Red Hat Training

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3.5. 一貫性のあるスキーマの維持

Directory Server 内で一貫したスキーマは、LDAP クライアントアプリケーションがディレクトリーエントリーを見つけるのに役立ちます。一貫性のないスキーマを使用すると、ディレクトリーツリーの情報を効率的に特定することは困難になります。
一貫性のないスキーマは、異なる属性またはフォーマットを使用して同じ情報を保存します。スキーマの一貫性を以下の方法で維持します。
  • スキーマチェックを使用して、属性とオブジェクトクラスがスキーマルールに準拠していることを確認します。
  • 構文検証を使用して、属性値が必要な属性構文と一致するようにします。
  • 一貫性のあるデータ形式を選択して適用します。

3.5.1. スキーマチェック

スキーマチェックにより、すべての新規または変更されたディレクトリーエントリーがスキーマルールに準拠していることを確認します。ルールに違反すると、ディレクトリーは要求された変更を拒否します。
注記
スキーマチェックは、適切な属性が存在することのみを確認します。属性の値が正しい構文にあることを確認するには、「構文の検証」の説明に従って構文の検証を使用します。
デフォルトでは、ディレクトリーはスキーマチェックを有効にします。Red Hat は、この機能を無効にしないことを推奨します。スキーマチェックの有効化および無効化に関する情報は、『Red Hat Directory Server 管理ガイド』を参照してください。
スキーマチェックを有効にすると、オブジェクトクラスで定義されるように必要な属性および許可される属性に注意を払います。オブジェクトクラス定義には、通常 1 つ以上の必要な属性と 1 つまたは複数の任意の属性が含まれます。任意の属性は、ディレクトリーエントリーに追加することが可能な属性ですが、必須ではありません。属性を、エントリーのオブジェクトクラス定義に従って必要でも許可でもないエントリーに追加しようとすると、Directory Server はオブジェクトクラス違反メッセージを返します。
たとえば、organizationalPerson オブジェクトクラスを使用するようにエントリーが定義されている場合には、エントリーに共通名 (cn) および姓 (sn) 属性が必要になります。つまり、エントリーの作成時にこれらの属性の値を設定する必要があります。さらに、telephoneNumberuidstreetAddress、および userPassword などの説明的な属性など、エントリーでオプションで使用可能な属性が多数あります。