逆順鍵) を認証タイプとして選択した場合は、 CHAP ユーザー名CHAP パスワード フィールドに iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力し、 逆順 CHAP ユーザー名逆順 CHAP パスワード フィールドには iSCSI イニシエーターのユーザー名とパスワードを入力します。
      CHAP 秘密鍵と逆順鍵

      図9.16 CHAP 秘密鍵と逆順鍵

  4. Start Discovery (検出の開始) をクリックします。 Anaconda により入力した情報をベースに iSCSI ターゲットの検出が試行されます。 検出が成功すると、 iSCSI 探索されたノード ダイアログにターゲット上で検出された全 iSCSI ノードの一覧が表示されます。
  5. 各ノードの横にはそれぞれチェックボックスがあります。 チェックボックスをクリックしてインストールに使用するノードを選択します。
    iSCSI 探索されたノードのダイアログ

    図9.17 iSCSI 探索されたノードのダイアログ

  6. ログイン をクリックして iSCSI セッションを開始します。

手順9.2 iSCSI セッションの開始

iSCSI ノードへログイン ダイアログで、 iSCSI ターゲットのノードにログインして iSCSI セッションを開始するために必要な情報を anaconda に入力します。
iSCSI ノードへログインのダイアログ

図9.18 iSCSI ノードへログインのダイアログ

  1. ドロップダウンメニューを使って、 iSCSI セッションに使用する認証タイプを選択します。
    iSCSI セッションの認証

    図9.19 iSCSI セッションの認証

    • no credentials (認証情報なし)
    • CHAP pair (CHAP 秘密鍵)
    • CHAP pair and a reverse pair (CHAP 秘密鍵と逆順鍵)
    • Use the credentials from the discovery step (探索時から証明書を使用)
    その環境で iSCSI 検出と iSCSI セッションに同じタイプの認証、 同一のユーザー名とパスワードを使用している場合は、 Use the credentials from the discovery step (探索時から証明書を使用) を選択して、 認証情報を再利用します。
    • CHAP pair (CHAP 秘密鍵) を認証タイプとして選択した場合は、 CHAP ユーザー名CHAP パスワード フィールドに iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力します。
      CHAP 秘密鍵

      図9.20 CHAP 秘密鍵

    • CHAP pair and a reverse pair (CHAP 秘密鍵と逆順鍵) を認証タイプとして選択した場合は、 CHAP ユーザー名CHAP パスワード フィールドに iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力し、 逆順 CHAP ユーザー名逆順 CHAP パスワード フィールドに iSCSI イニシエーターのユーザー名とパスワードを入力します。
      CHAP 秘密鍵と逆順鍵

      図9.21 CHAP 秘密鍵と逆順鍵

  2. ログイン をクリックします。 Anaconda により入力した情報をベースに iSCSI ターゲットのノードへのログインが試行されます。 iSCSI ログイン結果 のダイアログにその結果が表示されます。
    iSCSI ログイン結果のダイアログ

    図9.22 iSCSI ログイン結果のダイアログ

  3. OK をクリックして続行します。
9.6.1.1.3. FCoE パラメーターの設定
FCoE SAN を設定する場合は、 FCoE SAN を追加 を選択して、 ドライブ追加 をクリックします。
次に出てくるダイアログボックスで、FCoE スイッチに接続されているネットワークインターフェースを選択し、FCoE ディスクを追加 (Add FCoE Disk(s)) をクリックします。
FCoE パラメーターの設定

図9.23 FCoE パラメーターの設定

データセンターブリッジング (DCB) は、 ストレージネットワークやクラスターでのイーサネット接続の効率性向上を目的として設計されたイーサネットプロトコルに対する拡張機能の集合です。 このダイアログボックス内のチェックボックスを使用して、 インストーラーの DCB 認識を有効にしたり無効にしたりします。 DCB の設定は、 ホストベースの DCBX クライアントを必要とするネットワークインタフェースに限ってください。 ハードウェア DCBX クライアントを実装するインターフェースで設定を行なう場合はこのチェックボックスは空白のままにしておいてください。
自動 VLAN では VLAN 検出を行なうかどうかを指定します。 このボックスにチェックを入れると、 リンク設定が検証された後、 FIP VLAN 検出プロトコルがイーサネットインタフェースで実行されます。 まだ設定が行なわれていない場合には、 検出された FCoE VLAN すべてに対してネットワークインターフェースが自動的に作成され、 FCoE のインスタンスが VLAN インターフェース上に作成されます。

9.7. ホスト名の設定

このコンピューターのホスト名を入力するようプロンプトが表示されます。 hostname.domainname の形式で 完全修飾ドメイン を入力するか、 hostname の形式で 短縮ホスト名 を入力します。 多くのネットワークで、 接続システムに対して自動的にドメイン名を与える DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスが備わっています。 DHCP サービスを許可してドメイン名をこのマシンに割り当てる場合には、 短縮ホスト名のみを指定します。

注記

ホスト名のフルネームが固有であれば、 システムにどのような名前を付けても構いません。 ホスト名には文字、 数字、 ハイフンなどを含めることができます。
ホスト名の設定

図9.24 ホスト名の設定

Red Hat Enterprise Linux システムが 直接 インターネットに接続されている場合、 上位となるサービスプロバイダーによるサービス障害やサービス停止を回避する手段についても考慮する必要があります。 この問題については本ガイドの範疇を越えるため、 詳細は解説していません。

注記

インストールプログラムではモデムの設定は行なわれません。 インストール後に、 Network ユーティリティを使用して設定を行なってください。 モデムの設定値は各契約インターネットサービスプロバイダー (ISP) に固有となります。

9.7.1. ネットワーク接続の編集

重要

Red Hat Enterprise Linux 6.9 のインストールをはじめて起動すると、 インストール中に設定したネットワークインターフェースがすべて起動されます。 ただし、 ネットワークインターフェースの設定を求めるプロンプトをインストーラーが表示しないケースが一部の一般的なインストール方法をとった場合に見られます。 たとえば、 DVD からローカルのハードドライブに Red Hat Enterprise Linux をインストールした場合などです。
Red Hat Enterprise Linux をローカルのインストールソースからローカルのストレージデバイスにインストールする際、 初回の起動時からネットワークアクセスを必要とする場合には、 ネットワークインターフェースを少なくともひとつ手動で設定しておくようにしてください。 接続の編集時に 自動接続する を選択する必要があります。

注記

インストールが完了した後でネットワークの設定を変更するには、ネットワーク管理ツール を使用します。
シェルプロンプトで system-config-network と入力して、ネットワーク管理ツール を起動します。root 以外で操作している場合、続行するために root パスワードの入力が求められます。
ネットワーク管理ツール は廃止予定になったため、 Red Hat Enterprise Linux 6 のライフタイム期間中に NetworkManager に置き換えられる予定です。
ネットワーク接続を手作業で設定する場合は、 ネットワークの設定 ボタンをクリックします。 ネットワークの設定 ダイアログが表示され、 有線、 無線、 モバイルブロードバンド、 InfiniBand、 VPN、 DSL、 VLAN、 結合など各種の接続を設定することができるようになります。 NetworkManager で可能な設定の全詳細については本ガイドの範疇をこえてしまうため、 このセクションでは最も一般的な有線接続をインストール中に設定する方法について説明します。 他のネットワークタイプの設定方法についても有線接続の設定方法とさほど違いはありませんが、 特定のパラメーターなどは必然的に異なります。
ネットワークの接続

図9.25 ネットワークの接続

新しい接続を追加する場合は 追加 をクリックして、 メニューから接続のタイプを選択します。 既存の接続を修正する場合は、 一覧からその接続を選択し 編集 をクリックします。 いずれの場合も、 以下のような選択した接続タイプに適したタブを持つダイアログボックスが表示されます。 接続を削除する場合は一覧からその接続を選択し、 削除 をクリックします。
ネットワーク設定の編集が終了したら、適用 をクリックして新しい設定を保存します。インストール中にすでにアクティブだったデバイスを再設定した場合は、 その新しい設定を反映させるためデバイスを再起動する必要があります — 「ネットワークデバイスの再起動」 を参照してください。

9.7.1.1. 全接続タイプに共通のオプション

すべての接続タイプに共通する設定オプションがあります。
接続名 の名前フィールド内に接続名を指定します。
自動接続する を選択し、 システムの起動時に自動的に接続を開始します。
インストールが完了したシステムで NetworkManager を実行する場合、 ネットワーク設定がシステム全体で有効かどうかはすべてのユーザーに利用可能 のオプションで制御します。 インストール中に、設定しているすべてのネットワークインターフェースで すべてのユーザーに利用可能 が選択されていることを確認してください。

9.7.1.2. 有線のタブ

有線 のタブを使ってネットワークアダプターの MAC (media access control) アドレスの指定や変更を行ないます。 また、 インターフェースを通過する MTU (maximum transmission unit) がバイト単位でセットできます。
有線のタブ

図9.26 有線のタブ

9.7.1.3. 802.1x セキュリティのタブ

802.1x セキュリティ のタブを使用して 802.1X PNAC (port-based network access control - ポートベースのネットワークアクセス制御) を設定します。 この接続に 802.1X セキュリティを使用する を選択してアクセス制御を有効にしてから、ネットワーク詳細を入力します。 設定オプションには以下が含まれます。
認証
以下の認証方法のいずれかを選択します。
  • TLS (Transport Layer Security)
  • トンネル化 TLS (Tunneled Transport Layer Security、 または EAP-TTLSS、 TTLS とも呼ばれる)
  • 保護付き EAP (PEAP) (保護付き拡張型認証プロトコル)
識別子
このサーバーの識別子を入力します。
ユーザー証明書
DER (Distinguished Encoding Rules) または PEM (Privacy Enhanced Mail) で暗号化されている個人の X.509 証明書ファイルを指定します。
CA 証明書
DER (Distinguished Encoding Rules) または PEM (Privacy Enhanced Mail) で暗号化された X.509 認証局 の証明書ファイルを指定します。
プライベートキー
DER (Distinguished Encoding Rules)PEM (Privacy Enhanced Mail)PKCS#12 (Personal Information Exchange Syntax Standard) で暗号化された プライベートキー ファイルを指定します。
プライベートキーパスワード
プライベートキー フィールドで指定したプライベートキーのパスワードです。 パスワードを表示を選択すると、入力時にパスワードが視認できます。
802.1x セキュリティのタブ

図9.27 802.1x セキュリティのタブ

9.7.1.4. IPv4 のセッティングのタブ

IPv4 のセッティング のタブを使って前に選択していたネットワーク接続に IPv4 パラメーターを設定します。
方式 のドロップダウンメニューを使ってネットワークで実行している DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスから取得を試行する方式を指定します。 以下のオプションから選択します。
自動 (DHCP)
IPv4 パラメーターはネットワーク上の DHCP サービスによって設定されます。
自動 (DHCP) アドレス専用
IPv4 のアドレス、 ネットマスク、 ゲートウェイアドレスなどはネットワーク上の DHCP サービスによって設定されます。 ただし、 DNS サーバーと検索ドメインは手動で設定する必要があります。
手動
IPv4 パラメーターを手動で静的設定用に設定します。
ローカルへのリンク専用
169.254/16 範囲内の ローカルへのリンク アドレスがインターフェースに割り当てられます。
他のコンピューターへ共有
他のコンピューターにネットワークアクセスを与えるようシステムを設定します。 インターフェースには 10.42.x.1/24 の範囲内のアドレスが割り当てられ、 DHCP サーバーと DNS サーバーが開始されて、 インターフェースが NAT (network address translation) を使ってシステム上のデフォルトのネットワークに接続されます。
無効になっています
この接続では IPv4 を無効にします。
パラメーターを手動で入力する方式を選択した場合は、 アドレス フィールドにこのインターフェースの IP アドレスの詳細、 ネットマスク、 ゲートウェイを入力します。 アドレスの追加や削除を行う場合は、 追加 または 削除 のボタンを使用します。 DNS サーバー フィールドには、 コンマで区切った DNS サーバーの一覧を入力します。 ドメインを検索 のフィールドにはネームサーバーの検索に含めるドメインをコンマで区切って入力します。
オプションとして、 DHCP クライアント ID フィールドにこのネットワーク接続名を入力します。 この名前はサブネット上で固有の名前でなければなりません。 接続に分かり易い DHCP クライアント ID を割り当てると、 ネットワーク関連の問題をトラブルシュートする場合に、 その接続が識別しやすくなります。
この接続を完了するには IPv4 アドレス化が必要になります のチェックボックスの選択を解除すると、 IPv4 の設定は失敗してしまうが IPv6 の設定は成功する場合、 この接続が IPv6 対応のネットワークで利用できるようになります。
IPv4 のセッティングのタブ

図9.28 IPv4 のセッティングのタブ

9.7.1.4.1. IPv4 ルートの編集
Red Hat Enterprise Linux では、 デバイスの IP アドレスに応じて自動的に複数のルートを設定します。 追加のルートを編集する場合は ルート ボタンをクリックします。 IPv4 ルートを編集 のダイアログが表示されます。
IPv4 ルートを編集のダイアログ

図9.29 IPv4 ルートを編集のダイアログ

追加 をクリックして新しい静的ルートの IP アドレス、 ネットマスク、 ゲートウェイアドレス、 メトリックを追加します。
自動取得したルートを無視する を 選択すると、 インターフェースはここで指定したルートのみを使用するようになります。
そのネットワーク上のリソースのためにのみこの接続を使用 を選択すると、 接続をローカルのネットワークのみに制限します。

9.7.1.5. IPv6 のセッティングのタブ

IPv6 のセッティング のタブを使って前に選択していたネットワーク接続に IPv6 パラメーターを設定します。
方式 のドロップダウンメニューを使ってネットワークで実行している DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスから取得を試行する方式を指定します。 以下のオプションから選択します。
無視する
この接続では IPv6 を無視します。
自動
NetworkManager により ルータ広告 (RA) が使用され、 自動のステートレス設定が作成されます。
自動、アドレスのみ
NetworkManager により RA が使用され、 自動のステートレス設定が作成されます。 ただし、 DNS サーバーと検索ドメインは無視されるため、 手動で設定する必要があります。
自動、DHCP のみ
NetworkManager は RA を使用しません。 ただし、 ステートフル設定を構成するため直接 DHCPv6 からの情報を要求します。
手動
IPv6 パラメーターを手動で静的設定用に設定します。
ローカルへのリンク専用
fe80::/10 のプレフィックスが付いた ローカルへのリンク のアドレスがインターフェースに割り当てられます。
パラメーターを手動で入力する方式を選択した場合は、 アドレス フィールドにこのインターフェースの IP アドレスの詳細、 ネットマスク、 ゲートウェイを入力します。 アドレスの追加や削除を行う場合は、 追加 または 削除 のボタンを使用します。 DNS サーバー フィールドには、 コンマで区切った DNS サーバーの一覧を入力します。 ドメインを検索 のフィールドにはネームサーバーの検索に含めるドメインをコンマで区切って入力します。
オプションとして、 DHCP クライアント ID フィールドにこのネットワーク接続名を入力します。 この名前はサブネット上で固有の名前でなければなりません。 接続に分かり易い DHCP クライアント ID を割り当てると、 ネットワーク関連の問題をトラブルシュートする場合に、 その接続が識別しやすくなります。
この接続が完了するには IPv6 アドレス化が必要になります のチェックボックスの選択を解除すると、 IPv6 の設定は失敗してしまうが IPv4 の設定は成功する場合、 この接続が IPv4 対応のネットワークで利用できるようになります。
IPv6 のセッティングのタブ

図9.30 IPv6 のセッティングのタブ

9.7.1.5.1. IPv6 ルートの編集
Red Hat Enterprise Linux では、 デバイスの IP アドレスに応じて自動的に複数のルートを設定します。 追加のルートを編集する場合は ルート ボタンをクリックします。 IPv6 ルートを編集 のダイアログが表示されます。
IPv6 ルートを編集のダイアログ

図9.31 IPv6 ルートを編集のダイアログ

追加 をクリックして新しい静的ルートの IP アドレス、 ネットマスク、 ゲートウェイアドレス、 メトリックを追加します。
そのネットワーク上のリソースのためにのみこの接続を使用 を選択すると、 接続をローカルのネットワークのみに制限します。

9.7.1.6. ネットワークデバイスの再起動

インストール中にすでに使用しているネットワークを再設定する場合は、変更内容を反映するために anaconda でデバイス接続を切断し、再接続する必要があります。anacondaインターフェース設定 (ifcfg) ファイルを使用して、NetworkManager と通信します。ONBOOT=yes と設定されていれば、ifcfg ファイルの削除時にデバイスの接続が切断されても、ifcfg ファイルの復元時に再接続されます。インターフェースの設定ファイルの詳細については、https://access.redhat.com/documentation/ja-JP/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/Deployment_Guide/index.html にある『Red Hat Enterprise Linux 6.9 導入ガイド』 を参照してください。
  1. Ctrl+Alt+F2 を押して、 tty2 仮想ターミナルに切り替えます。
  2. インターフェースの設定ファイルを一時的な場所に移動します。
    mv /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-device_name /tmp
    device_name は今再設定したデバイスです。 例えば ifcfg-eth0eth0 用の ifcfg ファイルになります。
    これで anaconda でデバイス接続が切断されました。
  3. vi エディタでインターフェースの設定ファイルを開きます。
    vi /tmp/ifcfg-device_name
  4. インターフェースの設定ファイルに ONBOOT=yes の行が含まれていることを確認します。その行がない場合は、ここで追加して、ファイルを保存します。
  5. vi エディタを終了します。
  6. インターフェースの設定ファイルを /etc/sysconfig/network-scripts/ ディレクトリに戻します。
    mv /tmp/ifcfg-device_name /etc/sysconfig/network-scripts/
    これで anaconda でデバイスが再接続されました。
  7. Ctrl+Alt+F6 を押して、anaconda に戻ります。

9.8. タイムゾーンの設定

コンピューターが物理的に存在する場所に最も近い都市を選択してタイムゾーンを設定します。地図をクリックすると世界の特定の地域にズームインすることができます。
システムクロックの精度を維持するために NTP (Network Time Protocol) を使用する予定であっても、タイムゾーンの指定を行ってください。
ここでタイムゾーンを選択する 2 つの方法があります。
  • マウスを使って、対話式地図をクリックして特定の都市 (黄色の点で表示) を選択します。選択した都市は赤い X で示されます。
  • さらに、画面下にある一覧をスクロールしてタイムゾーンを選択することもできます。マウスを使って目的の場所をクリックし、選択内容を強調表示します。
タイムゾーンの設定

図9.32 タイムゾーンの設定

Red Hat Enterprise Linux が使用中のコンピューター上で唯一のオペレーティングシステムである場合、システムクロックで UTC を使用 (System clock uses UTC) を選択します。システムクロックはコンピューターシステム上のハードウェアの一部です。Red Hat Enterprise Linux はタイムゾーン設定を使用して、システムクロック上のローカルタイムと UTC 間のオフセットを判定します。これは UNIX、Linux、およびこれらと同様のオペレーティングシステムを使用するシステム用の標準動作です。
をクリックして進みます。

警告

使用中のマシンで Microsoft Windows も稼働している場合は、システムクロックで UTC を使用 (System clock uses UTC) のオプションを有効にしないでください。Microsoft のオペレーティングシステムは BIOS クロックを変更して、UTC ではなくローカルタイムに一致するようにします。これにより、Red Hat Enterprise Linux で予期しない動作が生じる可能性があります。

注記

インストールが完了した後でタイムゾーンの設定を変更するには、時刻と日付のプロパティツール (Time and Date Properties Tool) を使用します。
シェルプロンプトで system-config-date コマンドを入力して、時刻と日付のプロパティツール (Time and Date Properties Tool) を起動します。root になっていない場合は、継続する際に root パスワードが要求されます。

9.9. Root パスワードの設定

root アカウントとそのパスワードの設定はインストールにおける最も重要なステップの1つです。root アカウントはパッケージのインストール、RPM の アップグレード、およびほとんどのシステム管理の実行に使用されます。root としてログインするとシステム上で完全な制御を持つことになります。

注記

root ユーザー(別名 スーパーユーザー)は、全システム域に完全なアクセスを持ちます。 この理由で、root ユーザーとしてのログインは、システム維持、または管理を実行する 時のみにすることが賢明です。
Root パスワード

図9.33 Root パスワード

root アカウントはシステム管理のためにのみ使用してください。通常使用には root でないアカウントを作成して、スーパーユーザー権限を必要とするタスクの実行時にのみ su - コマンドを使用して root になるようにします。こうした基本ルールにより、誤字やコマンドの誤使用がシステムを破壊する可能性を最小限に抑えます。

注記

root になるには、ターミナルウィンドウ内のシェルプロンプトで su - と 入力し、Enter を押します。それから、設定してある root パスワードを 入力して Enter を押します。
インストール済みプログラムは、ご使用のシステムの root パスワード[2]を設定するようプロンプトが表示されます。root パスワードを入力しないと次のインストールプロセスの手順へ進めません。
root パスワードは最低でも6文字の長さが必要です。入力する時点ではパスワードは 画面に表示されません。パスワードは 2回入力します。2回入力したパスワードが 一致しない場合は、インストールプログラムが再入力を要求します。
root パスワードは記憶しやすく、かつ他人が簡単に想像できないものにします。自分の名前や、電話番号、qwertypassword, root123456anteater などはすべて悪いパスワードの例です。よいパスワードとは、大文字、小文字に数字を混ぜ、辞書用語のないものです。Aard387vark420BMttNT はよい例です。パスワードは大文字/小文字を区別することに注意してください。パスワードを書き留める場合はそれを安全な場所に保管してください。しかし、このパスワードおよび作成する他のパスワードは、書き留めないことが推奨されます。

警告

このマニュアルに示されているパスワードの例は使用しないでください。これらのパスワードを模倣して使用すると、セキュリティリスクと見なされます。
インストールが終了した後に root パスワードを変更する場合は rootpasswd コマンドを実行します。root パスワードを忘れてしまった場合は Red Hat Enterprise Linux 6 Deployment Guide の Resolving Problems in System Recovery Modes で新しいパスワードの設定方法をを参照してください。

9.10. ストレージデバイスの割り当て

ストレージデバイス選択の画面 (「ストレージデバイス」 を参照) で複数のストレージデバイスを選択した場合、 anaconda はこれらのデバイスの内のどれがオペレーティングシステムのインストール用に利用可能であるべきか、 そして、どれがデータストレージ用のみとしてファイルシステムに取り付けられるべきかの選択を要求します。 ストレージデバイスを1つだけ選択している場合は、anaconda はこの画面を 表示しません。
インストール中に、データストレージ専用としてここで識別するデバイスは、ファイルシステムの一部として マウントされますが、パーティション設定とフォーマットはありません。
ストレージデバイスを割り当てる

図9.34 ストレージデバイスを割り当てる

この画面は2つの窓枠に別れています。左窓枠には、データストレージ専用として使用されれるデバイスの 一覧が含まれます。右窓枠には、オペレーティングシステムのインストール用に利用可能なデバイスの 一覧が含まれます。
それぞれの一覧には、デバイスの識別の手助けとなる情報が含まれています。アイコンで マークが付いている小さなドロップダウンメニューはコラムヘッディングの右側にあります。 このメニューにより、それぞれのデバイス上で提供されるデータタイプを選択できるようになります。 提示される情報の量を加減してみると、特定デバイスの識別の手助けになるでしょう。
デバイスを一方の一覧から他の一覧に移動するには、そのデバイスをクリックして、それから左向きの 矢印が付いているボタンを押してデータストレージデバイスの一覧へ移動するか、あるいは右向きの 矢印が付いたボタンを押してオペレーティングシステムのインストールに使用可能なデバイスの一覧に 移動します。
インストールのターゲットとして利用可能なデバイスの一覧では、各デバイスの横にラジオボタンを含めることもできます。このラジオボタンを使用すれば、システムのブートデバイスとして使用したい デバイスを指定することができます。

重要

Red Hat Enterprise Linux ブートローダーをチェーンロードするブートローダーをいずれかのストレージデバイスが含んでいる場合、そのストレージデバイスを インストール対象デバイス (Install Target Devices) に含めます。インストール対象デバイス として識別するストレージデバイスは、ブートローダー設定中に anaconda から見える状態になります。
この画面上で インストール対象デバイス (Install Target Devices) として識別するストレージデバイスは、パーティション設定画面 (「ディスクパーティションの構成」 を参照) で すべての領域を使用 (Use All Space) オプションを選択していない限り、インストールプロセスにより自動的に抹消されることはありません。
インストール用に使用されるデバイスの識別を終了したら、 をクリックして続行します。

9.11. ハードディスクの初期化

既存のハードディスク上のパーティションテーブルが読み込めない場合、インストールプログラムはハードディスクを初期化を要求します。この操作をするとハードディスク上の既存のデータはすべて読み取り不可能となります。使用中のシステムがオペレーティングシステムのインストールされていない新しいハードディスクを持っていたり、ハードディスクからすべてのパーティションを削除している場合は ドライブの再初期化 (Re-initialize drive) をクリックしてください。
インストールプログラムは、それが正式なパーティション表を読み込めない各ディスク用に個別のダイアログを提示します。すべてを無視 (Ignore all) ボタン、または すべてを再初期化 (Re-initialize all) ボタンをクリックするとすべてのデバイスに対して同じ回答を適用します。
警告の画面 – ハードドライブの初期化

図9.35 警告の画面 – ハードドライブの初期化

特定の RAID システム、あるいは他の標準的でない設定はインストールプログラムで 読み込めずに、ハードディスク初期化のプロンプトが表示される可能性があります。 インストールプログラムは、それが検出できる物理ディスク構成には対応します。
必要となるハードディスクの自動初期化を有効にするには、キックスタートコマンド zerombr (32章キックスタートを使ったインストール を参照) を使用します。このコマンドは、初期化済みのディスクでシステムに無人インストールを実行する場合に必要となります。

警告

インストール中に脱着可能な非標準のディスク設定があり、それを検出して後で設定できる場合、システムの電源を切り、取り外してからインストールを 再開始します。

9.12. 既存システムのアップグレード

重要

次のセクションが使用できるのは Red Hat Enterprise Linux 6.4から Red Hat Enterprise Linux 6.5またはそれ 以降などのマイナーバージョン間での Red Hat Enterprise Linux のアップグレードに限られます。Red Hat Enterprise Linux 6 から Red Hat Enterprise Linux 7 などへのメジャーバージョン間のアップグレードには対応していません。
Red Hat Upgrade ToolPreupgrade Assistant を使用すると制限付きで Red Hat Enterprise Linux のメジャーバージョン間のインプレースアップグレードを行うことができます。詳細は 37章現在のシステムのアップグレード を参照してください。
インストールシステムは既存の Red Hat Enterprise Linux インストールのいずれも自動的に検出します。アップグレードプロセスは既存のシステムソフトウェアを新バージョンに更新しますが、ユーザーの home ディレクトリからはデータを削除しません。ハードドライブ上の現存のパーティション構造は変化しません。システム設定は、パッケージアップグレードが要求する場合にのみ変更されます。ほとんどのパッケージアップグレードはシステム設定を変更しませんが、ユーザーが後で確認できるように追加の設定ファイルをインストールします。
使用中のインストールメディアには、コンピューターのアップグレードに必要なすべてのソフトウェアパッケージが含まれていない可能性があることに注意してください。

9.12.1. アップグレードのダイアログ

使用中のシステムに Red Hat Enterprise Linux インストールが含まれる場合、ダイアログが表示され、そのインストールをアップグレードしたいかどうかを聞かれます。既存システムのアップグレードを実行するには、ドロップダウンリストから該当するインストールを選択してから をクリックします。
アップグレードのダイアログ

図9.36 アップグレードのダイアログ

注記

既存の Red Hat Enterprise Linux システムに手動でインストールしたソフトウェアは、アップグレード後に異なる動作をする可能性があります。アップグレードの後に手動でソフトウェアを再インストールするか、または再コンパイルして更新したシステム上で正常なパフォーマンスを得られることを確認する必要があります。

9.12.2. インストーラーを使用したアップグレード

注記

一般に、Red Hat ではユーザーが独立した /home パーティションにユーザーデータを保持し、新規インストールを行うことを推奨しています。パーティションとその設定方法についての詳細は、「ディスクパーティションの構成」 を参照してください。
インストールプログラムを使用してアップグレードをする選択をした場合、Red Hat Enterprise Linux から提供されていないソフトウェアの内、Red Hat Enterprise Linux ソフトウェアと競合するものがあれば、それは上書きされます。この方法でアップグレードを開始する前に、システム内の現在のパッケージ一覧を作成して後で参照できるようにしてください。
rpm -qa --qf '%{NAME} %{VERSION}-%{RELEASE} %{ARCH}\n' > ~/old-pkglist.txt
インストール後にこの一覧をチェックし、どのパッケージを再ビルドする必要があるか、または Red Hat 以外のソースから取り込む必要があるかを判別します。
次に、すべてのシステム設定データのバックアップを作成します。
su -c 'tar czf /tmp/etc-`date +%F`.tar.gz /etc' 
su -c 'mv /tmp/etc-*.tar.gz /home'
アップグレードする前にすべての重要データの完全なバックアップを作成してください。重要なデータには /home ディレクトリ全体のコンテンツや、Apache、FTP、SQL サーバーやソースコード管理システムなどのサービスのコンテンツが含まれる場合があります。アップグレードは破損を引き起こす動作ではありませんが、操作ミスがあるとデータが失われる可能性が若干あります。

警告

上記の例では、バックアップ資料が /home ディレクトリに保存されていることに注意してください。自分の /home ディレクトリが独立したパーティションではない場合、この例を文字どおりに採用しないでください。 CD または DVD ディスクか、または外部ハードディスクなどの 別のデバイス上にバックアップを保存してください。
アップグレードプロセスを後で完了する方法についての詳細は、「アップグレードの終了」を参照してください。

9.12.3. ブートローダー設定のアップグレード

完了した Red Hat Enterprise Linux インストールは、正常に起動させるために ブートローダー に登録される必要があります。ブートローダーは、マシン上にあるソフトウェアであり、オペレーティングシステムを見つけてそれを開始します。ブートローダーについての詳細は、付録E GRUB ブートローダー を参照してください。
ブートローダーアップグレードのダイアログ

図9.37 ブートローダーアップグレードのダイアログ

既存のブートローダーが Linux ディストリビューションでインストールされている場合、インストールシステムは新規の Red Hat Enterprise Linux システムをロードするようにブートローダーを修正できます。既存の Linux ブートローダーを更新するには、ブートローダー設定を更新 (Update boot loader configuration) を選択します。これが既存の Red Hat Enterprise Linux インストールをアップレードする際のデフォルト動作です。
GRUB は Red Hat Enterprise Linux 用の 32-bit と 64-bit の x86 アーキテクチャーの標準ブートローダーです。BootMagic や System Commander、または Microsoft Windows によってインストールされたローダーなどの別のブートローダーを使用している場合は、Red Hat Enterprise Linux のインストールシステムはそれを更新することができません。その場合、ブートローダーの更新をスキップ (Skip boot loader updating) を選択します。インストールプロセスが終わったら、詳細について製品のドキュメントを参照してください。
既存のブートローダーを置き換えようとしている場合のみ、アップグレード処理の一環として新しいブートローダーをインストールしてください。新しいブートローダーをインストールしたら、新しいブートローダーの設定が終わるまでは、そのマシンで他のオペレーティングシステムを起動できない場合があります。既存ブートローダーを削除し、GRUB をインストールするには、新しいブートローダーの設定を作成する (Create new boot loader configuration) を選択してください。
選択をした後は、次 (Next) をクリックして継続します。新しいブートローダーの設定を作成する (Create new boot loader configuration) オプションを選択している場合は、「x86、AMD64、および Intel 64 のブートローダーの設定」を参照してください。ブートローダー設定を更新するか、またはスキップする選択をしている場合は、追加のユーザ−介入なしでインストールは継続されます。

9.13. ディスクパーティションの構成

警告

システム上のデータは常にすべてバックアップをしておいた方がよいでしょう。例えば、アップグレードする場合やデュアルブートを作成する場合、ストレージデバイスに保存しておきたいデータはすべてバックアップしておくべきです。万一の場合、 誤ってデータを喪失してしまう恐れがあります。

重要

Red Hat Enterprise Linux をテキストモードでインストールすると、このセクションで説明してあるデフォルトのパーティション設定プランのみを使用できます。そのため、インストーラーが自動的に追加や削除をするもの以外のパーティションやファイルシステムの 追加や削除はできません。インストール時にカスタムレイアウトを必要とする場合は、 VNC 接続経由か、キックスタートインストールでグラフィカルインストール実行すべきです。
さらには、LVM、暗号化したファイルシステム、およびサイズ変更可能なファイルシステムなどの高度なオプションはグラフィカルモードとキックスタートでのみ使用可能です。

重要

RAID カードがある場合は、一部の BIOS が RAID カードからのブートをサポートしないことに注意してください。そのような場合には、別のハードドライブなど、RAID アレイの外部のパーティションに /boot/ パーティションを作成する必要があります。内部のハードドライブは問題のある RAID カードを持つパーティション作成の使用に必要となります。
ソフトウェア RAID のセットアップでも /boot/ パーティションが必要です。
システムを自動的にパーティション設定する選択をした場合は、確認 (Review) を 選択して、手動で /boot/ パーティションを編集する必要があります。
パーティション設定により、ハードドライブを各区画がさらに細かいハードドライブの様に機能する別々の区画に分けることができます。パーティション設定は、特に複数のオペレーティングシステムを実行するのに便利です。自分のシステムのパーティション設定法が 不明な場合は、詳細情報を 付録A ディスクパーティションの概要 で確認してください。
ディスクパーティションの構成

図9.38 ディスクパーティションの構成

画面では、4つの異なる方法の内の1つでデフォルトパーティションの作成を選択するか、 あるいはカスタムレイアウトを手動で作成するためにストレージデバイスのパーティション 設定を選択できます。
最初の4つのオプションでは、自分自身でストレージデバイスのパーティション設定を行わずに自動インストールを実行することができます。システムのパーティション設定が煩雑に感じられる場合は、これらのオプションの1つを選択してインストールプログラムがストレージデバイスのパーティション設定を実行するようにすることをお薦めします。選択するオプションによっては、この方法でもシステムからどのデータを削除するか (ある場合) を制御できます。
オプションは以下のようになります。
すべての領域を使用する (Use All Space)
このオプションを選択すると、ハードドライブ上のすべての パーティション (これには、Windows VFAT や NTFS パーティションなど他の OS で 作成されたパーティションも含まれます) を削除します。

警告

このオプションを選択した場合、選択したハードドライブ上のすべてのデータがインストールプログラムによって削除されます。Red Hat Enterprise Linux をインストールするハードドライブ上に保存しておきたい情報がある場合は、このオプションを選択しないでください。
特に、別のブートローダーから Red Hat Enterprise Linux をチェーンロードするように システムを設定している時にはこの選択をしないでください。
既存の Linux システムを入れ替える (Replace Existing Linux System(s))
このオプションを選択して、以前の Linux インストールで作成しているパーティションのみを削除します。これは、ハードドライブにある他のパーティション (VFAT や FAT32 パーティション) は削除しません。
現在のシステムを縮小する (Shrink Current System)
このオプションを選択して、現在のデータとパーティションを手動でサイズを変更して 空いた領域にデフォルトの Red Hat Enterprise Linux レイアウトをインストールします。

