Red Hat Decision Manager インストールの計画

Red Hat Decision Manager 7.4

Red Hat Customer Content Services

概要

本書は、Red Hat Decision Manager の各種インストールオプションを説明します。

前書き

システム管理者が選択できる Red Hat Decision Manager インストールオプションは複数あります。

第1章 Red Hat Decision Manager について

Red Hat Decision Manager は、ビジネスルール管理、複合イベント処理、Decision Model & Notation (DMN) 実行、およびプランニングの問題を解決するための Red Hat Business Optimizer を組み合わせた、オープンソースの意思決定管理プラットフォームです。これにより、ビジネス上の意思決定を自動化し、そのロジックをビジネス全体で利用できるようにします。

ルール、デシジョンテーブル、および DMN モデルなどのビジネスアセットは、集中リポジトリーに保存されます。これにより、ビジネス全体で一貫性や透明性を維持し、監査を行えます。ビジネスユーザーは、IT 担当者からのサポートなしでビジネスロジックを編集できます。

Red Hat Decision Manager は OpenShift 上で完全にサポートされ、各種プラットフォームにインストールできます。

第2章 Red Hat Decision Manager のコンポーネント

Red Hat Decision Manager は、Decision Central と Decision Server で構成されます。

  • Business Central は、ビジネスルールを作成して管理するグラフィカルユーザーインターフェースです。Business Central は、Red Hat JBoss EAP インスタンスまたは Red Hat OpenShift Container Platform (OpenShift) にインストールできます。

    Business Central は、スタンドアロンの JAR ファイルとしても使用できます。Business Central スタンドアロンの JAR ファイルとして使用して、アプリケーションサーバーにデプロイせずに Business Central を実行できます。

  • Decision Server では、ルール、およびその他のアーティファクトが実行されます。ルールのインスタンスを作成して実行し、プランニングの問題を解決します。Decision Server は、Red Hat JBoss EAP インスタンス、OpenShift、Oracle WebLogic Server インスタンス、IBM WebSphere Application Server インスタンスに、または Spring Boot アプリケーションの一部としてインストールできます。

    Decision Server は、管理モードまたは非管理モードで動作するように設定できます。非管理モードの場合は、手動で KIE コンテナー (デプロイメントユニット) を作成および維持する必要があります。KIE コンテナーは、プロジェクトの特定のバージョンです。管理モードの場合は、Decision Manager コントローラーが Decision Server の設定を管理し、ユーザーはコントローラーと対話形式で KIE コンテナーを作成、維持します。

    Decision Manager は、Business Central に組み込まれています。Business Central を Red Hat JBoss EAP にインストールしている場合は、Execution Server ページを使用して KIE コンテナーを作成および維持します。Business Central がインストールされていない場合は、ヘッドレス Decision Manager コントローラーをインストールし、REST API または Decision Server Java Client API を使用してコントローラーを操作します。

  • Red Hat Business Optimizer は、Business Central および Decision Server に統合された組み込み可能な軽量プランニングエンジンで、プランニングの問題を最適化します。Red Hat Business Optimizer を使用すれと、最適化のためのヒューリスティック法およびメタヒューリスティック法を効率的なスコア計算と組み合わせて、Java プログラマーがプランニングの問題を効率的に解決できるようになります。

第3章 利用可能なインストールプラットフォーム

Red Hat Decision Manager のリリースはすべて、オペレーティングシステム、JVM、Web ブラウザー、データベースのさまざまな組み合わせで認定されています。Red Hat は、サポートされる構成およびテスト済みの構成に対して、実稼働サポートと開発サポートをお客様のサブスクリプション契約に従って提供します。サポート対象の構成とバージョン番号の詳細は、以下のページを参照してください。

Red Hat Decision Manager 7.4 は、以下のアプリケーションプラットフォームで利用できます。

  • Red Hat JBoss EAP
  • Red Hat JBoss Web Server
  • Red Hat OpenShift Container Platform
  • Oracle WebLogic Server
  • IBM WebSphere Application Server

3.1. Red Hat JBoss EAP 7.2

Red Hat JBoss Enterprise Application Platform (Red Hat JBoss EAP) 7.2 は、Java Enterprise Edition 7 (Java EE 7) の Full Profile および Web Profile 仕様の認定実装です。Red Hat JBoss EAP には、高可用性クラスタリング、メッセージング、分散キャッシングなどの機能に対する事前設定オプションが用意されています。ユーザーは、Red Hat JBoss EAP が提供するさまざまな API およびサービスを使用して、アプリケーションを開発、デプロイ、および実行することもできます。

Business Central および Decision Server は、同じ Red Hat JBoss EAP インスタンスにインストールできますが、実稼働環境では異なるサーバーにインストールすることが推奨されます。

