第4章 binutils

binutils は、GNU リンカー、GNU アセンブラー、およびオブジェクトファイルおよびバイナリーを検査および操作できるその他のユーティリティーなど、さまざまなバイナリーツールの集合です。Red Hat Developer Toolset バージョンの binutils で配布されるバイナリーツールの完全リストは、表4.1「Red Hat Developer Toolset の binutils に含まれるツール」 を参照してください。

Red Hat Developer Toolset には binutils 2.36.1 が同梱されています。このバージョンは、Red Hat Enterprise Linux および Red Hat Developer Toolset の以前のリリースに含まれるバージョンよりも新しいもので、バグ修正および機能強化を提供します。

表4.1 Red Hat Developer Toolset の binutils に含まれるツール

名前説明

addr2line

アドレスをファイル名および行番号に変換します。

ar

アーカイブからファイルを作成、変更、および抽出します。

as

GNU アセンブラー。

c++filt

mangled C++ シンボルをデコードします。

dwp

DWARF オブジェクトファイルを 1 つの DWARF パッケージファイルに統合します。

elfedit

ELF ファイルを検査および編集します。

gprof

プロファイリング情報を表示します。

ld

GNU リンカー。

ld.bfd

GNU リンカーの代替。

ld.gold

GNU リンカーの代替手段

nm

オブジェクトファイルのシンボルをリスト表示します。

objcopy

オブジェクトファイルをコピーして変換します。

objdump

オブジェクトファイルの情報を表示します。

ranlib

このアーカイブにアクセスするために、アーカイブのコンテンツにインデックスを生成します。

readelf

ELF ファイルに関する情報を表示します。

size

オブジェクトまたはアーカイブファイルのセクションサイズをリスト表示します。

strings

ファイルの印刷可能な文字シーケンスを表示します。

strip

オブジェクトファイルからのすべてのシンボルを破棄します。

4.1. binutils のインストール

Red Hat Developer Toolset では、devtoolset-12-binutils パッケージで binutils が提供され、「Red Hat Developer Toolset のインストール」 で説明されているように、devtoolset-12-toolchain で自動的にインストールされます。