警告

他のオペレーティングシステムがインストールされているパーティションを縮小すると、それらのオペレーティングシステムを使用できなくなる可能性があります。このパーティション設定オプションはデータを破損するものではありませんが、オペレーティングシステムは通常そのパーティション内に空き領域をいくらか必要とします。再度使用する可能性のあるオペレーティングシステムを維持しているパーティションのサイズ変更をする前に、どれくらいの空き領域が必要かを確認してください。
空き領域を使用する (Use Free Space)
このオプションを選択すると現在のデータとパーティションはすべて残り、ストレージドライブ上の利用可能な 未使用の領域に Red Hat Enterprise Linux をインストールします。このオプションを選択する前にストレージドライブ上に 十分な空き領域があることを確認してください。「十分なディスク領域の確保」 — を参照してください。

警告

使用している 64-bit x86 システムが BIOS の代わりに UEFI を使用する場合は、/boot パーティションを手動で作成する必要があります。このパーティションには ext3 ファイルシステムが必要です。パーティションの自動設定を選択する場合は、システムはブートしません。
カスタムレイアウトを作成する (Create Custom Layout)
このオプションを選択してストレージドライブを手動でパーティション設定し、カスタム化したレイアウトを作成 します。「カスタムレイアウトの作成、またはデフォルトレイアウトの変更」 を参照してください。
好みのパーティション設定法を選択するには、ダイアログボックス内の 該当説明の左側にあるラジオボタンをクリックします。
システムを暗号化 (Encrypt system) を選択して、 /boot パーティション以外のすべてのパーティションを暗号化します。暗号化に関する詳細情報は、付録C ディスク暗号化 を参照してください。
自動パーティション設定で作成されたパーティションの確認と変更には、確認 (Review) オプションを選択します。確認 を選択したら、次 (Next) をクリックして進むと、anaconda で作成されたパーティションが表示されます。その状態が希望に沿わなければ、パーティションに変更を加えることができます。

重要

Red Hat Enterprise Linux ブートローダーが、別のブートローダーから チェーンロード するように設定するには、起動ドライブを手動で指定しなければなりません。 いずれかの自動パーティション設定オプションを選択している場合、 を クリックする前に 確認してパーティション設定レイアウトを変更 (Review and modify partitioning layout) を選択する必要があります。そうしないと正しい起動ドライブは指定できません。

重要

マルチパスおよび非マルチパスのストレージデバイスがあるシステムに Red Hat Enterprise Linux 6 をインストールする場合、インストーラーの自動パーティションのレイアウトは、マルチパスデバイスと非マルチパスデバイスを混在させたボリュームグループを作成する場合があります。これはマルチパスストレージの目的に反することになります。
そのため、自動パーティション設定の選択後に表示されるディスク選択画面ではマルチパスのみ、または非マルチパスデバイスのみのどちらかを選択することをお勧めします。別の方法として、カスタムのパーティションを選択することも可能です。
選択が終了したら をクリックして進みます。

9.14. ディスク暗号化用パスフレーズの選択

「システムを暗号化 (Encrypt System) 」 のオプションを選択していた場合、 インストーラーはシステムのパーティション暗号化に使用するパスフレーズを要求します。
パーティションは Linux 統一キーセットアップ (Linux Unified Key Setup) を 使用して暗号化できます。詳細情報は、付録C ディスク暗号化 を参照してください。
暗号化されたパーティション用のパスフレーズを入力

図9.39 暗号化されたパーティション用のパスフレーズを入力

パスフレーズを選択して、ダイアログボックスの2つのフィールド両方に記入します。このパスフレーズは システムが起動するたびに提供する必要があります。

警告

このパスフレーズを紛失してしまうと、暗号化したパーティションおよびそのパーティション上にあるデータは完全にアクセスできなくなります。紛失したパスフレーズを回収する手段はないため注意してください。
Red Hat Enterprise Linux でキックスタートインストールを実行する場合には、インストール中に 暗号化のパスフレーズを保存して、バックアップ用の暗号化パスフレーズを作成できます。 「パスフレーズの保存」「バックアップパスフレーズの作成と保存」 を参照してください。

9.15. カスタムレイアウトの作成、またはデフォルトレイアウトの変更

4つの自動パーティション設定オプションの 1つを選択して、確認 (Review) を選択していない場合は、「パッケージグループの選択」 へ スキップします。
自動パーティション設定オプションの1つを選択し 確認 を選択している場合は、現在のパーティション設定を承認するか ( をクリックする)、パーティション設定画面で手動での修正ができます。
カスタムレイアウトを作成する選択をすると、インストールプログラムに対して Red Hat Enterprise Linux をインストールする場所を指定する必要があります。これは、Red Hat Enterprise Linux がインストールされることになる1つ、または複数のパーティション用のマウントポイントを定義することでなされます。この時点で、パーティションの作成/削除も必要になるかも知れません。

警告

使用している 64-bit x86 システムが BIOS の代わりに UEFI を使用する場合は、/boot パーティションを手動で作成する必要があります。このパーティションには ext3 ファイルシステムが必要です。パーティションの自動設定を選択する場合は、システムはブートしません。

重要

UEFI ファームウェアを使用しているシステムでは起動ドライブ (ブートローダーをインストールするディスク) に最低でも 50MB の大きさの特殊なパーティション (EFI システムパーティション) と /boot/efi というマウントポイントを作成する必要があります。
また、起動ドライブには GUID パーティションテーブル (GPT) のラベルを持たせなければなりません。既存のパーティションとマスターブートレコード (MBR) があるディスクを再利用したい場合にはディスクの再ラベル付けが必要になります。 このディスク上にあるデータは全て失われます。
グラフィカルインストーラーでディスクに GPT のラベルを付け直す場合は、 「ディスクパーティションの構成」 に戻って すべての領域を使用する など自動パーティション設定のオプションを選択します。パーティションのレイアウトをレビューまたは修正する のチェックボックスに印を付け をクリックします。次の画面で必要に応じて自動的に作成されたレイアウトの変更を行います。
MBR のラベルが付いたドライブを再利用する場合は必ず必要になる手順です。パーティション作成プロセスの開始時に カスタムレイアウトを作成する を選択するとそのディスクの再ラベル付けは行われないため先に進むことができなくなります。
まだパーティションの設定方法を決めていない場合は、付録A ディスクパーティションの概要「パーティション設定に関する推奨」 を参照してください。最低限でも、適切なサイズの root パーティションと、システムにある RAM の容量に対して適切なサイズのスワップパーティションが必要です。
anaconda は標準的なインストールのパーティション設定要求を処理できます。
x86、AMD64、および Intel 64 システムで パーティション設定

図9.40 x86、AMD64、および Intel 64 システムで パーティション設定

パーティション設定画面は2つのペインがあります。上のペインには、下のペインで選択されたハードドライブ、論理ボリューム、または RAID デバイスのグラフィカル表示が含まれます。
デバイスのグラフィカル表示の上部で、インストールプログラムで検出されたドライブの名前 (/dev/sdaLogVol00 など) 、そのサイズ (MB で) 、およびそのモデルが確認できます。
マウスを使って、 シングルクリックするとグラフィカル表示内の特定のフィールドを強調表示 します。ダブルクリックすると、既存パーティションの編集や、既存の空き領域にパーティションを 作成することができます。
下のペインには、前述のインストールプロセスで指摘されているようにインストール中に使用される予定の すべてのドライブ、論理ボリューム、および RAID デバイスの一覧が含まれています。「ストレージデバイスの割り当て」 を参照してください。
デバイスはタイプ別にグループ化されます。それぞれのデバイスタイプの横にある小さな三角マークをクリックしてそのタイプのデバイスの表示/非表示をします。
Anaconda は一覧にある各デバイスのいくつかの詳細事項を表示します。
デバイス (Device)
デバイス、論理ボリューム、またはパーティションの名前
サイズ (Size-MB)
デバイス、論理ボリューム、またはパーティションのサイズ (MBで)
マウントポイント/RAID/ボリューム (Mount Point/RAID/Volume)
マウントポイント。 パーティションがマウントされる場所 (ファイルシステム内の場所)、または RAID 名、または その一部となる論理ボリュームグループ
タイプ (Type)
パーティションのタイプ。パーティションが標準のパーティションの場合は、このフィールドはそのパーティション上のファイルシステム のタイプ (例えば、ext4) を表示します。標準パーティションでない場合は、パーティションが 物理ボリューム (LVM)か、 または ソフトウェア RAID の一部であるかを示します。
フォーマット (Format)
このコラム内のチェックマークはパーティションがインストール中にフォーマットされることを示します。
下のペインの下には4つのボタンがあります。 作成 (Create) 編集 (Edit) 削除 (Delete) 、および リセット (Reset) です。
上のペインのグラフィカル表示か、または下のペイン内の一覧をクリックすることにより、デバイスかパーティションを選択します。 それから、4つのボタンの1つをクリックして以下のアクションを操作します。
作成
新規のパーティション、論理ボリューム、またはソフトウェア RAID を作成します。
編集
既存のパーティション、論理ボリューム、またはソフトウェア RAID を変更します。Resize ボタンでは、パーティションは縮小できますが、拡大はできない点に注意してください。
削除
パーティション、論理ボリューム、またはソフトウェア RAID を削除します。
リセット
この画面で行ったすべての変更を元に戻します。

9.15.1. ストレージの作成

ストレージの作成 (Create Storage) ダイアログの使用で、新規のストレージパーティション、論理ボリューム、および ソフトウェア RAID の作成ができます。Anaconda はシステムに既に存在している、または システムに転送される設定になっているストレージに応じて利用可能や利用不可能となる オプションを提示します。
ストレージの作成

図9.41 ストレージの作成

オプションは以下のように、パーティションの作成 (Create Partition) ソフトウェア RAID の作成 (Create Software RAID) 、 および LVM の作成 (Create LVM) の下でグループに分けられています。

パーティションの作成

パーティションの追加 (Add Partition) のダイアログの詳細については 「パーティションの追加」 を参照してください。

ソフトウェア RAID の作成

詳細情報については、「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。
  • RAID パーティション (RAID Partition) — 未割り当ての領域にパーティションを作成してソフトウェア RAID デバイスの 一部を形成します。ソフトウェア RAID デバイスを形成するには、2つ、またはそれ以上の RAID パーティションがシステム上で 利用可能でなければなりません。
  • RAID デバイス (RAID Device) — 2つ、またはそれ以上の RAID パーティションを組み合わせてソフトウェア RAID デバイスにします。このオプションを選択すると、作成する RAID デバイスのタイプ (RAID レベル) を指定することができます。このオプションは2つ、またはそれ以上の RAID パーティションがシステム上で使用できる時にのみ利用可能です。

LVM 論理ボリュームの作成

詳細情報については、「LVM 論理ボリュームの作成」 を参照してください。
  • LVM 物理ボリューム (LVM Physical Volume) — 未割り当ての領域に 物理ボリュームを作成します。
  • LVM ボリュームグループ (LVM Volume Group) — 1つまたはそれ以上の物理ボリュームから ボリュームグループ を 作成します。このオプションは少なくとも1つの物理ボリュームがシステム上で使用できる時にのみ利用可能です。
  • LVM 論理ボリューム (LVM Logical Volume) — ボリュームグループ上に 論理ボリューム を作成します。 このオプションは少なくとも1つのボリュームグループがシステム上で使用できる時にのみ利用可能です。

9.15.2. パーティションの追加

新規のパーティションを追加するには、作成 (Create) ボタンを選択します。そうするとダイアログボックス (図9.42「新規のパーティション作成」 を参照) が現れます。

注記

このインストール用に最低でも1つの、あるいはオプションとしてそれ以上のパーティションを 専用にする必要があります。詳細情報は、付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。
新規のパーティション作成

図9.42 新規のパーティション作成

  • マウントポイント (Mount Point) : パーティションのマウントポイントを入力します。例えば、このパーティションを root パーティションにする場合は / と入力します。/boot パーティションにする場合は、/boot と入力します。また、プルダウンメニューを使って、パーティションに適切なマウントポイントを選択することもできます。swap パーティションにはマウントポイントは設定しません。ファイルシステムタイプを swap にセットするだけで充分です。
  • ファイルシステムタイプ: プルダウンメニューを使用して、このパーティション用に 適切なファイルシステムタイプを選択します。ファイルシステムタイプに関する詳細情報については 「ファイルシステムタイプ」 を参照してください。
  • 選択可能なドライブ (Allowable Drives) : このフィールドには、システムにインストール済みのハードディスク一覧が表示されます。ハードディスクのボックスがハイライトされている場合は、そのハードディスク上に必要なパーティションを作成することができます。ボックスが選択 されていない 場合は、そのハードディスク上にパーティションは作成 できません。別のチェックボックス設定を使うと、anaconda で、必要な場所にパーティションを配置したり、または anaconda にパーティションの配置先を決定させることができます。
  • 容量 (Size - MB) : パーティションのサイズ (メガバイトで表示) を入力します。このフィールドの初期値は 200 MB になっているので注意してください。変更しないと、200 MB のパーティションが作成されます。
  • 追加容量オプション (Additional Size Options) : このパーティションを固定サイズにするか、一定サイズまでの「拡大」(使用可能なハードディスク領域をあるサイズまで埋める)を許すか、または使用可能なハードディスク領域の残りすべてを使用するかを選択します。
    指定限度 (MB) まで使用 (Fill all space up to (MB)) を選択した場合は、このオプションの右側のフィールドにサイズの制限を指定しなければなりません。この設定でハードディスク上に一定の空き領域が今後の使用のため確保されます。
  • 基本パーティションにする: 作成しているパーティションをハードドライブ上の最初の 4 つのパーティションにするかどうかを選択します。基本パーティションにしない場合は、論理 パーティションとして作成されます。詳細は 「パーティション内にさらにパーティションを設定する — 拡張パーティションの概要」 を参照してください。
  • 暗号化 (Encrypt) : ストレージデバイスが別のシステムに接続されている場合でも そこに保存されるデータがパスフレーズ無しではアクセスできないようにパーティションを暗号化するかどうかを選択します。ストレージデバイスの暗号化に関する情報については 付録C ディスク暗号化 を参照してください。このオプションを選択すると、インストーラーは パーティション設定をディスクに書き込む前にパスフレーズの提示を催促します。
  • OK : 希望の設定値の入力が終了し、パーティションの作成を実行するには OK ボタンを選択します。
  • 取り消し (Cancel) : パーティションを作成したくない場合は 取り消し ボタンを選択します。

9.15.2.1. ファイルシステムタイプ

Red Hat Enterprise Linux では、異なるパーティションタイプとファイルシステムの作成が可能です。利用可能な異なるパーティションタイプとファイルシステムの 簡単な説明とそれらの使用方法を以下に示します。

パーティションのタイプ

  • 標準のパーティション — 標準のパーティションはファイルシステム、 またはスワップ領域を含んでいるか、あるいはソフトウェア RAID か LVM 物理ボリュームのための コンテナを提供します。
  • swap — Swap パーティションは仮想メモリーのサポートに使用されます。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足した場合に、データは swap パーティションに書き込まれます。詳細情報は Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド を参照してください。
  • software RAID — 2 つ以上のソフトウェア RAID パーティションを作成すると RAID デバイスを作成できます。RAID に関する詳細は Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド の 『RAID (Redundant Array of Independent Disks)』 の章を参照してください。
  • physical volume (LVM) — 単数、または複数の物理ボリューム (physical volume (LVM))パーティションを作成すると、LVM 論理ボリューム (logical volume) を作成できるようになります。LVM は物理ディスク使用時のパフォーマンスを向上させます。 LVM に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド を参照してください。

ファイルシステム

  • ext4 — ext4 ファイルシステムは ext3 ファイルシステムをベースにし、 いくつかの改善が加えられています。 より規模の大きいファイルシステムおよびファイルに対応するようになり、 またディスク領域の割り当てに要する時間が短縮され効率的になっています。 1 ディレクトリ内でのサブディレクトリの作成は無制限になり、 ファイルシステムのチェックが高速化、 またジャーナリング機能もさらに堅牢になっています。 ext4 ではファイルシステムのサイズが最大 16TB まで対応するようになります。 このファイルシステムはデフォルトで選択される推奨のファイルシステムとなります。

    注記

    user_xattracl のマウントオプションは、インストールシステムにより ext4 システム上に自動で設定されます。これらのオプションはそれぞれ、拡張属性とアクセス制御リストを有効にします。これらのオプションについての詳細情報は、Red Hat Enterprise Linux ストレージ管理ガイド を参照してください。
  • ext3 — ext3 ファイルシステムは ext2 ファイルシステムをベースにしているためジャーナリング機能という大きな利点を備えています。 ジャーナリング機能を使用すると、 ファイルシステムに対して fsck [3] を行なう必要がないためクラッシュ後のファイルシステムの復元に要する時間を短縮することができます。
  • ext2 — ext2 ファイルシステムは標準の Unix ファイルタイプ (通常のファイル、ディレクトリ、シンボリックリンクなど)に対応しています。最大 255 文字までの長いファイル名を割り当てる能力を提供します。
  • xfs — XFS は高度な拡張性を持つハイパフォーマンスのファイルシステムで、最大 16 exabyte(約 1600万 terabyte)までのファイルシステム、8 exabyte(約 800万 terabyte)までのファイル、および数千万のエントリーを持つディレクトリ構造に対応します。XFS はより迅速なクラッシュ回復を促進するメタデータジャーナリングをサポートします。XFS ファイルシステムではマウント中でアクティブな場合でもデフラグやサイズ変更が可能です。

    注記

    インストーラーで作成できる XFS パーティションの最大サイズは 100 TB です。
  • vfat — VFAT ファイルシステムは FAT ファイルシステムにある Microsoft Windows の長いファイル名に対応する Linux ファイルシステムです。
  • Btrfs — Btrfs は、ext2、 ext3、および ext4 のファイルシステムに 比較してより多くのファイル、より大きなファイル、そしてより大きなボリュームに対処して管理できるファイルシステムとして開発中のものです。Btrfs は エラーに対してファイルシステムの許容度を上げて、 エラー発生時にその検出と修復の機能を持つように設計されています。チェックサムを利用してデータとメタデータの有効性を確実にし、バックアップや修復で使用できるファイルシステムのスナップ ショットを維持します。
    Btrfs はまだ実験段階で開発中であるため、インストールプログラムはこれをデフォルトで提供するものではありません。ドライブ上に Btrfs パーティションを作成したい場合は、インストールプロセスで起動オプション btrfs を付けて開始しなければなりません。 その案内には 28章起動オプション を参照してください。

    警告

    Red Hat Enterprise Linux 6.9 は技術プレビューとして Btrfs を収納しており、 ユーザーがこのファイルシステムを実験できるようにしています。重要なファイルや 重要なシステム運用の基礎となるものを含むパーティションには Btrfs を選択 すべきではありません。

9.15.3. ソフトウェア RAID の作成

RAID (Redundant arrays of independent disks) は、複数のストレージデバイスを組み合わせることでパフォーマンスを向上し、一部の設定ではより強力なフォールトトレランスを実現するよう設計されています。各種 RAID の説明は Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド を参照してください。
RAID デバイスを作成するには、最初にソフトウェア RAID のパーティションを作成する必要があります。 2つ、またはそれ以上のソフトウェア RAID パーティションを作成したら、RAID ボタンを 選択してソフトウェア RAID パーティションを RAID デバイスに統合します。
RAID パーティション
このオプションを選択して、ソフトウェア RAID 用のパーティションを設定します。このオプションは、使用ディスクが RAID パーティションを含まない場合に利用可能な唯一の選択です。これは標準のパーティション追加時に出てくるダイアログと 同じものです。使用可能なオプションの説明には、「パーティションの追加」 を参照してください。 ファイルシステムタイプソフトウェア RAID にセットする必要が あることに注意してください。
ソフトウェア RAID パーティションの作成

図9.43 ソフトウェア RAID パーティションの作成

RAID デバイス
このオプションを選択して、2つ、またはそれ以上の既存のソフトウェア RAID パーティションから RAID デバイスを 構築します。このオプションは、2つ、またはそれ以上のソフトウェア RAID パーティションが設定済みである場合に 利用できます。
RAID デバイスを作成する

図9.44 RAID デバイスを作成する

標準のパーティション用のファイルシステムタイプを選択します。
Anaconda は自動的に RAID デバイス用の名前を提示しますが、ユーザーは手動で md0 から md15 までの名前を選択できます。
個別のストレージデバイス横のチェックボックスをクリックしてそのデバイスをこの RAID に対して 統合したり削除したりします。
RAID レベル とは、特定のタイプの RAID に相当するものです。以下のオプションから選択します。
  • RAID 0 — データを複数のストレージデバイス全体に分散させます。RAID レベル 0 は標準パーティションのパフォーマンスを向上させ、複数デバイスのストレージを 1 つの大規模な仮想デバイスにプールするために使用できます。RAID レベル 0 は冗長性がないため、アレイ内の 1 デバイスが故障するとアレイ全体が壊れます。RAID 0 には 2 つ以上の RAID パーティションが必要です。
  • RAID 1 — 1 つのストレージデバイスのデータを 1 つ以上の他のストレージデバイスにミラーします。アレイ内の追加のデバイスにより冗長性レベルが向上します。RAID 1 には 2 つ以上の RAID パーティションが必要です。
  • RAID 4 — データを複数のストレージデバイス全体に分散させますが、アレイ内の 1 デバイスを使用して、アレイ内のデバイスに障害が発生した場合にアレイを保護するパリティ情報を格納します。すべてのパリティ情報は 1 デバイスに格納されるため、このデバイスへのアクセスはアレイのパフォーマンスのボトルネックを生み出します。RAID 4 には 3 つ以上の RAID パーティションが必要です。
  • RAID 5 — データおよびパリティ情報を複数のストレージデバイス全体に分散させます。そのため、RAID レベル 5 は複数デバイス全体にデータを分散させるというパフォーマンスの優位性がある一方で、パリティ情報もアレイ全体に分散されているため RAID レベル 4 のパフォーマンスのボトルネックは存在しません。RAID 5 には 3 つ以上の RAID パーティションが必要です。
  • RAID 6 — RAID レベル 6 は RAID レベル 5 と似ていますが、1 セットのみのパリティデータを格納する代わりに、2 セットを格納します。RAID 6 には 4 つ以上の RAID パーティションが必要です。
  • RAID 10 — RAID レベル 10 はネストした RAID または ハイブリッド RAID です。RAID レベル 10 はストレージデバイスのミラーリングされたセットにデータを分散させることで構築されます。例えば、4 つの RAID パーティションから構築された RAID レベル 10 は、1 つのパーティションがもう 1 つのパーティションをミラーする 2 つのペアのパーティションで構成されています。次に、RAID レベル 0 のように、データはストレージデバイスの両方のペア全体に分散されます。RAID 10 には 4 つ以上の RAID パーティションが必要です。

9.15.4. LVM 論理ボリュームの作成

重要

LVM の初期セットアップはテキストモードインストールでは使用できません。ゼロから LVM 設定を作成するには、Alt+F2 を押して、別の仮想コンソールを起動し、lvm コマンドを実行します。テキストモードインストールに戻るには、Alt+F1 を押します。
LVM (Logical Volume Management) は背後にあるハードドライブや LUN のような物理ストレージ領域について、 簡単な論理表示を提示するものです。物理ストレージ上のパーティションは、ボリュームグループとして 一緒にグループ化されて 物理ボリュームとして表示されます。各ボリュームグループは複数の 論理ボリュームに分割されて、そのそれぞれが普通のディスクパーティションと同機能を持つことになります。その結果、LVM 論理ボリュームは複数の物理ディスクにまたがるパーティションとして機能します。
LVM についての詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド』を参照してください。LVM はグラフィカルインストールのみで利用できることに注意してください。
LVM 物理ボリューム
このオプションを選択してパーティション、またはデバイスを LVM 物理ボリュームとして設定します。 このオプションは、使用するストレージがまだ LVM 物理ボリュームを含まない場合に使用できる 唯一の選択です。これは通常のパーティション追加時に出てくるダイアログと同じものです。 使用可能な オプションの説明には、「パーティションの追加」 を参照してください。ファイルシステムタイプLVM (physical volume )にセットされる必要があることに注意してください。
LVM 物理ボリュームの作成

図9.45 LVM 物理ボリュームの作成

LVM ボリュームグループの作成
このオプションを選択して、利用可能な LVM 物理ボリュームから LVM ボリュームグループの作成をするか、または ボリュームグループに既存の論理ボリュームを追加します。
LVM ボリュームグループの作成

図9.46 LVM ボリュームグループの作成

単数、または複数の物理ボリュームを1つのボリュームグループに割り当てるには、 先ず、ボリュームグループに名前を付けます。その後そのボリュームグループで使用 されることになる物理ボリュームを選択します。最後に、追加編集、および 削除 のオプションを使用して、 いずれかのボリュームグループで論理ボリュームを設定します。
ボリュームグループから物理ボリュームを削除することが出来ないことがあります。削除した場合、そのグループの論理ボリューム用に十分な領域を残すことができません。例えば、 8 GB の論理ボリュームを含んでいる2つの 5 GB の LVM 物理ボリュームパーティションで構成されたボリュームグループを例に取りましょう。構成要素となっている物理ボリュームのいずれかを削除すると、8 GB の論理ボリューム用にグループ内にたった 5 GB しか残らないため、インストーラーはそのような削除を許可しません。論理ボリュームの総サイズを適切に縮小した場合は、ボリュームグループから物理ボリュームを削除できる可能性があります。この例では、論理ボリュームのサイズを 4 GB に縮小すると、5 GB の物理ボリュームのいずれかを削除することが可能になります。
論理ボリュームの作成
このオプションを選択して、LVM 論理ボリュームの作成をします。通常のディスクパーティションのように マウントポイント、ファイルシステムタイプ、 およびサイズ (MB) を選択します。この論理ボリュームの名前を 選択してそれに所属するボリュームグループの指定もできます。
論理ボリュームの作成

図9.47 論理ボリュームの作成

9.15.5. パーティション設定に関する推奨

9.15.5.1. x86、 AMD64、 および Intel 64 のシステム

x86、 AMD64、 および Intel 64 のシステムには次のパーティションを作成することを推奨しています。
  • swap パーティション
  • /boot パーティション
  • / パーティション
  • home パーティション
  • /boot/efi パーティション (EFI システムパーティション) - UEFIファームウェアを搭載するシステムの場合のみ
  • swap パーティション (256 MB 以上) — swap パーティションは仮想メモリーをサポートします。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足している場合、データは swap パーティションに書き込まれます。
    過去数年、推奨されるスワップ領域のサイズは、システムの RAM サイズとともに直線的に増加していました。しかし、最近のシステムのメモリーサイズは数百ギガバイトまで増加したため、現在ではシステムが必要なスワップ領域のサイズは、システムメモリーではなく、そのシステム上で実行しているメモリー負荷の関数であることが認識されています。
    以下の表には、ご使用のシステムの RAM 容量別に、システムがハイバネートするために十分なメモリーが不要な場合と必要な場合のスワップパーティションの推奨サイズをまとめています。推奨のスワップ領域はインストール中に自動的に確定されますが、ハイバネーションも可能にするには、カスタムパーティション分割の段階でスワップ領域の編集が必要となります。

    重要

    以下の表での推奨情報は、メモリーの容量が少ないシステム (1 GB 以下) で特に重要になります。システムに十分な swap 領域が割り当てられないと、安定性の問題や、インストールされたシステムが起動できない問題などが発生する原因となることがあります。

    表9.2 システムの推奨 swap 領域

    システムの RAM の容量推奨 swap 領域ハイバネートを許可する場合の推奨 swap 領域
    2GB 以下の RAMRAM 容量の 2 倍 RAM 容量の 3 倍
    2GB から 8GB の RAM RAM 容量と同じ RAM 容量の 2 倍
    8GB から 64GB の RAM 最低 4GBRAM 容量の 1.5 倍
    64GB 以上の RAM 最低 4GBハイバネートは推奨しません
    ご使用のシステムが上記の境界線上 (RAM が 2GB、 8GB または 64GB) になる場合、swap サイズやハイバネートへの対応を決める際は慎重に行なってください。システムリソースに余裕がある場合は、swap 領域を大きくするとパフォーマンスが向上することがあります。
    swap 領域を複数のストレージデバイスに分散させることでも swap のパフォーマンスが向上されます (特に高速ドライブやコントローラー、インターフェースを備えたシステムで効果があります)。

    注記

    Red Hat Enterprise Linux 6.0、6.1、および 6.2 向けに推奨されている swap サイズは、現在の推奨値とは異なります。現在の推奨値は、2012 年 6 月リリースの Red Hat Enterprise Linux 6.3 で初めて公開され、ハイバネート用の領域は考慮されていませんでした。Red Hat Enterprise Linux 6 の旧バージョンにおける自動インストールでは変更前の推奨値に基づいて swap 領域が生成されます。しかしながら、最適なパフォーマンスを目指す場合には、Red Hat Enterprise Linux 6.3 向けに発表されている新しい推奨値に基づいて swap サイズを手動で選択することをお勧めしています。
  • /boot/ パーティション (250 MB)

    /boot/ にマウントされているパーティションには、ブートストラッププロセス中に使用されたファイルと共に、オペレーティングシステムカーネル (システムが Red Hat Enterprise Linux をブートできるようにする) が含まれています。 ほとんどのユーザーには 250 MB の ブートパーティションで充分です。

    重要

    Red Hat Enterprise Linux 6.9 の /boot および / (root) パーティションで使用できるファイルシステムは ext2、ext3、ext4 (推奨) のみになります。これ以外、Btrfs、XFS、 VFAT などのファイルシステムは上記のパーティションには使用できません。/home など他のパーティションの場合は Btrfs や XFS (利用できる場合) などサポートされているファイルシステムを使用することができます。詳細は Red Hat カスタマーポータルの記載をご覧ください。( https://access.redhat.com/solutions/667273)

    警告

    通常、/boot パーティションはインストーラーが自動的に作成することに注意してください。ただし、/ (root) パーティションが 2 TB を超えるサイズでブートに (U)EFI が使用されている場合は、マシンを正常にブートするには 2 TB を超えない別個の /boot パーティションを作成する必要があります。

    注記

    ハードドライブが 1024 シリンダを超える場合(および、ご使用のシステムが 2 年以上前に製造されたものである場合)、/ (root) パーティションにハードドライブの残り領域すべてを使用するには /boot/ パーティションを作成する必要がある場合があります。

    注記

    RAID カードがある場合は、一部の BIOS が RAID カードからのブートをサポートしないことに注意してください。そのような場合には、別のハードドライブなどのような、RAID アレイの外部のパーティションに /boot/ パーティションを作成しなければなりません。
  • root パーティション (3.0 GB - 5.0 GB) — ここに「/」 (root ディレクトリ) があります。この設定では、すべてのファイルが (/boot に保存されるファイルを除く) この root パーティションにあります。
    3.0 GB のパーティションでは最小のインストールしかできません。5.0 GB の root パーティションならフルインストールしてすべてのパッケージグループを選択することができます。

    重要

    Red Hat Enterprise Linux 6.9 の /boot および / (root) パーティションで使用できるファイルシステムは ext2、ext3、ext4 (推奨) のみになります。これ以外、Btrfs、XFS、 VFAT などのファイルシステムは上記のパーティションには使用できません。/home など他のパーティションの場合は Btrfs や XFS (利用できる場合) などサポートされているファイルシステムを使用することができます。詳細は Red Hat カスタマーポータルの記載をご覧ください。( https://access.redhat.com/solutions/667273)

    重要

    / (または root) パーティションはディレクトリ構造の最上レベルになります。 /root ディレクトリ (スラッシュルートとも発音される) はシステム管理用ユーザーアカウントのホームディレクトリになります。
  • home パーティション (最小で 100 MB)

    システムデータとは別にユーザーデータを保管するには、ボリュームグループ内に/home ディレクトリ専用のパーティションを作成します。これにより、ユーザーデータのファイルを消去せずに Red Hat Enterprise Linux をアップグレード/再インストールできるようになります。

多くのシステムには、上記に記載した以外の最小限のパーティション以外のパーティションがあります。ご使用になるシステム特有のニーズに応じてパーティションを選択してください。詳細は、「パーティション設定に関するアドバイス」 を参照してください。
1つの大きな / パーティションではなく、 多くのパーティションを作成すると、アップグレードが楽になります。詳細情報は 「カスタムレイアウトの作成、またはデフォルトレイアウトの変更」 内の Edit オプションの説明参照してください。
以下の表は、一覧表示されたディレクトリを含んでいるパーティション用の 最低限サイズをまとめています。これらの各ディレクトリのために個別の パーティションを作る必要はありません。 例えば、/foo を含んでいる パーティションが最低でも 500 MB でなければならず、個別の /foo パーティションを作成しない場合は、代わりに / (root) パーティションが最低でも 500 MB とすれば良いわけです。

表9.3 最低限パーティションサイズ

ディレクトリ最低限サイズ
/250 MB
/usr250 MB
/tmp50 MB
/var384 MB
/home100 MB
/boot250 MB

注記

余分な容量は割り当てず、すぐに必要となるパーティションのみにストレージ容量を割り当てるようにします。そうすることで、発生するニーズに応じて後でいつでも空きスペースを割り当てることが可能になります。ストレージ管理の柔軟な処理法について学ぶには、付録D LVM の理解 を参照してください。
自分のコンピューター用に最適なパーティション設定が不明な場合は、デフォルトの パーティションレイアウトを採用してください。
9.15.5.1.1. パーティション設定に関するアドバイス
最適なパーティションの設定はその Linux システムの使い方によって異なってきます。以下のヒントを参考にしてディスク領域の割り当てを行ってください。
  • 機密データを格納する可能性があるパーティションには暗号化を検討してください。パーティションを暗号化すると権限を持たない人は物理ストレージデバイスにはアクセスできても暗号化したパーティションにあるデータにはアクセスできなくなります。ほとんどの場合、少なくとも /home パーティションは暗号化してください。
  • システムにインストールされている各カーネルにより /boot パーティションには約 10 MB が必要になります。かなり多数となるカーネルをインストールする予定がない限り、/boot のパーティションサイズはデフォルトの 250 MB で十分でしょう。

    重要

    Red Hat Enterprise Linux 6.9 の /boot および / (root) パーティションで使用できるファイルシステムは ext2、ext3、ext4 (推奨) のみになります。これ以外、Btrfs、XFS、 VFAT などのファイルシステムは上記のパーティションには使用できません。/home など他のパーティションの場合は Btrfs や XFS (利用できる場合) などサポートされているファイルシステムを使用することができます。詳細は Red Hat カスタマーポータルの記載をご覧ください。( https://access.redhat.com/solutions/667273)
  • /var ディレクトリーには、Apache web サーバーなど複数のアプリケーションのコンテンツが収納されます。また、ダウンロードした更新パッケージの一時的な保存にも使用されます。/var ディレクトリーを持たせるパーティションには、ダウンロードした更新パッケージの一時的な保存や他のコンテンツの収納ができるよう十分な領域を確保してください。