3.2. Red Hat JBoss Web Server

Red Hat JBoss Web Server は Tomcat をベースとしたエンタープライズレベルの Web サーバーで、中規模および大規模のアプリケーション用に設計されています。Red Hat JBoss Web Server は、Java Server Pages (JSP) および Java Servlet テクノロジー、PHP、ならびに CGI をデプロイするための単一プラットフォームを提供します。

Decision Manager とヘッドレス Decision Manager コントローラーは、Red Hat Web Server 5.1.0 以降にインストールすることができます。

3.3. Red Hat OpenShift Container Platform

Red Hat OpenShift Container Platform (OpenShift) は、Docker と Kubernete を組み合わせ、API を提供してこれらのサービスを管理します。OpenShift Container Platform を使用すると、コンテナーを作成および管理できます。

この場合、Red Hat Decision Manager のコンポーネントは、別の OpenShift Pod としてデプロイされます。各 Pod のスケールアップおよびスケールダウンを個別に行い、特定のコンポーネントに必要な数だけコンテナーを提供できます。標準の OpenShift 方法を使用して Pod を管理し、負荷を分散できます。

Business Central と Decision Server はどちらも、OpenShift にインストールすることができます。

3.4. Oracle WebLogic Server

Oracle WebLogic Server は、分散型 Java アプリケーションを作成するために API の標準セットを提供する Java EE アプリケーションサーバーで、データベース、メッセージングサービス、外部のエンタープライズシステムへの接続など、さまざまなサービスにアクセスできます。ユーザーは、Web ブラウザークライアントまたは Java クライアントを使用してこれらのアプリケーションにアクセスします。

Oracle Weblogic Server インスタンスに Decision Server をインストールし、ヘッドレス Decision Manager コントローラーと、REST API または Decision Server Java Client API を使用して Decision Server と対話します。また、スタンドアロンの Business Central を使用して Decision Server と対話することもできます。

3.5. IBM WebSphere Application Server

IBM WebSphere Application Server は、Java ベースの Web アプリケーションをホストし、Java EE 認定ランタイム環境を提供する、柔軟性が高くかつ安全な Web アプリケーションです。IBM WebSphere 9.0 は Java SE 8 に対応しており、バージョン 8.5.5.6 以降の Java EE 7 に完全に準拠しています。

IBM WebSphere Application Server インスタンスに Decision Server をインストールし、ヘッドレス Decision Manager コントローラーを使用して、Decision Server と対話します。また、スタンドアロン Business Central を使用して、Decision Server と対話することもできます。

3.6. 開発オプション

開発者は Red Hat Decision Manager でアセットを開発できます。ただし、任意で Red Hat JBoss Developer Studio と Red Hat Decision Manager を統合して複雑なアプリケーションを作成し、コードの自動補完を活用できます。

Red Hat JBoss Developer Studio は Eclipse をベースにした統合開発環境 (IDE) です。Eclipse、Eclipse Tooling、および Red Hat JBoss EAP を組み合わせることで、ツールとランタイムコンポーネントを統合します。Red Hat JBoss Developer Studio は Red Hat Decision Manager 用のツールおよびインターフェースを持つプラグインを提供します。これらのプラグインはコミュニティーバージョンの製品が基になっています。そのため、Red Hat Decision Manager プラグインは Drools プラグインと呼ばれます。

第4章 サポートされているリポジトリー

4.1. Git リポジトリー

Git リポジトリーは Business Central 内で使用され、オーサリング環境で作成したプロセス、ルール、その他のアーティファクトをすべて保存します。Git は分散バージョン管理システムであり、リビジョンをコミットオブジェクトとして実装します。変更をリポジトリーにコミットすると、Git リポジトリーに新規コミットオブジェクトが作成されます。Business Central でプロジェクトを作成すると、Business Central に接続された Git リポジトリーにそのプロジェクトが追加されます。

他の Git リポジトリーにプロジェクトがある場合は、それらを Business Central のスペースにインポートできます。Git フックを使用して、内部 Git リポジトリーを外部リポジトリーに同期できます。

4.2. Apache Maven

Apache Maven は分散型構築自動化ツールで、ソフトウェアプロジェクトのビルドおよび管理を行うために Java アプリケーション開発で使用されます。Maven を使用して、ご自分の Red Hat Decision Manager プロジェクトをビルド、公開、およびデプロイすることができます。Maven には以下のメリットがあります。

  • ビルドプロセスが容易で、すべてのプロジェクトに対して統一された構築システムが実装される。
  • プロジェクトに必要なすべての JAR ファイルがコンパイル時に利用可能になる。
  • 適切なプロジェクト構造が設定される。
  • 依存関係およびバージョンが適切に管理される。
  • Maven では事前定義されたさまざまな出力タイプ (JAR および WAR 等) にビルドされるので、追加のビルドプロセスが不要である。

