Red Hat Training

A Red Hat training course is available for Red Hat Directory Server

第5章 参照整合性の維持

参照整合性 は、関連するエントリー間の関係を維持するデータベースメカニズムです。Directory Server では、参照整合性を使用して、ディレクトリー内の 1 つのエントリーへの更新が、更新されたエントリーを参照するその他のエントリーに適切に反映されるようにします。
たとえば、ユーザーのエントリーがディレクトリーから削除され、参照整合性が有効になると、サーバーはユーザーがメンバーとなるグループからユーザーも削除します。参照整合性が有効になっていないと、ユーザーは管理者が手動で削除するまでグループのメンバーのままになります。これは、ユーザーおよびグループの管理のディレクトリーに依存する他の製品と Directory Server を統合する場合に重要な機能です。

5.1. 参照整合性の仕組み

Referential Integrity Postoperation プラグインを有効にすると、削除または名前変更の操作直後に、指定した属性で整合性の更新を実行します。デフォルトでは、Referential Integrity Postoperation プラグインは無効になっています。
注記
プラグインによって生成された操作が複製されるため、マルチマスターレプリケーション環境の 1 つのサプライヤーレプリカでのみ Referential Integrity Postoperation プラグインを有効にします。複数のマスターでプラグインを有効にする場合は、サーバーですでに実行された操作を管理し、再適用する必要があります。
ユーザーエントリーまたはグループエントリーがディレクトリー内で削除、更新、名前変更、または移動すると、その操作は参照整合性ログファイルに記録されます。ログファイル内の識別名 (DN) の場合、Directory Server はプラグイン設定に設定された属性を定期的に検索および更新します。
  • エントリーの場合は、ログファイルで削除済みと表示され、ディレクトリーの対応する属性が削除されます。
  • エントリーの場合は、ログファイルで更新済みと表示され、ディレクトリーの対応する属性が更新されます。
  • エントリーの場合は、ログファイルで名前が変更または移動済みと表示され、ディレクトリーの対応する属性の名前が変わります。
デフォルトでは、Referential Integrity Postoperation プラグインが有効な場合は、削除または名前変更の操作直後に memberuniquememberowner、および seeAlso 属性で整合性の更新を実行します。ただし、Referential Integrity Postoperation プラグインの動作は、ディレクトリーのニーズに応じて複数の方法で設定できます。
  • レプリケーション変更ログに整合性の更新を記録します。
  • 更新間隔を変更します。
  • 参照整合性を適用する属性を選択します。
  • 参照整合性を無効にします。
参照整合性で使用される属性はすべて存在と等価性のためにインデックス化する 必要 があります。これらの属性をインデックス化しないと、変更操作および削除操作のためにサーバーのパフォーマンスが低下します。
nsIndexType: pres
nsIndexType: eq
nsIndexType: sub
インデックスの確認および作成に関する詳細は、「標準インデックスの作成」を参照してください。