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9.4.4. プロキシー認証

ディレクトリーへのアクセスを要求するユーザーは、自身の DN ではなくプロキシー DN にバインドするため、プロキシー認証は特殊な形式の認証です。
プロキシー DN は、ユーザーが要求する操作を実行するための適切な権限を持つエンティティーです。プロキシー権限が個人またはアプリケーションに付与されると、Directory Manager DN を除き、プロキシー DN として DN を指定する権限が付与されます。
プロキシ権限の主な利点の 1 つは、LDAP アプリケーションを有効にして、単一のバインドで単一のスレッドを使用し、Directory Server に対して要求を行う複数のユーザーに対応できることです。クライアントアプリケーションは、ユーザーごとにバインドおよび認証する代わりに、プロキシー DN を使用して Directory Server にバインドします。
プロキシー DN は、クライアントアプリケーションによって送信される LDAP 操作で指定されます。以下に例を示します。
ldapmodify -D "cn=Directory Manager" -W -x -D "cn=directory manager" -W -p 389 -h server.example.com -x -Y "cn=joe,dc=example,dc=com" -f mods.ldif
この ldapmodify コマンドは、manager エントリー (cn=Directory Manager) に Joe という名前のユーザー (cn=joe) のパーミッションを付与し、mods.ldif ファイルに変更を適用します。マネージャーは、この変更を加えるためにジョーのパスワードを提供する必要はありません。
注記
プロキシーメカニズムは非常に強力であり、慎重に使用する必要があります。プロキシー権限は ACL の範囲内で付与され、プロキシ権限を持つエントリーによって偽装できるユーザーを制限する方法はありません。つまり、ユーザーにプロキシー権限が付与されると、そのユーザーは対象の任意ユーザーをプロキシーすることができます。特定のユーザーのみにプロキシー権限を制限する方法はありません。
たとえば、エンティティーに dc=example,dc=com ツリーへのプロキシー権限がある場合、エンティティーは何でも実行できます。したがって、プロキシ ACI が DIT の可能な限り低いレベルに設定されていることを確認してください。
このトピックに関する詳細情報は、『『Administration Guide』』の「Managing Access Control」の章の「Proxied Authorization ACI Example」のセクションを参照してください。