第2章 ビューのパフォーマンスの改善

ビューベースの階層のパフォーマンスは、階層自体の構造とディレクトリーツリー (DIT) のエントリー数に依存します。

一般的には、仮想 DIT ビューを使用する場合に、(標準の DIT での同等の検索に対して数パーセントポイント以内で) パフォーマンスに関して若干の変化が発生する可能性があります。検索でビューを呼び出さない場合は、パフォーマンスへの影響はありません。導入の前に、予想される検索パターンおよび負荷に対して仮想 DIT ビューをテストします。

組織内でビューを汎用ナビゲーションツールとして使用する場合は、ビューフィルターで使用される属性をインデックス化することが推奨されます。

さらに、ビューでサブフィルターの評価に使用する仮想リストビュー (VLV) インデックスを設定できます。

特にビュー用に、ディレクトリーの他の部分をチューニングする必要はありません。

2.1. コマンドラインを使用してビューのパフォーマンスを改善するためのインデックスの作成

ビューは指定のフィルターに基づいて検索結果から派生します。フィルターの一部は nsViewFilter で明示的に指定される属性です。フィルターの残りの部分はエントリー階層に基づいており、ビューに含まれる実際のエントリーの entryid および parentid 操作属性を検索します。

(|(parentid=search_base_id)(entryid=search_base_id)

検索された属性 (entryidparentid、または nsViewFilter の属性) のいずれかにインデックスが付けられていない場合、検索は部分的にインデックスが解除され、Directory Server はディレクトリーツリー全体で一致するエントリーを検索します。

ビューのパフォーマンスを改善するには、以下のようにインデックスを作成します。

  • entryid等式インデックス (eq) を作成します。parentid 属性は、デフォルトでシステムインデックスでインデックス化されます。
  • nsViewFilter テストにフィルターがある場合 (attribute=*) は、テスト中の属性について、存在インデックス(pres) を作成します。このインデックスタイプは、少数のディレクトリーエントリーに表示される属性でのみ使用する必要があります。
  • nsViewFilter テスト等価 (attribute=value) のフィルターの場合、テストする属性に対して 等価インデックス (eq) を作成します。
  • nsViewFilter のフィルターがサブ文字列をテストする場合 (attribute=value*) は、テストする属性の substring index (sub) を作成します。
  • nsViewFilter でフィルターが近似値をテストする場合 (attribute~=value)、テストされている属性のapproximate index (approximate) を作成します。

たとえば、以下の view フィルターを使用する場合は、以下を実行します。

nsViewFilter: (&(objectClass=inetOrgPerson)(roomNumber=*66))

デフォルトで行われる等価インデックスobjectClass にインデックスを付け、部分文字列インデックスroomNumber にインデックスを付ける必要があります。

前提条件

  • ビューフィルターで使用する属性に注意してください。

手順

  1. オプション: バックエンドをリスト表示し、データベースをインデックス化します。

    # dsconf -D "cn=Directory Manager" instance_name backend suffix list
    dc=example,dc=com (userroot)

    (括弧で) 選択したデータベース名を書き留めておきます。

  2. 選択したバックエンドのデータベースの dsconfig ユーティリティーを使用してインデックス設定を作成します。

    特に国際化されたインスタンスの場合、属性名、インデックスタイプと、任意で照合順序 (OID) を設定するためのマッチングルールを指定します。

    # dsconf -D "cn=Directory Manager" instance_name backend index add --attr roomNumber --index-type sub userroot

    view フィルターで使用される属性ごとに、このステップを繰り返します。

  3. 新規インデックスを適用するためにデータベースを再インデックスします。

    # dsconf -D "cn=Directory Manager" instance_name backend index reindex userroot

検証

  1. ビューで使用するフィルターが同じ標準ディレクトリーツリーに基づく検索を実行します。

    # ldapsearch -D "cn=Directory Manager" -W -H ldap://server.example.com -x -b dc=example,dc=com (&(objectClass=inetOrgPerson)(roomNumber=*66))
    # ldapsearch -D "cn=Directory Manager" -W -H ldap://server.example.com -x -b dc=example,dc=com "(&(objectClass=inetOrgPerson)(roomNumber=*66))"
  2. /var/log/dirsrv/slapd-instance_name/access.のアクセスログを見る。

    検索の RESULT には note=U または Partially Unindexed Filter が詳細に含まれていないはずです。