    警告

    PackageKit 更新ソフトウェアは、更新済みのパッケージを デフォルトで /var/cache/yum/ にダウンロードします。パーティションを手動で設定する場合、独立した /var/ パーティションを作成して、そのパーティションがパッケージ更新のダウンロードのために充分な容量 (3.0 GB 以上) になるようにしてください。
  • Red Hat Enterprise Linux システムのソフトウェアコンテンツの大半は /usr ディレクトリーに収納されます。デフォルトのソフトウェアセットをインストールする場合は少なくとも 4 GB の領域を割り当ててください。ソフトウェア開発者の方、または Red Hat Enterprise Linux システムを使ってソフトウェア開発スキルを習得しようとしている方の場合は最低でもこの 2 倍の領域が必要になるかもしれません。
  • LVM ボリュームグループには未割り当ての部分を残すよう考慮してください。 領域に関する要件が変化した時、他のパーティションからデータを取り除きストレージに再割り当てをおこなうような作業をしたくない場合など、 この未割り当ての領域によって柔軟性を得ることができます。
  • サブディレクトリーを別々のパーティションに分離しておくと、現在のシステムに新規バージョンの Red Hat Enterprise Linux をインストールする際、そのサブディレクトリー内のコンテンツを保持することができます。例えば、/var/lib/mysql 内で MySQL データベースを実行する予定の場合には、このディレクトリー用のパーティションを別途に作成し、再インストールが必要な事態に備えることができます。
  • UEFI システムには EFI システムパーティションファイルシステムを使って 50 MB から 150MB の /boot/efi パーティションを作成してください。
新しい 80 GB のハードディスクと 1 GB の RAMを搭載しているシステムに設定できるパーティションの例を以下の表に示します。将来的な需要の増加を見込んでボリュームグループのうち未割り当ての領域を約 10 GB ほど残している点に注意してください。

注記

この設定はあくまで例であり、あらゆるユースケースに適しているわけではないことに注意してください。

例9.1 パーティション設定の例

表9.4 パーティション設定の例

パーティションサイズとタイプ
/boot250 MB の ext3 パーティション
swap2 GB の swap
LVM 物理ボリューム残りの領域、1 LVM ボリュームグループ
物理ボリュームはデフォルトのボリュームグループに割り当てられ、さらに以下のような 論理ボリュームに分割されています。

表9.5 パーティション設定の例: LVM 物理ボリューム

パーティションサイズとタイプ
/13 GB の ext4
/var4 GB の ext4
/home50 GB の ext4

9.16. ディスクへの変更の書き込み

インストーラーは選択したパーティション設定オプションを確認するように促します。変更をディスクに書き込む (Write changes to disk) をクリックして、インストーラーに対してハードドライブのパーティション設定を行い、Red Hat Enterprise Linux をインストールすることを許可します。
ストレージ設定のディスクへの書き込み

図9.48 ストレージ設定のディスクへの書き込み

次に進む場合は、変更をディスクに書き込む (Write changes to disk) をクリックします。

警告

インストールプロセスのこの時点まで、インストーラーはコンピューターに対して後にまで影響のある変更は行っていません。変更をディスクに書き込む (Write changes to disk) をクリックすると、インストーラーはハードドライブに領域を割り当て、この領域への Red Hat Enterprise Linux の転送を始めます。選択したパーティション設定オプションによって、この処理にはコンピューター上にあるデータの消去が含まれる場合があります。
この時点までに行った選択を訂正するには、戻る (Go back) をクリックします。完全にインストールを取り止めるのならば、コンピューターの電源を切ります。この時点でほとんどのコンピューターのスイッチをオフにするには、電源ボタンを数秒間押し続けます。
変更をディスクに書き込む (Write changes to disk) をクリックしたら、インストール処理が完了するまでそのままにします。処理が中断されたら (例えば、コンピューターの電源を切るかまたはリセットするか、または停電が発生する場合など)、Red Hat Enterprise Linux のインストール処理を再開して完了するか、または他のオペレーティングシステムをインストールするまで、コンピューターはおそらく使用できなくなります。

9.17. パッケージグループの選択

これでインストールに必要な選択がほとんど終了しました。デフォルトのソフトウェアパッケージをインストールするか、インストールするソフトウェアパッケージをカスタマイズします。
パッケージインストールデフォルト 画面が現われて、 Red Hat Enterprise Linux インストール用のデフォルトパッケージセットの詳細が表示されます。この画面はインストールする Red Hat Enterprise Linux のバージョンによって異ります。

重要

Red Hat Enterprise Linux をテキストモードでインストールする場合はパッケージを選択できません。インストーラーによって自動的にベースかコアいずれかのグループから パッケージが選択されます。インストール後システムが正しく動作するには十分なパッケージで、更新や新規のパッケージのインストールも問題なく行えます。パッケージ選択を変更する場合は、インストールを完了してから ソフトウェアの追加/削除 アプリケーションを使用して必要な変更を行います。
パッケージグループの選択

図9.49 パッケージグループの選択

デフォルトでは基本サーバー (Basic Server) としてシステムを導入する場合に適したソフトウェアの選択が読み込まれます。このインストールには グラフィカル環境が含まれていないため注意してください。別の目的に適したソフトウェアの選択を表示させるには、以下のオプションからいずれか該当するオプションのラジオボタンをクリックします。
基本サーバー (Basic Server)
サーバーで使用する場合の基本的な Red Hat Enterprise Linux インストールです。
データベースサーバー (Database Server)
MySQL および PostgreSQL のデータベースが提供されます。
Web サーバー (Web server)
Apache ウェブサーバーが提供されます。
Enterprise Identity サーバーのベース
アイデンティティーと認証のサーバーを作成するために必要な OpenLDAPIPA (Enterprise Identity Management) が提供されます。
仮想ホスト (Virtual Host)
仮想マシン用のホストを作成するための KVM仮想マシンマネージャー のツールが提供されます。
デスクトップ (Desktop)
OpenOffice.org 生産性スイート、 GIMP などのグラフィカルツール、マルチメディアアプリケーションなどが提供されます。
ソフトウェア開発ワークステーション (Software Development Workstation)
Red Hat Enterprise Linux システムでソフトウェアのコンパイルを行うために必要なツールが提供されます。
最低限 (Minimal)
Red Hat Enterprise Linux の稼働に必須となるパッケージのみが提供されます。目的がひとつのサーバーやデスクトップアプライアンス向けの基本的なパッケージのみが提供され、このようなインストールでのパフォーマンスと安全性を最大化します。

警告

最小限のインストールでは現在、デフォルトではファイアウォールの設定を行いません(iptables/ip6tables)。authconfigsystem-config-firewall-base のパッケージがこの選択に含まれていないためです。キックスタートファイルを使いこのパッケージをソフトウェア選択に追加するとこの問題に対処することができます。詳細については Red Hat カスタマーポータル をご覧ください。また、キックスタートファイルについては 32章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
対処を講じなくてもインストールは正常に完了します。ただし、ファイアウォールは設定されないため安全性に問題が残ります。
現在選択されているパッケージ一覧のインストールを選択する場合は、「パッケージのインストール」 に進んでください。
別のソフトウェアセットを選択する場合は該当チェックボックスをクリックします。(図9.49「パッケージグループの選択」 参照)
パッケージセットをさらにカスタマイズするには、画面上で いますぐカスタマイズ (Customize now) オプションを選択します。次 (Next) をクリックすると、 パッケージグループの選択 (Package Group Selection) 画面に移動します。

9.17.1. 追加のリポジトリからのインストール

リポジトリ を追加で定義して、インストール中にシステムが利用できるソフトウェアを増やすことができます。リポジトリとは、ソフトウェアパッケージとそれらを記述する メタデータ を格納するネットワークの場所です。Red Hat Enterprise Linux で使用される多くのソフトウェアパッケージには、他のソフトウェアがインストールされている必要があります。インストーラーはメタデータを使用して、インストール用に選択するすべてのソフトウェアにそうした要件が満たされていることを確認します。
基本オプションには以下が含まれます。
  • High Availability リポジトリには、Red Hat High-availability Service Management コンポーネントを使用する高可用性クラスタリング (別名 フェールオーバークラスタリング) 用のパッケージが含まれています。
  • Load Balancer リポジトリには、Linux Virtual Server (LVS) を使用する負荷分散クラスタリングのためのパッケージが含まれています。
  • Red Hat Enterprise Linux リポジトリは自動的に選択されます。それには、Red Hat Enterprise Linux 6.9 としてリリースされたすべてのソフトウェア群と、リリース当時に最新であるバージョンの様々なソフトウェアも含まれています。
  • Resilient Storage リポジトリには、Red Hat グローバルファイルシステム (GFS) を使用するストレージクラスタリングのためのパッケージが含まれています。
Red Hat Enterprise Linux 6.9 でのクラスタリングの詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 6.9 High Availability アドオンの概要』 を参照してください。こちら https://access.redhat.com/documentation/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/High_Availability_Add-On_Overview/index.htm/ から入手できます。
ソフトウェアリポジトリの追加

図9.50 ソフトウェアリポジトリの追加

追加の リポジトリ のソフトウェアを含めるには、ソフトウェアリポジトリの追加 (Add additional software repositories) を選択して、リポジトリの場所を入力します。
既存のソフトウェアリポジトリの場所を編集するには、一覧からリポジトリを選択して、リポジトリの修正 (Modify repository) を選びます。
Red Hat Enterprise Linux DVD からなど、ネットワーク経由でないインストールの実行時にリポジトリ情報を変更する場合は、インストーラーによりネットワーク設定情報のプロンプトが表示されます。
ネットワークインターフェースの選択

図9.51 ネットワークインターフェースの選択

  1. ドロップダウンメニューからインターフェースを選択します。
  2. OK をクリックします。
AnacondaNetworkManager を開始し、インターフェースの設定が可能になります。
ネットワークの接続

図9.52 ネットワークの接続

NetworkManager の使用方法の詳細については、「ホスト名の設定」 を参照してください。
ソフトウェアリポジトリの追加 (Add additional software repositories) を選択すると、リポジトリの編集 (Edit repository) のダイアログが表示されます。リポジトリの名前 (Repository name) とその場所となる リポジトリの URL (Repository URL) を入力します。
ミラーの場所を特定すると、使用する URL を決定するために、repodata と呼ばれるディレクトリを 含む ミラーのディレクトリを探します。
追加リポジトリの情報を入力すると、インストーラーはネットワーク経由でパッケージメタデータを読み取ります。その後、特別にマークされているソフトウェアはパッケージグループを選択するシステムに含まれます。

警告

パッケージの選択画面で 戻る (Back) を選択すると、追加で入力したすべてのリポジトリのデータは失われます。これで、追加のリポジトリを効率よくキャンセルできます。現時点では、入力後に 1 つのリポジトリのみをキャンセルすることはできません。

9.17.2. ソフトウェア選択のカスタマイズ

注記

ご使用の Red Hat Enterprise Linux システムは、インストールプロセスの開始時に選択した言語を自動的にサポートします。新たな言語を含めるためには、言語 カテゴリからその目的の言語用のパッケージグループを選択します。
今すぐカスタマイズ (Customize now) を選択して、使用中の最終システム用のソフトウェアパッケージを 詳細に指定します。このオプションにより 「次 (Next) 」 が選択された時点でインストールプロセスが 追加のカスタマイズ画面を表示するようになります。
パッケージグループの詳細

図9.53 パッケージグループの詳細

Red Hat Enterprise Linux は収納されているソフトウェアを パッケージグループ に分類します。簡単に使用できるよう、パッケージ選択の画面はこれらのグループをカテゴリとして表示します。
機能に応じてコンポーネントを組み合わせてあるパッケージグループ(例えば、 X Window SystemEditors)、 個別のパッケージ、またはその混合を選択することができます。
あるカテゴリーのパッケージグループを表示するには、左側の一覧からその カテゴリーを選択します。右側の一覧は、現在選択してあるカテゴリーの パッケージグループを表示します。
インストール用にパッケージグループを指定するには、そのグループ横のチェックボックスを選択します。画面底辺にあるボックスには、強調表示されているパッケージグループの詳細が表示されます。グループのチェックボックスが選択されていないと、そのグループからのパッケージはどれもインストールされません。
パッケージグループを1つ選択すると、Red Hat Enterprise Linux は自動的にそのグループ用の基本的で必須の パッケージをインストールします。選択されたグループ内のインストールされるべきオプションパッケージを変更するには、 グループの説明の下にある オプションパッケージ (Optional Packages) ボタンを選択します。それから個別のパッケージ名の 横にあるチェックボックスを使用してその選択を変更します。
右側にあるパッケージ選択一覧内では、コンテキストメニューをショートカットとして使用してベースおよび必須のパッケージ、またはすべてのオプションパッケージを選択/選択解除することができます。
パッケージの選択一覧のコンテキストメニュー

図9.54 パッケージの選択一覧のコンテキストメニュー

目的とするパッケージの選択が終わったら、次 (Next) を選択して進みます。インストーラーは選択をチェックし、選択したソフトウェアを使うのに必要な追加のパッケージを自動的に追加します。パッケージの選択が終わったら、閉じる (Close) をクリックしてオプションパッケージ選択を保存し、メインのパッケージ選択画面に戻ります。
パッケージの選択は永続的ではありません。システムを起動した後に ソフトウェアの追加/削除を使用すると、新しいソフトウェアをインストールしたり、インストール済の パッケージを削除したりできます。このツールを使用するには、メインメニューから システム管理ソフトウェアの追加/削除 と選んで行きます。Red Hat Enterprise Linux ソフトウェア管理システムは、インストールディスクを使用するのではなく、ネットワークサーバーから最新のパッケージをダウンロードします。

9.17.2.1. 中核となるネットワークサービス

すべての Red Hat Enterprise Linux インストールには以下のネットワークサービスが含まれています。
  • syslog を介した中央化したロギング
  • SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) 経由の電子メール
  • NFS (Network File System) 経由のネットワークファイル共有
  • SSH (Secure SHell) 経由のリモートアクセス
  • mDNS (multicast DNS) 経由のリソースのアドバタイズ
デフォルトのインストールは以下も提供します。
  • HTTP (HyperText Transfer Protocol) を介したネットワークファイル転送
  • CUPS (Common UNIX Printing System) を介した印刷
  • VNC (Virtual Network Computing) を介したリモートデスクトップアクセス
Red Hat Enterprise Linux システム上の一部の自動化したプロセスでは、電子メールサービスを使用して システム管理者にレポートとメッセージを送信します。デフォルトでは、電子メール、ロギング、および 印刷のサービスは他のシステムからの接続を許可しません。Red Hat Enterprise Linux は NFS 共有、HTTP、 および VNC のコンポーネントのサービスを有効にしない状態でインストールします。
インストールの後に Red Hat Enterprise Linux システムを設定することにより、電子メール、ファイル共有、ロギング、印刷、およびリモートデスクトップアクセスなどのサービスを装備することができます。SSH サービスはデフォルトでは有効になっています。さらに NFS 共有サービスを有効にしない状態でも他のシステム上のファイルにアクセスできるように NFS を使用できます。

9.18. x86、AMD64、および Intel 64 のブートローダーの設定

起動用メディアを使用せずにシステムを起動する場合、通常、ブートローダーをインストールする必要があります。ブートローダーは、コンピューターがスタートするときに最初に実行するソフトウェアプログラムです。読み込みを行ってから、オペレーティングシステムのカーネルソフトウェアに制御を渡す役割を果たします。このあと、カーネルにより残り全体のオペレーティングシステムが初期化されます。

重要

Red Hat Enterprise Linux をテキストモードでインストールする場合には、インストーラーがブートローダーを自動的に設定しますので、ユーザーはインストールプロセス中にブートローダーの設定をカスタマイズすることはできません。
デフォルトでインストールされている GRUB (GRand Unified Bootloader) は非常に強力なブートローダーです。GRUB は様々な無償のオペレーティングシステムをロードするだけでなく、チェーンロード (別のブートローダーをロードすることで、Windows などの対応していないオペレーティングシステムをロードするための仕組み) を使用したプロプライエタリのオペレーティングシステムもロードすることができます。開発の焦点が GRUB 2 へ移って以来、Red Hat Enterprise Linux 6 の GRUB バージョンは安定した旧バージョンで「GRUB Legacy」と呼ばれています。[4] Red Hat は、同梱するすべてのパッケージと同様に、Red Hat Enterprise Linux 6 に同梱する GRUB のバージョンの維持管理も継続して行います。

注記

GRUB メニューは、デュアルブートシステム以外ではデフォルトで非表示になります。システムのブート時に GRUB メニューを表示するには、カーネルがロードされる前に Shift キーを押し続けます (他にも機能するキーがありますが、Shift キーの使用が一番安全です)。
ブートローダーの設定

図9.55 ブートローダーの設定

コンピューターに他のオペレーティングシステムがないか、または他のオペレーティングシステムを完全に削除している場合、インストールプログラムは何の介入もなく、GRUB をブートローダーとしてインストールします。この場合は、「パッケージグループの選択」 に進むことができます。
システム上にはブートローダーがすでにインストールされている場合があります。オペレーティングシステムは独自のブートローダーをインストールしているか、またはサードパーティーのブートローダーがインストールされている場合があります。ご使用のブートローダーが Linux パーティションを認識しない場合は、Red Hat Enterprise Linux をブートできない可能性があります。その状況では Linux および他の多くの他のオペレーティングシステムのブート用に GRUB をブートローダーとして使用してください。この章にある説明に従って GRUB をインストールしてください。

警告

GRUB をインストールすると、既存のブートローダーが上書きされます。
デフォルトでは、インストールプログラムは GRUB を root ファイルシステム用のデバイスのマスターブートレコード( MBR)にインストールします。新規のブートローダーのインストールを拒否するには、/dev/sda へブートローダーをインストール を選択解除します。

警告

なんらかの理由で GRUB をインストールしない選択をする場合は、システムを直接起動できなくなりますので、他の起動手段(市販のブートローダーアプリケーションなど) を使う必要があります。このオプションは、システムを起動する別の方法があることを確認できる場合にのみ使用してください。
他のオペレーティングシステムがすでにインストールされている場合、Red Hat Enterprise Linux は自動的に検出し、GRUB がこれらを起動するように設定します。GRUB が他のオペレーティングシステムを検出しない場合は、それらのオペレーティングシステムを手動で設定することができます。
検出されたオペレーティングシステムの追加や、削除、または設定の変更を行うには、提供されるオプションを使用します。
追加
追加のオペレーティングシステムを GRUB に含めるには 追加 (Add) を選択します。
ドロップダウンリストから起動できるオペレーティングシステムを含むディスクパーティションを選択し、その項目にラベルを付けます。GRUB はブートメニューにこのラベルを表示します。
編集
GRUB 起動メニューの項目を変更するには、項目を選択してから 編集 (Edit) を選択します。
削除
GRUB 起動メニューから項目を削除するには、項目を選択してから 削除 (Delete) を選択します。
対象のブートパーティションの横にある デフォルト (Default) を選択してデフォルトでブートする OS を選択します。デフォルトのブートイメージを選択しないとインストールを先に進めることはできません。

注記

Label 欄には、必要な OS をブートするために、ブートプロンプトで入力すべきブートローダー名がテキストで一覧表示されます。
GRUB 起動画面をロードしたら、矢印キーを使用してブートラベルを選択するか、または編集するには e と入力します。選択したブートラベル用の設定ファイルにある項目一覧が表示されます。
ブートローダーのパスワードはサーバーへのアクセスが物理的に可能な環境においてセキュリティを高める役割を果たします。
ブートローダーをインストールする場合、システムを保護するためにパスワードを設定する必要があります。ブートローダーのパスワードがないと、そのシステムにアクセス可能なユーザーがシステムのセキュリティを侵害する恐れのあるオプションをカーネルに渡すことができることになります。ブートローダーのパスワードを設定すると、まずパスワードが入力されてからでないと標準以外の起動オプションを選択することができなくなります。ただし、それでも物理的にマシンにアクセスできる人は BIOS が対応している場合はフロッピーディスク、CD-ROM、または USB メディアから起動することができます。ブートローダーのパスワードを含むセキュリティプランでも、ブートの代替方法に対応している必要があります。

注記

使用するシステムが信頼できるユーザーのみを持つ場合や、コンソールアクセスが制御された状態で物理的に安全な場合は、GRUB パスワードは不要になる場合があります。ただし、信頼できないユーザーがそのコンピューターのキーボードとモニターに物理的にアクセスできる場合は、そのユーザーはシステムを再起動して GRUB にアクセスできるようになります。このようなケースではパスワードが保護になります。
システムのセキュリティを強化するためにブートローダーパスワードの使用を選択する場合、必ず ブートローダーパスワードを使用 (Use a boot loader password) とラベル付けしてあるチェックボックスを選択してください。
選択した後にパスワードを入力し、パスワードの確認を行います。
GRUB はパスワードを暗号化して保存します。そのため、その読み込みや復元はできません。ブートパスワードを忘れてしまった場合は、システムを通常の方法でブートして /boot/grub/grub.conf ファイル内のパスワードエントリーを変更します。ブートできない場合は、1 枚目の Red Hat Enterprise Linux インストールディスクの "rescue(レスキュー)" モードを使用すると、GRUB パスワードを再設定できます。
GRUB パスワードを実際に変更する必要がある場合は、grub-md5-crypt ユーティリティを使用します。このユーティリティの使用方法についての詳細は、ターミナル画面でコマンド man grub-md5-crypt を入力して該当するマニュアルページをお読みください。

重要

GRUB パスワードを選択する時点では、GRUB がシステムに接続してあるキーボードに関係なく、QWERTY キーボードレイアウトのみを認識することに注意してください。かなり異なるレイアウトのキーボードを使用している場合は、キーストロークが生み出す単語よりもそのキーストロークのパターンを記憶することが効果的だと言えます。
ドライブの順序変更やカーネルへオプションを渡すなどのより高度なブートローダーオプションを設定するには、次 (Next) をクリックする前に、高度なブートローダーオプションの設定 (Configure advanced boot loader options) を必ず選択してください。

9.18.1. 高度なブートローダーオプションの設定

インストールするブートローダーを選択した後は、そのブートローダーをインストールする場所も選択することができます。ブートローダーは次の 2 カ所のどちらかにインストールできます。
  • マスターブートレコード (MBR) — MBR で System Commander など別のオペレーティングシステムローダーを起動するようすでに設定されていない限り、BIOS ファームウェアを搭載しているシステムの場合はここがブートローダーの推奨インストール先になります。MBR はコンピューターの BIOS によって自動的に読み込まれるハードドライブ上の特殊な領域になります。また、ブートローダーが起動プロセスを制御できる最初のポイントです。MBR にブートローダーをインストールすると、マシンの起動時に GRUB によってブートプロンプトが表示されます。ここで Red Hat Enterprise Linux かブートローダーで起動するよう設定している他のオペレーティングシステムを起動します。
  • EFI システムのパーティション — UEFI ファームウェアを搭載しているシステムにはブートローダーをインストールするための特殊なパーティションが必要になります。このパーティションは efi タイプの物理的なパーティション (論理ボリューム以外) で少なくとも 50MB の大きさにしてください。推奨サイズは 200MB です。このパーティションを格納するドライブにはマスターブートレコードのラベルではなく GUID パーティションテーブル (GPT) のラベルを付ける必要があります。MBR があるドライブに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、ドライブのラベルを付け直す必要があります。ラベル付けのプロセスでこのドライブ上のデータはすべて失われることになります。
  • ブートパーティションの最初のセクター— システムですでに別のブートローダーを使用している場合には、この場所を推奨します。この場合、その他のブートローダーがまず制御を受け取ります。次に、GRUB をスタートするようにそのブートローダーを設定することができます。次に GRUB が Red Hat Enterprise Linux を起動させます。

    注記

    GRUB を2番目のブートローダーとしてインストールする場合には、新規のカーネルをインストールしてそこからブートする時に使用する1 番目のブートローダーを再設定する必要があります。Microsoft Windows などのオペレーティングシステムのカーネルは同じ方法でブートしません。そのため、デュアルブートシステム上では ほとんどのユーザーは GRUB を 1番目のブートローダーとして使用します。
ブートローダーのインストール

図9.56 ブートローダーのインストール

注記

RAID カードを使用している場合、BIOS の種類の中には RAID カードからの起動に対応しないものがあることに注意してください。こうした場合、これらのブートローダーは RAID アレイの MBR 上にインストール しない でください。ブートローダーは /boot/ パーティションが作成されたのと同じドライブの MBR にインストールしなければなりません。
システムが Red Hat Enterprise Linux のみを使用する場合は、MBR を選択します。
ドライブの順を変更したい場合、または、BIOS が正しいドライブ順で動作しない場合は ドライブ順を変更 (Change Drive Order) ボタンをクリックします。複数の SCSI アダプターや SCSI と IDE のアダプターを使用していて SCSI デバイスから起動したい時に、ドライブ順の変更が役に立ちます。

注記

ハードドライブのパーティションを設定する際は、古いシステムの BIOS にはハードドライブの 1024 シリンダを超えてアクセスすることができないものがあることに留意してください。このような場合、Linux をブートするために、ハードドライブの 1024 シリンダまでに /boot Linux パーティションの十分な領域を残しておいてください。その他の Linux パーティションは 1024 シリンダ以降でも構いません。
parted では、1024 シリンダは 528 MB になります。詳細については以下を参照してください。
http://www.pcguide.com/ref/hdd/bios/sizeMB504-c.html

9.18.2. レスキューモード

レスキューモードは、システムのハードドライブから起動せずに、全面的に起動用メディアまたは他の起動方法で小規模の Red Hat Enterprise Linux 環境を起動する機能を提供します。Red Hat Enterprise Linux を完全に稼動させることができず、システムのハードドライブにあるファイルにアクセスができないことがあるかもしれません。レスキューモードを使用すると、実際にはそのハードドライブから Red Hat Enterprise Linux を稼動させることができなくても、システムのハードドライブに保存しているファイルにアクセスすることができます。レスキューモードを使用する必要がある場合は、次の方法を試してください。
  • CD、DVD、USB、または PXE などのインストールメディアから x86、AMD64、または Intel 64 のシステムをブートしてから、インストールブートプロンプトで linux rescue と入力します。レスキューモードの詳細については 36章基本的なシステムの復元 を参照してください。
詳細情報は『Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド』を参照してください。

9.18.3. 代わりのブートローダー

GRUB は Red Hat Enterprise Linux のデフォルトのブートローダーですが、これが唯一の選択肢ではありません。GRUB に対して各種のオープンソースと商用の代替品が Red Hat Enterprise Linux のブートに使用可能です。それには、LILOSYSLINUX、および Acronis Disk Director Suite が含まれます。

重要

Red Hat では、サードパーティー製のブートローダーに対するカスタマーサポートは提供していません。

9.19. パッケージのインストール

この段階では、すべてのパッケージがインストールされるまで、他に操作することはありません。パッケージのインストールに要する時間は選択しているパッケージの数やコンピューターの速度により異なります。
利用可能なリソースに応じて、インストール用に選択したパッケージの依存関係を インストーラーが解決する間に以下のような進捗バーが表示されます。
インストールの開始

図9.57 インストールの開始

Red Hat Enterprise Linux は選択したパッケージをシステムに書き込む時にインストールの 進捗を画面上で報告します。
パッケージの完了

図9.58 パッケージの完了

インストールの完全なログはシステムの再起動後に参照用に /root/install.log で見ることができます。
インストールが完了したら、再起動 (Reboot) を選択してコンピューターを再起動してください。Red Hat Enterprise Linux はコンピューターを再起動する前に、 ロードされているディスクを取り出します。

9.20. インストールの完了

おめでとうございます。Red Hat Enterprise Linux のインストールが完了しました。
インストールプログラムがシステムの再起動の準備を要求してきます。インストール メディアが再起動時に自動的に出てこない場合は、それを取り出すことを忘れないでください。
コンピューターの通常の電源投入後に、Red Hat Enterprise Linux がロードされて開始します。 デフォルトでは、開始プロセスは進捗バーを表示しているグラフィカル画面の裏に隠れています。最終的に login: プロンプト、あるいは GUI ログイン画面 (X Window System をインストールしていて X の自動起動を選択している場合) が表示されます。
初めて Red Hat Enterprise Linux システムをランレベル 5 (グラフィカルランレベル) で開始すると、 FirstBoot ツールが表示され、Red Hat Enterprise Linux の 設定を順番にガイドしていきます。このツールを使用すると、システム時計と日付の設定、ソフトウェアのインストール、Red Hat Network へマシンの登録、その他が出来るようになります。 FirstBoot は 最初に使用環境を設定する為、Red Hat Enterprise Linux システムを 素早く使用する準備ができます。
34章Firstboot は、設定プロセスについて、順を追って説明します。


[2] root パスワードとは、Red Hat Enterprise Linux システムの管理用パスワードです。システム管理に必要な時にのみ root としてログインすることをお勧めします。root アカウントは通常のユーザーアカウントに課された制約を受けないため、root として行う変更は使用しているシステム全体に影響を及ぼす可能性があります。
[3] fsck アプリケーションは、 ファイルシステムのメタデータの整合性をチェックし、 オプションで単一または複数の Linux ファイルシステムの修復を行なう目的で使用されます。

第10章 Intel または AMD システムでのインストールに関するトラブルシューティング

本セクションでは、いくつかの一般的な問題とそれらの解決方法について説明します。
デバッグの目的で、anaconda はインストールアクションを /tmp ディレクトリ内のファイルにログを記録します。これらのファイルには以下が含まれます。
/tmp/anaconda.log
一般的な anaconda メッセージ
/tmp/program.log
anaconda が実行するすべての外部プログラム
/tmp/storage.log
ストレージモジュールの詳細情報
/tmp/yum.log
yum パッケージインストールのメッセージ
/tmp/syslog
ハードウェア関連のシステムメッセージ
インストールが失敗すると、これらのファイルからのメッセージは /tmp/anaconda-tb-identifier に統合されます。ここで、identifier はランダム文字列になります。
上記のファイルすべてはインストーラーの ramdisk 内に存在しているため、消失する可能性があります。永続コピーを作成するには、インストールイメージ上で scp を使用して、これらのファイルをネットワーク上の別のシステムにコピーします (順序はこの逆にはなりません)。

10.1. Red Hat Enterprise Linux を起動できない

10.1.1. RAID カードから起動できない

インストールを実行してシステムを正しく起動できない場合は、再インストールを試みてパーティションの構成を変える必要があるかもしれません。
BIOS には RAID カードからの起動に対応しない種類があります。インストールの最後でテキストベースの画面にブートローダーのプロンプト (GRUB: など) が表示され、カーソルが点滅するだけの状態になることがあります。このような場合はシステムのパーティションを再構成しなければなりません。
自動または手動のパーティション設定のいずれを選択した場合でも、/boot パーティションは個別のハードドライブなど RAID アレイの外側にインストールしてください。内蔵ハードドライブは問題のある RAID カードでのパーティション作成に必要になります。
また、ブートローダー (GRUB または LILO) も RAID アレイの外側にあるドライブの MBR にインストールする必要があります。/boot/ パーティションを持たせるドライブと同じドライブにしてください。
変更を終えるとインストールを終了してシステムを正常に起動できるようになります。

10.1.2. シグナル 11 のエラーが表示される

シグナル 11 エラー (セグメンテーション障害 としても知られる) は、割り当てられていないメモリーロケーションにプログラムがアクセスしたことを意味します。シグナル 11 エラーの原因は、インストールされているいずれかのソフトウェアプログラムのバグか、または不良のハードウェアにある場合があります。
インストール時に致命的なシグナル 11 エラーが生じた場合、それはおそらくシステムのバス内のメモリーのハードウェアエラーである可能性があります。他のオペレーティングシステムと同様に、Red Hat Enterprise Linux は自らの要求をシステムのハードウェアに課します。これらのハードウェアの一部は 他の OS では正しく機能しても、これらの要求に対応できないことがあります。
最新のインストール更新とイメージがあることを確認してください。オンライン errata で新しいバージョンが入手できるかどうか調べてください。最新のイメージを使用してもまだ失敗する場合は、それはハードウェアに関連した問題である可能性があります。一般的にはこれらのエラーはメモリーまたは CPU キャッシュ内にあるものです。システムがサポートする場合は、BIOS 内で CPU キャッシュをオフにするとこのエラーが解決することもあります。またマザーボードスロット内のメモリーを入れ換えて、問題がスロットか、またはメモリー内にあるのかを確認してみることもできます。
もう 1 つのオプションは、インストール用 DVD のメディアチェックを実行することです。Anaconda インストールプログラムには、インストールメディアの整合性をテストする機能があります。これは、DVD、ハードドライブ ISO、および NFS ISO などのインストールメソッドで機能します。Red Hat では、実際にインストールを開始する前、およびインストール関連のバグを報告する前にすべてのインストールメディアをテストすることを推奨しています。(多くの報告されたバグは実際には DVD の焼き込みの不備が原因です)。このテストを使用するには、boot: または yaboot: プロンプトで以下のコマンドを入力します。
linux mediacheck
シグナル 11 エラーに関しての詳細は以下のサイトをご覧ください。
http://www.bitwizard.nl/sig11/

10.1.3. 起動初期の問題を診断する

GRUB 起動メニューは正しく表示されるのにシステムの起動には失敗するような場合には ブートコンソール が役に立つ場合があります。ブートコンソール内のメッセージからは現在のカーネルバージョン、起動メニューからカーネルに渡されたコマンドラインパラメーター、現在のカーネルに対して有効にされているハードウェアサポート、物理メモリーマップ、その他問題の原因を追求するのに役立つ可能性のある情報を得ることができます。
ブートコンソールを有効にするには、GRUB 起動メニューのエントリーを選択し e を押して起動オプションの編集を行います。kernel (linux の場合もある) で始まる行に以下を追加します。
  • BIOS ファームウェアのシステムの場合は earlyprintk=vga,keep を追加します。ブートコンソールメッセージがシステムのディスプレイに表示されるはずです。
  • UEFI ファームウェアのシステムの場合は earlyprintk=efi,keep を追加します。ブートコンソールメッセージが EFI フレームバッファに表示されるはずです。
また、他のメッセージは表示させずブートコンソールからのメッセージのみを表示するよう quiet オプションを追加することもできます (まだ使用していない場合)。

注記

BIOS および UEFI 用の earlyprintk オプションもカーネルの /boot/config-version ファイルで有効になっていなければなりません。CONFIG_EARLY_PRINTK=CONFIG_EARLY_PRINTK_EFI= のオプションの値は y に設定されている必要があります。このオプションはデフォルトでは有効になっています。無効にしていた場合にはレスキューモードで /boot パーティションをマウントし、設定ファイルを編集してオプションを再度有効にする必要があるかもしれません。

