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14.7.3. 逆参照検索の実行

逆参照 検索は、エントリーの相互参照を追跡し、参照されたエントリーに関する情報を返す簡単な方法です。たとえば、グループエントリーには、そのメンバーのユーザーエントリーへの参照が含まれます。通常検索は、最初にグループを検索し、そのメンバーを一覧表示し、各メンバーに個別の検索が必要になります。グループエントリーの逆参照検索は、メンバーに関する情報 (場所、メールアドレス、マネージャーなど) を 1 つの検索要求でグループの情報と ともに 返します。
逆参照は多くのクライアント操作を簡素化し、実行した検索操作の数を減らします。クロスリンクは、エントリー間の関係を表示します。一部の操作では、1 つのエントリーから複数のリンクの一覧を取得し、後続の検索を実行してリスト上の各エントリーから情報を取得しないといけない場合があります。逆参照により、検索のシーケンスを 1 つの検索に統合することができます。
重要
逆参照操作は、OpenLDAP コマンドラインツールのバージョン 2.4.18 以降、または逆参照検索をサポートするその他のクライアントを使用して行う必要があります。
逆参照引数の形式は次のとおりです。
-E 'deref=deref_attribute:list_of_attributes'
deref_attribute は、参照が含まれる検索ターゲットの属性です。これには、member または manager などの値に DN を持つ属性を使用できます。
注記
deref_attribute の値は DN にする必要がありますが、この属性に対する実際の定義された構文は DN 構文 (1.3.6.1.4.1.1466.115.121.1.12) である必要があります。
list_of_attributes は、参照されたエントリーの 1 つ以上の属性で、プライマリーの検索結果とともに返されます。l,mail,cn のように、複数の属性をコンマで区切ることができます。

図14.3 簡単な参照検索コマンド

簡単な参照検索コマンド
検索引数で要求された逆参照された情報は、残りの検索結果とともに返されます。たとえば、この逆参照検索は、検索ターゲットエントリー (エンジニアグループ) の member 属性を deref_attribute として使用するように指示します。その後、各メンバーの locality 属性を返します。
# ldapsearch -x -D "cn=Directory Manager" -W -b "cn=Example,ou=Groups,dc=example,dc=com" -E 'deref=member:mail,cn' "(objectclass=*)"

# Engineers, Groups, example.com
dn: cn=Engineers,ou=Groups,dc=example,dc=com
control: 1.3.6.1.4.1.4203.666.5.16 false MIQAAADNMIQAAAA1BAZtZW1iZXIEK2NuPURld
 mVsb3BlcnMsIG91PUdyb3VwcywgZGM9ZXhhbXBsZSxkYz1jb20whAAAADIEBm1lbWJlcgQoY249VG
 VzdGVycywgb3U9R3JvdXBzLCBkYz1leGFtcGxlLGRjPWNvbTCEAAAAVAQGbWVtYmVyBCp1aWQ9ZW5
 nLCBvdT1lbmdpbmVlcmluZywgZGM9ZXhhbXBsZSxkYz1jb22ghAAAABowhAAAABQEAWwxhAAAAAsE
 CUNhbWJyaWRnZQ==
# member: <mail=jsmith@example.com><cn=John Smith>;uid=jsmith,ou=people,dc=example,dc=com
 objectClass: top
objectClass: inetuser
objectClass: groupofnames
cn: Engineers
member: uid=jsmith,ou=people,dc=example,dc=com