Red Hat Training

A Red Hat training course is available for Red Hat Enterprise Linux

4.9. LVM 用のカスタム報告

LVM オブジェクトの簡潔で、カスタム可能な報告は、pvslvs、及び vgs コマンドを使用して 作成することができます。これらのコマンドが生成する報告は各オブジェクト毎に1行ずつの 出力を含んでいます。それぞれの行は、オブジェクトに関連したプロパティのフィールドについて順列一覧を 持っています。オブジェクトが報告される方式には5種類があります: 物理ボリューム毎、ボリュームグループ毎、 論理ボリューム毎、物理ボリュームセグメント毎、及び論理ボリュームセグメント毎があります。
次のセクションでは以下を提供します:
  • 生成された報告の形式を制御するのに使用できるコマンド引数の要約
  • 各 LVM オブジェクト用に選択できるフィールドのリスト
  • 生成された報告を分別する為に使用できるコマンド引数の要約。
  • 報告出力の単位を指定する為の指示

4.9.1. 形式制御

pvslvs、又は vgs コマンドのどれを使用するかによって、表示されるデフォルトの フィールドセットと列記順序が決定されます。これらのコマンドの出力は以下の引数を使用することによって 制御することができます。
  • -o 引数を使用すると、デフォルト以外を表示するフィールドに変更する ことができます。例えば、以下の出力は pvs コマンドのデフォルト表示です(物理ボリュームに関する情報を表示)。
    # pvs
      PV         VG     Fmt  Attr PSize  PFree
      /dev/sdb1  new_vg lvm2 a-   17.14G 17.14G
      /dev/sdc1  new_vg lvm2 a-   17.14G 17.09G
      /dev/sdd1  new_vg lvm2 a-   17.14G 17.14G
    
    以下のコマンドは物理ボリュームの名前とサイズだけを表示します。
    # pvs -o pv_name,pv_size
      PV         PSize
      /dev/sdb1  17.14G
      /dev/sdc1  17.14G
      /dev/sdd1  17.14G
    
  • -o 引数との組み合わせで使用出来るプラスサイン (+) を使用して、出力にフィールドを追加することが できます。
    以下の例では、デフォルトフィールドに加えて、物理ボリュームの UUID を 表示しています。
    # pvs -o +pv_uuid
      PV         VG     Fmt  Attr PSize  PFree  PV UUID
      /dev/sdb1  new_vg lvm2 a-   17.14G 17.14G onFF2w-1fLC-ughJ-D9eB-M7iv-6XqA-dqGeXY
      /dev/sdc1  new_vg lvm2 a-   17.14G 17.09G Joqlch-yWSj-kuEn-IdwM-01S9-X08M-mcpsVe
      /dev/sdd1  new_vg lvm2 a-   17.14G 17.14G yvfvZK-Cf31-j75k-dECm-0RZ3-0dGW-UqkCS
    
  • コマンドに -v 引数を追加すると、幾つかのフィールドを含むように なります。例えば、pvs -v コマンドは、デフォルトフィールドに 加えて、DevSizePV UUID のフィールドも表示します。
    # pvs -v
        Scanning for physical volume names
      PV         VG     Fmt  Attr PSize  PFree  DevSize PV UUID
      /dev/sdb1  new_vg lvm2 a-   17.14G 17.14G  17.14G onFF2w-1fLC-ughJ-D9eB-M7iv-6XqA-dqGeXY
      /dev/sdc1  new_vg lvm2 a-   17.14G 17.09G  17.14G Joqlch-yWSj-kuEn-IdwM-01S9-XO8M-mcpsVe
      /dev/sdd1  new_vg lvm2 a-   17.14G 17.14G  17.14G yvfvZK-Cf31-j75k-dECm-0RZ3-0dGW-tUqkCS
    
  • --noheadings 引数は、頭書きの行を抑制します。これはスクリプトを 書くときに便利です。
    以下の例は pv_name 引数と共に --noheadings 引数を 使用して、全ての物理ボリュームの一覧を生成しています。
    # pvs --noheadings -o pv_name
      /dev/sdb1
      /dev/sdc1
      /dev/sdd1
    
  • --separator separator 引数は separator を使用して、各フィールドを分離します。 これは、出力上で grep コマンドを使用している場合、 スクリプトで役に立ちます。
    次の例では、pvs コマンドのデフォルト出力フィールドを イコールサイン (=) で分離しています。
    # pvs --separator =
      PV=VG=Fmt=Attr=PSize=PFree
      /dev/sdb1=new_vg=lvm2=a-=17.14G=17.14G
      /dev/sdc1=new_vg=lvm2=a-=17.14G=17.09G
      /dev/sdd1=new_vg=lvm2=a-=17.14G=17.14G
    
    separator 引数を使用している時にフィールドを整列させるには、 separator 引数と共に --aligned 引数を 使用します。
    # pvs --separator = --aligned
      PV        =VG    =Fmt =Attr=PSize =PFree
      /dev/sdb1 =new_vg=lvm2=a-  =17.14G=17.14G
      /dev/sdc1 =new_vg=lvm2=a-  =17.14G=17.09G
      /dev/sdd1 =new_vg=lvm2=a-  =17.14G=17.14G
    
You can use the -P argument of the lvs or vgs command to display information about a failed volume that would otherwise not appear in the output. For information on the output this argument yields, see 「故障デバイスの情報表示」.
表示引数の完全な一覧には、pvs(8)、vgs(8)、 及び lvs(8) の man ページをご覧下さい。
ボリュームグループフィールドは物理ボリューム(及び物理ボリュームセグメント)フィールド、 又は 論理ボリューム(及び論理ボリュームセグメント)フィールドとの混合となる可能性がありますが、 物理ボリュームと論理ボリュームのフィールドは混合出来ません。例えば、以下のコマンドは各物理 ボリューム毎に1行の出力を表示します。
# vgs -o +pv_name
  VG     #PV #LV #SN Attr   VSize  VFree  PV
  new_vg   3   1   0 wz--n- 51.42G 51.37G /dev/sdc1
  new_vg   3   1   0 wz--n- 51.42G 51.37G /dev/sdd1
  new_vg   3   1   0 wz--n- 51.42G 51.37G /dev/sdb1