10.2. インストール開始時の問題

10.2.1. グラフィカルインストールでの起動に関する問題

一部のビデオカードには、グラフィカルインストールプログラムでの起動に問題があるものがあります。インストールプログラムはデフォルト設定で実行できない場合、低解像度モードでの実行を試行します。それでも失敗する場合はテキストモードでの実行を試行します。
考えられる解決策のひとつとして、インストール中は基本のビデオドライバーしか使用しない方法です。起動メニューで Install system with basic video driver を選択するか、ブートプロンプトで xdriver=vesa 起動オプションを使用します。または、resolution= 起動オプションを使って特定の解像度の使用をインストーラーに強制することもできます。ノート型パソコンユーザーにはこの方法が一番役に立つでしょう。別の解決策として driver= オプションを使ってビデオカード用にロードされるドライバーを指定する方法です。この方法で解決した場合はインストーラーによるビデオカードの自動検出が失敗していますのでバグとして報告してください。起動オプションについては 28章起動オプション を参照してください。

注記

フレームバッファのサポートを無効にしてインストールプログラムのテキストモードでの実行を許可する場合は nofb 起動オプションを使用してみてください。このコマンドは画面の読み込みを行うハードウェアによるアクセスに必要となる場合があります。

10.3. インストール中の問題

10.3.1. No devices found to install Red Hat Enterprise Linux (Red Hat Enterprise Linux のインストール先となるデバイスがありません) というエラーメッセージ

No devices found to install Red Hat Enterprise Linux (Red Hat Enterprise Linux のインストール先となるデバイスがありません) というエラーメッセージが出た場合は、インストールプログラムが認識できない SCSI コントローラーがある可能性があります。
ハードウェア販売会社の Web サイトを参照し、この問題を解決するためのドライバー更新が入手できるかを確認してください。ドライバー更新に関する一般的な情報については、6章Intel および AMD システム上でのインストール時のドライバーの更新 を参照してください。
以下のオンラインサイトにある 『Red Hat ハードウェア互換性リスト』 も参照できます。

10.3.2. トレースバックメッセージの保存

グラフィカルインストールプロセス時に anaconda でエラーが発生した場合には、クラッシュレポートのダイアログボックスが表示されます。
クラッシュレポートのダイアログボックス

図10.1 クラッシュレポートのダイアログボックス

詳細
エラーの詳細を表示
クラッシュの詳細

図10.2 クラッシュの詳細

保存
エラーの詳細をローカルまたはリモートで保存
終了
インストールプロセスを終了
メインダイアログから 保存 (Save) を選択すると、以下のようなオプションから選択することができます。
レポーターの選択

図10.3 レポーターの選択

ロガー
エラーの詳細をローカルハードドライブの指定の場所にログファイルとして保存します。
Red Hat カスタマーサポート
カスタマーサポートにクラッシュレポートを送信し、サポートを要請します。
レポートアップローダー
圧縮版のクラッシュレポートを Bugzilla または任意の URL にアップロードします。
レポートを送信する前に、Preferences (設定) をクリックして送信を指定するか、または認証の詳細情報を提供します。設定する必要のある報告メソッドを選択して Configure Event (イベント設定) をクリックします。
レポーターの設定

図10.4 レポーターの設定

ロガー
ログファイルのパスとファイル名を指定します。既存のログファイルを追加する場合には、Append (追記する) にチェックマークを付けます。
ログファイルのローカルパスの指定

図10.5 ログファイルのローカルパスの指定

Red Hat カスタマーサポート
レポートがカスタマーサポートに送信されて自分のアカウントにリンクされるようにするために、Red Hat Network のユーザー名とパスワードを入力します。URL は自動入力され、Verify SSL (SSL を照合する) のオプションはデフォルトでチェックマークが付けられます。
Red Hat Network の認証詳細情報の入力

図10.6 Red Hat Network の認証詳細情報の入力

レポートアップローダー
圧縮版のクラッシュレポートのアップロード先 URL を指定します。
クラッシュレポートのアップロード先 URL の入力

図10.7 クラッシュレポートのアップロード先 URL の入力

Bugzilla
クラッシュレポートを使用して Red Hat のバグ追跡システムにバグ報告を提出するには、Bugzilla のユーザー名とパスワードを入力します。URL は自動入力され、Verify SSL (SSL を照合する) のオプションにはデフォルトでチェックマークが付けられます。
Bugzilla の認証詳細情報の入力

図10.8 Bugzilla の認証詳細情報の入力

設定内容の入力が完了したら、OK をクリックしてレポーター選択ダイアログに戻ります。問題を報告する方法を選択し、Forward (進む) をクリックします。
報告データの確認

図10.9 報告データの確認

報告の対象とする問題にチェックマークを付けたり、報告の対象外とする問題からチェックマークを外したりすることによって、レポートをカスタマイズすることができます。完了したら、Apply (適用) をクリックします。
報告中のレポート

図10.10 報告中のレポート

この画面には、ログの送信や保存におけるエラーを含む、レポートの結果が表示されます。Forward (進む) をクリックして次に進みます。
報告終了

図10.11 報告終了

レポートが完了しました。Forward (進む) をクリックしてレポート選択ダイアログに戻り、別のレポートを作成することができます。またはレポーティングユーティリティを終了するには Close (閉じる) をクリックしてから Exit (終了) をクリックし、インストールプロセスを閉じます。

10.3.3. パーティションテーブルに関する問題

インストールの ディスクパーティション設定 (「ディスクパーティションの構成」) の段階の後に次のような内容のエラーが出た場合
The partition table on device hda was unreadable. To create new partitions it must be initialized, causing the loss of ALL DATA on this drive. (デバイス hda 上のパーティション表を読み込めません。新規のパーティションを作成するには 初期化する必要がありますが、このドライブ上のすべてのデータを喪失することになります。)
そのドライブにはパーティションテーブルがないか、またはそのドライブにあるパーティションテーブルはインストールプログラムで使用しているパーティション設定ソフトウェアで認識できない可能性があります。
EZ-BIOS などのプログラムを使用しているユーザーが、データを喪失後回復できないという様な問題を経験しています (インストール開始前にデータをバックアップしなかったと思われます)。
実行しているインストールのタイプに関係なく、システム上の既存データのバックアップは必ず作成してください。

10.3.4. 未使用領域の使用

swap/ (root) のパーティションを作成し、残った領域を root として使う選択をした際に、ハードディスクドライブに未使用の領域が残る場合があります。
ご使用のハードディスクが 1024 シリンダを超える場合、そのハードディスクの残りの領域すべてを / (root) として使用するには、/boot パーティションを作成する必要があります。

10.3.5. 「drive must have a GPT disk label (ドライブには GPT ディスクラベルを付けてください)」のエラーメッセージ

EFI システムを搭載しているシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールして既存のパーティションレイアウトを持つディスクを起動ドライブ (ブートローダーをインストールするドライブ) として使用すると、カスタムのパーティション設定をしている際に次のようなエラーメッセージが表示される場合があります。
sda must have a GPT disk label (sda には GPT ディスクラベルを付けてください)
UEFI システムが GUID パーティションテーブル (GPT) のラベルを必要としているにも関わらず起動ドライブ (この場合sda ) にマスターブートレコード (MBR) のラベルが付いているとこのようなエラーメッセージが表示されます。MBR のラベルが付いたドライブ上では既存のパーティションレイアウトが使用できないためディスクのラベルを付け直す必要があります。つまり、新しいパーティションレイアウトを作成する必要があるため、既存のデータは全て失われます。
この問題を回避するにはパーティション設定のストラテジーを選択した画面に戻ります。カスタムパーティション設定 以外 のオプションを選択します(すべての領域を使用する など)。 パーティションのレイアウトをレビューまたは修正する のチェックボックスに印を付け をクリックします。
次の画面で自動作成されたレイアウトをニーズに合うよう修正します。修正が終わり をクリックすると、Anaconda によりそのレイアウトが使用され自動的にドライブラベルの付け直しが行われます。
キックスタートファイルを使用する、またはインストール開始前に別のシステムでディスクラベルの付け直しを行うことでこの問題を解決することもできます。詳細は 「UEFI のシステムで MBR のディスクドライブを使用する」 を参照してください。また、MBR および GPT については 「パーティション: 1 つのドライブを複数ドライブにする」 を参照してください。

10.3.6. その他のパーティション作成の問題

パーティションを手動で作成する際、次の画面へ移動できない場合は、おそらくインストールを継続するのに必要なパーティションをすべて作成していないことが考えられます。
最低必要条件として次のパーティションがあることを確認してください。
  • / (root) パーティション
  • タイプ swap の <swap> パーティション
詳細は、「パーティション設定に関する推奨」 を参照してください。

注記

パーティションのタイプを swap と定義する場合、マウントポイントは割り当てません。Anaconda がマウントポイントを自動的に割り当てます。

10.4. インストール後の問題

10.4.1. x86 ベースのシステムでグラフィカルな GRUB 画面に問題がある

GRUB に問題がある場合には、グラフィカルな起動画面を無効にする必要があるかもしれません。無効にするには、root ユーザーになり /boot/grub/grub.conf ファイルを編集します。
grub.conf ファイル内で、splashimage で始まる行の先頭に # を挿入してコメントアウトします。
Enter を押して編集モードを終了します。
ブートローダーの画面に戻ったら、b と入力してシステムを起動します。
再起動すると、grub.conf ファイルが再度読み込まれて変更が反映されます。
grub.conf ファイルの上記の行でコメント解除、またはその行を追加することにより、グラフィカルブートを再度有効にできます。

10.4.2. グラフィカル環境へのブート

X Window System をインストールしているものの、システムにログインしてもグラフィカルデスクトップ環境が表示されない場合、コマンド startx を使用することで X Window System のグラフィカルインターフェースを開始することができます。
このコマンドを入力して、Enter を押すと、グラフィカルなデスクトップ環境が表示されます。
ただし、これは一度限りの修正であり、以後のログイン手順は変更されないことに注意してください。
グラフィカルログイン画面にログインできるようにシステムを設定するには、/etc/inittab ファイル内にあるランレベルセクションの一桁の数字のみを変更してこのファイルを編集する必要があります。この編集作業が終了したら、コンピューターを再起動します。次回のログイン時にグラフィカルログインのプロンプトが出されます。
シェルプロンプトを開きます。ユーザーアカウントで操作している場合は、su コマンドを入力して root になります。
次に、以下を入力して gedit でファイルを編集します。
gedit /etc/inittab
ファイル /etc/inittab が開きます。最初の画面に、以下のようなファイルのセクションが表示されます。
# Default runlevel. The runlevels used are: 
#   0 - halt (Do NOT set initdefault to this) 
#   1 - Single user mode 
#   2 - Multiuser, without NFS (The same as 3, if you do not have networking) 
#   3 - Full multiuser mode 
#   4 - unused 
#   5 - X11 
#   6 - reboot (Do NOT set initdefault to this) 
#
id:3:initdefault:
コンソールからグラフィカルログインに変更するには、id:3:initdefault: の行にある数字を 3 から 5 に変更します。

警告

デフォルトのランレベルの数字 のみ3 から 5 に変更してください。
変更した行は以下のようになります。
id:5:initdefault:
変更に間違いがなければ、Ctrl+Q キーの組み合わせを使ってファイルを保存し、終了します。次に、ウィンドウが表示されて変更を保存するかを聞かれます。保存 (Save) をクリックします。
次回にシステムを再起動してログインする時に、グラフィカルログインのプロンプトが出されます。

10.4.3. X Window System (GUI) に関する問題

X (X Window System)の起動に問題がある場合、X Window System がインストールの実行中にインストールされていない可能性があります。
X Window System が必要な場合は、Red Hat Enterprise Linux インストールメディアからそのパッケージをインストールするか、またはアップグレードを実行します。
アップグレードを選択する場合は、X Window System パッケージを選択し、アップグレードパッケージを選択する過程で GNOME か KDE のどちらか、またはその両方を選択します。
デスクトップ環境のインストール方法の詳細については、「グラフィカルログインへの切り替え」を参照してください。

10.4.4. X サーバーのクラッシュと root 以外のユーザーに関する問題

どのユーザーがログインしても X サーバーがクラッシュしてしまうという問題がある場合、ファイルシステムがいっぱいになっている (または、ハードドライブの使用可能な領域が不足している) 可能性があります。
これが現在起きている問題であるかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。
df -h
df コマンドはいっぱいになっているパーティションがどれかを診断するのに役立ちます。df および利用できるオプション(この例に使われている -h オプションなど) の説明については、シェルプロンプトで man df と入力して df の man ページを参照します。
ファイルシステムがいっぱいである場合、そのパーティションのインジケーターが 100% か 90% または 95% 以上になっているはずです。/home//tmp/ パーティションはユーザーのファイルですぐに満杯になってしまうことがあります。そのパーティションにスペースを作るには、古いファイルを削除します。ディスク領域をある程度解放した後に、前回失敗したユーザーとして X の実行を試みます。

10.4.5. ログイン時の問題

firstboot 画面でユーザーアカウントを作成していなかった場合、Ctrl+Alt+F2 を押してコンソールに切り替え、root としてログインし、root に割り当てられたパスワードを使用します。
root のパスワードを忘れた場合は、システムを linux single として起動します。
x86 ベースのシステムを使用していて GRUB がインストールされているブートローダーである場合、GRUB の起動画面がロードされた時点で、編集のために e と入力します。選択しているブートラベルの設定ファイルの項目リストが表示されます。
kernel で始まる行を選択し、このブートエントリーを編集するために e と入力します。
kernel 行の最後に以下を入力します。
single
Enter を押して、編集モードを終了します。
ブートローダーの画面に戻ったら、b と入力してシステムを起動します。
シングルユーザーモードで起動して、# プロンプトにアクセスできるようになったら、passwd root を入力してください。これにより、ユーザーが root 用の新しいパスワードを入力できるようになります。その後に shutdown -r now と入力すると、新しい root パスワードでシステムを再起動できるようになります。
ユーザーアカウントのパスワードを忘れた場合は、root として操作する必要があります。root になるには、su - と入力した後にプロンプトの要求に応じて root パスワードを入力します。次に passwd <ユーザー名> を入力してください。これで指定されたユーザーアカウントの新しいパスワードを入力し直すことがきます。
グラフィカルログイン画面が表示されない場合は、ハードウェアに互換性の問題があるかどうかについてチェックしてください。『ハードウェア互換性リスト(Hardware Compatibility List)』 は以下にあります。
https://hardware.redhat.com/

10.4.6. RAM が認識されない

カーネルが一部のメモリー (RAM) しか認識しないこともあります。これは cat /proc/meminfo コマンドで確認することができます。
表示されている値がシステム内の RAM の数値と同じであることを確認してください。数値が異なる場合は、次の行を /boot/grub/grub.conf に追加します。
mem=xxM
xx の部分は実際の RAM のメガバイト数を入力します。
/boot/grub/grub.conf で、上記のサンプルは、次のように表示されます。
# NOTICE: You have a /boot partition. This means that 
#  all kernel paths are relative to /boot/ 
default=0 
timeout=30 
splashimage=(hd0,0)/grub/splash.xpm.gz 
 title Red Hat Enterprise Linux Client (2.6.32.130.el6.i686)
root (hd0,1)
kernel /vmlinuz-(2.6.32.130.el6.i686 ro root=UUID=04a07c13-e6bf-6d5a-b207-002689545705 mem=1024M
initrd /initrd-(2.6.32.130.el6.i686.img
再起動すると grub.conf への変更がシステムに反映されます。
GRUB 起動画面が読み込まれた時点で、編集するために e を入力します。そうすると選択された起動ラベルの設定ファイルの項目リストが表示されます。
kernel で始まる行を選択して、この起動エントリーを編集するため e と入力します。
kernel 行の最後に以下を入力します。
mem=xxM
ここで、xx は使用中のシステムのメモリーの大きさです。
Enter を押して、編集モードを終了します。
ブートローダーの画面に戻ったら、b と入力してシステムを起動します。
xx を使用中のシステムの RAM のサイズに置き換えることを忘れないようにしてください。Enter を押して起動します。

10.4.7. プリンターが動作しない

プリンターの設定方法が分からない場合や、プリンターが正常に動作しない場合は、プリンター設定ツール を使用してください。
シェルプロンプトで system-config-printer コマンドを入力してプリンター設定ツール を起動します。root 以外で操作している場合は、継続するために root のパスワードが要求されます。

10.4.8. 起動中に Apache HTTP Server または Sendmail の応答が停止する

起動中に Apache HTTP Server (httpd) または Sendmail の応答が停止する場合は、次の行が /etc/hosts ファイルにあることを確認してください。
127.0.0.1  localhost.localdomain  localhost

パート II. IBM Power Systems — インストールと起動

Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』 のこのパートでは、IBM Power Systems 向けに Red Hat Enterprise Linux のインストールとインストール後の基本的なトラブルシューティングについて説明しています。IBM Power Systems サーバーには、Linux を稼働する IBM PowerLinux サーバーと POWER7 および POWER6 Power Systems サーバーが含まれます。
高度なインストールオプションについては、パートIV「高度なインストールオプション」 を参照してください。

重要

Red Hat Enterprise Linux の旧リリースでは 32 ビットおよび 64 ビットの Power Systems サーバーに対応していました (ppcppc64)。 Red Hat Enterprise Linux 6 では、 64 ビットの Power Systems サーバー (ppc64) にのみ対応しています。

第11章 Power Systems のサーバー上でのインストールの計画

11.1. アップグレードまたはインストールの選択

自動インプレースアップグレードに対応するようになりましたが、対応システムが現在 AMD64 および Intel 64 に限定されています。IBM Power Systems サーバーに Red Hat Enterprise Linux のインストールが存在する場合は、Red Hat Enterprise Linux 7 に移行するためにはクリーンインストールを行う必要があります。クリーンインストールとは、システムの全データのバックアップ、ディスクパーティションのフォーマット化、インストールメディアからの Red Hat Enterprise Linux 7 のインストール、ユーザーデータの復元を指します。

11.2. ハードウェア要件

IBM Power Systems サーバーに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合には、Red Hat は SCSI、SATA、または SAS などの標準の内部インターフェースで接続されたハードドライブをサポートしています。
ファイバーチャネルのホストバスアダプターおよびマルチパスデバイスもサポートしています。ハードウェアによっては、ベンダー提供のドライバーが必要な場合があります。
Power Systems サーバー上での仮想化インストールも、仮想化クライアント LPAR で仮想 SCSI (vSCSI) アダプターを使用している場合にサポートしています。
Red Hat は USB ドライブまたは SD メモリーカードへのインストールはサポートしていません。

11.3. インストールツール

IBM Installation Toolkit は、Linux のインストールを加速させるオプションツールであり、特に Linux に馴染みのないユーザーに役立ちます。以下を実行するには IBM Installation Toolkit を使用します[5]
  • 仮想化されていない Power Systems サーバー上での Linux のインストールおよび設定。
  • 論理パーティション (LPAR: 仮想化サーバーとしても知られている) が事前に設定されたサーバー上での Linux のインストールおよび設定
  • 新規に、または以前にインストールされた Linux システム上での IBM service and productivity tools のインストール。IBM service and productivity tools には、動的論理パーティション (DLPAR) ユーティリティが含まれます。
  • Power Systems サーバー上でのシステムファームウェアのレベルのアップグレード。
  • 事前にインストールされたシステム上での診断または保守操作の実施。
  • LAMP サーバー (ソフトウェアスタック) とアプリケーションデータの System x から System p システムへの移行。LAMP サーバーはオープンソースソフトウェアのバンドルです。LAMP とは、Linux、Apache HTTP ServerMySQL リレーショナルデータベース、および PHP (Perl または Python) スクリプト言語を総称した頭文字から成る造語です。
PowerLinux の IBM Installation Toolkit についてのドキュメンテーションは Linux Information Center (http://pic.dhe.ibm.com/infocenter/lnxinfo/v3r0m0/index.jsp?topic=%2Fliaan%2Fpowerpack.htm) で参照することができます。
PowerLinux service and productivity tools は、POWER7、POWER6、POWER5、および POWER4 テクノロジーに基づいて IBM サーバー上で実行される Linux オペレーティングシステムに関する、ハードウェアサービス診断の支援プログラム、生産性ツール (productivity tools) およびインストール支援プログラムを含む一連のオプションツールです。
この service and productivity tools についてのドキュメンテーションは Linux Information Center (http://pic.dhe.ibm.com/infocenter/lnxinfo/v3r0m0/index.jsp?topic=%2Fliaau%2Fliaauraskickoff.htm) で参照することができます。

11.4. IBM Power Systems サーバーの準備

重要

リアルベースのブートパラメーターが c00000 にセットしてあるか必ず確認してください。 このパラメーターがセットさていないと以下のようなエラーが表示される可能性があります。
DEFAULT CATCH!, exception-handler=fff00300
IBM Power Systems のサーバーでは、 パーティション設定、 仮想またはネイティブのデバイス、 コンソールなどで多くの選択肢が提供されています。
パーティション設定されていないシステムを使用する場合は、 インストール前のセットアップは必要ありません。 HVSI シリアルコンソールを使用するシステムの場合には、 コンソールを T2 シリアルポートに接続してください。
パーティション設定されたシステムを使用している場合には、パーティション設定および インストールの開始の手順はほぼ同じになります。HMC でパーティションを設定し CPU とメモリーリソースの他にも SCSI とイーサネットのリソースも適宜割り当てます。 これは仮想でもネイティブでも構いません。HMC でパーティション設定ウィザードがその設定を案内します。
パーティション作成に関する詳しい情報は、IBM Systems Hardware Information Center が提供している 『Partitioning for Linux with an HMC』 を参照してください。http://pic.dhe.ibm.com/infocenter/powersys/v3r1m5/topic/iphbi_p5/iphbibook.pdf から入手することができます。
ネイティブではなく仮想の SCSI リソースを使用する場合には、 先に仮想の SCSI 提供パーティションへの「リンク」を設定してから、 仮想 SCSI 提供パーティション自体の設定を行なう必要があります。 HMC を使って仮想 SCSI クライアントとサーバーのスロット間に「リンク」を作成します。 仮想 SCSI サーバーは VIOS (Virtual I/O Server)、 IBM i いずれで設定しても構いません。 そのモデルやオプションによります。
Intel iSCSI Remote Boot を使用してインストールする場合、アタッチされたすべての iSCSI ストレージデバイスを無効にする必要があります。無効にしないとインストールは成功しますが、インストールされたシステムが起動しないことになります。
仮想デバイスの使用方法については、 IBM Redbooks publication の「Virtualizing an Infrastructure with System p and Linux」を参照してください (http://publib-b.boulder.ibm.com/abstracts/sg247499.html)。
システムの設定が完了したら、HMC から Activate するか電源をオンにする必要があります。行なっているインストールの種類により、SMS が正しくインストールプログラムをブートするよう設定する必要があるかもしれません。

11.5. RAID と他のディスクデバイス

重要

Intel の BIOS RAID にインストールを行う場合、Red Hat Enterprise Linux 6 では dmraid ではなく mdraid が使用されます。BIOS RAID セットは自動的に検出され、Intel ISW メタデータを含むデバイスが dmraid ではなく mdraid として認識されます。mdraid でのデバイスのデバイスノード名と dmraid でのデバイスノード名とは異なるため注意してください。このため、Intel の BIOS RAID を搭載したシステムの移行を行う際は特別の注意が必要です。
デバイスノードパスを使ってデバイスを参照する /etc/fstab/etc/crypttab、その他の設定ファイルに対してローカルな変更を加えても Red Hat Enterprise Linux 6 では役に立ちません。このため、移行を行う前に、こうしたファイルのデバイスノードパスの部分をデバイスの UUID に置換するためファイルを編集する必要があります。デバイスの UUID は blkid コマンドを使って探します。

11.5.1. ハードウェア RAID

RAID (Redundant Array of Independent Disks) を使用すると、複数のドライブで構成される 1 つのグループまたはアレイを単一のデバイスとして動作させることができます。インストールを開始する前に、コンピューターのメインボードで提供される RAID 機能をすべて設定するか、またはコントローラーカードを接続しておいてください。アクティブな RAID アレイはそれぞれ Red Hat Enterprise Linux 内では 1 つのドライブとして表示されます。
複数のハードドライブを持つシステム上では、Red Hat Enterprise Linux を設定することで複数のドライブを 1 つの Linux RAID アレイとして動作させることができます。追加のハードウェアは必要としません。

11.5.2. ソフトウェア RAID

Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを使用して Linux ソフトウェア RAID アレイを作成することができます。このアレイでは、RAID 機能は専用のハードディスクではなく、オペレーティングシステムによって制御されます。この機能の詳細については 「カスタムレイアウトの作成、またはデフォルトレイアウトの変更」 で説明されています。

11.5.3. FireWire と USB ディスク

FireWire や USB ハードドライブの中には、 Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは認識できないものがあります。 インストール時にこのようなディスクを設定する必要がなければ、 混乱を避けるため接続しないようにしてください。

注記

外付けの FireWire と USB のハードディスクはインストール後でも接続と設定ができます。ほとんどのタイプが自動で認識され、接続後に使用可能となります。

11.6. 十分なディスク領域

最近のオペレーティングシステムはほとんど ディスクパーティションを使用しており、Red Hat Enterprise Linux も例外ではありません。Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合、ディスクパーティションに関する作業が必要となる場合があります。今までディスクパーティションに関する作業をしたことがない (または基本概念を簡単に復習したい) 場合は、まず先に 付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux で使用されるディスク領域は、使用中のシステムにインストールしてある 他の OS で使用されるディスク領域と別でなければなりません。
インストールのプロセスを開始する前に、以下の点を確認してください。
  • Red Hat Enterprise Linux のインストール用に十分な パーティション未設定[6] のディスク領域があること。または、
  • 削除しても構わないパーティションが 1 つまたは複数あること。このパーティションのディスク領域を解放して、Red Hat Enterprise Linux をインストールします。
「パーティション設定に関する推奨」 に記載されているパーティションの推奨サイズを参照し、 実際に必要な領域を確認してください。

11.7. 起動方法の選択

DVD からインストールする場合は、 Red Hat Enterprise Linux 製品を購入していること、 また Red Hat Enterprise Linux 6.9 の DVD が手元にあり、DVD からの起動に対応する DVD ドライブがシステムに搭載されていなければなりません。インストール用の DVD を作成する方法については 2章メディアの作成 を 参照してください。
インストール用 DVD からのブートの他にも、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムはブート可能な CD の形式の 最小限起動用メディア からもブートできます。ブートCD からシステムを起動した後に、ローカルハードドライブやネットワークの場所などの異なるインストールソースからインストールを完了することができます。ブート CD の作成方法の案内については 「最小限の起動用メディアの作成」を参照してください。


[5] 本セクションのいくつかの部分は IBM のリソース Linux information for IBM systems (http://pic.dhe.ibm.com/infocenter/lnxinfo/v3r0m0/index.jsp?topic=%2Fliaay%2Ftools_overview.htm) でこれまでに公開されたものです。
[6] パーティション未設定のディスク領域とは、インストールしようとしているハードドライブ上で使用できるディスク領域がまだデータ用に分割されていないという意味です。ディスクにパーティション設定すると、各パーティションは別個のディスクドライブのように動作します。

第12章 インストールの準備

12.1. ネットワークからのインストールの準備

重要

16 GB の huge pages (大容量ページ) がシステム、または パーティションに割り当てられていてカーネルコマンド行が huge page パラメーターを含まない場合は eHEA モジュールは初期化に失敗します。そのため、IBM eHEA イーサネットアダプターを介してネットワーク インストールを実行する時には、インストール時にシステムやパーティションに対して huge page を 割り当てることはできません。それ以下の large page レベルは機能するはずです。

注記

ネットワークベースのインストールを実施している場合は、ご使用のホストパーティションのドライブにインストール用 DVD (またはその他の種類の DVD や CD) がないことを確認してください。DVD または CD がドライブに入っていると、予想外のエラーが生じる可能性があります。
CD、DVD、または USB などのストレージデバイスで起動用メディアが使用できる状態になっているか確認します。
ネットワークからのインストール (NFS、FTP、HTTP、HTTPS のいずれかを経由) またはローカルのストレージを使ったインストールで Red Hat Enterprise Linux インストール用メディアが使用できる状態になっていなければなりません。NFS、FTP、HTTP、HTTPS のいずれかでインストールを行う場合は以下の手順に従ってください。
ネットワーク経由のインストールに使用する NFS、FTP、 HTTP、 HTTPS などのサーバーはネットワークアクセスが可能な独立サーバーでなければなりません。 また、 サーバーはインストール用 DVD-ROM の全コンテンツを提供できなければなりません。

注記

anaconda には、 インストールメディアの整合性を検証する機能が備わっています。 DVD、 ハードドライブに配置した ISO、 NFS 経由でアクセスする ISO などを使ったインストール方法の場合に使用できます。 インストールを開始する前、 またインストール関連のバグを報告しようとしている場合はその前に (報告されているバグの多くは実際には不適切に書き込まれた DVD が原因です)、 すべてのインストールメディアの検証を行なうことを推奨しています。 検証を行なう場合は、 yaboot: プロンプトで次のコマンドを入力します。
linux mediacheck

注記

FTP、NFS、HTTP、HTTPS 経由でインストールファイルにアクセスする場合に使用するパブリックディレクトリはネットワークサーバー上のローカルのストレージにマッピングされます。 例えば、ネットワークサーバー上にあるローカルのディレクトリ /var/www/inst/rhel6.9 には http://network.server.com/inst/rhel6.9 でアクセスすることができます。
以下の例では、インストールファイルを格納するインストールステージングサーバー上のディレクトリは /location/of/disk/space として示しています。FTP、NFS、HTTP、HTTPS を介して一般に公開されるディレクトリは /publicly_available_directory として示しています。 例えば、 /var/isos という名前でディレクトリを作成した場合、 このディレクトリが /location/of/disk/space になります。 また、HTTP インストール用に /var/www/html/rhel6.9 を用意したならこれが /publicly_available_directory になります。
以下では ISO イメージが必要になります。ISO イメージとは、DVD の内容の完全なコピーを収納しているファイルです。DVD から ISO イメージを作成するには以下のコマンドを使用します。
dd if=/dev/dvd of=/path_to_image/name_of_image.iso
dvd は DVD ドライブデバイス、name_of_image は作成する ISO イメージファイルに与える名前です。path_to_image は作成した ISO イメージの格納先となる場所へのパスです。
インストールステージングサーバーとして動作する Linux インスタンスにインストール用 DVD のファイルをコピーする場合は、「FTP、HTTP、および HTTPS インストールの準備」 または 「NFS インストールの準備」 のいずれかをお読みください。

12.1.1. FTP、HTTP、および HTTPS インストールの準備

警告

Apache web サーバーまたは tftp FTP サーバーの設定により SSL セキュリティが有効になる場合は TLSv1 プロトコルのみ有効にしてください。POODLE SSL 脆弱性 (CVE-2014-3566) を回避するためSSLv2SSLv3 は必ず無効にしてください。 安全性を確保するため Apache を使用する場合は https://access.redhat.com/solutions/1232413tftp を使用する場合は https://access.redhat.com/solutions/1234773 をそれぞれ参照してください。
インストール用 DVD の ISO イメージからファイルを抽出し、FTP、HTTP、または HTTPS を介して共有するディレクトリに配置します。
次に、このディレクトリが FTP、 HTTP、 HTTPS などを介して共有されているか、またクライアントからアクセスできるか確認します。まずディレクトリがサーバー自体からアクセスできるかどうかのテストを行い、次に同じサブネット上にあるインストール対象のマシンからアクセスできるかどうかのテストを行います。

12.1.2. NFS インストールの準備

NFS インストールの場合は ISO イメージからすべてのファイルを抽出する必要はありません。ISO イメージと install.img ファイル、オプションとして product.img ファイルが NFS 経由のネットワークサーバーで利用できるようにしておけば十分です。
  1. NFS でエクスポートしたディレクトリに ISO イメージを転送します。Linux システム上で以下を実行します。
    mv /path_to_image/name_of_image.iso /publicly_available_directory/
    path_to_image は ISO イメージファイルへのパス、name_of_image は ISO イメージファイルの名前です。publicly_available_directory は、NFS 経由でアクセスできるディレクトリーまたは NFS 経由でアクセス可能にする予定のディレクトリーです。
  2. SHA256 checksum プログラムを使用して、コピーした ISO イメージが変更されていない完全な状態かどうかを確認します。各種のオペレーティングシステムを対象とした SHA256 checksum プログラムが数多くあります。Linux システムでは以下を実行します。
    $ sha256sum name_of_image.iso
    name_of_image には ISO イメージのファイル名を入力します。SHA256 checksum プログラムを実行すると ハッシュ と呼ばれる 64 文字の文字列が表示されます。このハッシュを Red Hat カスタマーポータルの ダウンロード ページに表示されるイメージ固有のハッシュと比較します (1章Red Hat Enterprise Linux の取得 を参照)。ハッシュの文字列がまったく同一にならなければなりません。
  3. images/ ディレクトリを ISO イメージ内から ISO イメージファイル自体を格納した同じディレクトリにコピーします。以下のコマンドを実行します。
    mount -t iso9660 /path_to_image/name_of_image.iso /mount_point -o loop,ro
    cp -pr /mount_point/images /publicly_available_directory/
    umount /mount_point
    ここで、path_to_image は ISO イメージファイルのパスであり、name_of_image は ISO イメージの名前で、mount_point は、イメージからファイルをコピーしている間にイメージをマウントするマウントポイントです。例えば以下のとおりです。
    mount -t iso9660 /var/isos/RHEL6.iso /mnt/tmp -o loop,ro
    cp -pr /mnt/tmp/images /var/isos/
    umount /mnt/tmp
    ISO イメージファイルと images/ ディレクトリが、同一ディレクトリ内に並んで表示されます。
  4. images/ ディレクトリに少なくとも install.img ファイルが格納されていることを確認します。このファイルがないとインストールを継続できません。また、images/ ディレクトリには product.img ファイルも格納してください。このファイルがない場合は、パッケージグループの選択をする段階で 最小限 のインストール用パッケージしか利用できなくなります (「パッケージグループの選択」 を参照)。

    重要

    images/ ディレクトリに必要なファイルは、install.img および product.img のみです。
  5. ネットワークサーバー上の /etc/exports ファイルに公開するディレクトリのエントリーが存在することを確認してください。これにより、そのディレクトリは NFS 経由で利用可能になります。
    ディレクトリを特定のシステムに読み取り専用でエクスポートするには、以下を使用します。
    /publicly_available_directory client.ip.address (ro)
    ディレクトリをすべてのシステムに読み取り専用でエクスポートするには、以下を使用します。
    /publicly_available_directory * (ro)
  6. ネットワークサーバー上で NFS デーモンを開始します (Red Hat Enterprise Linux システム上では、/sbin/service nfs start を使用)。NFS がすでに実行中の場合は、設定ファイルを再ロードします (Red Hat Enterprise Linux システムでは、/sbin/service nfs reload を使用)。
  7. Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド』に記載の手順に従って NFS 共有のテストを必ず行なってください。NFS サーバーの開始と停止についての詳細については NFS のドキュメントを参照してください。

