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9.3. セキュリティーメソッドの概要

Directory Server には、特定のニーズに適合する全体的なセキュリティーポリシーを設計する方法が複数あります。セキュリティーポリシーは、機密情報が権限のないユーザーによって変更および取得されないように厳密でなければなりませんが、同時に簡単に管理できる必要があります。複雑なセキュリティポリシーは、アクセスが必要な情報へのアクセスを妨げるミスや、アクセスを許可してはならないディレクトリー情報の変更や取得を許可するミスにつながる可能性があります。

表9.1 Directory Server で利用可能なセキュリティーメソッド

セキュリティーメソッド 詳細
認証 ある当事者が別の当事者のアイデンティティーを検証する手段です。たとえば、クライアントは LDAP バインド操作時に Directory Server にパスワードを提供します。
パスワードポリシー パスワードが有効であると見なされるために満たさなければならない基準を定義します (期限、長さ、構文など)。
暗号化 情報のプライバシーを保護します。データを暗号化する際には、受信者だけが理解できるようにスクランブルをかけます。
アクセス制御 異なるディレクトリーユーザーに付与されたアクセス権を調整し、必要な認証情報またはバインド属性を指定する方法を提供します。
アカウントの非アクティブ化 すべての認証の試行が自動的に拒否されるよう、ユーザーアカウント、アカウントグループ、またはドメイン全体を無効にします。
セキュアな接続 TLS、Start TLS、または SASL での接続を暗号化することで、情報の整合性を維持します。送信中に情報が暗号化されていれば、受信者は送信中に情報が変更されていないと判断できます。最小限のセキュリティー強度係数を設定することにより、セキュアな接続が必要になる場合があります。
監査 ディレクトリーのセキュリティーが侵害されたかどうかを判断します。簡単な監査方法の 1 つは、ディレクトリーが維持するログファイルを確認することです。
SELinux Red Hat Enterprise Linux マシンでセキュリティーポリシーを使用して、Directory Server ファイルとプロセスへのアクセスを制限して制御します。
セキュリティー設計においてセキュリティーを維持するこれらのツールをいくつか組み合わせ、レプリケーションやデータ配布などのディレクトリーサービスのその他の機能を組み込んで、セキュリティー設計をサポートします。