Red Hat Training

A Red Hat training course is available for Red Hat Enterprise Linux

10. 開発者用ツール

GNU gettext

GNU gettext パッケージは、プログラム内で多言語のメッセージを作成するためのツールセットとドキュメンテーションを提供します。Red Hat Enterprise Linux 5.6 では、gettext がバージョン 0.17 に更新されました。今回更新された gettext パッケージでは、java と libintl.jar のサポートは中止された点にご注意ください。

Subversion

Subversion (SVN) は、ファイルとディレクトリの階層の作成と維持において1人もしくは複数のユーザーのコラボレーションを可能とする一方で、全ての変更履歴を保管する、コンカレントバージョン管理システムです。Red Hat Enterprise Linux 5.6 の Subversion はバージョン 1.6.11 に更新され、マージトラッキングとインタラクティブな競合解消の機能が新たに導入されています。

GDB 内でのPython Scripting

このアップデートでは、GNU Project Debugger (GDB) の新バージョンを提供しており、新しい Python API を特徴としています。この API により、Python プログラミング言語で書かれたスクリプトを使用した、GDB の自動化が可能となりました。

Python API の注目すべき機能の1つに、Pythonスクリプトを使用した、GDB 出力の書式設定機能(通常、プリティプリンティングと呼ばれる)があります。以前は、GDB におけるプリティプリンティングは、プリントセッティングの標準セットを用いて設定されていました。カスタムのプリティプリンティングスクリプトの作成機能により、ユーザーは、特定のアプリケーションで GDB が情報を表示する方法をコントロールできるようになります。Red Hat Enterprise Linux は、GNU 標準 C++ ライブラリ (libstdc++) 向けのプリティプリンティングスクリプトの完全なスイートを特徴としています。
GNU Compiler Collection (GCC)

GNU Compiler Collection (GCC) には、C、C++, 及び Java の GNU コンパイラと関連サポートライブラリが他の機能と共に含まれています。Red Hat Enterprise Linux 5.6 は、GCC のバージョン 4.4 を完全にサポートしており、Red Hat Enterprise Linux 6 との相互運用性を提供しています。

GNU C Library (glibc)

GNU C Library (glibc) パッケージには、Red Hat Enterprise Linux 上の複数のプログラムによって使用される、標準の C ライブラリが含まれています。これらのパッケージには、標準の C ライブラリ及び標準の数学ライブラリが含まれています。これらの 2 つのライブラリがなければ、Linux システムは正常に機能することができません。

Red Hat Enterprise Linux 5.6 では、glibc が更新され、POWER7 と ISA 2.06 CPU のサポートが追加されました。
OpenJDK

Red Hat Enterprise Linux 5.6 の OpenJDK はバージョン 1.7.5 に更新されました。今回の更新で追加された注目すべき点は以下の通りです:

  • HotSpot の安定性とパフォーマンスの向上
  • Xrender パイプラインのサポート
  • 視覚的な異常の修正、tzdata を使用した同期タイムゾーンのサポート
  • グラフィックファイルサポートと総体的な JAR パフォーマンスの向上
  • NUMA アロケータのサポート