注記

anaconda には、 インストールメディアの整合性を検証する機能が備わっています。 DVD、ハードドライブに配置した ISO、 NFS 経由でアクセスする ISO などを使ったインストール方法の場合に使用できます。インストールの開始前、 またインストール関連のバグを報告しようとしている場合はその前に (報告されているバグの多くは実際には不適切に書き込まれた DVD が原因です)、 すべてのインストール用メディアの検証を行なうことを推奨しています。 検証を行なう場合は、 boot: プロンプトで次のコマンドを入力します。
linux mediacheck

12.2. ハードドライブからのインストールの準備

注記

ハードドライブのインストールは、ext2、ext3、ext4、または FAT のいずれかのファイルシステムからしか行えません。これ以外のファイルシステムでフォーマットしたハードドライブは、Red Hat Enterprise Linux のインストールソースとして使用することはできません。
Windows オペレーティングシステムのハードドライブパーティションのファイルシステムをチェックするには、ディスク管理 (Disk Management) ツールを使用します。Linux オペレーティングシステムのハードドライブパーティションのファイルシステムをチェックするには、fdisk ツールを使用します。

重要

LVM (論理ボリューム管理) で制御しているパーティション上では ISO ファイルは使用できません。
DVD ドライブまたはネットワーク接続を使用せずに Red Hat Enterprise Linux をシステムにインストールするにはこのオプションを使用します。
ハードドライブインストールには、以下のファイルを使用します。
  • インストール用 DVD の ISO イメージ。ISO イメージとは DVD のコンテンツの完全なコピーを格納するファイルです。
  • ISO イメージから抽出した install.img ファイル。
  • オプションとして、ISO イメージから抽出した product.img ファイル。
ハードドライブ上にこれらのファイルが存在すると、インストールプログラムをブートする時点でインストールソースとしてハードドライブを選択することができます (「インストール方法」 を参照)。
CD、DVD、または USB などのストレージデバイスで起動用メディアが使用できる状態になっているか確認します。
インストールソースとしてハードドライブを準備するには、以下の手順に従います。
  1. Red Hat Enterprise Linux のインストール用 DVD から ISO イメージを取得します (1章Red Hat Enterprise Linux の取得 を参照)。または、物理メディア上に DVD が存在する場合、Linux システムで 以下のコマンドを使用するとそのイメージを作成することができます。
    dd if=/dev/dvd of=/path_to_image/name_of_image.iso
    dvd は DVD ドライブデバイス、name_of_image は作成する ISO イメージファイルに与える名前です。path_to_image は作成した ISO イメージの格納先となる場所へのパスです。
  2. ISO イメージをハードドライブに転送します。
    ISO イメージは必ずハードドライブ上に配置してください。 つまり、 Red Hat Enterprise Linux をインストールするコンピューターの内部にあるハードドライブ、 または USB でそのコンピューターに接続しているハードドライブのいずれかになります。
  3. SHA256 checksum プログラムを使用して、コピーした ISO イメージが変更されていない完全な状態かどうかを確認します。各種のオペレーティングシステムを対象とした SHA256 checksum プログラムが数多くあります。Linux システムでは以下を実行します。
    $ sha256sum name_of_image.iso
    name_of_image には ISO イメージのファイル名を入力します。SHA256 checksum プログラムを実行すると ハッシュ と呼ばれる 64 文字の文字列が表示されます。このハッシュを Red Hat カスタマーポータルの ダウンロード ページに表示されるイメージ固有のハッシュと比較します (1章Red Hat Enterprise Linux の取得 を参照)。ハッシュの文字列がまったく同一にならなければなりません。
  4. images/ ディレクトリを ISO イメージ内から ISO イメージファイル自体を格納した同じディレクトリにコピーします。以下のコマンドを実行します。
    mount -t iso9660 /path_to_image/name_of_image.iso /mount_point -o loop,ro
    cp -pr /mount_point/images /publicly_available_directory/
    umount /mount_point
    ここで、path_to_image は ISO イメージファイルのパスであり、name_of_image は ISO イメージの名前で、mount_point は、イメージからファイルをコピーしている間にイメージをマウントするマウントポイントです。例えば以下のとおりです。
    mount -t iso9660 /var/isos/RHEL6.iso /mnt/tmp -o loop,ro
    cp -pr /mnt/tmp/images /var/isos/
    umount /mnt/tmp
    ISO イメージファイルと images/ ディレクトリが、同一ディレクトリ内に並んで表示されます。
  5. images/ ディレクトリに少なくとも install.img ファイルが格納されていることを確認します。このファイルがないと先に進めません。オプションで images/ ディレクトリに product.img ファイルを組み込みます。このファイルがない場合、パッケージグループの選択を行なう段階で 最低限 (Minimal) のインストール用のパッケージしか選択できなくなります (「パッケージグループの選択」 を参照)。

    重要

    images/ ディレクトリに必要なファイルは、install.img および product.img のみです。

注記

anaconda には、 インストールメディアの整合性を検証する機能が備わっています。 DVD、ハードドライブに配置した ISO、 NFS 経由でアクセスする ISO などを使ったインストール方法の場合に使用できます。インストールの開始前、 またインストール関連のバグを報告しようとしている場合はその前に (報告されているバグの多くは実際には不適切に書き込まれた DVD が原因です)、 すべてのインストール用メディアの検証を行なうことを推奨しています。 検証を行なう場合は、 boot: プロンプトで次のコマンドを入力します。
linux mediacheck

第13章 IBM POWER システムでのインストール中におけるドライバー更新

ほとんどの場合、 Red Hat Enterprise Linux にはシステムを構成するデバイス用のドライバーが既に含まれています。 しかし、 かなり最近にリリースされたハードウェアが搭載されている場合、 そのハードウェア用のドライバーはまだ含まれていない可能性があります。 新しいデバイスのサポートを提供するドライバー更新が Red Hat やハードウェアの製造元から ドライバーディスク の形で入手できる場合があります。 ドライバーディスクには複数の rpm パッケージ が含まれています。 一般的には、 ドライバーディスクは ISO イメージファイル としてダウンロードすることができます。
インストール中にこうした新しいハードウェアを必要とすることはあまりありません。 例えば、 DVD を使用してローカルのハードドライブにインストールを行なう場合、 ネットワークカード用のドライバーが無くてもインストールは成功します。 このような場合、 まず先にインストールを完了させてから、 そのあと新しいハードウェアのサポートを追加します。 サポートを追加する方法については 「ドライバー更新の rpm パッケージ」 を参照してください。
これ以外で、特定の構成をサポートするためインストール中にデバイス用のドライバーを追加する場合もあります。例えば、システムで使用するストレージデバイスにインストーラーがアクセスできるよう、ネットワークデバイスやストレージアダプターカード用のドライバーをインストールする場合などです。次の 2 種類いずれかの方法で、インストール中にドライバーディスクを使用してサポートを追加することができます。
  1. インストーラーがアクセスできる場所に ISO イメージファイルを配置する
    1. ローカルのハードドライブ上
    2. USB フラッシュドライブ
  2. イメージファイルを以下の場所に抽出してドライバーディスクを作成する
    1. CD
    2. DVD
    ISO イメージファイルを CD または DVD に焼き付ける方法については 「インストール用 DVD の作成」 にあるインストールディスクを作成する方法を参照してください。
インストール中にドライバーの更新が必要であることが Red Hat やハードウェアの製造元、 信頼できるサードパーティーなどによって明示されている場合には、 この章で説明している方法の中からいずれか適したものを選び、 更新を行なってください。 インストールを行なう前に、 更新用のファイルの検証を行なうようにしてください。反対に、システムでドライバー更新が本当に必要であることが分かっている場合以外は、インストール中のドライバー更新は行なわないようにしてください。システム上に意図しないドライバーが存在することでサポートが複雑になる可能性があります。

13.1. インストール中にドライバーの更新を行なう場合の制約

あいにく、特定の状況ではインストール中にドライバーを提供するドライバー更新が使用できないことがあります。
デバイスが既に使用中の場合
インストールプログラムが既にロードしているドライバーを入れ替える為のドライバー更新は使用できません。その代わりに、インストールプログラムがロードしたドライバーでインストールを完了して、インストールの後に新規のドライバーに更新しなければなりません。または、インストールプロセス用に新規のドライバーが必要な場合は、初期 RAM ディスクドライバー更新の実行を 考慮してください。詳細は、「初期 RAM ディスク更新の準備」 でご覧ください
同じタイプのデバイスが複数ある場合
同じタイプのデバイスはすべて一緒に初期化されるため、インストールプログラムによって任意のデバイス用のドライバーが既に読み込まれている場合、 そのデバイスと同じタイプのデバイスのドライバーは更新できません。 例えば、 2 種類のネットワークアダプターがあり、 そのうちの一つにドライバー更新があるとします。 インストールプログラムは両方のアダプターを同時に初期化するため、 このドライバー更新は使用できません。 ここでもまず、インストールプログラムで読み込まれたドライバーでインストールを完了してから、 インストール後に新しいドライバーに更新します。 または、 初期 RAM ディスクドライバーを使った更新を行ないます。

13.2. インストール中にドライバーを更新するための準備

ハードウェア用のドライバー更新があり、 更新を行なう必要がある場合、 一般的には Red Hat やハードウェアの製造元など信頼できるサードパーティーより ISO 形式のイメージファイルで提供されます。 ドライバーの更新方法により、 インストールプログラムでイメージファイルを使用可能としておく必要があるタイプと、イメージファイルを使ってドライバー更新ディスクを作成する必要があるタイプがあります。
イメージファイルを直接使用する方法
  • ローカルのハードドライブ
  • USB フラッシュドライブ
イメージファイルから作成したドライバー更新ディスクを使用する方法
  • CD
  • DVD
ドライバー更新を供給する方法を選択します。「ドライバー更新用のイメージファイルを使用する準備」「ドライバー更新用の ISO ファイルを CD または DVD に書き込み更新用ディスクを準備」「初期 RAM ディスク更新の準備」 を参照してください。USB ストレージデバイスはイメージファイルを供給するため、またはドライバー更新ディスクとして使用できることに注意してください。

13.2.1. ドライバー更新用のイメージファイルを使用する準備

13.2.1.1. ローカルのストレージにあるイメージファイルを使用する準備

ハードドライブや USB フラッシュドライブなどローカルのストレージに ISO イメージファイルを配置する場合は、 まず更新を自動的にインストールするか手動で選択するかを決定する必要があります。
更新を手動で選択してインストールする場合には、 イメージファイルをストレージデバイスにコピーします。 ファイルの名前を変更した方がよい場合には変更しても構いませんが、 ファイルの拡張子は .iso のまま変更しないでください。 以下の例では、 dd.iso というファイル名にしています。
ドライバー更新イメージファイルを収納している USB フラッシュドライブの内容

図13.1 ドライバー更新イメージファイルを収納している USB フラッシュドライブの内容

この方法を使用する場合、 ストレージデバイスに含まれるのはファイルが一つだけである点に注意してください。 CD や DVD など、 数多くのファイルを含むドライバー更新ディスクとはこの点が異なります。 ISO イメージファイルには、 ドライバーディスクに通常存在するすべてのファイルが含まれます。
インストール中に手動でドライバー更新を選択する方法については、「インストーラーによるユーザーへのドライバー更新の確認」 および 「起動オプションを使用したドライバー更新ディスクの指定」 を参照してください。
更新を自動的にインストールする場合には、ISO を単にコピーするのではなく、ストレージデバイスの root ディレクトリに抽出する必要があります。ISO をコピーする方法が使用できるのは手動でインストールを選択する場合のみです。 また、 デバイスのファイルシステムラベルは OEMDRV に変更してください。
インストールプログラムにより、 抽出したドライバー更新ファイルの ISO が自動的にチェックされ、 検出した更新を読み込みます。 この動作は dlabel=on 起動オプションで制御され、 デフォルトで有効になっています。 「インストーラーによるドライバー更新ディスクの自動検出」 を参照してください。

13.2.2. ドライバー更新用の ISO ファイルを CD または DVD に書き込み更新用ディスクを準備

ドライバー更新ディスクは CD または DVD 上に作成することができます。

13.2.2.1. CD または DVD にドライバーの更新ディスクを作成する

重要

CD/DVD クリエーター は GNOME デスクトップの一部です。 別の Linux デスクトップや全く異なる OS を使用している場合は、 別のソフトウェアを使用して CD または DVD を作成する必要があります。 作成の手順についてはほぼ同じです。
選択したソフトウェアでイメージファイルからの CD または DVD の作成が可能かどうか確認します。 イメージファイルからの作成は、 ほとんどの CD および DVD 作成ソフトウェアで可能ですが例外もあります。 イメージから作成 または似たような名前のボタンやメニューエントリーを探してみてください。 ソフトウェアにこの機能が無い場合、または選択していない場合、作成されたディスクは中身のないイメージファイルのみになります。
  1. デスクトップファイルマネージャを使用して、Red Hat またはハードウェア製造元で提供しているドライバーディスクの ISO イメージファイルを見つけます。
    ファイルマネージャウィンドウで表示される標準的な .iso ファイル

    図13.2 ファイルマネージャウィンドウで表示される標準的な .iso ファイル

  2. このファイル上で右クリックして 書き込む を選択します。 以下のようなウィンドウが表示されます。
    CD/DVD クリエーターで表示されるダイアログ

    図13.3 CD/DVD クリエーターで表示されるダイアログ

  3. 書き込む ボタンをクリックします。 空のディスクがドライブに挿入されていないと、 ディスクを挿入するよう求められます。
ドライバー更新ディスクの CD または DVD を作成したら、 そのディスクが正常に作成されたか確認します。 システムにディスクを挿入しファイルマネージャーを使って閲覧してみます。 rhdd3 というファイルがひとつと rpms というディレクトリがひとつ見えるはずです。
CD または DVD 上の標準的ドライバー更新ディスクのコンテンツ

図13.4 CD または DVD 上の標準的ドライバー更新ディスクのコンテンツ

末尾が .iso のファイルがひとつしかない場合はディスクが正しく作成されていません。 作成しなおしてください。 GNOME 以外の Linux デスクトップや Linux 以外のオペレーティングシステムを使用している場合は、 イメージから作成 (焼き付ける) などに似たオプションを選択しているかよく確認してください。
インストール中にドライバー更新ディスクを使用する方法については 「インストーラーによるユーザーへのドライバー更新の確認」 および 「起動オプションを使用したドライバー更新ディスクの指定」 を参照してください。

13.2.3. 初期 RAM ディスク更新の準備

重要

この方法は高度な手順で、他の方法でドライバー更新を実行できない場合にのみ検討してください。
Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは、 インストールの前半で Red Hat Enterprise Linux 自体の更新を RAM ディスクから読み込むことができます (コンピューターメモリーの一部分で、 一時的にディスクのように動作する)。 この機能を利用して同じようにドライバーの更新を読み込むこともできます。 インストール中にドライバーの更新を行なう場合は、 yaboot インストールサーバーからの起動が可能であること、 またネットワーク上でそのサーバーにアクセスできなければなりません。 yaboot インストールサーバーの使用方法については 30章インストールサーバーの設定 を参照してください。
インストールサーバーでドライバーの更新を利用できるようにする
  1. ドライバーの更新イメージファイルをインストールサーバーに配置します。 イメージファイルは Red Hat やハードウェア製造元で指定している場所からインターネットでサーバーにダウンロードするのが一般的です。 ドライバーの更新イメージファイル名は末尾が .iso になります。
  2. ドライバーの更新イメージファイルを /tmp/initrd_update ディレクトリにコピーします。
  3. ドライバーの更新イメージファイルに dd.img の名前を付けます。
  4. コマンドラインで /tmp/initrd_update ディレクトリに移動し、 次のコマンドを入力してから Enter を押します。
    find . | cpio --quiet -o -H newc | gzip -9 >/tmp/initrd_update.img
  5. /tmp/initrd_update.img ファイルをインストール時に使用したいターゲットを格納しているディレクトリにコピーします。 このディレクトリは /var/lib/tftpboot/yaboot/ ディレクトリ配下にあります。 たとえば、 /var/lib/tftpboot/yaboot/rhel6/ なら Red Hat Enterprise Linux 6 用の yabootインストールターゲットを格納しています。
  6. /var/lib/tftpboot/yaboot/yaboot.conf ファイルを編集して先ほど作成した初期 RAM ディスク更新があるエントリーを以下のような形式で含めます。
    image=target/vmlinuz
    label=target-dd
    initrd=target/initrd.img,target/dd.img
    target にインストールに使用するターゲットを入力します。
インストール時の初期 RAMディスクの更新の使い方については 「ドライバー更新を含むインストールサーバーターゲットの選択」 を参照してください。

例13.1 ドライバー更新イメージファイルを使って初期 RAM ディスク更新の準備をする

この例では、 driver_update.iso がインターネットからインストールサーバー上の ィレクトリにダウンロードしたドライバーの更新イメージファイルになります。 起動するインストールサーバー上のターゲットは /tftpboot/pxelinux/r6c/ にあります。
コマンドラインでファイルを格納しているディレクトリに移動してから次のコマンドを入力します。
$ cp driver_update.iso /tmp/initrd_update/dd.img
$ cd /tmp/initrd_update
$ find . | cpio --quiet -c -o -H newc | gzip -9 >/tmp/initrd_update.img
$ cp /tmp/initrd_update.img /tftpboot/yaboot/rhel6/dd.img
/var/lib/tftpboot/yaboot/yaboot.conf ファイルを編集して次のエントリーを含めます。
image=rhel6/vmlinuz
label=rhel6-dd
initrd=rhel6/initrd.img,rhel6/dd.img

13.3. インストール中にドライバーの更新を実施する

インストール中のドライバー更新は、 以下のような方法で行なうことができます。
  • インストーラーにドライバー更新ディスクの自動検出を行なわせる
  • インストーラーにドライバー更新のプロンプトを表示させる
  • ドライバー更新ディスクの指定に起動オプションを使用する

13.3.1. インストーラーによるドライバー更新ディスクの自動検出

インストールを開始する前に、ブロックデバイスに OEMDRV というファイルシステムラベルを付けます。 インストーラーにより自動的にデバイスがチェックされ、 検出されたドライバー更新はすべて読み込まれるため、 このプロセス中にはプロンプトは表示されません。 インストーラーに検出させるストレージデバイスの準備については、 「ローカルのストレージにあるイメージファイルを使用する準備」 を参照してください。

13.3.2. インストーラーによるユーザーへのドライバー更新の確認

  1. どの方法を選択した場合でもインストールを普通に開始します。 インストールのプロセスに必須となるハードウェア用のドライバーがインストーラーで読み込めない場合 (例えば、 ネットワークやストレージのコントローラーを検出できないなど)、 ドライバー更新ディスクの 挿入を求めるプロンプトが表示されます。
    「ドライバーが見付かりません」ダイアログ

    図13.5 「ドライバーが見付かりません」ダイアログ

  2. ドライバーディスクを使用 (Use a driver disk) を選択します。その後は 「ドライバー更新イメージファイルまたはドライバー更新ディスクの場所の指定」 を参照してください。

13.3.3. 起動オプションを使用したドライバー更新ディスクの指定

重要

この方法は完全に新しいドライバーを採用する場合にしか機能しません。既存のドライバーの更新には使用できません。
  1. インストール開始時に、 ブートプロンプトで linux dd と入力して Enter を押します。 インストーラーによりドライバー ディスクを持っているか確認するプロンプトが表示されます。
    ドライバーディスクのプロンプト

    図13.6 ドライバーディスクのプロンプト

  2. CD、 DVD、 USB フラッシュドライブなどに作成したドライバー更新 ディスクを挿入してから、 Yes を選択します。 インストーラーにより検出できるストレージデバイスがチェックされます。 ドライバーディスクを保持できる場所が 1 ヶ所のみの場合は (例えば、 DVD ドライブの存在が検出され、 これ以外のストレージデバイスは検出されない)、 その場所で検出したドライバー更新をすべて自動的に読み込みます。
    ドライバー更新を収納する場所が複数検出された場合は、更新が収納されている場所を指定するよう求められます。「ドライバー更新イメージファイルまたはドライバー更新ディスクの場所の指定」 を参照してください。

13.3.4. ドライバー更新を含むインストールサーバーターゲットの選択

  1. SMS メニューで Select Boot Options、 次に Select Boot/Install Device を選択してコンピューターがネットワークから起動するよう設定します。 最後に利用できるデバイス一覧からネットワークデバイスの選択を行ないます。
  2. yaboot インストールサーバーの環境で、 インストールサーバーで準備したブートターゲットを選択します。 たとえば、 インストールサーバーの /var/lib/tftpboot/yaboot/yaboot.conf ファイルでこの環境に rhel6-dd というラベル付けをを行なっている場合、 入力を求められた時点で rhel6-dd と入力して Enter を押します。
インストール中に更新を行なう場合に yaboot インストールサーバーを使用する方法については 「初期 RAM ディスク更新の準備」 および 30章インストールサーバーの設定 を参照してください。 高度レベルの作業となるため、 他の方法ではいずれもドライバーの更新が失敗してしまうような状況でない限り、 この方法は避けるようにしてください。

13.4. ドライバー更新イメージファイルまたはドライバー更新ディスクの場所の指定

インストーラーにより、 ドライバー更新を収納できるデバイスが複数検出された場合、 適切なデバイスを選択するよう求めてきます。 ドライバー更新が格納されているデバイスを表すオプションがどれかわからない場合は、 オプションを順番に試してみて正しいものを見つけます。
ドライバーディスクのソースを選択する

図13.7 ドライバーディスクのソースを選択する

選択したデバイスに適切な更新メディアが含まれていないと別の選択が求められます。
ドライバー更新ディスクを CD、 DVD、 USB フラッシュドライブのいずれかに作成した場合は、 インストーラーによるドライバー更新の読み込みが開始されます。 ただし、 選択したデバイスが複数のパーティションを持つことができるタイプのデバイスの場合 (現在、 複数のパーティションがあるかどうかには関係なく)、 ドライバー更新を収納しているパーティションを選択するよう求められる場合があります。
ドライバーディスクを収納しているパーティションを選択する

図13.8 ドライバーディスクを収納しているパーティションを選択する

ドライバー更新を含むファイルの選択が求められます。
ISO イメージを選択する

図13.9 ISO イメージを選択する

ドライバー更新を内蔵ハードドライブや USB ストレージデバイスに保存している場合は、 これらの画面が表示されます。 ドライバー更新を CD や DVD 上に保存した場合はこれらの画面は表示されないはずです。
提供するドライバー更新の形式がイメージファイルなのかドライバー更新ディスクなのかには関係なく、 該当する更新ファイルの一時ストレージエリア (ディスク上ではなくシステム RAM 上) へのコピーが開始されます。 追加のドライバー更新を使用するかどうかの確認を求められる場合があります。 Yes を選択すると、 次の更新を順番に読み込んでいくことができます。 すべてのドライバー更新の読み込みが完了し、 これ以上読み込む更新ドライバーがない場合は No を選択します。 ドライバー更新をリムーバブルメディアに保存していた場合は、 これでディスクやデバイスを安全に取り出しまたは切断できるようになります。 これ以降、 ドライバー更新は必要なくなるため、 他の目的にこのメディアを再使用しても構いません。

第14章 インストーラーの起動

重要

グラフィカルインストールが推奨されますが、Power Systems サーバーでは主にテキストコンソールが使用されるため、anaconda は自動的にはグラフィカルインストールを起動しません。ただし、 グラフィカルインストールの方が設定機能やカスタマイズ機能に優れているため、システムにグラフィカルディスプレイがある場合はグラフィカルインストールの利用をお勧めします。
vnc 起動オプションを渡してグラフィカルインストールを起動します (「VNC を使用したリモートアクセスを有効にする」 を参照)。

重要

一部のマシンでは、 yaboot が起動せずエラーメッセージを返す場合があります。
Cannot load initrd.img: Claim failed for initrd memory at 02000000 rc=ffffffff
この問題を回避するには、real-basec00000 に変更します。real-base の値は OpenFirmware プロンプトで printenv コマンドを使うと取得できます。また、値の設定には setenv コマンドを使用します。
IBM Power Systems サーバーを DVD から起動するには、システム管理サービス (System Management Services) (SMS) メニューでインストールブートデバイスを指定する必要があります。
システム管理サービス (System Management Services) GUI に入るには、ブートプロセスでチャイムが聞こえている間に 1 キーを押します。これにより、このセクションに説明してあるグラフィカルインターフェースと同様の画面が立ち上がります。
テキストコンソール上では、テスト済みのコンポーネントと一緒にセルフテストがバナーを表示している時に 1 を 押します。
SMS コンソール

図14.1 SMS コンソール

SMS メニュー内に入ったら、ブート・オプションの選択 (Select Boot Options) からオプションを選びます。このメニュー内で、インストール・デバイスまたは ブート・デバイスの選択 (Select Install or Boot a Device) を指定し、CD/DVD を選択したらバスタイプを選びます (ほとんどの場合、SCSI) 。よくわからない場合は全デバイスの表示を選択できます。ネットワークアダプターやハードドライブなど、ブートデバイスに使用できるバスがすべてスキャンされます。
最後にインストール用 DVD を含むデバイスを選択します。 Yaboot がこのデバイスからロードされ boot: プロンプトが表示されます。 グラフィカルインストールを開始するには、 ここで vnc 起動オプションを渡します。 または Enter を押すかタイムアウトを待つとインストールの開始を放棄します。
vmlinuzramdisk を付けて yaboot を使用し、ネットワーク上でシステムを起動します。ネットワーク上でのブートには ppc64.img は使用できません。TFTP にはファイルが大きすぎるためです。

14.1. ブートメニュー

インストーラーは boot: プロンプトを表示します。例えば以下のとおりです。
IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM
IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM
IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM
IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM
IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM
IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM
IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM
IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM
IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM
IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM IBM
/
Elapsed time since release of system processors: 276 mins 49 secs

System has 128 Mbytes in RMA
Config file read, 227 bytes


Welcome to the 64-bit Red Hat Enterprise Linux 6.0 installer!
Hit <TAB> for boot options.


Welcome to yaboot version 1.3.14 (Red Hat 1.3.14-35.el6)
Enter "help" to get some basic usage information
boot:
インストールを続けるには linux と入力して、Enter を押します。
このプロンプトで起動オプションを指定することも可能です。詳細については、28章起動オプション を参照してください。例えば、インストーラーを使用して以前にインストールしたシステムをレスキューするには、linux rescue と入力して、Enter を押します。
以下の例では、 グラフィカルインストールを開始するために渡す vnc 起動オプションの例を示します。
boot:
* linux
boot: linux vnc
Please wait, loading kernel...

14.2. 異なるソースからのインストール

Red Hat Enterprise Linux は、ハードディスク上に保存した ISO イメージからのインストール、 また NFS、FTP、HTTP、HTTPS などを使ったネットワークからのインストールを行なうことができます。 ハードディスクやネットワークサーバーからのデータ読み込みは DVD からの読み込みよりも高速なため、 経験豊富なユーザーはこれらの方法をよく使用します。
以下の表では、 メディアごとに使用できる起動方法と推奨インストール方法について要約しています。

表14.1 起動方法とインストールソース

起動方法インストールソース
インストール用 DVDDVD、 ネットワーク、 ハードディスク
インストール 用 USB フラッシュドライブインストール用 DVD、 ネットワーク、 ハードディスク
最小限のブート CD または USB、 レスキュー CDネットワーク、 ハードディスク
システムを起動したメディアとは別の場所からインストールを行なう方法については 「インストール方法の選択」 を参照してください。

14.3. yaboot インストールサーバーを使ったネットワークからの起動

yaboot インストールサーバーを使って起動する場合には、 サーバーが正しく設定されていなければなりません。 また、 インストールサーバー対応のコンピューターにネットワークインターフェースが必要になります。 インストールサーバーの設定方法については 30章インストールサーバーの設定 を参照してください。
SMS メニューで ブート・オプションの選択 (Select Boot Options)インストール・デバイスまたはブート・デバイスの選択 (Select Boot/Install Device) の順で指定して、コンピューターがネットワークインターフェースから起動するよう設定してます。 使用可能なデバイス一覧からネットワークデバイスを選択します。
インストールサーバーからの起動を正しく設定したら、 コンピューターは他にメディアがなくても Red Hat Enterprise Linux インストールシステムを起動できるようになります。
yaboot インストールサーバーからコンピューターを起動するには、
  1. ネットワークケーブルが接続されていることを確認します。 コンピューターの電源スイッチは入っていない状態であっても、 ネットワークソケットのリンク表示ライトは点灯しているはずです。
  2. コンピューターのスイッチをオンにします。
  3. メニュー画面が表示されます。 目的のオプションに相当する番号キーを押します。
PC がネットワークインストールサーバーから起動しない場合は、 適切なネットワークインターフェースが起動順の 1 番目に設定されているか SMS を確認してください。 詳細についてはそのハードウェアのマニュアルを参照してください。

第15章 言語とインストールソースの設定

グラフィカルインストールプログラムを開始する前に言語とインストールソースを設定する必要があります。

15.1. テキストモードインストールプログラムのユーザーインターフェース

重要

弊社では、 グラフィカルインターフェースを使用した Red Hat Enterprise Linux のインストールを推奨しています。 グラフィカルなディスプレイがないシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、 VNC 接続によるインストールをぜひ検討してみてください – 31章VNC を経由したインストール を参照。 anaconda では、 VNC 接続によるインストールを行なえる可能性があるシステムなのにテキストモードでインストールしようとしていることが検出されると、 テキストモードでのインストールを選択することによりインストール中の選択オプションが制限されてしまっても本当にテキストモードでのインストールを続行したいのか確認を求めるプロンプトが anaconda により表示されます。
システムにグラフィカルなディスプレイが備わっているのにグラフィカルインストールに失敗する場合は、 xdriver=vesa オプション (28章起動オプション 参照) での起動を試してください。
ローダーとその後の anaconda の両方は グラフィカルユーザーインターフェースでよく見られるオンスクリーン「ウィジェット (widgets) 」 のほとんどを含む画面ベースのインターフェースを使用します。 図15.1「URL Setup (URL 設定) で表示されるインストールプログラムのウィジェット」図15.2「Choose a Language (言語の選択) で表示されるインストールプログラムのウィジェット」 はインストールのプロセス中に画面に表示されるウィジェットを示しています。
URL Setup (URL 設定) で表示されるインストールプログラムのウィジェット

図15.1 URL Setup (URL 設定) で表示されるインストールプログラムのウィジェット

Choose a Language (言語の選択) で表示されるインストールプログラムのウィジェット

図15.2 Choose a Language (言語の選択) で表示されるインストールプログラムのウィジェット

ウィジェットには以下が含まれます。
  • ウィンドウ — ウィンドウ (このガイドでは ダイアログ と呼ばれる) は、インストール中を通して画面に表示されます。一つのウィンドウが別のウィンドウの上に重なって表示されることもあります。こうした場合、操作可能なウィンドウは、一番上のものだけになります。操作が終了するとそのウィンドウが消え、その下にあったウィンドウが操作できるようになります。
  • チェックボックス — チェックボックスを使って項目を選択したり選択を解除したりすることができます。 ボックスにはアスタリスク (* 印 - 選択されている) か空白 (選択されていない) のどちらかが表示されます。 カーソルをチェックボックスに移動させ、 Space キーを押して項目を選択したり選択を解除したりします。
  • テキスト入力 — インストール プログラムによって求められる情報を入力する領域がテキスト入力行になります。 カーソルをテキスト入力行に移動させ、 入力行に情報を入力したり、 入力されている情報の編集をしたりすることができます。
  • テキストウィジェット — テキスト表示用の画面領域がテキストウィジェットです。 テキストウィジェットには、 チェックボックスなど他のウィジェットが含まれることもあります。 表示画面領域に表示しきれないほど多くの情報がある場合は、 スクロールバーが表示されます。 カーソルをテキストウィジェット内に移動させ、 の矢印キーを使ってスクロールしながらすべての情報を見ることができます。 現在位置は、 スクロールバー上に # の文字で表示され、 スクロールと同時に上下に動きます。
  • スクロールバー — スクロールバーはウィンドウの横か下に現れ、 現在ウィンドウの枠内にある一覧またはドキュメントの表示部分をコントロールします。スクロールバーを使うとファイルのどの部分に移動するのも簡単になります。
  • ボタンウィジェット — インストールプログラムとの対話型操作の基本となります。 TabEnter キーを使用してボタンを操作しながらインストールプログラムのウィンドウからウィンドウに進んでいきます。 強調表示されているボタンが選択操作できるボタンになります。
  • カーソル (Cursor) — カーソルはウィジェットではありませんが、 特定のウィジェットで選択 (および操作) を行うために使用します。カーソルがウィジェットからウィジェットに移動すると、そのウィジェットの色が変化することがありますが、 ウィジェットの中あるいは隣に移動するだけのこともあります。 図15.1「URL Setup (URL 設定) で表示されるインストールプログラムのウィジェット」 では、 カーソルが Enable HTTP proxy チェックボックス上に位置しています。 図8.2「Choose a Language (言語の選択) で表示されるインストールプログラムのウィジェット」 では、 カーソルが OK ボタン上にあります。

15.1.1. キーボードを使用した操作

インストールのダイアログ操作は、 簡単なキー操作の組合せで行ないます。 カーソルを動かすには、 の矢印キーを使用します。 Tab と、 Shift-Tab を使用すると、 画面上のウィジェット間を前向きまたは後ろ向きに移動していきます。 画面の下部には、 ほとんどの場合、 カーソル移動キーの説明が表示されています。
ボタンを「押す」操作をするには、 カーソルをそのボタン上に移動して (Tab キーを使用するなど)、 Space キーまたは Enter キーを押します。 一覧から項目をひとつ選ぶ場合は、 カーソルをその項目に移動して Enter キーを押します。 チェックボックスが付きの項目を選択するには、 カーソルをその項目のチェックボックスに移動して Space キーを押すと選択できます。 選択を解除するには、その項目の上で再度 Space を押します。
F12 キーを押せば、現在の値をそのまま採用して、次のダイアログへ進みます。これは OK ボタンを押すのと同じことになります。

警告

ダイアログボックスが入力待ち状態の時以外は、 インストール中にキーを触れないようにしてください (触れると予期しない結果を招くことがあります)。

15.2. 言語の選択

キーボードの矢印キーを使用してインストール中に使用する言語を選択します (図15.3「言語の選択」 参照)。選択した言語が強調表示されている状態で Tab キーを押して OK ボタンに移動、 Enter キーを押して選択を確定します。
ここで選択した言語がインストール終了後にオペレーティングシステムのデフォルト言語になります。 適切な言語を選択すると、 インストール後半のタイムゾーンの設定でも役に立ちます。 インストールプログラムは、 この画面で選択した言語に基づいてタイムゾーンを定義します。
他の言語サポートを追加する場合は、 パッケージ選択の段階でインストールのカスタマイズを行います。 詳細については 「ソフトウェア選択のカスタマイズ」 を参照してください。
言語の選択

