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1.2.3. 基本的なディレクトリーツリーの概要

ディレクトリーツリーはディレクトリー情報ツリー (DIT) とも呼ばれ、ほとんどのファイルシステムで使用されるツリーモデルと同様に、ツリーのルートまたは最初のエントリーが階層の最上部に表示されます。インストール時に、Directory Server はデフォルトのディレクトリーツリーを作成します。

図1.1 デフォルトの Directory Server ディレクトリーツリーのレイアウト

デフォルトの Directory Server ディレクトリーツリーのレイアウト
ツリーの root は root 接尾辞 と呼ばれます。root 接尾辞の命名に関する詳細は、「接尾辞の選択」 を参照してください。
標準のインストール後のディレクトリーには、root 接尾辞の下に 3 つのサブツリーが含まれます。
  • cn=config: サーバーの内部設定に関する情報が含まれるサブツリー
  • O=NetscapeRoot: Directory Server および Administration Server の設定情報が含まれるサブツリー
    注記
    Directory Server の新たなインスタンスがインストールされる際に、o=NetscapeRoot データベースを持たないように設定することができます。その場合、インスタンスは別のサーバーの 設定ディレクトリー (または o=NetscapeRoot サブツリー) を使用します。設定ディレクトリーの場所を選択する方法についての詳細は、『Red Hat Directory Server インストールガイド』を参照してください。
  • cn=monitor: Directory Server サーバーおよびデータベース監視統計値が含まれるサブツリー
  • cn=schema: 現在サーバーに読み込まれているスキーマ要素が含まれるサブツリー
  • user_suffix: Directory Server の設定時に作成されるデフォルトのユーザーデータベースの接尾辞接尾辞の名前は、サーバーの作成時にユーザーが定義します。関連付けられるデータベースの名前は userRoot です。データベースには、セットアップ時に LDIF ファイルをインポートしてエントリーを投入することも、後でエントリーを追加することもできます。
    user_suffix 接尾辞には、頻繁に dc 命名規則が使用されます (例: dc=example,dc=com)。もう 1 つの一般的な命名属性は o 属性で、組織全体に使用されます (例: o=example.com)。
デフォルトのディレクトリーツリーを拡張して、ディレクトリーのインストールに関連する任意のデータを追加することができます。ディレクトリーツリーの詳細は、「4章ディレクトリーツリーの設計」を参照してください。

図1.2 Example Corp 用の拡張されたディレクトリーツリー

Example Corp 用の拡張されたディレクトリーツリー