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6.2. virt-manager を使用してゲストを作成

仮想マシンマネージャとして知られる virt-manager は 仮想化ゲストの作成と管理の為のグラフィカルツールです。

手順6.1 virt-manager を使用して仮想化ゲストを作成

  1. virt-manager を開始するには、root として 以下のコマンドを実行します:
    # virt-manager &
    
    virt-manager コマンドはグラフィカルユーザーインターフェイスの ウィンドウを開きます。root 権限や sudo 設定を持たないユーザーは 新規 ボタンを含む各種機能が利用できず、新しい仮想化ゲストを 作成することが出来ません。
  2. ファイル -> 接続開始 を開きます。以下のダイアログ ボックスが開きます。hypervisor を選択して、接続 ボタンをクリックします。
  3. virt-manager ウィンドウでは、新しい 仮想マシンの作成ができます。新規 ボタンを使用して 新しいゲストを作成します。これによりスクリーンショットで示してあるウィザードが 開きます。
  4. 新規仮想システムを作成 ウィンドウは、仮想マシンを 作成するためにユーザーが用意する必要のある情報の要約を提供します:
    使用するインストールの情報を再確認して、進む ボタンを クリックします。
  5. 仮想化の方法を選択 ウィンドウが出てきます。 Para-virtualized完全仮想化 の どちらかを選択して下さい。
    完全仮想化には、Intel® VT、又は AMD-V プロセッサが必要になります。仮想化の拡張が 存在しない場合は、完全仮想化 ラジオボタン、あるいは カーネル/ハードウェアアクセラレーションを有効にする は選択 出来ません。 Para-virtualized オプションは、kernel-xen が その時点のカーネルとして稼働していない場合は、灰色になって使用不可になっています。
    KVM hypervisor に接続すると、完全仮想化のみが利用可能になります。
    仮想化のタイプを選択したら、 ボタンをクリックします。
  6. インストールメディアの検出 プロンプトは選択されている インストールタイプ用のインストールメディアを求めてきます。この画面は 前のステップで選択したものに依存します。
    1. para-virtualized のインストールには、以下のネットワークプロトコルの1つを使用して インストールツリーへのアクセスが必要になります: HTTPFTP、又は NFS。インストールメディアの URL は Red Hat Enterprise Linux installation ツリーを含んでいなければなりません。このツリーは NFSFTP、 又は HTTP を使用してホストされています。ネットワーク サービスとファイルは、ホスト上、又は別のミラー上でネットワークサービスを使用してホストできます。
      CD-ROM か DVD イメージ(.iso ファイルとしてタグ付き)を使用。 CD-ROM イメージをマウントしてマウントしたファイルを前述のプロトコルの1つでホストします。
      別の方法として、Red Hat Enterprise Linux のミラーからインストールツリーをコピーします。
    2. 完全仮想化インストールはブート可能なインストール DVD か、CD-ROM か、あるいは ブート可能なインストール DVD / CD-ROM のイメージ(ファイルタイプ .iso 又は .img)を ローカルで必要とします。Windows インストールは DVD か、 CD-ROM か、.iso ファイルを 使用します。Linux 及び UNIX-タイプのオペレーティングシステムの多くは .iso ファイルを 使用してベースシステムをインストールしてから、ネットワークベースのインストール ツリーでのインストールを終了します。
    適切なインストールメディアを選択してから、進む ボタンをクリックします。
  7. ストレージスペースの割り当て ウィンドウが表示されます。 ゲストストレージ用のディスクパーティション、LUN、又はファイルベースイメージの作成を 選択します。
    全てのイメージファイルは /var/lib/libvirt/images/ ディレクトリに格納しなければなりません。ファイルベース イメージ用としては他のディレクトリは SELinux によって禁止されています。 SELinux を強制モードで実行する場合は、「SELinux と仮想化」 でゲストインストールのための 詳細を確認して下さい。
    使用するゲストストレージイメージは、インストールのサイズ、追加のパッケージ、 及びアプリケーション、更にはゲストスワップファイルのサイズの合計よりも大きい ことが要求されます。インストールプロセスはゲストに割り当てられた RAM のサイズを 基にしてゲストスワップのサイズを選択します。
    アプリケーションや他のデータの為にゲストが追加のスペースを必要とする場合には、 余分のスペースを割り当てます。例えば、ウェブサービスはログファイルの為に追加の スペースを必要とします。
    選択したストレージタイプでゲスト用に適切なサイズを選びます。それから 進む ボタンをクリックします。

    注記

    仮想マシンイメージ /var/lib/xen/images/ 用には デフォルトのディレクトリを使用することが推奨されます。異なるディレクトリ (このサンプルでは例えば、/xen/images/)を 使用している場合は、SELinux ポリシーにそれを追加して、インストールを継続 する前にラベル変更することを確認して下さい(SELinux ポリシーの変更法はドキュメントの後半で 説明してあります)。
  8. 「メモリーと CPU 割り当て」ウィンドウが表示されます。仮想化の CPU と RAM の 割り当てに適切な値を選択します。これらの値は、ホストとゲストのパフォーマンスに 影響します。
    ゲストは効率的にそして効果的に稼働するために十分な物理メモリー(RAM) を必要とします。 ゲストオペレーティングシステムとアプリケーションの要件に適したメモリーの値を選択します。 ほとんどのオペレーティングシステムは反応良く機能するのに少なくとも 512MB の RAM を 必要とします。ゲストは物理 RAM を使用することを忘れないで下さい。稼働ゲストが多すぎたり、 ホストシステム用に十分なメモリーを残さなかったりすると仮想メモリーをかなり消費してしまいます。 仮想メモリーは比較的に遅いため、システムパフォーマンスと反応性に悪影響を与えます。全ての ゲストとホストが効率的に稼働できるように十分なメモリーを割り当てることを確認して下さい。
    十分な仮想 CPU を仮想ゲストに割り当てます。ゲストがマルチスレッドのアプリケーションを 実行している場合は、ゲストが効率的に稼働できるのに必要な数の仮想化 CPU を割り当てます。 しかし、ホストシステム上で利用できる物理プロセッサ(又はハイパースレッド)以上の 仮想 CPU を割り当てないで下さい。仮想プロセッサを超過して割り当てることは可能ですが、 超過割り当てでは、プロセッサコンテキストがオーバーヘッドを切り替えるため、ゲストとホストに 深刻な悪影響を与えます。
  9. ユーザーが入力した全ての設定情報の要約を示すインストール準備完了画面が表示されます。 表示された情報を再確認して、変更したい場合は 戻る ボタンを 使用します。入力データに満足できる状態ならば、完了 ボタンをクリックして、インストールプロセスを開始させます。
    VNC ウィンドウが開いて、ゲストオペレーティングシステムのインストールプロセスの 開始を示します。
これで、virt-manager によるゲスト作成のための一般的な プロセスは終了です。7章ゲストオペレーティングシステムのインストール手順 には各種の一般的なオペレーティング システムインストールに関するステップバイステップの案内が含まれています。