図15.3 言語の選択

適切な言語を選択したら、Next (次) をクリックして進みます。

15.3. インストール方法

キーボードの矢印キーを使用してインストールの方法を選択します (図15.4「インストール方法」 を参照) 。 選択した方法が強調表示されている状態で Tab キーを押して OK ボタンに移動して Enter キーを押すことによりその選択を確定します。
インストール方法

図15.4 インストール方法

15.3.1. インストールの開始

15.3.1.1. DVD からのインストール

DVD から Red Hat Enterprise Linux をインストールするには、DVD ドライブに DVD を挿入して、DVD からシステムを起動します。代替のメディアから起動した場合でも DVD メディアから Red Hat Enterprise Linux をインストールすることができます。
次に、インストールプログラムによりシステムが検査され、DVD ドライブの認識が試行されます。IDE (別名 ATAPI) DVD ドライブの検索から開始されます。
DVD ドライブが検出されず、 そのドライブが SCSI DVD の場合、 SCSI ドライバーを選択するよう求められます。 使用アダプターに最も近いドライバーを選択します。 必要であればドライバー用のオプションを指定することもできます。 ただし、 ほとんどのドライバーで SCSI アダプターは自動的に検出されます。
DVD ドライブが見つかりドライバーがロードされると、インストーラーは DVDにメディアチェックを実行するオプションを提示します。これには時間がかかりますので、スキップすることも可能です。しかし、その後インストーラーでの問題に遭遇した場合は、サポートチームに連絡する前に再起動してメディアチェックを実行してください。メディアチェックダイアログからインストールプロセスの次のステージへと進みます (「Red Hat Enterprise Linux へようこそ」 参照)。

15.3.2. ハードドライブからのインストール

Select Partition 画面は、 ディスクパーティションからインストールしている場合にのみ表示されます (つまり、 Installation Method ダイアログで Hard Drive を選択した場合)。 どのディスクパーティションとディレクトリから Red Hat Enterprise Linux をインストールするのか指定します (インストール元の指定)。 repo=hd 起動オプションを使用している場合は、 パーティション指定は完了しています。
ハードドライブインストール用のパーティション選択ダイアログ

図15.5 ハードドライブインストール用のパーティション選択ダイアログ

表示されているパーティションの一覧から ISO ファイルを収納しているパーティションを選択します。 内蔵 IDE、SATA、SCSI、および USB ドライブデバイスなどの名前は /dev/sd で始まります。 各ドライブには、 /dev/sda などそれぞれ固有の文字が与えられ、 さらにそのドライブ上にある各パーティションにも /dev/sda1 などの番号が付けられます。
また、Directory holding images も指定します。 ISO イメージファイルを収納しているディレクトリへの完全パスを入力します。 以下の表にパスの入力例をいくつか示します。

表15.1 パーティションタイプ別の ISO イメージの場所

パーティションタイプボリュームファイルへのオリジナルパス使用するディレクトリ
VFATD:\D:\Downloads\RHEL6.9/Downloads/RHEL6.9
ext2、 ext3、 ext4/home/home/user1/RHEL6.9/user1/RHEL6.9
ISO イメージがパーティションの root ディレクトリ (最上レベル) に置かれている場合は「/」と入力します。 ISO イメージがマウントしたパーティションのサブディレクトリに置かれている場合は、 そのパーティション内で ISO イメージを収納している ディレクトリ名を入力します。 例えば、 ISO イメージが置かれているパーティションが通常、 /home/ としてマウントされ、 そのイメージが /home/new/ ディレクトリ配下にある場合、 /new/ と入力します。

重要

先頭にスラッシュがないとインストールが失敗する原因となる可能性があります。
OK を選択して続行します。「Red Hat Enterprise Linux へようこそ」 のセクションに進んでください。

15.3.3. ネットワークインストールの実行

askmethod オプションまたは repo= オプションを使用してインストールを開始すると、 FTP、HTTP、HTTPS、NFS などのプロトコルを使ったネットワークサーバーからの Red Hat Enterprise Linux のインストールを行なうことができます。 Anaconda では、 インストールの後半で行なわれる追加のソフトウェアリポジトリの参照にも同じネットワーク接続を使用します。
システムに複数のネットワークデバイスがある場合は、 anaconda によって使用可能なデバイスの全一覧が表示され、 インストール中に使用するデバイスの選択を求めるプロンプトが表示されます。 ネットワークデバイスが 1 つだけの場合は、 自動的にそれが選択されるためこのダイアログは表示されません。
ネットワークデバイス

図15.6 ネットワークデバイス

一覧内のデバイスがそれぞれどの物理ソケットに該当するのかわからない場合は、 どれか 1 つ選んで Identify ボタンを押します。 Identify NIC ダイアログが表示されます。
NIC の識別

図15.7 NIC の識別

大半のネットワークデバイスのソケットには、 アクティビティライト (別名 リンクライト)、 つまりデータがソケットを流れていることを示す時に点滅する LED が備わっています。 AnacondaNetworking Device ダイアログで選択したネットワークデバイスのアクティビティライトを最長 30 秒まで点滅させることができます。 点滅させたい秒数を入力してから OK を押します。 anaconda によるアクティビティライトの点滅が終了すると、 Networking Device ダイアログ画面に戻ります。
ネットワークデバイスを選択すると、 TCP/IP の設定方法を選択するプロンプトが表示されます。

IPv4 のオプション

動的 IP 設定 (DHCP)
Anaconda はネットワーク上で実行している DHCP を使用して、自動的にネットワーク設定を行います。
手動による設定
Anaconda は、本システムの IP アドレス、ネットマスク、ゲートウェイアドレス、DNS アドレスなどのネットワーク設定を手動で入力するようプロンプトを表示します。

IPv6 のオプション

Automatic
Anaconda はネットワーク環境に応じて、 自動設定に ルーター広告 (RA - Router Advertisement) と DHCP を使用します (NetworkManagerAutomatic オプションと同等)。
Automatic, DHCP only
Anaconda は RA を使用しません。 ただし、 ステートフル設定を構成するため直接 DHCPv6 からの情報を要求します (NetworkManagerAutomatic, DHCP only オプションと同等)。
Manual configuration
Anaconda により、システムの IP アドレス、ネットマスク、ゲートウェイアドレス、DNS アドレスなどのネットワーク設定情報の手動による入力を求めるプロンプトが表示されます。
Anaconda では IPv4 および IPv6 のプロトコルに対応しています。 ただし、IPv4 と IPv6 の両方を使用するようインターフェースを設定した場合、 IPv4 接続が正しく確立されている必要があります。 IPv6 接続が成功していても IPv4 接続が正しく確立されていないと、 インターフェースは機能しません。
TCP/IP の設定

図15.8 TCP/IP の設定

デフォルトでは、anaconda は IPv4 には「DHCP」を使用してネットワークの設定を自動的に提供し、IPv6 には「Automatic」を使用してネットワークの設定を提供します。 TCP/IP を手動で設定するよう選択した場合は、anaconda より Manual TCP/IP Configuration ダイアログに詳細情報の入力が求められます。
手動による TCP/IP 設定

図15.9 手動による TCP/IP 設定

手動設定を選択したプロトコルにより、 ダイアログには IPv4 と IPv6 のアドレスとプレフィックスのフィールドの他、 ネットワークゲートウェイやネームサーバーのフィールドも表示されます。 ネットワークの詳細を入力して OK を押します。
インストールが完了すると、 この設定がシステムに転送されることになります。

15.3.4. NFS 経由のインストール

NFS ダイアログは、 Installation Method ダイアログ内で NFS Image を選択している場合にのみ表示されます。 repo=nfs 起動オプションを使用した場合は、 既にサーバーとパスは指定されています。
NFS 設定ダイアログ

図15.10 NFS 設定ダイアログ

  1. NFS server name フィールドに NFS サーバーのドメイン名または IP アドレスを入力します。例えば、 example.com ドメインの eastcoast という名前のホストからインストールする場合は、 eastcoast.example.com と入力します。
  2. Red Hat Enterprise Linux 6.9 directory フィールドにエクスポートされるディレクトリの名前を入力します。
    • NFS サーバーで Red Hat Enterprise Linux インストールツリーのミラーをエクスポートしている場合は、 インストールツリーの root を含むディレクトリを入力します。 すべてが正しく指定されると、 Red Hat Enterprise Linux のインストールプログラムが実行を開始したことを示すメッセージが表示されます。
    • NFS サーバーで Red Hat Enterprise Linux DVD の ISO イメージをエクスポートしている場合は、 その ISO イメージを収納しているディレクトリを入力します。
    「NFS インストールの準備」 で記載のとおりに設定を行うと、エクスポートされるディレクトリは publicly_available_directory として指定したディレクトリとなります。
  3. 必要となる NFS マウントオプションがある場合には、 NFS mount options フィールドに入力します。 オプションの包括的なリストについては、 mount および nfs の man ページを参照してください。 マウントオプションが必要ない場合は空白のまま残します。

15.3.5. FTP、HTTP、HTTPS 経由のインストール

重要

インストールソースに URL を入力する場合は、 http://https://ftp:// のいずれかをプロトコルとして明示的に指定する必要があります。
URL ダイアログは、 FTP、 HTTP、 HTTPSなどのサーバーからインストールを行う場合にのみ表示されます (Installation Method のダイアログで URL を選択した場合)。 Red Hat Enterprise Linux のインストール元となる FTP、 HTTP、 HTTPS などのサーバーに関する情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。 repo=ftp、または repo=http の起動オプションを使用した場合は、 サーバーとパスは既に指定されています。
インストール元となる FTP、 HTTP、 HTTPS いずれかのサイト名または IP アドレス、 また対象アーキテクチャーの /images ディレクトリを格納しているディレクトリ名をそれぞれ入力します。 例を示します。
/mirrors/redhat/rhel-6.9/Server/ppc64/
安全な HTTPS 接続経由でインストールを行う場合は、 プロトコルに https:// を指定します。
プロキシサーバーのアドレスを指定します。 必要に応じてポート番号、 ユーザー名、 パスワードなどを入力します。 すべてが正常に指定されると、 ファイルがサーバーから取り込まれていることを示すメッセージボックスが表示されます。
FTP、 HTTP、 HTTPS などのサーバーでユーザー認証が必要な場合には、 以下のように URL の一部としてユーザー名とパスワードを指定します。
{ftp|http|https}://<user>:<password>@<hostname>[:<port>]/<directory>/
例えば、
http://install:rhel6.9pw@name.example.com/mirrors/redhat/rhel-6.9/Server/ppc64/
URL 設定ダイアログ

図15.11 URL 設定ダイアログ

15.4. メディアの検証

DVD は、メディアの整合性を検証するためのオプションを提供します。DVD メディアの作成中には焼き込みエラーが時々発生します。インストールプログラム用に選択されたパッケージのデータにエラーがあるとインストールが中止される原因になります。データエラーがインストールに影響を与える機会を最低限にするために、インストール前にメディアを検証してください。
この検証にパスすると、インストールプロセスは正常に進行します。プロセスが失敗する場合は、先にダウンロードしている ISO イメージを使用して新規の DVD を作成してください。

第16章 Anaconda を使用したインストール

この章では anaconda のグラフィカルユーザーインターフェースを使用したインストールを説明しています。

16.1. テキストモードインストールプログラムのユーザーインターフェース

テキストモードのインストールは明確には文書に記載されていませんが、テキストモードのインストールプログラムを使用した場合も、GUI のインストール手順に従うと簡単にインストールできます。ただし、テキストモードではインストールプロセスがよりシンプルで簡素化されるため、グラフィカルモードで利用できる一部のオプションはテキストモードでは使用できません。この違いについては、本ガイドのインストールプロセスの説明にあります。以下の内容が含まれます。
  • LVM、RAID、FCoE、zFCP、および iSCSI などの高度なストレージメソッドの設定
  • パーティションレイアウトのカスタマイズ
  • ブートローダーレイアウトのカスタマイズ
  • インストール時のパッケージの選択
  • Firstboot を使用したインストール済みシステムの設定

16.2. グラフィカルインストールプログラムのユーザーインターフェース

今までに グラフィカルユーザーインターフェース (GUI) を使用したことがあれば、この手順は既に慣れていると思います。マウスを使って画面を操作したり、ボタンをクリックする、テキストフィールドに入力するなどです。
また、 キーボードを使ってもインストール操作を行なうことができます。 Tab キーで画面内を移動し、 上下の矢印で一覧をスクロール、 +- キーで一覧を展開したり折り畳んだりします。 また、 スペース キーと Enter キーはハイライトされているアイテムを選択したり選択項目からはずしたりします。 Alt+X のキーコマンドの組合せでボタンのクリックや他の画面の選択を行なうこともできます。 X はその画面内に表示された下線付きの文字に置き換えてください。
パーティション設定されたシステムのような GUI 機能のないシステムでグラフィカル インストールを使用したい場合は、VNC、またはディスプレイ転送を使用できます。 VNC とディスプレイ転送オプションの両方はインストール時に稼働中のネットワークと ブート時の引数の使用が必要になります。使用可能なブート時オプションに関する 詳細情報は、28章起動オプション を参照してください。

注記

GUI インストールプログラムを使用したくない場合は、 テキストモードのインストールプログラムも利用可能です。 テキストモードのインストールプログラムを起動するには、 以下のコマンドを yaboot: プロンプトで使います。
linux text
Red Hat Enterprise Linux ブートメニューの説明については 「ブートメニュー」 を 参照して、テキストモードインストールの手順に関する簡単な概要については 「テキストモードインストールプログラムのユーザーインターフェース」 を参照してください。
インストールは GUI インストールプログラムを使用して行なうことを強く推奨しています。 GUI インストールプログラムでは、 テキストモードのインストールでは利用できない LVM の設定など Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムの全機能を提供しています。
テキストモードのインストールプログラムを使用しなければならない場合は GUI インストールの説明をご覧ください。 必要な情報はすべて GUI インストールのセクションで説明されています。

16.3. Linux 仮想コンソールに関する注意事項

この情報はコンソールとしてビデオカードを使用するパーティション設定のない System p システムのユーザーにのみ適用されます。パーティション設定された System p システムのユーザーは 「HMC vterm の使用」 に進んでください。
Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムは、インストール中にダイアログボックスを表示するだけではありません。 各種診断メッセージを利用することができる他、 シェルプロンプトでコマンドを入力することもできます。 これらのメッセージはインストールプログラムによって 5 つの 仮想コンソール 上で表示されます。 キーの組み合わせを入力するだけで仮想コンソールを切替えることができます。
仮想コンソールは非グラフィカル環境でのシェルプロンプトであり、 遠隔からではなく実際の物理的なマシンからアクセスします。 複数の仮想コンソールは同時にアクセスすることができます。
これらの仮想コンソールは、 Red Hat Enterprise Linux のインストール中に問題が発生した場合に役に立ちます。インストールコンソールやシステムコンソールに表示されるメッセージは、 問題を特定する上で参考になります。 仮想コンソールの一覧、 仮想コンソール切り替えのためのキー入力、 仮想コンソールが表示する内容などについては 表16.1「コンソール、キー入力、内容」 を参照してください。
インストール関連の問題を診断しようとしている場合を除いては、 一般的にはグラフィカルインストール用のデフォルトコンソール (仮想コンソール #6) から他の仮想コンソールに移動する必要はありません。

表16.1 コンソール、キー入力、内容

コンソールキー入力内容
1ctrl+alt+f1インストールダイアログ
2ctrl+alt+f2シェルプロンプト
3ctrl+alt+f3インストールログ (インストールプログラムから発行されるメッセージ)
4ctrl+alt+f4システム関連メッセージ
5ctrl+alt+f5その他のメッセージ
6ctrl+alt+f6X のグラフィカル表示

16.4. HMC vterm の使用

HMC vterm はパーティション設定された IBM System p 用のコンソールです。 HMC にあるパーティションで右クリックしてから Open Terminal Window (ターミナルウィンドウを開く) を選択するとすると開きます。一度にコンソールへ接続できる vterm は 1 つのみで vterm 以外にはパーティション設定されたシステムのコンソールアクセスはありません。これはよく「仮想コンソール」と呼ばれることがありますが、 「Linux 仮想コンソールに関する注意事項」 の仮想コンソールとは異なります。

16.5. Red Hat Enterprise Linux へようこそ

ようこその画面では、入力は一切要求されません。
「ようこそ」の画面

図16.1 「ようこそ」の画面

ボタンをクリックして続行します。

16.6. 言語の設定

マウスを使って、 インストール中およびシステムのデフォルトとして使用する言語 (例、 U.S. English) を選択します (下図を参照)。
選択したら Next (次) をクリックして続行します。
言語設定

図16.2 言語設定

16.7. キーボードの設定

マウスを使って、 インストール中およびシステムのデフォルトに使用するキーボードのレイアウトタイプ (例、 U.S. English) を選択します (図16.3「キーボードの設定」 を参照)。
選択したら をクリックして進みます。
キーボードの設定

図16.3 キーボードの設定

注記

インストールを完了した後でキーボードのレイアウトタイプを変更する場合は、 キーボード設定ツール を使用します。
シェルプロンプトで system-config-keyboard と入力して、 キーボード設定ツール を起動します。 root になっていない場合は、 続行するため root パスワードの入力が求められます。

16.8. ストレージデバイス

Red Hat Enterprise Linux は様々な種類のストレージデバイスにインストールすることができます。 この画面では、「基本ストレージデバイス (Basic Storage Devices)」か「特殊化したストレージデバイス (Specialized Storage Devices)」のどちらかを選択することができます。
ストレージデバイス

図16.4 ストレージデバイス

基本的ストレージデバイス
基本的ストレージデバイスを選択し、以下のストレージデバイスに Red Hat Enterprise Linux をインストールします。
  • ローカルシステムに直接接続されたハードドライブまたはソリッドステートドライブ
特殊化したストレージデバイス
特殊化したストレージデバイス (Specialized Storage Devices) を選択し、以下のストレージデバイスに Red Hat Enterprise Linux をインストールします。
  • ストレージエリアネットワーク (SAN)
  • ダイレクトアクセスストレージデバイス (DASD)
  • ファームウェア RAID デバイス
  • マルチパスデバイス
特殊化したストレージデバイスオプションを選択し、iSCSI (Internet Small Computer System Interface) および FCoE (Fiber Channel over Ethernet) 接続を設定します。
基本的ストレージデバイスを選択する場合、anaconda がシステムに接続してあるローカルのストレージを自動的に検出するため、ユーザーから追加の入力が不要です。「ホスト名の設定」 に進んでください。

注記

インストール中には、mdeventd デーモンによる LVM およびソフトウェア RAID デバイスの監視は行われません。

16.8.1. ストレージデバイス選択の画面

ストレージデバイス選択の画面には、anaconda でアクセスできるすべてのストレージデバイスが表示されます。
ストレージデバイスの選択 — 基本デバイス

図16.5 ストレージデバイスの選択 — 基本デバイス

ストレージデバイスの選択 — マルチパスデバイス

図16.6 ストレージデバイスの選択 — マルチパスデバイス

ストレージデバイスの選択 — 他の SAN デバイス

図16.7 ストレージデバイスの選択 — 他の SAN デバイス

デバイスはタブを使ってグループ分けされています。
基本デバイス (Basic Devices)
ハードディスクドライブやソリッドステートドライブなど、ローカルのシステムに直接接続されている基本的なストレージデバイスです。
ファームウェア RAID
ファームウェア RAID コントローラーに接続されているストレージデバイスです。
マルチパスデバイス
複数のパスでアクセスできるストレージデバイス、同じシステム上にある複数のファイバーチャネルポートや SCSI コントローラーなどからアクセスが可能です。

重要

インストーラーは、16 文字か 32 文字のシリアル番号を持つマルチパスストレージデバイスしか検出しません。
他の SAN デバイス
SAN (storage area network) で利用できる他のデバイスです。
iSCSI または FCoE のストレージを設定する必要がある場合は、高度なターゲットを追加をクリックして、「高度なストレージオプション」 を参照してください。
ストレージデバイス選択の画面には 検索 のタブがあり、ストレージがアクセスされる場合の WWID (World Wide Identifier) か、またはポート、ターゲット、LUN (論理ユニット番号) 別などでストレージデバイスにフィルターをかけることができます。
ストレージデバイスの検索タブ

図16.8 ストレージデバイスの検索タブ

このタブにはドロップダウンメニューがあり、ポート、ターゲット、WWID、LUN (各値にそれぞれテキストボックスが付いている) 別に検索することができます。WWID または LUN 別の検索の場合、各テキストボックスに追加で値を入力する必要があります。
anaconda で検出されるデバイスの一覧が各タブに表示され、デバイスを識別しやすいようにその情報も表示されます。小さなアイコンで表されているドロップダウンメニューはコラムの見出しの右の方にあります。このメニューを使うと各デバイスで表示されるデータのタイプを選択することができます。例えば、マルチパスデバイス タブのメニューで、WWID容量ベンダー相互接続パス などを指定して、デバイスについて表示させるデータのタイプを選択することができます。表示させる情報量の増減を調節し、デバイスを識別しやすくします。
コラムの選択

図16.9 コラムの選択

1 デバイスにつき 1 行で表示され、行の左側にはチェックボックスが付きます。チェックボックスをクリックするとそのデバイスをインストール時に使用できるようになります。コラムの見出しの左側にある ラジオボタン をクリックすると、その画面に表示されているデバイスのチェックボックスをすべて全選択したり、チェックボックスの全選択を解除したりすることができます。インストールプロセスの後半では、ここで選択したデバイスのいずれかに Red Hat Enterprise Linux をインストールするか、また他の選択デバイスをインストールが完了したシステムの一部として自動的にマウントするなどの選択ができます。
ここで選択するデバイスがインストールプロセスで自動的に消去されるわけではありません。この画面上でデバイスを選択すること自体はそのデバイスに保存しているデータに対して何ら影響を与えるものではありません。ここで、インストールを完了したシステムの一部を構成するデバイスとして選択しなかった場合でも、インストール後に /etc/fstab ファイルを修正すればシステムに追加することが可能です。

重要

この画面で選択しなかったストレージデバイスはすべて anaconda では完全に表示されなくなります。別のブートローダーから Red Hat Enterprise Linux ブートローダーを チェーンロード する場合は、この画面で表示されているすべてのデバイスを選択するようにしてください。
インストール中に使用可能にするストレージデバイスを選択したら、 をクリックして 「ハードディスクの初期化」 に進んでください。

16.8.1.1. 高度なストレージオプション

この画面では、 iSCSI (TCP/IP 経由の SCSI) のターゲットや FCoE (イーサネット経由のファイバーチャンネル) の SAN (ストレージエリアネットワーク) を設定することができます。 iSCSI の詳細については 付録B iSCSI ディスク を参照してください。
高度なストレージオプション

図16.10 高度なストレージオプション

Add iSCSI target または Add FCoE SAN を選択して、Add drive をクリックします。iSCSI ターゲットを追加する場合は、オプションで Bind targets to network interfaces のチェックボックスにチェックを入れます。
16.8.1.1.1. ネットワークインターフェースの選択と設定
高度なストレージオプション 画面では、anaconda がシステムで検出したアクティブなネットワークインターフェースが表示されます。1 つも検出されない場合は、anaconda はストレージデバイスに接続するためのインターフェースをアクティベートする必要があります。
高度なストレージオプション 画面の ネットワークの設定 をクリックし、インストール中に使用するネットワークインターフェースを NetworkManager を使って設定、アクティベートします。別の方法では、ドライブ追加 をクリックした後に anacondaSelect network interface (ネットワークインターフェースを選択) ダイアログで確認します。
ネットワークインターフェースの選択

図16.11 ネットワークインターフェースの選択

  1. ドロップダウンメニューからインターフェースを選択します。
  2. OK をクリックします。
AnacondaNetworkManager を開始し、インターフェースの設定が可能になります。
ネットワークの接続

図16.12 ネットワークの接続

NetworkManager の使用方法については 「ホスト名の設定」 を参照してください。
16.8.1.1.2. iSCSI パラメーターの設定
iSCSI ターゲットを追加するには、Add iSCSI target を選択して Add drive をクリックします。
インストール用 iSCSI ストレージデバイスを使用する場合は、 anaconda で iSCSI ストレージデバイスを iSCSI ターゲットとして 検出 し、 アクセスするための iSCSI セッション を作成できなければなりません。 各手順では CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) 認証用のユーザー名とパスワードが必要な場合があります。 さらに、 iSCSI ターゲットを接続しているシステムの iSCSI イニシエーターをそのターゲットで認証できるよう設定し、 検出とセッション作成の両方を行なえるようにすることもできます (逆順 CHAP)。 CHAP と 逆順 CHAP を共に使用する場合、 相互 CHAP または 双方向 CHAP と呼ばれます。 相互 CHAP により iSCSI 接続に非常に高いレベルの安全性を確保することができます。 特に、 CHAP 認証と逆 CHAP 認証でユーザー名とパスワードが異なる場合に安全性が向上します。
iSCSI 検出と iSCSI ログインの手順を繰り返して、必要なすべての iSCSI ストレージの追加を行います。ただし、初回の検出試行後は、iSCSI イニシエーターの名前の変更はできません。iSCSI イニシエーターの名前を変更する場合は、インストールを最初からやり直す必要があります。

手順16.1 iSCSI の検出

iSCSI 探索結果の詳細 ダイアログで、anaconda に iSCSI ターゲットの検出に必要な情報を入力します。
iSCSI 探索結果の詳細ダイアログ

図16.13 iSCSI 探索結果の詳細ダイアログ

  1. ターゲット IP アドレス フィールドに iSCSI ターゲットの IP アドレスを入力します。
  2. iSCSI 修飾名 (IQN) 形式で iSCSI イニシエータ名 フィールドに iSCSI イニシエーターの名前を入力します。
    有効な IQN は以下で構成されます。
    • iqn.」の文字列 (ピリオドが必要)
    • 日付コード (企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名が登録された年と月、記述の順序は年を表す4 桁の数字、 ダッシュ記号、 月を表す 2 桁の数字、 ピリオドの順で構成。 例、 2010 年 9 月の場合は「2010-09.」)
    • 企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名 (トップレベルのドメインを先頭にして逆順で表す。 例、 storage.example.com のサブドメインは、 com.example.storage と表す。)
    • コロン (「:」) とドメイン名またはサブドメイン内でその iSCSI イニシエーターを固有に識別する文字列 (例、 :diskarrays-sn-a8675309)
    以上から、完全な IQN は iqn.2010-09.storage.example.com:diskarrays-sn-a8675309 のようになります。 anaconda では、 IQN を構成しやすいようこの形式による任意の名前がすでに iSCSI イニシエータ名フィールドに自動入力されています。
    IQN の詳細については、 http://tools.ietf.org/html/rfc3720#section-3.2.6 にある 『RFC 3720 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI)』 の 『3.2.6. iSCSI Names』 のセクションや、 http://tools.ietf.org/html/rfc3721#section-1 にある 『RFC 3721 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) Naming and Discovery』 の 『1. iSCSI Names and Addresses』 のセクションを参照してください。
  3. ドロップダウンメニューを使って、iSCSI 検出に使用する認証タイプを指定します。
    iSCSI 検出の認証

    図16.14 iSCSI 検出の認証

    • no credentials (認証情報なし)
    • CHAP pair (CHAP 秘密鍵)
    • CHAP pair and a reverse pair (CHAP 秘密鍵と逆順鍵)
    • CHAP pair (CHAP 秘密鍵) を認証タイプとして選択した場合は、 CHAP ユーザー名CHAP パスワード フィールドに iSCSI ターゲット用のユーザー名とパスワードを入力します。
      CHAP 秘密鍵

      図16.15 CHAP 秘密鍵

    • CHAP pair and a reverse pair (CHAP 秘密鍵と逆順鍵) を認証タイプとして選択した場合は、 CHAP ユーザー名CHAP パスワード フィールドに iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力し、 逆順 CHAP ユーザー名逆順 CHAP パスワード フィールドには iSCSI イニシエーターのユーザー名とパスワードを入力します。
      CHAP 秘密鍵と逆順鍵

      図16.16 CHAP 秘密鍵と逆順鍵

  4. Start Discovery (検出の開始) をクリックします。 Anaconda により入力した情報をベースに iSCSI ターゲットの検出が試行されます。 検出が成功すると、 iSCSI 探索されたノード ダイアログにターゲット上で検出された全 iSCSI ノードの一覧が表示されます。
  5. 各ノードの横にはそれぞれチェックボックスがあります。 チェックボックスをクリックしてインストールに使用するノードを選択します。
    iSCSI 探索されたノードのダイアログ

    図16.17 iSCSI 探索されたノードのダイアログ

  6. ログイン をクリックして iSCSI セッションを開始します。

手順16.2 iSCSI セッションの開始

iSCSI ノードへログイン ダイアログで、 iSCSI ターゲットのノードにログインして iSCSI セッションを開始するために必要な情報を anaconda に入力します。
iSCSI ノードへログインのダイアログ

図16.18 iSCSI ノードへログインのダイアログ

  1. ドロップダウンメニューを使って、 iSCSI セッションに使用する認証タイプを選択します。
    iSCSI セッションの認証

    図16.19 iSCSI セッションの認証

    • no credentials (認証情報なし)
    • CHAP pair (CHAP 秘密鍵)
    • CHAP pair and a reverse pair (CHAP 秘密鍵と逆順鍵)
    • Use the credentials from the discovery step (探索時から証明書を使用)
    その環境で iSCSI 検出と iSCSI セッションに同じタイプの認証、 同一のユーザー名とパスワードを使用している場合は、 Use the credentials from the discovery step (探索時から証明書を使用) を選択して、 認証情報を再利用します。
    • CHAP pair (CHAP 秘密鍵) を認証タイプとして選択した場合は、 CHAP ユーザー名CHAP パスワード フィールドに iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力します。
      CHAP 秘密鍵

      図16.20 CHAP 秘密鍵

    • CHAP pair and a reverse pair (CHAP 秘密鍵と逆順鍵) を認証タイプとして選択した場合は、 CHAP ユーザー名CHAP パスワード フィールドに iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力し、 逆順 CHAP ユーザー名逆順 CHAP パスワード フィールドに iSCSI イニシエーターのユーザー名とパスワードを入力します。
      CHAP 秘密鍵と逆順鍵

      図16.21 CHAP 秘密鍵と逆順鍵

  2. ログイン をクリックします。 Anaconda により入力した情報をベースに iSCSI ターゲットのノードへのログインが試行されます。 iSCSI ログイン結果 のダイアログにその結果が表示されます。
    iSCSI ログイン結果のダイアログ

    図16.22 iSCSI ログイン結果のダイアログ

  3. OK をクリックして続行します。
16.8.1.1.3. FCoE パラメーターの設定
FCoE SAN を設定する場合は、 FCoE SAN を追加 を選択して、 ドライブ追加 をクリックします。
次に出てくるダイアログボックスで、FCoE スイッチに接続されているネットワークインターフェースを選択し、FCoE ディスクを追加 (Add FCoE Disk(s)) をクリックします。
FCoE パラメーターの設定

図16.23 FCoE パラメーターの設定

データセンターブリッジング (DCB) は、 ストレージネットワークやクラスターでのイーサネット接続の効率性向上を目的として設計されたイーサネットプロトコルに対する拡張機能の集合です。 このダイアログボックス内のチェックボックスを使用して、 インストーラーの DCB 認識を有効にしたり無効にしたりします。 DCB の設定は、 ホストベースの DCBX クライアントを必要とするネットワークインタフェースに限ってください。 ハードウェア DCBX クライアントを実装するインターフェースで設定を行なう場合はこのチェックボックスは空白のままにしておいてください。
自動 VLAN では VLAN 検出を行なうかどうかを指定します。 このボックスにチェックを入れると、 リンク設定が検証された後、 FIP VLAN 検出プロトコルがイーサネットインタフェースで実行されます。 まだ設定が行なわれていない場合には、 検出された FCoE VLAN すべてに対してネットワークインターフェースが自動的に作成され、 FCoE のインスタンスが VLAN インターフェース上に作成されます。

16.9. ホスト名の設定

このコンピューターのホスト名を入力するようプロンプトが表示されます。 hostname.domainname の形式で 完全修飾ドメイン を入力するか、 hostname の形式で 短縮ホスト名 を入力します。 多くのネットワークで、 接続システムに対して自動的にドメイン名を与える DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスが備わっています。 DHCP サービスを許可してドメイン名をこのマシンに割り当てる場合には、 短縮ホスト名のみを指定します。

注記

ホスト名のフルネームが固有であれば、 システムにどのような名前を付けても構いません。 ホスト名には文字、 数字、 ハイフンなどを含めることができます。
ホスト名の設定

図16.24 ホスト名の設定

Red Hat Enterprise Linux システムが 直接 インターネットに接続されている場合、 上位となるサービスプロバイダーによるサービス障害やサービス停止を回避する手段についても考慮する必要があります。 この問題については本ガイドの範疇を越えるため、 詳細は解説していません。

注記

インストールプログラムではモデムの設定は行なわれません。 インストール後に、 Network ユーティリティを使用して設定を行なってください。 モデムの設定値は各契約インターネットサービスプロバイダー (ISP) に固有となります。

16.9.1. ネットワーク接続の編集

重要

Red Hat Enterprise Linux 6.9 のインストールをはじめて起動すると、 インストール中に設定したネットワークインターフェースがすべて起動されます。 ただし、 ネットワークインターフェースの設定を求めるプロンプトをインストーラーが表示しないケースが一部の一般的なインストール方法をとった場合に見られます。 たとえば、 DVD からローカルのハードドライブに Red Hat Enterprise Linux をインストールした場合などです。
Red Hat Enterprise Linux をローカルのインストールソースからローカルのストレージデバイスにインストールする際、 初回の起動時からネットワークアクセスを必要とする場合には、 ネットワークインターフェースを少なくともひとつ手動で設定しておくようにしてください。 接続の編集時に 自動接続する を選択する必要があります。

注記

インストールが完了した後でネットワークの設定を変更するには、ネットワーク管理ツール を使用します。
シェルプロンプトで system-config-network と入力して、ネットワーク管理ツール を起動します。root 以外で操作している場合、続行するために root パスワードの入力が求められます。
ネットワーク管理ツール は廃止予定になったため、 Red Hat Enterprise Linux 6 のライフタイム期間中に NetworkManager に置き換えられる予定です。
ネットワーク接続を手作業で設定する場合は、 ネットワークの設定 ボタンをクリックします。 ネットワークの設定 ダイアログが表示され、 有線、 無線、 モバイルブロードバンド、 InfiniBand、 VPN、 DSL、 VLAN、 結合など各種の接続を設定することができるようになります。 NetworkManager で可能な設定の全詳細については本ガイドの範疇をこえてしまうため、 このセクションでは最も一般的な有線接続をインストール中に設定する方法について説明します。 他のネットワークタイプの設定方法についても有線接続の設定方法とさほど違いはありませんが、 特定のパラメーターなどは必然的に異なります。
ネットワークの接続

