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15.3.2. マルチマスターレプリケーション

Directory Server は、多数のサーバーで同じ接尾辞(データベース)をマスターできる複雑なレプリケーションシナリオもサポートします。この接尾辞は、各サーバーの読み取り/書き込みレプリカに保持されます。つまり、各サーバーは読み取り/書き込みレプリカの changelog を維持することを意味します。
Directory Server のマルチマスターレプリケーションは、20 マスター、無制限のハブサプライヤー、および無制限のコンシューマーサーバーをサポートします。各コンシューマーサーバーは読み取り専用レプリカを保持します。コンシューマーはすべてのサプライヤーから更新を受け取ることができます。コンシューマーには、コンシューマーが受信する更新リクエストを転送するために、すべてのサプライヤーに参照が定義されます。このようなシナリオは、マルチマスターレプリケーション と呼ばれます
図15.2「マルチマスターレプリケーション(Two Masters)」 は、2 つのサプライヤーサーバーと 2 つのコンシューマーサーバーで構成されるマルチマスターレプリケーションのシナリオの例を示しています。

図15.2 マルチマスターレプリケーション(Two Masters)

マルチマスターレプリケーション(Two Masters)
図15.3「マルチマスターレプリケーション(4 つのマスター)」 は、4 つのサプライヤーサーバーと 8 つのコンシューマーサーバーを使用するマルチマスターレプリケーションのシナリオの例を示しています。このサンプル設定では、各サプライヤーサーバーは、他の 2 つのサプライヤーサーバーとすべての 8 つのコンシューマーサーバーにデータをフィードするために 10 個のレプリカ合意で設定されます。(Directory Server には、マルチマスターレプリケーションに 20 マスターをいくつでも指定できます。)

図15.3 マルチマスターレプリケーション(4 つのマスター)

マルチマスターレプリケーション(4 つのマスター)
マルチマスター設定の利点は以下のとおりです。
  • 1 つのサプライヤーにアクセスできない場合に自動書き込みフェイルオーバー。
  • 更新は、地理的に分散した環境のローカルサプライヤーで実行されます。
注記
レプリケーションが続行する速度は、以下によって異なります。
  • ネットワークの速度。
  • 送信および受信のレプリカ合意の数。最適なパフォーマンスを得るために、最大 8 アウトバウンドと 4 つの受信レプリカ合意を設定します。
マルチマスターレプリケーションを設定する手順は、「マルチマスターレプリケーションの設定」 を参照してください。