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第6章 Red Hat Enterprise Virtualization ハイパーバイザーの保守と管理

本章では、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor の管理タスクおよびメンテナーンスタスクについて説明します。

6.1. kdumps の有効化

RHEV ハイパーバイザーホストは、システムに障害が発生した場合にカーネルダンプ(kdump ファイル)を生成します。これらの kdump ファイルは、デバッグとサポートに不可欠です。
kdump ファイルはすべて、RHEV Hypervisor ホストのストレージの /data パーティションに配置されます。RHEV ハイパーバイザーホストをインストールする場合は、kdump ファイル用に十分な永続ストレージ領域があることを確認します。kdump ファイルのサイズは、ホストにインストールされている RAM の容量に比例します。RAM が 32GB のシステムでは、ハイパーバイザーには少なくとも 32GB の /data パーティションと、RHEV 固有のデータ用の追加の領域(約 512 MB)が必要です。
ホストを再起動して適切に実行されると、kdump ファイルは RHEV Hypervisor ホストから転送できます。kdump ファイルを転送するには、以下の手順に従います。
Windows システム用の SSH
PuTTY と呼ばれる Windows システム用の Open Source SSH クライアントがあります。PuTTY ホームページ( http://www.chiark.greenend.org.uk/~sgtatham/putty/ )からクライアントをダウンロードします。多くの手順は同じですが、PuTTY を使用したファイル転送については本書では扱いません。
  1. SSH および scp コマンドがインストールされている Linux、UNIX、または同様のオペレーティングシステムにアクセスします。scp コマンドの形式は次のとおりです。
    scp source-user@source_IP_OR_hostname:/path/to/files destination-user@destination_IP_OR_hostname:/path/to/destination
  2. この例では、すべての kdump ファイルをローカルシステムの /tmp/RHEVkdumps ディレクトリーにコピーします。RHEV Hypervisor のインストール時に設定した管理者(root)のユーザー名とパスワードを使用します。例のホスト名( rhevh.example.com )を、RHEV Hypervisor の有効な IP アドレスまたはホスト名に置き換えます。
    $ scp -r root@rhevh.example.com:'/data/core/*' /tmp/RHEVkdumps
    
  3. この手順が完了したら、ハイパーバイザー上の元の kdump ファイルをすべて削除できます。root としてハイパーバイザーにログインし、以下を実行します。
    # rm -rf /data/core/*
    
kdump ファイルが削除され、他のホストで利用可能になり、サポートおよびデバッグが可能になります。