図16.25 ネットワークの接続

新しい接続を追加する場合は 追加 をクリックして、 メニューから接続のタイプを選択します。 既存の接続を修正する場合は、 一覧からその接続を選択し 編集 をクリックします。 いずれの場合も、 以下のような選択した接続タイプに適したタブを持つダイアログボックスが表示されます。 接続を削除する場合は一覧からその接続を選択し、 削除 をクリックします。
ネットワーク設定の編集が終了したら、適用 をクリックして新しい設定を保存します。インストール中にすでにアクティブだったデバイスを再設定した場合は、 その新しい設定を反映させるためデバイスを再起動する必要があります — 「ネットワークデバイスの再起動」 を参照してください。

16.9.1.1. 全接続タイプに共通のオプション

すべての接続タイプに共通する設定オプションがあります。
接続名 の名前フィールド内に接続名を指定します。
自動接続する を選択し、 システムの起動時に自動的に接続を開始します。
インストールが完了したシステムで NetworkManager を実行する場合、 ネットワーク設定がシステム全体で有効かどうかはすべてのユーザーに利用可能 のオプションで制御します。 インストール中に、設定しているすべてのネットワークインターフェースで すべてのユーザーに利用可能 が選択されていることを確認してください。

16.9.1.2. 有線のタブ

有線 のタブを使ってネットワークアダプターの MAC (media access control) アドレスの指定や変更を行ないます。 また、 インターフェースを通過する MTU (maximum transmission unit) がバイト単位でセットできます。
有線のタブ

図16.26 有線のタブ

16.9.1.3. 802.1x セキュリティのタブ

802.1x セキュリティ のタブを使用して 802.1X PNAC (port-based network access control - ポートベースのネットワークアクセス制御) を設定します。 この接続に 802.1X セキュリティを使用する を選択してアクセス制御を有効にしてから、ネットワーク詳細を入力します。 設定オプションには以下が含まれます。
認証
以下の認証方法のいずれかを選択します。
  • TLS (Transport Layer Security)
  • トンネル化 TLS (Tunneled Transport Layer Security、 または EAP-TTLSS、 TTLS とも呼ばれる)
  • 保護付き EAP (PEAP) (保護付き拡張型認証プロトコル)
識別子
このサーバーの識別子を入力します。
ユーザー証明書
DER (Distinguished Encoding Rules) または PEM (Privacy Enhanced Mail) で暗号化されている個人の X.509 証明書ファイルを指定します。
CA 証明書
DER (Distinguished Encoding Rules) または PEM (Privacy Enhanced Mail) で暗号化された X.509 認証局 の証明書ファイルを指定します。
プライベートキー
DER (Distinguished Encoding Rules)PEM (Privacy Enhanced Mail)PKCS#12 (Personal Information Exchange Syntax Standard) で暗号化された プライベートキー ファイルを指定します。
プライベートキーパスワード
プライベートキー フィールドで指定したプライベートキーのパスワードです。 パスワードを表示を選択すると、入力時にパスワードが視認できます。
802.1x セキュリティのタブ

図16.27 802.1x セキュリティのタブ

16.9.1.4. IPv4 のセッティングのタブ

IPv4 のセッティング のタブを使って前に選択していたネットワーク接続に IPv4 パラメーターを設定します。
方式 のドロップダウンメニューを使ってネットワークで実行している DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスから取得を試行する方式を指定します。 以下のオプションから選択します。
自動 (DHCP)
IPv4 パラメーターはネットワーク上の DHCP サービスによって設定されます。
自動 (DHCP) アドレス専用
IPv4 のアドレス、 ネットマスク、 ゲートウェイアドレスなどはネットワーク上の DHCP サービスによって設定されます。 ただし、 DNS サーバーと検索ドメインは手動で設定する必要があります。
手動
IPv4 パラメーターを手動で静的設定用に設定します。
ローカルへのリンク専用
169.254/16 範囲内の ローカルへのリンク アドレスがインターフェースに割り当てられます。
他のコンピューターへ共有
他のコンピューターにネットワークアクセスを与えるようシステムを設定します。 インターフェースには 10.42.x.1/24 の範囲内のアドレスが割り当てられ、 DHCP サーバーと DNS サーバーが開始されて、 インターフェースが NAT (network address translation) を使ってシステム上のデフォルトのネットワークに接続されます。
無効になっています
この接続では IPv4 を無効にします。
パラメーターを手動で入力する方式を選択した場合は、 アドレス フィールドにこのインターフェースの IP アドレスの詳細、 ネットマスク、 ゲートウェイを入力します。 アドレスの追加や削除を行う場合は、 追加 または 削除 のボタンを使用します。 DNS サーバー フィールドには、 コンマで区切った DNS サーバーの一覧を入力します。 ドメインを検索 のフィールドにはネームサーバーの検索に含めるドメインをコンマで区切って入力します。
オプションとして、 DHCP クライアント ID フィールドにこのネットワーク接続名を入力します。 この名前はサブネット上で固有の名前でなければなりません。 接続に分かり易い DHCP クライアント ID を割り当てると、 ネットワーク関連の問題をトラブルシュートする場合に、 その接続が識別しやすくなります。
この接続を完了するには IPv4 アドレス化が必要になります のチェックボックスの選択を解除すると、 IPv4 の設定は失敗してしまうが IPv6 の設定は成功する場合、 この接続が IPv6 対応のネットワークで利用できるようになります。
IPv4 のセッティングのタブ

図16.28 IPv4 のセッティングのタブ

16.9.1.4.1. IPv4 ルートの編集
Red Hat Enterprise Linux では、 デバイスの IP アドレスに応じて自動的に複数のルートを設定します。 追加のルートを編集する場合は ルート ボタンをクリックします。 IPv4 ルートを編集 のダイアログが表示されます。
IPv4 ルートを編集のダイアログ

図16.29 IPv4 ルートを編集のダイアログ

追加 をクリックして新しい静的ルートの IP アドレス、 ネットマスク、 ゲートウェイアドレス、 メトリックを追加します。
自動取得したルートを無視する を 選択すると、 インターフェースはここで指定したルートのみを使用するようになります。
そのネットワーク上のリソースのためにのみこの接続を使用 を選択すると、 接続をローカルのネットワークのみに制限します。

16.9.1.5. IPv6 のセッティングのタブ

IPv6 のセッティング のタブを使って前に選択していたネットワーク接続に IPv6 パラメーターを設定します。
方式 のドロップダウンメニューを使ってネットワークで実行している DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスから取得を試行する方式を指定します。 以下のオプションから選択します。
無視する
この接続では IPv6 を無視します。
自動
NetworkManager により ルータ広告 (RA) が使用され、 自動のステートレス設定が作成されます。
自動、アドレスのみ
NetworkManager により RA が使用され、 自動のステートレス設定が作成されます。 ただし、 DNS サーバーと検索ドメインは無視されるため、 手動で設定する必要があります。
自動、DHCP のみ
NetworkManager は RA を使用しません。 ただし、 ステートフル設定を構成するため直接 DHCPv6 からの情報を要求します。
手動
IPv6 パラメーターを手動で静的設定用に設定します。
ローカルへのリンク専用
fe80::/10 のプレフィックスが付いた ローカルへのリンク のアドレスがインターフェースに割り当てられます。
パラメーターを手動で入力する方式を選択した場合は、 アドレス フィールドにこのインターフェースの IP アドレスの詳細、 ネットマスク、 ゲートウェイを入力します。 アドレスの追加や削除を行う場合は、 追加 または 削除 のボタンを使用します。 DNS サーバー フィールドには、 コンマで区切った DNS サーバーの一覧を入力します。 ドメインを検索 のフィールドにはネームサーバーの検索に含めるドメインをコンマで区切って入力します。
オプションとして、 DHCP クライアント ID フィールドにこのネットワーク接続名を入力します。 この名前はサブネット上で固有の名前でなければなりません。 接続に分かり易い DHCP クライアント ID を割り当てると、 ネットワーク関連の問題をトラブルシュートする場合に、 その接続が識別しやすくなります。
この接続が完了するには IPv6 アドレス化が必要になります のチェックボックスの選択を解除すると、 IPv6 の設定は失敗してしまうが IPv4 の設定は成功する場合、 この接続が IPv4 対応のネットワークで利用できるようになります。
IPv6 のセッティングのタブ

図16.30 IPv6 のセッティングのタブ

16.9.1.5.1. IPv6 ルートの編集
Red Hat Enterprise Linux では、 デバイスの IP アドレスに応じて自動的に複数のルートを設定します。 追加のルートを編集する場合は ルート ボタンをクリックします。 IPv6 ルートを編集 のダイアログが表示されます。
IPv6 ルートを編集のダイアログ

図16.31 IPv6 ルートを編集のダイアログ

追加 をクリックして新しい静的ルートの IP アドレス、 ネットマスク、 ゲートウェイアドレス、 メトリックを追加します。
そのネットワーク上のリソースのためにのみこの接続を使用 を選択すると、 接続をローカルのネットワークのみに制限します。

16.9.1.6. ネットワークデバイスの再起動

インストール中にすでに使用しているネットワークを再設定する場合は、変更内容を反映するために anaconda でデバイス接続を切断し、再接続する必要があります。anacondaインターフェース設定 (ifcfg) ファイルを使用して、NetworkManager と通信します。ONBOOT=yes と設定されていれば、ifcfg ファイルの削除時にデバイスの接続が切断されても、ifcfg ファイルの復元時に再接続されます。インターフェースの設定ファイルの詳細については、https://access.redhat.com/documentation/ja-JP/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/Deployment_Guide/index.html にある『Red Hat Enterprise Linux 6.9 導入ガイド』 を参照してください。
  1. Ctrl+Alt+F2 を押して、 tty2 仮想ターミナルに切り替えます。
  2. インターフェースの設定ファイルを一時的な場所に移動します。
    mv /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-device_name /tmp
    device_name は今再設定したデバイスです。 例えば ifcfg-eth0eth0 用の ifcfg ファイルになります。
    これで anaconda でデバイス接続が切断されました。
  3. vi エディタでインターフェースの設定ファイルを開きます。
    vi /tmp/ifcfg-device_name
  4. インターフェースの設定ファイルに ONBOOT=yes の行が含まれていることを確認します。その行がない場合は、ここで追加して、ファイルを保存します。
  5. vi エディタを終了します。
  6. インターフェースの設定ファイルを /etc/sysconfig/network-scripts/ ディレクトリに戻します。
    mv /tmp/ifcfg-device_name /etc/sysconfig/network-scripts/
    これで anaconda でデバイスが再接続されました。
  7. Ctrl+Alt+F6 を押して、anaconda に戻ります。

16.10. タイムゾーンの設定

コンピューターが物理的に存在する場所に最も近い都市を選択してタイムゾーンを設定します。地図をクリックすると世界の特定の地域にズームインすることができます。
ここでタイムゾーンを選択する 2 つの方法があります。
  • マウスを使って、対話式地図をクリックして特定の都市 (黄色の点で表示) を選択します。選択した都市は赤い X で示されます。
  • さらに、画面下にある一覧をスクロールしてタイムゾーンを選択することもできます。マウスを使って目的の場所をクリックし、選択内容を強調表示します。
タイムゾーンの設定

図16.32 タイムゾーンの設定

Red Hat Enterprise Linux が使用中のコンピューター上で唯一のオペレーティングシステムである場合、システムクロックで UTC を使用 (System clock uses UTC) を選択します。システムクロックはコンピューターシステム上のハードウェアの一部です。Red Hat Enterprise Linux はタイムゾーン設定を使用して、システムクロック上のローカルタイムと UTC 間のオフセットを判定します。これは UNIX、Linux、およびこれらと同様のオペレーティングシステムを使用するシステム用の標準動作です。
をクリックして進みます。

注記

インストールが完了した後でタイムゾーンの設定を変更するには、時刻と日付のプロパティツール (Time and Date Properties Tool) を使用します。
シェルプロンプトで system-config-date コマンドを入力して、時刻と日付のプロパティツール (Time and Date Properties Tool) を起動します。root になっていない場合は、継続する際に root パスワードが要求されます。

16.11. Root パスワードの設定

root アカウントとそのパスワードの設定はインストールにおける最も重要なステップの1つです。root アカウントはパッケージのインストール、RPM の アップグレード、およびほとんどのシステム管理の実行に使用されます。root としてログインするとシステム上で完全な制御を持つことになります。

注記

root ユーザー(別名 スーパーユーザー)は、全システム域に完全なアクセスを持ちます。 この理由で、root ユーザーとしてのログインは、システム維持、または管理を実行する 時のみにすることが賢明です。
Root パスワード

図16.33 Root パスワード

root アカウントはシステム管理のためにのみ使用してください。通常使用には root でないアカウントを作成して、スーパーユーザー権限を必要とするタスクの実行時にのみ su - コマンドを使用して root になるようにします。こうした基本ルールにより、誤字やコマンドの誤使用がシステムを破壊する可能性を最小限に抑えます。

注記

root になるには、ターミナルウィンドウ内のシェルプロンプトで su - と 入力し、Enter を押します。それから、設定してある root パスワードを 入力して Enter を押します。
インストール済みプログラムは、ご使用のシステムの root パスワード[7]を設定するようプロンプトが表示されます。root パスワードを入力しないと次のインストールプロセスの手順へ進めません。
root パスワードは最低でも6文字の長さが必要です。入力する時点ではパスワードは 画面に表示されません。パスワードは 2回入力します。2回入力したパスワードが 一致しない場合は、インストールプログラムが再入力を要求します。
root パスワードは記憶しやすく、かつ他人が簡単に想像できないものにします。自分の名前や、電話番号、qwertypassword, root123456anteater などはすべて悪いパスワードの例です。よいパスワードとは、大文字、小文字に数字を混ぜ、辞書用語のないものです。Aard387vark420BMttNT はよい例です。パスワードは大文字/小文字を区別することに注意してください。パスワードを書き留める場合はそれを安全な場所に保管してください。しかし、このパスワードおよび作成する他のパスワードは、書き留めないことが推奨されます。

警告

このマニュアルに示されているパスワードの例は使用しないでください。これらのパスワードを模倣して使用すると、セキュリティリスクと見なされます。
インストールが終了した後に root パスワードを変更する場合は rootpasswd コマンドを実行します。root パスワードを忘れてしまった場合は Red Hat Enterprise Linux 6 Deployment Guide の Resolving Problems in System Recovery Modes で新しいパスワードの設定方法をを参照してください。

16.12. ストレージデバイスの割り当て

ストレージデバイス選択の画面 (「ストレージデバイス」 を参照) で複数のストレージデバイスを選択した場合、 anaconda はこれらのデバイスの内のどれがオペレーティングシステムのインストール用に利用可能で あるべきか、 そして、どれがデータストレージ用のみとしてファイルシステムに取り付けられるべきかの選択を要求します。 ストレージデバイスを1つだけ選択している場合は、anaconda はこの画面を 表示しません。
インストール中に、データストレージ専用としてここで識別するデバイスは、ファイルシステムの一部として マウントされますが、パーティション設定とフォーマットはありません。
ストレージデバイスを割り当てる

図16.34 ストレージデバイスを割り当てる

この画面は2つの窓枠に別れています。左窓枠には、データストレージ専用として使用されれるデバイスの 一覧が含まれます。右窓枠には、オペレーティングシステムのインストール用に利用可能なデバイスの 一覧が含まれます。
それぞれの一覧には、デバイスの識別の手助けとなる情報が含まれています。アイコンで マークが付いている小さなドロップダウンメニューはコラムヘッディングの右側にあります。 このメニューにより、それぞれのデバイス上で提供されるデータタイプを選択できるようになります。 提示される情報の量を加減してみると、特定デバイスの識別の手助けになるでしょう。
デバイスを一方の一覧から他の一覧に移動するには、そのデバイスをクリックして、それから左向きの 矢印が付いているボタンを押してデータストレージデバイスの一覧へ移動するか、あるいは右向きの 矢印が付いたボタンを押してオペレーティングシステムのインストールに使用可能なデバイスの一覧に 移動します。
インストールのターゲットとして利用可能なデバイスの一覧では、各デバイスの横にラジオボタンを含めることもできます。このラジオボタンを使用すれば、システムのブートデバイスとして使用したい デバイスを指定することができます。

重要

Red Hat Enterprise Linux ブートローダーをチェーンロードするブートローダーをいずれかのストレージデバイスが含んでいる場合、そのストレージデバイスを インストール対象デバイス (Install Target Devices) に含めます。インストール対象デバイス として識別するストレージデバイスは、ブートローダー設定中に anaconda から見える状態になります。
この画面上で インストール対象デバイス (Install Target Devices) として識別するストレージデバイスは、パーティション設定画面 (「ディスクパーティションの構成」 を参照) で すべての領域を使用 (Use All Space) オプションを選択していない限り、インストールプロセスにより自動的に抹消されることはありません。
インストール用に使用されるデバイスの識別を終了したら、 をクリックして続行します。

16.13. ハードディスクの初期化

既存のハードディスク上のパーティションテーブルが読み込めない場合、インストールプログラムはハードディスクを初期化を要求します。この操作をするとハードディスク上の既存のデータはすべて読み取り不可能となります。使用中のシステムがオペレーティングシステムのインストールされていない新しいハードディスクを持っていたり、ハードディスクからすべてのパーティションを削除している場合は ドライブの再初期化 (Re-initialize drive) をクリックしてください。
インストールプログラムは、それが正式なパーティション表を読み込めない各ディスク用に個別のダイアログを提示します。すべてを無視 (Ignore all) ボタン、または すべてを再初期化 (Re-initialize all) ボタンをクリックするとすべてのデバイスに対して同じ回答を適用します。
警告の画面 – ハードドライブの初期化

図16.35 警告の画面 – ハードドライブの初期化

特定の RAID システム、あるいは他の標準的でない設定はインストールプログラムで 読み込めずに、ハードディスク初期化のプロンプトが表示される可能性があります。 インストールプログラムは、それが検出できる物理ディスク構成には対応します。
必要となるハードディスクの自動初期化を有効にするには、キックスタートコマンド zerombr (32章キックスタートを使ったインストール を参照) を使用します。このコマンドは、初期化済みのディスクでシステムに無人インストールを実行する場合に必要となります。

警告

インストール中に脱着可能な非標準のディスク設定があり、それを検出して後で設定できる場合、システムの電源を切り、取り外してからインストールを 再開始します。

16.14. 既存システムのアップグレード

重要

次のセクションが使用できるのは Red Hat Enterprise Linux 6.4から Red Hat Enterprise Linux 6.5またはそれ 以降などのマイナーバージョン間での Red Hat Enterprise Linux のアップグレードに限られます。Red Hat Enterprise Linux 6 から Red Hat Enterprise Linux 7 などへのメジャーバージョン間のアップグレードには対応していません。
Red Hat Upgrade ToolPreupgrade Assistant を使用すると制限付きで Red Hat Enterprise Linux のメジャーバージョン間のインプレースアップグレードを行うことができます。詳細は 37章現在のシステムのアップグレード を参照してください。
インストールシステムは既存の Red Hat Enterprise Linux インストールのいずれも自動的に検出します。アップグレードプロセスは既存のシステムソフトウェアを新バージョンに更新しますが、ユーザーの home ディレクトリからはデータを削除しません。ハードドライブ上の現存のパーティション構造は変化しません。システム設定は、パッケージアップグレードが要求する場合にのみ変更されます。ほとんどのパッケージアップグレードはシステム設定を変更しませんが、ユーザーが後で確認できるように追加の設定ファイルをインストールします。
使用中のインストールメディアには、コンピューターのアップグレードに必要なすべてのソフトウェアパッケージが含まれていない可能性があることに注意してください。

16.14.1. アップグレードのダイアログ

使用中のシステムに Red Hat Enterprise Linux インストールが含まれる場合、ダイアログが表示され、そのインストールをアップグレードしたいかどうかを聞かれます。既存システムのアップグレードを実行するには、ドロップダウンリストから該当するインストールを選択してから をクリックします。
アップグレードのダイアログ

図16.36 アップグレードのダイアログ

注記

既存の Red Hat Enterprise Linux システムに手動でインストールしたソフトウェアは、アップグレード後に異なる動作をする可能性があります。アップグレードの後に手動でソフトウェアを再インストールするか、または再コンパイルして更新したシステム上で正常なパフォーマンスを得られることを確認する必要があります。

16.14.2. インストーラーを使用したアップグレード

注記

一般に、Red Hat ではユーザーが独立した /home パーティションにユーザーデータを保持し、新規インストールを行うことを推奨しています。パーティションとその設定方法についての詳細は、「ディスクパーティションの構成」 を参照してください。
インストールプログラムを使用してアップグレードをする選択をした場合、Red Hat Enterprise Linux から提供されていないソフトウェアの内、Red Hat Enterprise Linux ソフトウェアと競合するものがあれば、それは上書きされます。この方法でアップグレードを開始する前に、システム内の現在のパッケージ一覧を作成して後で参照できるようにしてください。
rpm -qa --qf '%{NAME} %{VERSION}-%{RELEASE} %{ARCH}\n' > ~/old-pkglist.txt
インストール後にこの一覧をチェックし、どのパッケージを再ビルドする必要があるか、または Red Hat 以外のソースから取り込む必要があるかを判別します。
次に、すべてのシステム設定データのバックアップを作成します。
su -c 'tar czf /tmp/etc-`date +%F`.tar.gz /etc' 
su -c 'mv /tmp/etc-*.tar.gz /home'
アップグレードする前にすべての重要データの完全なバックアップを作成してください。重要なデータには /home ディレクトリ全体のコンテンツや、Apache、FTP、SQL サーバーやソースコード管理システムなどのサービスのコンテンツが含まれる場合があります。アップグレードは破損を引き起こす動作ではありませんが、操作ミスがあるとデータが失われる可能性が若干あります。

警告

上記の例では、バックアップ資料が /home ディレクトリに保存されていることに注意してください。自分の /home ディレクトリが独立したパーティションではない場合、この例を文字どおりに採用しないでください。 CD または DVD ディスクか、または外部ハードディスクなどの 別のデバイス上にバックアップを保存してください。
アップグレードプロセスを後で完了する方法についての詳細は、「アップグレードの終了」を参照してください。

16.15. ディスクパーティションの構成

警告

システム上のデータは常にすべてバックアップをしておいた方がよいでしょう。例えば、アップグレードする場合やデュアルブートを作成する場合、ストレージデバイスに保存しておきたいデータはすべてバックアップしておくべきです。万一の場合、 誤ってデータを喪失してしまう恐れがあります。

重要

Red Hat Enterprise Linux をテキストモードでインストールすると、このセクションで説明してあるデフォルトのパーティション設定プランのみを使用できます。そのため、インストーラーが自動的に追加や削除をするもの以外のパーティションやファイルシステムの 追加や削除はできません。インストール時にカスタムレイアウトを必要とする場合は、 VNC 接続経由か、キックスタートインストールでグラフィカルインストール実行すべきです。
さらには、LVM、暗号化したファイルシステム、およびサイズ変更可能なファイルシステムなどの高度なオプションはグラフィカルモードとキックスタートでのみ使用可能です。

重要

RAID カードがある場合は、一部の BIOS が RAID カードからのブートをサポートしないことに注意してください。そのような場合には、別のハードドライブなど、RAID アレイの外部のパーティションに /boot/ パーティションを作成する必要があります。内部のハードドライブは問題のある RAID カードを持つパーティション作成の使用に必要となります。
ソフトウェア RAID のセットアップでも /boot/ パーティションが必要です。
システムを自動的にパーティション設定する選択をした場合は、確認 (Review) を 選択して、手動で /boot/ パーティションを編集する必要があります。
パーティション設定により、ハードドライブを各区画がさらに細かいハードドライブの様に機能する別々の区画に分けることができます。パーティション設定は、特に複数のオペレーティングシステムを実行するのに便利です。自分のシステムのパーティション設定法が 不明な場合は、詳細情報を 付録A ディスクパーティションの概要 で確認してください。
ディスクパーティションの構成

図16.37 ディスクパーティションの構成

画面では、4つの異なる方法の内の1つでデフォルトパーティションの作成を選択するか、 あるいはカスタムレイアウトを手動で作成するためにストレージデバイスのパーティション 設定を選択できます。
最初の4つのオプションでは、自分自身でストレージデバイスのパーティション設定を行わずに自動インストールを実行することができます。システムのパーティション設定が煩雑に感じられる場合は、これらのオプションの1つを選択してインストールプログラムがストレージデバイスのパーティション設定を実行するようにすることをお薦めします。選択するオプションによっては、この方法でもシステムからどのデータを削除するか (ある場合) を制御できます。
オプションは以下のようになります。
すべての領域を使用する (Use All Space)
このオプションを選択すると、ハードドライブ上のすべての パーティション (これには、Windows VFAT や NTFS パーティションなど他の OS で 作成されたパーティションも含まれます) を削除します。

警告

このオプションを選択した場合、選択したハードドライブ上のすべてのデータがインストールプログラムによって削除されます。Red Hat Enterprise Linux をインストールするハードドライブ上に保存しておきたい情報がある場合は、このオプションを選択しないでください。
特に、別のブートローダーから Red Hat Enterprise Linux をチェーンロードするように システムを設定している時にはこの選択をしないでください。
既存の Linux システムを入れ替える (Replace Existing Linux System(s))
このオプションを選択して、以前の Linux インストールで作成しているパーティションのみを削除します。これは、ハードドライブにある他のパーティション (VFAT や FAT32 パーティション) は削除しません。
現在のシステムを縮小する (Shrink Current System)
このオプションを選択して、現在のデータとパーティションを手動でサイズを変更して 空いた領域にデフォルトの Red Hat Enterprise Linux レイアウトをインストールします。

警告

他のオペレーティングシステムがインストールされているパーティションを縮小すると、それらのオペレーティングシステムを使用できなくなる可能性があります。このパーティション設定オプションはデータを破損するものではありませんが、オペレーティングシステムは通常そのパーティション内に空き領域をいくらか必要とします。再度使用する可能性のあるオペレーティングシステムを維持しているパーティションのサイズ変更をする前に、どれくらいの空き領域が必要かを確認してください。
空き領域を使用する (Use Free Space)
このオプションを選択すると現在のデータとパーティションはすべて残り、ストレージドライブ上の利用可能な 未使用の領域に Red Hat Enterprise Linux をインストールします。このオプションを選択する前にストレージドライブ上に 十分な空き領域があることを確認してください。 — 「十分なディスク領域」 を参照してください。
カスタムレイアウトを作成する (Create Custom Layout)
このオプションを選択してストレージドライブを手動でパーティション設定し、カスタム化したレイアウトを作成 します。「カスタムレイアウトの作成、またはデフォルトレイアウトの変更」 を参照してください。
好みのパーティション設定法を選択するには、ダイアログボックス内の 該当説明の左側にあるラジオボタンをクリックします。
システムを暗号化 (Encrypt system) を選択して、 /boot パーティション以外のすべてのパーティションを暗号化します。暗号化に関する詳細情報は、付録C ディスク暗号化 を参照してください。
自動パーティション設定で作成されたパーティションの確認と変更には、確認 (Review) オプションを選択します。確認 を選択したら、次 (Next) をクリックして進むと、anaconda で作成されたパーティションが表示されます。その状態が希望に沿わなければ、パーティションに変更を加えることができます。

重要

Red Hat Enterprise Linux ブートローダーが、別のブートローダーから チェーンロード するように設定するには、起動ドライブを手動で指定しなければなりません。 いずれかの自動パーティション設定オプションを選択している場合、 を クリックする前に 確認してパーティション設定レイアウトを変更 (Review and modify partitioning layout) を選択する必要があります。そうしないと正しい起動ドライブは指定できません。

重要

マルチパスおよび非マルチパスのストレージデバイスがあるシステムに Red Hat Enterprise Linux 6 をインストールする場合、インストーラーの自動パーティションのレイアウトは、マルチパスデバイスと非マルチパスデバイスを混在させたボリュームグループを作成する場合があります。これはマルチパスストレージの目的に反することになります。
そのため、自動パーティション設定の選択後に表示されるディスク選択画面ではマルチパスのみ、または非マルチパスデバイスのみのどちらかを選択することをお勧めします。別の方法として、カスタムのパーティションを選択することも可能です。
選択が終了したら をクリックして進みます。

16.16. ディスク暗号化用パスフレーズの選択

「システムを暗号化 (Encrypt System) 」 のオプションを選択していた場合、 インストーラーはシステムのパーティション暗号化に使用するパスフレーズを要求します。
パーティションは Linux 統一キーセットアップ (Linux Unified Key Setup) を 使用して暗号化できます。詳細情報は、付録C ディスク暗号化 を参照してください。
暗号化されたパーティション用のパスフレーズを入力

図16.38 暗号化されたパーティション用のパスフレーズを入力

パスフレーズを選択して、ダイアログボックスの2つのフィールド両方に記入します。このパスフレーズは システムが起動するたびに提供する必要があります。

警告

このパスフレーズを紛失してしまうと、暗号化したパーティションおよびそのパーティション上にあるデータは完全にアクセスできなくなります。紛失したパスフレーズを回収する手段はないため注意してください。
Red Hat Enterprise Linux でキックスタートインストールを実行する場合には、インストール中に 暗号化のパスフレーズを保存して、バックアップ用の暗号化パスフレーズを作成できます。 「パスフレーズの保存」「バックアップパスフレーズの作成と保存」 を参照してください。

16.17. カスタムレイアウトの作成、またはデフォルトレイアウトの変更

4つの自動パーティション設定オプションの 1つを選択して、確認 (Review) を選択しなかった場合は、「ディスクへの変更の書き込み」 へ進んでください。
自動パーティション設定オプションの1つを選択し 確認 を選択している場合は、現在のパーティション設定を承認するか ( をクリックする)、パーティション設定画面で手動での修正ができます。
カスタムレイアウトを作成する選択をすると、インストールプログラムに対して Red Hat Enterprise Linux をインストールする場所を指定する必要があります。これは、Red Hat Enterprise Linux がインストールされることになる1つ、または複数のパーティション用のマウントポイントを定義することでなされます。
まだパーティションの設定方法を決めていない場合は、付録A ディスクパーティションの概要「パーティション設定に関する推奨」 を参照してください。最低限でも、適切なサイズの root (/) パーティション、/boot/ パーティション、 PReP ブートパーティション、およびシステムにある RAM の容量に対して適切なサイズのスワップパーティションが必要です。
anaconda は標準的なインストールのパーティション設定要求を処理できます。
IBM System p でパーティション設定

図16.39 IBM System p でパーティション設定

パーティション設定画面は2つのペインがあります。上のペインには、下のペインで選択されたハードドライブ、論理ボリューム、または RAID デバイスのグラフィカル表示が含まれます。
デバイスのグラフィカル表示の上部で、インストールプログラムで検出されたドライブの名前 (/dev/sdaLogVol00 など) 、そのサイズ (MB で) 、およびそのモデルが確認できます。
マウスを使って、 シングルクリックするとグラフィカル表示内の特定のフィールドを強調表示 します。ダブルクリックすると、既存パーティションの編集や、既存の空き領域にパーティションを 作成することができます。
下のペインには、前述のインストールプロセスで指摘されているようにインストール中に使用される予定の すべてのドライブ、論理ボリューム、および RAID デバイスの一覧が含まれています。「ストレージデバイスの割り当て」 を参照してください。
デバイスはタイプ別にグループ化されます。それぞれのデバイスタイプの横にある小さな三角マークをクリックしてそのタイプのデバイスの表示/非表示をします。
Anaconda は一覧にある各デバイスのいくつかの詳細事項を表示します。
デバイス (Device)
デバイス、論理ボリューム、またはパーティションの名前
サイズ (Size-MB)
デバイス、論理ボリューム、またはパーティションのサイズ (MBで)
マウントポイント/RAID/ボリューム (Mount Point/RAID/Volume)
マウントポイント。 パーティションがマウントされる場所 (ファイルシステム内の場所)、または RAID 名、または その一部となる論理ボリュームグループ
タイプ (Type)
パーティションのタイプ。パーティションが標準のパーティションの場合は、このフィールドはそのパーティション上のファイルシステム のタイプ (例えば、ext4) を表示します。標準パーティションでない場合は、パーティションが 物理ボリューム (LVM)か、 または ソフトウェア RAID の一部であるかを示します。
フォーマット (Format)
このコラム内のチェックマークはパーティションがインストール中にフォーマットされることを示します。
下のペインの下には4つのボタンがあります。 作成 (Create) 編集 (Edit) 削除 (Delete) 、および リセット (Reset) です。
上のペインのグラフィカル表示か、または下のペイン内の一覧をクリックすることにより、デバイスかパーティションを選択します。 それから、4つのボタンの1つをクリックして以下のアクションを操作します。
作成
新規のパーティション、論理ボリューム、またはソフトウェア RAID を作成します。
編集
既存のパーティション、論理ボリューム、またはソフトウェア RAID を変更します。Resize ボタンでは、パーティションは縮小できますが、拡大はできない点に注意してください。
削除
パーティション、論理ボリューム、またはソフトウェア RAID を削除します。
リセット
この画面で行ったすべての変更を元に戻します。

16.17.1. ストレージの作成

ストレージの作成 (Create Storage) ダイアログの使用で、新規のストレージパーティション、論理ボリューム、および ソフトウェア RAID の作成ができます。Anaconda はシステムに既に存在している、または システムに転送される設定になっているストレージに応じて利用可能や利用不可能となる オプションを提示します。
ストレージの作成

図16.40 ストレージの作成

オプションは以下のように、パーティションの作成 (Create Partition) ソフトウェア RAID の作成 (Create Software RAID) 、 および LVM の作成 (Create LVM) の下でグループに分けられています。

パーティションの作成

パーティションの追加 (Add Partition) のダイアログの詳細については 「パーティションの追加」 を参照してください。

ソフトウェア RAID の作成

詳細情報は 「ソフトウェア RAID の作成」 を参照してください。
  • RAID パーティション (RAID Partition) — 未割り当ての領域にパーティションを作成してソフトウェア RAID デバイスの 一部を形成します。ソフトウェア RAID デバイスを形成するには、2つ、またはそれ以上の RAID パーティションがシステム上で 利用可能でなければなりません。
  • RAID デバイス (RAID Device) — 2つ、またはそれ以上の RAID パーティションを組み合わせてソフトウェア RAID デバイスにします。このオプションを選択すると、作成する RAID デバイスのタイプ (RAID レベル) を指定することができます。このオプションは2つ、またはそれ以上の RAID パーティションがシステム上で使用できる時にのみ利用可能です。

LVM 論理ボリュームの作成

詳細情報は、「LVM 論理ボリュームの作成」 を参照してください。
  • LVM 物理ボリューム (LVM Physical Volume) — 未割り当ての領域に 物理ボリュームを作成します。
  • LVM ボリュームグループ (LVM Volume Group) — 1つまたはそれ以上の物理ボリュームから ボリュームグループ を 作成します。このオプションは少なくとも1つの物理ボリュームがシステム上で使用できる時にのみ利用可能です。
  • LVM 論理ボリューム (LVM Logical Volume) — ボリュームグループ上に 論理ボリューム を作成します。 このオプションは少なくとも1つのボリュームグループがシステム上で使用できる時にのみ利用可能です。

16.17.2. パーティションの追加

新規のパーティションを追加するには、作成 (Create) ボタンを選択します。するとダイアログボックス (図16.41「新規のパーティション作成」 を参照) が現れます。

