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3.5.2.2. 構文の検証およびその他の Directory Server 操作

構文の検証は、エントリーの作成 (add) や属性の編集 (modify) などの標準の LDAP 操作に主に関係します。ただし、属性の構文の検証は他の Directory Server 操作に影響を及ぼす可能性があります。

データベース暗号化

通常の LDAP 操作では、値がデータベースに書き込まれる直前に属性は暗号化されます。これは、属性構文の検証 後に 暗号化が実行されることを意味します。

暗号化されたデータベース (「データベースの暗号化」で説明) をエクスポートおよびインポートすることができます。通常、これらのエクスポート操作およびインポート操作は db2ldif および ldif2db と共に -E フラグを使用して行うことが強く推奨されます。これにより、インポート操作で構文の検証が問題になる可能性もあります。ただし、-E フラグを使用せずに暗号化されたデータベースをエクスポートする場合は (サポートされていない)、暗号化された値で LDIF が作成されます。この LDIF をインポートすると、暗号化された属性を検証できず、警告がログに記録され、インポートされたエントリーで属性検証はスキップされます。

同期

Windows Active Directory エントリーと Red Hat Directory Server エントリーでは、属性の許容構文または強制構文に違いがある場合があります。この場合、構文の検証により Directory Server エントリーの RFC 標準が強制されるため、Active Directory の値を適切に同期できませんでした。

レプリケーション

Directory Server 10.6 インスタンスがその変更をコンシューマーに複製するサプライヤーである場合は、構文検証を使用した問題はありません。ただし、レプリケーションのサプライヤーが古いバージョンの Directory Server であったり、構文の検証が無効になっていたりする場合は、Directory Server 10.6 コンシューマーは、マスターが許可する属性値を拒否する可能性があるため、構文の検証を 10.6 コンシューマーで使用しないでください。