注記

このインストール用に最低でも1つの、あるいはオプションとしてそれ以上のパーティションを 専用にする必要があります。詳細情報は、付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。
新規のパーティション作成

図16.41 新規のパーティション作成

  • マウントポイント (Mount Point) : パーティションのマウントポイントを入力します。例えば、このパーティションを root パーティションにする場合は / と入力します。/boot パーティションにする場合は、/boot と入力します。また、プルダウンメニューを使って、パーティションに適切なマウントポイントを選択することもできます。swap パーティションにはマウントポイントは設定しません。ファイルシステムタイプを swap にセットするだけで充分です。
  • ファイルシステムタイプ(File System Type): プルダウンメニューを使用してこのパーティションの適切なファイルシステムタイプを選択します。ファイルシステムタイプの詳細は 「ファイルシステムタイプ」 を参照してください。
  • 選択可能なドライブ (Allowable Drives) : このフィールドには、システムにインストール済みのハードディスク一覧が表示されます。ハードディスクのボックスがハイライトされている場合は、そのハードディスク上に必要なパーティションを作成することができます。ボックスが選択 されていない 場合は、そのハードディスク上にパーティションは作成 できません。別のチェックボックス設定を使うと、anaconda で、必要な場所にパーティションを配置したり、または anaconda にパーティションの配置先を決定させることができます。
  • 容量 (Size - MB) : パーティションのサイズ (メガバイトで表示) を入力します。このフィールドの初期値は 200 MB になっているので注意してください。変更しないと、200 MB のパーティションが作成されます。
  • 追加容量オプション (Additional Size Options) : このパーティションを固定サイズにするか、一定サイズまでの「拡大」(使用可能なハードディスク領域をあるサイズまで埋める)を許すか、または使用可能なハードディスク領域の残りすべてを使用するかを選択します。
    指定限度 (MB) まで使用 (Fill all space up to (MB)) を選択した場合は、このオプションの右側のフィールドにサイズの制限を指定しなければなりません。この設定でハードディスク上に一定の空き領域が今後の使用のため確保されます。
  • 基本パーティションにする: 作成しているパーティションをハードドライブ上の最初の 4 つのパーティションにするかどうかを選択します。基本パーティションにしない場合は、論理 パーティションとして作成されます。詳細は 「パーティション内にさらにパーティションを設定する — 拡張パーティションの概要」 を参照してください。
  • 暗号化 (Encrypt) : ストレージデバイスが別のシステムに接続されている場合でも そこに保存されるデータがパスフレーズ無しではアクセスできないようにパーティションを暗号化するかどうかを選択します。ストレージデバイスの暗号化に関する情報については 付録C ディスク暗号化 を参照してください。このオプションを選択すると、インストーラーは パーティション設定をディスクに書き込む前にパスフレーズの提示を催促します。
  • OK : 希望の設定値の入力が終了し、パーティションの作成を実行するには OK ボタンを選択します。
  • 取り消し (Cancel) : パーティションを作成したくない場合は 取り消し ボタンを選択します。

16.17.2.1. ファイルシステムタイプ

Red Hat Enterprise Linux では、異なるパーティションタイプとファイルシステムの作成が可能です。利用可能な異なるパーティションタイプとファイルシステムの 簡単な説明とそれらの使用方法を以下に示します。

パーティションのタイプ

  • 標準のパーティション — 標準のパーティションはファイルシステム、 またはスワップ領域を含んでいるか、あるいはソフトウェア RAID か LVM 物理ボリュームのための コンテナを提供します。
  • swap — Swap パーティションは仮想メモリーのサポートに使用されます。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足した場合に、データは swap パーティションに書き込まれます。詳細情報は Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド を参照してください。
  • software RAID — 2 つ以上のソフトウェア RAID パーティションを作成すると RAID デバイスを作成できます。RAID に関する詳細は Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド の 『RAID (Redundant Array of Independent Disks)』 の章を参照してください。
  • physical volume (LVM) — 単数、または複数の物理ボリューム (physical volume (LVM))パーティションを作成すると、LVM 論理ボリューム (logical volume) を作成できるようになります。LVM は物理ディスク使用時のパフォーマンスを向上させます。 LVM に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド を参照してください。

ファイルシステム

  • ext4 — ext4 ファイルシステムは ext3 ファイルシステムをベースにし、 いくつかの改善が加えられています。 より規模の大きいファイルシステムおよびファイルに対応するようになり、 またディスク領域の割り当てに要する時間が短縮され効率的になっています。 1 ディレクトリ内でのサブディレクトリの作成は無制限になり、 ファイルシステムのチェックが高速化、 またジャーナリング機能もさらに堅牢になっています。 ext4 ではファイルシステムのサイズが最大 16TB まで対応するようになります。 このファイルシステムはデフォルトで選択される推奨のファイルシステムとなります。

    注記

    user_xattracl のマウントオプションは、インストールシステムにより ext4 システム上に自動で設定されます。これらのオプションはそれぞれ、拡張属性とアクセス制御リストを有効にします。これらのオプションについての詳細情報は、Red Hat Enterprise Linux ストレージ管理ガイド を参照してください。
  • ext3 — ext3 ファイルシステムは ext2 ファイルシステムをベースにしているためジャーナリング機能という大きな利点を備えています。 ジャーナリング機能を使用すると、 ファイルシステムに対して fsck [8] を行なう必要がないためクラッシュ後のファイルシステムの復元に要する時間を短縮することができます。
  • ext2 — ext2 ファイルシステムは標準の Unix ファイルタイプ (通常のファイル、ディレクトリ、シンボリックリンクなど)に対応しています。最大 255 文字までの長いファイル名を割り当てる能力を提供します。
  • xfs — XFS は高度な拡張性を持つハイパフォーマンスのファイルシステムで、最大 16 exabyte(約 1600万 terabyte)までのファイルシステム、8 exabyte(約 800万 terabyte)までのファイル、および数千万のエントリーを持つディレクトリ構造に対応します。XFS はより迅速なクラッシュ回復を促進するメタデータジャーナリングをサポートします。XFS ファイルシステムではマウント中でアクティブな場合でもデフラグやサイズ変更が可能です。

    注記

    インストーラーで作成できる XFS パーティションの最大サイズは 100 TB です。
  • vfat — VFAT ファイルシステムは FAT ファイルシステムにある Microsoft Windows の長いファイル名に対応する Linux ファイルシステムです。
  • Btrfs — Btrfs は、ext2、 ext3、および ext4 のファイルシステムに 比較してより多くのファイル、より大きなファイル、そしてより大きなボリュームに対処して管理できるファイルシステムとして開発中のものです。Btrfs は エラーに対してファイルシステムの許容度を上げて、 エラー発生時にその検出と修復の機能を持つように設計されています。チェックサムを利用してデータとメタデータの有効性を確実にし、バックアップや修復で使用できるファイルシステムのスナップ ショットを維持します。
    Btrfs はまだ実験段階で開発中であるため、インストールプログラムはこれをデフォルトで提供するものではありません。ドライブ上に Btrfs パーティションを作成したい場合は、インストールプロセスで起動オプション btrfs を付けて開始しなければなりません。 その案内には 28章起動オプション を参照してください。

    警告

    Red Hat Enterprise Linux 6.9 は技術プレビューとして Btrfs を収納しており、 ユーザーがこのファイルシステムを実験できるようにしています。重要なファイルや 重要なシステム運用の基礎となるものを含むパーティションには Btrfs を選択 すべきではありません。

16.17.3. ソフトウェア RAID の作成

RAID (Redundant arrays of independent disks) は、複数のストレージデバイスを組み合わせることでパフォーマンスを向上し、一部の設定ではより強力なフォールトトレランスを実現するよう設計されています。各種 RAID の説明は Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド を参照してください。
RAID デバイスを作成するには、最初にソフトウェア RAID のパーティションを作成する必要があります。 2つ、またはそれ以上のソフトウェア RAID パーティションを作成したら、RAID ボタンを 選択してソフトウェア RAID パーティションを RAID デバイスに統合します。
RAID パーティション
このオプションを選択して、ソフトウェア RAID 用のパーティションを設定します。このオプションは、使用ディスクが RAID パーティションを含まない場合に利用可能な唯一の選択です。これは標準のパーティション追加時に出てくるダイアログと 同じものです。使用可能なオプションの説明には、「パーティションの追加」 を参照してください。 ファイルシステムタイプソフトウェア RAID にセットする必要が あることに注意してください。
ソフトウェア RAID パーティションの作成

図16.42 ソフトウェア RAID パーティションの作成

RAID デバイス
このオプションを選択して、2つ、またはそれ以上の既存のソフトウェア RAID パーティションから RAID デバイスを 構築します。このオプションは、2つ、またはそれ以上のソフトウェア RAID パーティションが設定済みである場合に 利用できます。
RAID デバイスを作成する

図16.43 RAID デバイスを作成する

標準のパーティション用のファイルシステムタイプを選択します。
Anaconda は自動的に RAID デバイス用の名前を提示しますが、ユーザーは手動で md0 から md15 までの名前を選択できます。
個別のストレージデバイス横のチェックボックスをクリックしてそのデバイスをこの RAID に対して 統合したり削除したりします。
RAID レベル とは、特定のタイプの RAID に相当するものです。以下のオプションから選択します。
  • RAID 0 — データを複数のストレージデバイス全体に分散させます。RAID レベル 0 は標準パーティションのパフォーマンスを向上させ、複数デバイスのストレージを 1 つの大規模な仮想デバイスにプールするために使用できます。RAID レベル 0 は冗長性がないため、アレイ内の 1 デバイスが故障するとアレイ全体が壊れます。RAID 0 には 2 つ以上の RAID パーティションが必要です。
  • RAID 1 — 1 つのストレージデバイスのデータを 1 つ以上の他のストレージデバイスにミラーします。アレイ内の追加のデバイスにより冗長性レベルが向上します。RAID 1 には 2 つ以上の RAID パーティションが必要です。
  • RAID 4 — データを複数のストレージデバイス全体に分散させますが、アレイ内の 1 デバイスを使用して、アレイ内のデバイスに障害が発生した場合にアレイを保護するパリティ情報を格納します。すべてのパリティ情報は 1 デバイスに格納されるため、このデバイスへのアクセスはアレイのパフォーマンスのボトルネックを生み出します。RAID 4 には 3 つ以上の RAID パーティションが必要です。
  • RAID 5 — データおよびパリティ情報を複数のストレージデバイス全体に分散させます。そのため、RAID レベル 5 は複数デバイス全体にデータを分散させるというパフォーマンスの優位性がある一方で、パリティ情報もアレイ全体に分散されているため RAID レベル 4 のパフォーマンスのボトルネックは存在しません。RAID 5 には 3 つ以上の RAID パーティションが必要です。
  • RAID 6 — RAID レベル 6 は RAID レベル 5 と似ていますが、1 セットのみのパリティデータを格納する代わりに、2 セットを格納します。RAID 6 には 4 つ以上の RAID パーティションが必要です。
  • RAID 10 — RAID レベル 10 はネストした RAID または ハイブリッド RAID です。RAID レベル 10 はストレージデバイスのミラーリングされたセットにデータを分散させることで構築されます。例えば、4 つの RAID パーティションから構築された RAID レベル 10 は、1 つのパーティションがもう 1 つのパーティションをミラーする 2 つのペアのパーティションで構成されています。次に、RAID レベル 0 のように、データはストレージデバイスの両方のペア全体に分散されます。RAID 10 には 4 つ以上の RAID パーティションが必要です。

16.17.4. LVM 論理ボリュームの作成

重要

LVM の初期セットアップはテキストモードインストールでは使用できません。ゼロから LVM 設定を作成するには、Alt+F2 を押して、別の仮想コンソールを起動し、lvm コマンドを実行します。テキストモードインストールに戻るには、Alt+F1 を押します。
LVM (Logical Volume Management) は背後にあるハードドライブや LUN のような物理ストレージ領域について、 簡単な論理表示を提示するものです。物理ストレージ上のパーティションは、ボリュームグループとして 一緒にグループ化されて 物理ボリュームとして表示されます。各ボリュームグループは複数の 論理ボリュームに分割されて、そのそれぞれが普通のディスクパーティションと同機能を持つことになります。その結果、LVM 論理ボリュームは複数の物理ディスクにまたがるパーティションとして機能します。
LVM についての詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド』を参照してください。LVM はグラフィカルインストールのみで利用できることに注意してください。
LVM 物理ボリューム
このオプションを選択してパーティション、またはデバイスを LVM 物理ボリュームとして設定します。 このオプションは、使用するストレージがまだ LVM 物理ボリュームを含まない場合に使用できる 唯一の選択です。これは通常のパーティション追加時に出てくるダイアログと同じものです。 使用可能な オプションの説明には、「パーティションの追加」 を参照してください。ファイルシステムタイプLVM (physical volume )にセットされる必要があることに注意してください。
LVM 物理ボリュームの作成

図16.44 LVM 物理ボリュームの作成

LVM ボリュームグループの作成
このオプションを選択して、利用可能な LVM 物理ボリュームから LVM ボリュームグループの作成をするか、または ボリュームグループに既存の論理ボリュームを追加します。
LVM ボリュームグループの作成

図16.45 LVM ボリュームグループの作成

単数、または複数の物理ボリュームを1つのボリュームグループに割り当てるには、 先ず、ボリュームグループに名前を付けます。その後そのボリュームグループで使用 されることになる物理ボリュームを選択します。最後に、追加編集、および 削除 のオプションを使用して、 いずれかのボリュームグループで論理ボリュームを設定します。
ボリュームグループから物理ボリュームを削除することが出来ないことがあります。削除した場合、そのグループの論理ボリューム用に十分な領域を残すことができません。例えば、 8 GB の論理ボリュームを含んでいる2つの 5 GB の LVM 物理ボリュームパーティションで構成されたボリュームグループを例に取りましょう。構成要素となっている物理ボリュームのいずれかを削除すると、8 GB の論理ボリューム用にグループ内にたった 5 GB しか残らないため、インストーラーはそのような削除を許可しません。論理ボリュームの総サイズを適切に縮小した場合は、ボリュームグループから物理ボリュームを削除できる可能性があります。この例では、論理ボリュームのサイズを 4 GB に縮小すると、5 GB の物理ボリュームのいずれかを削除することが可能になります。
論理ボリュームの作成
このオプションを選択して、LVM 論理ボリュームの作成をします。通常のディスクパーティションのように マウントポイント、ファイルシステムタイプ、 およびサイズ (MB) を選択します。この論理ボリュームの名前を 選択してそれに所属するボリュームグループの指定もできます。
論理ボリュームの作成

図16.46 論理ボリュームの作成

16.17.5. パーティション設定に関する推奨

特に必要がない限り、以下のパーティションを作成することをおすすめします。
  • swap パーティション (256 MB 以上) — swap パーティションは仮想メモリーをサポートします。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足している場合、データは swap パーティションに書き込まれます。
    過去数年、推奨されるスワップ領域のサイズは、システムの RAM サイズとともに直線的に増加していました。しかし、最近のシステムのメモリーサイズは数百ギガバイトまで増加したため、現在ではシステムが必要なスワップ領域のサイズは、システムメモリーではなく、そのシステム上で実行しているメモリー負荷の関数であることが認識されています。
    以下の表には、ご使用のシステムの RAM 容量別に、システムがハイバネートするために十分なメモリーが不要な場合と必要な場合のスワップパーティションの推奨サイズをまとめています。推奨のスワップ領域はインストール中に自動的に確定されますが、ハイバネーションも可能にするには、カスタムパーティション分割の段階でスワップ領域の編集が必要となります。

    重要

    以下の表での推奨情報は、メモリーの容量が少ないシステム (1 GB 以下) で特に重要になります。システムに十分な swap 領域が割り当てられないと、安定性の問題や、インストールされたシステムが起動できない問題などが発生する原因となることがあります。

    表16.2 システムの推奨 swap 領域

    システムの RAM の容量推奨 swap 領域ハイバネートを許可する場合の推奨 swap 領域
    2GB 以下の RAMRAM 容量の 2 倍 RAM 容量の 3 倍
    2GB から 8GB の RAM RAM 容量と同じ RAM 容量の 2 倍
    8GB から 64GB の RAM 最低 4GBRAM 容量の 1.5 倍
    64GB 以上の RAM 最低 4GBハイバネートは推奨しません
    ご使用のシステムが上記の境界線上 (RAM が 2GB、 8GB または 64GB) になる場合、swap サイズやハイバネートへの対応を決める際は慎重に行なってください。システムリソースに余裕がある場合は、swap 領域を大きくするとパフォーマンスが向上することがあります。
    swap 領域を複数のストレージデバイスに分散させることでも swap のパフォーマンスが向上されます (特に高速ドライブやコントローラー、インターフェースを備えたシステムで効果があります)。

    注記

    Red Hat Enterprise Linux 6.0、6.1、および 6.2 向けに推奨されている swap サイズは、現在の推奨値とは異なります。現在の推奨値は、2012 年 6 月リリースの Red Hat Enterprise Linux 6.3 で初めて公開され、ハイバネート用の領域は考慮されていませんでした。Red Hat Enterprise Linux 6 の旧バージョンにおける自動インストールでは変更前の推奨値に基づいて swap 領域が生成されます。しかしながら、最適なパフォーマンスを目指す場合には、Red Hat Enterprise Linux 6.3 向けに発表されている新しい推奨値に基づいて swap サイズを手動で選択することをお勧めしています。
  • ハードドライブの 1 番目のパーティションにある PReP ブートパーティション — PReP ブートパーティションには Yaboot ブートローダーが含まれています (これにより他の Power Systems のサーバーが Red Hat Enterprise Linux を起動できるようになる)。 ネットワークソースからの起動を計画していない限り、 Red Hat Enterprise Linux の起動には PReP ブートパーティションが必要になります。
    IBM System p のユーザーは、PReP ブートパーティションは 4 MB から 8 MB にし、10 MB を超えないようにしてください。
  • /boot/ パーティション (250 MB) — /boot/ にマウントされているパーティションには、ブートストラッププロセス中に使用されたファイルと共に、(システムが Red Hat Enterprise Linux をブートできるようにする) オペレーティングシステムカーネルが 含まれています。ほとんどの PC ファームウェアの制限により、これらを保管する小規模の パーティションを作るとよいでしょう。ほとんどのユーザーには 250 MB のブートパーティションで 充分です。

    警告

    RAID カードがある場合は、Red Hat Enterprise Linux  6.9 は IPR カード上でのハードウェア RAID の設定には対応していない点に注意してください。インストールの前にスタンドアロン診断 CD をブートして、RAID アレイを作成し、その RAID アレイにインストールすることができます。

    重要

    Red Hat Enterprise Linux 6.9 の /boot および / (root) パーティションで使用できるファイルシステムは ext2、ext3、ext4 (推奨) のみになります。これ以外、Btrfs、XFS、 VFAT などのファイルシステムは上記のパーティションには使用できません。/home など他のパーティションの場合は Btrfs や XFS (利用できる場合) などサポートされているファイルシステムを使用することができます。詳細は Red Hat カスタマーポータルの記載をご覧ください。( https://access.redhat.com/solutions/667273)
  • root パーティション (3.0 GB - 5.0 GB) — ここに「/」 (root ディレクトリ) があります。この設定では、すべてのファイルが (/boot に保存されるファイルを除く) この root パーティションにあります。
    3.0 GB のパーティションでは最小のインストールしかできません。5.0 GB の root パーティションならフルインストールしてすべてのパッケージグループを選択することができます。

    重要

    Red Hat Enterprise Linux 6.9 の /boot および / (root) パーティションで使用できるファイルシステムは ext2、ext3、ext4 (推奨) のみになります。これ以外、Btrfs、XFS、 VFAT などのファイルシステムは上記のパーティションには使用できません。/home など他のパーティションの場合は Btrfs や XFS (利用できる場合) などサポートされているファイルシステムを使用することができます。詳細は Red Hat カスタマーポータルの記載をご覧ください。( https://access.redhat.com/solutions/667273)

    重要

    / (または root) パーティションはディレクトリ構造の最上レベルになります。 /root ディレクトリ (スラッシュルートとも発音される) はシステム管理用ユーザーアカウントのホームディレクトリになります。

警告

PackageKit 更新ソフトウェアは、更新済みのパッケージを デフォルトで /var/cache/yum/ にダウンロードします。パーティションを手動で設定する場合、独立した /var/ パーティションを作成して、そのパーティションがパッケージ更新のダウンロードのために充分な容量 (3.0 GB 以上) になるようにしてください。

16.18. ディスクへの変更の書き込み

インストーラーは選択したパーティション設定オプションを確認するように促します。変更をディスクに書き込む (Write changes to disk) をクリックして、インストーラーに対してハードドライブのパーティション設定を行い、Red Hat Enterprise Linux をインストールすることを許可します。
ストレージ設定のディスクへの書き込み

図16.47 ストレージ設定のディスクへの書き込み

次に進む場合は、変更をディスクに書き込む (Write changes to disk) をクリックします。

警告

インストールプロセスのこの時点まで、インストーラーはコンピューターに対して後にまで影響のある変更は行っていません。変更をディスクに書き込む (Write changes to disk) をクリックすると、インストーラーはハードドライブに領域を割り当て、この領域への Red Hat Enterprise Linux の転送を始めます。選択したパーティション設定オプションによって、この処理にはコンピューター上にあるデータの消去が含まれる場合があります。
この時点までに行った選択を訂正するには、戻る (Go back) をクリックします。完全にインストールを取り止めるには、コンピューターの電源を切ります。
変更をディスクに書き込む (Write changes to disk) をクリックしたら、インストール処理が完了するまでそのままにします。処理が中断されたら (例えば、コンピューターの電源を切るかまたはリセットするか、または停電が発生する場合など)、Red Hat Enterprise Linux のインストール処理を再開して完了するか、または他のオペレーティングシステムをインストールするまで、コンピューターはおそらく使用できなくなります。

16.19. パッケージグループの選択

これでインストールに必要な選択がほとんど終了しました。デフォルトのソフトウェアパッケージをインストールするか、インストールするソフトウェアパッケージをカスタマイズします。
パッケージインストールデフォルト 画面が現われて、 Red Hat Enterprise Linux インストール用のデフォルトパッケージセットの詳細が表示されます。この画面はインストールする Red Hat Enterprise Linux のバージョンによって異ります。

重要

Red Hat Enterprise Linux をテキストモードでインストールする場合はパッケージを選択できません。インストーラーによって自動的にベースかコアいずれかのグループから パッケージが選択されます。インストール後システムが正しく動作するには十分なパッケージで、更新や新規のパッケージのインストールも問題なく行えます。パッケージ選択を変更する場合は、インストールを完了してから ソフトウェアの追加/削除 アプリケーションを使用して必要な変更を行います。
パッケージグループの選択

図16.48 パッケージグループの選択

デフォルトでは基本サーバー (Basic Server) としてシステムを導入する場合に適したソフトウェアの選択が読み込まれます。このインストールには グラフィカル環境が含まれていないため注意してください。別の目的に適したソフトウェアの選択を表示させるには、以下のオプションからいずれか該当するオプションのラジオボタンをクリックします。
基本サーバー (Basic Server)
サーバーで使用する場合の基本的な Red Hat Enterprise Linux インストールです。
データベースサーバー (Database Server)
MySQL および PostgreSQL のデータベースが提供されます。
Web サーバー (Web server)
Apache ウェブサーバーが提供されます。
Enterprise Identity サーバーのベース
アイデンティティーと認証のサーバーを作成するために必要な OpenLDAPIPA (Enterprise Identity Management) が提供されます。
仮想ホスト (Virtual Host)
仮想マシン用のホストを作成するための KVM仮想マシンマネージャー のツールが提供されます。
デスクトップ (Desktop)
OpenOffice.org 生産性スイート、 GIMP などのグラフィカルツール、マルチメディアアプリケーションなどが提供されます。
ソフトウェア開発ワークステーション (Software Development Workstation)
Red Hat Enterprise Linux システムでソフトウェアのコンパイルを行うために必要なツールが提供されます。
最低限 (Minimal)
Red Hat Enterprise Linux の稼働に必須となるパッケージのみが提供されます。目的がひとつのサーバーやデスクトップアプライアンス向けの基本的なパッケージのみが提供され、このようなインストールでのパフォーマンスと安全性を最大化します。

警告

最小限のインストールでは現在、デフォルトではファイアウォールの設定を行いません(iptables/ip6tables)。authconfigsystem-config-firewall-base のパッケージがこの選択に含まれていないためです。キックスタートファイルを使いこのパッケージをソフトウェア選択に追加するとこの問題に対処することができます。詳細については Red Hat カスタマーポータル をご覧ください。また、キックスタートファイルについては 32章キックスタートを使ったインストール を参照してください。
対処を講じなくてもインストールは正常に完了します。ただし、ファイアウォールは設定されないため安全性に問題が残ります。
現在選択されているパッケージ一覧のインストールを選択する場合は、「パッケージのインストール」 に進んでください。
別のソフトウェアセットを選択する場合は該当チェックボックスをクリックします。(図16.48「パッケージグループの選択」 参照)
パッケージセットをさらにカスタマイズするには、画面上で いますぐカスタマイズ (Customize now) オプションを選択します。次 (Next) をクリックすると、 パッケージグループの選択 (Package Group Selection) 画面に移動します。

16.19.1. 追加のリポジトリからのインストール

リポジトリ を追加で定義して、インストール中にシステムが利用できるソフトウェアを増やすことができます。リポジトリとは、ソフトウェアパッケージとそれらを記述する メタデータ を格納するネットワークの場所です。Red Hat Enterprise Linux で使用される多くのソフトウェアパッケージには、他のソフトウェアがインストールされている必要があります。インストーラーはメタデータを使用して、インストール用に選択するすべてのソフトウェアにそうした要件が満たされていることを確認します。
Red Hat Enterprise Linux リポジトリは自動的に選択されます。それには、Red Hat Enterprise Linux 6.9 としてリリースされたすべてのソフトウェア群と、リリース当時に最新であるバージョンの様々なソフトウェアも含まれています。
ソフトウェアリポジトリの追加

図16.49 ソフトウェアリポジトリの追加

追加の リポジトリ のソフトウェアを含めるには、ソフトウェアリポジトリの追加 (Add additional software repositories) を選択して、リポジトリの場所を入力します。
既存のソフトウェアリポジトリの場所を編集するには、一覧からリポジトリを選択して、リポジトリの修正 (Modify repository) を選びます。
Red Hat Enterprise Linux DVD からなど、ネットワーク経由でないインストールの実行時にリポジトリ情報を変更する場合は、インストーラーによりネットワーク設定情報のプロンプトが表示されます。
ネットワークインターフェースの選択

図16.50 ネットワークインターフェースの選択

  1. ドロップダウンメニューからインターフェースを選択します。
  2. OK をクリックします。
AnacondaNetworkManager を開始し、インターフェースの設定が可能になります。
ネットワークの接続

図16.51 ネットワークの接続

NetworkManager の使用方法の詳細については、「ホスト名の設定」 を参照してください。
ソフトウェアリポジトリの追加 (Add additional software repositories) を選択すると、リポジトリの編集 (Edit repository) のダイアログが表示されます。リポジトリの名前 (Repository name) とその場所となる リポジトリの URL (Repository URL) を入力します。
ミラーの場所を特定すると、使用する URL を決定するために、repodata と呼ばれるディレクトリを 含む ミラーのディレクトリを探します。
追加リポジトリの情報を入力すると、インストーラーはネットワーク経由でパッケージメタデータを読み取ります。その後、特別にマークされているソフトウェアはパッケージグループを選択するシステムに含まれます。

警告

パッケージの選択画面で 戻る (Back) を選択すると、追加で入力したすべてのリポジトリのデータは失われます。これで、追加のリポジトリを効率よくキャンセルできます。現時点では、入力後に 1 つのリポジトリのみをキャンセルすることはできません。

16.19.2. ソフトウェア選択のカスタマイズ

注記

ご使用の Red Hat Enterprise Linux システムは、インストールプロセスの開始時に選択した言語を自動的にサポートします。新たな言語を含めるためには、言語 カテゴリからその目的の言語用のパッケージグループを選択します。

注記

64 ビットアプリケーションの開発や実行のためのサポートを希望するユーザーは、互換性アーキテクチャーサポート (Compatibility Arch Support)互換性アーキテクチャー開発サポート (Compatibility Arch Development Support) パッケージを選択して、システムに個別に対応するアーキテクチャーをインストールすることが推奨されます。
今すぐカスタマイズ (Customize now) を選択して、使用中の最終システム用のソフトウェアパッケージを 詳細に指定します。このオプションにより 「次 (Next) 」 が選択された時点でインストールプロセスが 追加のカスタマイズ画面を表示するようになります。
パッケージグループの詳細

図16.52 パッケージグループの詳細

Red Hat Enterprise Linux は収納されているソフトウェアを パッケージグループ に分類します。簡単に使用できるよう、パッケージ選択の画面はこれらのグループをカテゴリとして表示します。
機能に応じてコンポーネントを組み合わせてあるパッケージグループ(例えば、 X Window SystemEditors)、 個別のパッケージ、またはその混合を選択することができます。
あるカテゴリーのパッケージグループを表示するには、左側の一覧からその カテゴリーを選択します。右側の一覧は、現在選択してあるカテゴリーの パッケージグループを表示します。
インストール用にパッケージグループを指定するには、そのグループ横のチェックボックスを選択します。画面底辺にあるボックスには、強調表示されているパッケージグループの詳細が表示されます。グループのチェックボックスが選択されていないと、そのグループからのパッケージはどれもインストールされません。
パッケージグループを1つ選択すると、Red Hat Enterprise Linux は自動的にそのグループ用の基本的で必須の パッケージをインストールします。選択されたグループ内のインストールされるべきオプションパッケージを変更するには、 グループの説明の下にある オプションパッケージ (Optional Packages) ボタンを選択します。それから個別のパッケージ名の 横にあるチェックボックスを使用してその選択を変更します。
右側にあるパッケージ選択一覧内では、コンテキストメニューをショートカットとして使用してベースおよび必須のパッケージ、またはすべてのオプションパッケージを選択/選択解除することができます。
パッケージの選択一覧のコンテキストメニュー

図16.53 パッケージの選択一覧のコンテキストメニュー

目的とするパッケージの選択が終わったら、次 (Next) を選択して進みます。インストーラーは選択をチェックし、選択したソフトウェアを使うのに必要な追加のパッケージを自動的に追加します。パッケージの選択が終わったら、閉じる (Close) をクリックしてオプションパッケージ選択を保存し、メインのパッケージ選択画面に戻ります。
パッケージの選択は永続的ではありません。システムを起動した後に ソフトウェアの追加/削除を使用すると、新しいソフトウェアをインストールしたり、インストール済の パッケージを削除したりできます。このツールを使用するには、メインメニューから システム管理ソフトウェアの追加/削除 と選んで行きます。Red Hat Enterprise Linux ソフトウェア管理システムは、インストールディスクを使用するのではなく、ネットワークサーバーから最新のパッケージをダウンロードします。

16.19.2.1. 中核となるネットワークサービス

すべての Red Hat Enterprise Linux インストールには以下のネットワークサービスが含まれています。
  • syslog を介した中央化したロギング
  • SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) 経由の電子メール
  • NFS (Network File System) 経由のネットワークファイル共有
  • SSH (Secure SHell) 経由のリモートアクセス
  • mDNS (multicast DNS) 経由のリソースのアドバタイズ
デフォルトのインストールは以下も提供します。
  • HTTP (HyperText Transfer Protocol) を介したネットワークファイル転送
  • CUPS (Common UNIX Printing System) を介した印刷
  • VNC (Virtual Network Computing) を介したリモートデスクトップアクセス
Red Hat Enterprise Linux システム上の一部の自動化したプロセスでは、電子メールサービスを使用して システム管理者にレポートとメッセージを送信します。デフォルトでは、電子メール、ロギング、および 印刷のサービスは他のシステムからの接続を許可しません。Red Hat Enterprise Linux は NFS 共有、HTTP、 および VNC のコンポーネントのサービスを有効にしない状態でインストールします。
インストールの後に Red Hat Enterprise Linux システムを設定することにより、電子メール、ファイル共有、ロギング、印刷、およびリモートデスクトップアクセスなどのサービスを装備することができます。SSH サービスはデフォルトでは有効になっています。さらに NFS 共有サービスを有効にしない状態でも他のシステム上のファイルにアクセスできるように NFS を使用できます。

16.20. パッケージのインストール

この段階では、すべてのパッケージがインストールされるまで、他に操作することはありません。パッケージのインストールに要する時間は選択しているパッケージの数やコンピューターの速度により異なります。
利用可能なリソースに応じて、インストール用に選択したパッケージの依存関係を インストーラーが解決する間に以下のような進捗バーが表示されます。
インストールの開始

図16.54 インストールの開始

選択したパッケージとその依存関係のインストール中には、以下のような進捗バーが 表示されます。
パッケージの完了

図16.55 パッケージの完了

16.21. インストールの完了

おめでとうございます。Red Hat Enterprise Linux のインストールが完了しました。
インストールプログラムがシステムの再起動の準備を要求してきます。インストール メディアが再起動時に自動的に出てこない場合は、それを取り出すことを忘れないでください。
コンピューターの通常の電源投入後に、Red Hat Enterprise Linux がロードされて開始します。 デフォルトでは、開始プロセスは進捗バーを表示しているグラフィカル画面の裏に隠れています。最終的に login: プロンプト、あるいは GUI ログイン画面 (X Window System をインストールしていて X の自動起動を選択している場合) が表示されます。
初めて Red Hat Enterprise Linux システムをランレベル 5 (グラフィカルランレベル) で開始すると、 FirstBoot ツールが表示され、Red Hat Enterprise Linux の 設定を順番にガイドしていきます。このツールを使用すると、システム時計と日付の設定、ソフトウェアのインストール、Red Hat Network へマシンの登録、その他が出来るようになります。 FirstBoot は 最初に使用環境を設定する為、Red Hat Enterprise Linux システムを 素早く使用する準備ができます。
34章Firstboot は、設定プロセスについて、順を追って説明します。


[7] root パスワードとは、Red Hat Enterprise Linux システムの管理用パスワードです。システム管理に必要な時にのみ root としてログインすることをお勧めします。root アカウントは通常のユーザーアカウントに課された制約を受けないため、root として行う変更は使用しているシステム全体に影響を及ぼす可能性があります。
[8] fsck アプリケーションは、 ファイルシステムのメタデータの整合性をチェックし、 オプションで単一または複数の Linux ファイルシステムの修復を行なう目的で使用されます。

第17章 IBM Power Systems サーバーでのインストールに関するトラブルシューティング

本セクションでは、いくつかの一般的な問題とそれらの解決方法について説明します。
デバッグの目的で、anaconda はインストールアクションを /tmp ディレクトリ内のファイルにログを記録します。これらのファイルには以下が含まれます。
/tmp/anaconda.log
一般的な anaconda メッセージ
/tmp/program.log
anaconda が実行するすべての外部プログラム
/tmp/storage.log
ストレージモジュールの詳細情報