Maven はリポジトリーを使用して Java ライブラリー、プラグイン、およびその他のビルドアーティファクトを保存します。これらのリポジトリーは、ローカルまたはリモートいずれかの形態をとることができます。Red Hat Decision Manager によりローカルおよびリモート maven リポジトリーが維持され、それをご自分のプロジェクトに追加してルール、プロセス、イベント、およびその他のプロジェクト依存関係にアクセスすることができます。プロジェクトおよびアーキタイプをビルドする際に、Maven はローカルまたはリモートリポジトリーから Java ライブラリーおよび Maven プラグインを動的に取得します。これにより、プロジェクト全体を通じて依存関係の共有および再利用が促進されます。

第5章 Red Hat Decision Manager のインストール環境オプション

Red Hat Decision Manager を使用して、ビジネスアプリケーションを開発する開発環境、デシジョンをサポートするアプリケーションを実行するランタイム環境、またはその両方を設定できます。

  • 開発環境: 通常、1 つの Business Central インストールと 1 つ以上の Decision Server インストールで構成されます。開発者は Business Central を使用して、デシジョンやその他のアーティファクトを作成できるほか、Decision Server を使用して、作成したアーティファクトをテストできます。
  • ランタイム環境: ランタイム環境は、1 つ以上の Decision Server インスタンスに Business Central がありまたはなしの形で構成されます。Business Central には Decision Manager コントローラーが組み込まれています。Business Central をインストールしている場合は、MenuDeployExecution servers ページを使用してコンテナーを作成および維持します。Business Central なしで Decision Server の管理を自動化するには、ヘッドレス Decision Manager コントローラーを使用することで可能になります。

開発環境もランタイム環境も、クラスター化することが可能です。クラスター化した開発環境またはランタイム環境は、2 台以上のコンピューターのクラスター で構成されます。Red Hat Decision Manager の開発環境をクラスター化すると、高可用性、コラボレーションの強化という利点があり、ランタイム環境のクラスター化では、高可用性と負荷分散の利点が得られます。高可用性により、1 台のサーバーで障害が発生したときにデータが損失する可能性を減らすことができます。障害が発生したサーバーにあるデータのコピーを提供することで、サーバーに障害が発生したときに、別のサーバーが不足を補います。障害が発生したサーバーが再度オンラインになったら、クラスターに戻ります。負荷分散はクラスターのノード間でコンピューティング負荷を共有します。これにより、パフォーマンスが改善します。

注記

ランタイム環境のクラスター化は、Red Hat JBoss EAP 7.2 および Red Hat OpenShift Container Platform でのみサポートされています。Business Central のクラスタリングは現在テクノロジープレビューとなっており、実稼働での使用はまだ想定されていません。Red Hat のテクノロジープレビューの詳しい情報は「テクノロジプレビュー機能のサポート範囲」を参照してください。

第6章 Red Hat Decision Manager ロールおよびユーザー

Business Central または Decision Server にアクセスするには、サーバーを起動する前にユーザーを作成して適切なロールを割り当てます。本セクションでは、利用可能な Red Hat Decision Manager のユーザーロールを説明します。

注記

adminanalyst および rest-all のロールは Business Central 用に予約されており、kie-server ロールは Decision Server 用に予約されています。このため、Business Central か Decision Server、またはその両方がインストールされているかによって、利用可能なロールは変わってきます。

  • admin: admin ロールを持つユーザーは Business Central 管理者です。管理者は、ユーザーの管理や、リポジトリーの作成、クローン作成、および管理ができます。アプリケーションで必要な変更にすべてアクセスできます。admin ロールを持つユーザーは、Red Hat Decision Manager の全領域にアクセスできます。
  • analyst: analyst ロールが割り当てられているユーザーには、すべてのハイレベル機能を利用でき、プロジェクトのモデル化が可能です。ただし、このユーザーは、Design → Projects ビューでスペースにコントリビューターを追加したり、スペースを削除したりできません。Deploy → Execution Servers ビューへのアクセスは管理者を対象にしており、analyst ロールを持つユーザーは利用できません。ただし、Deploy ボタンは、このユーザーが Library パースペクティブにアクセスする時に利用できます。
  • rest-all: rest-all ロールを持つユーザーは、Business Central REST 機能にアクセスできます。
  • kie-server: kie-server ロールが割り当てられたユーザーは Decision Server (KIE サーバー) REST 機能を利用できます。このロールは、Business Central で Manage ビューおよび Track ビューにアクセスするユーザーに必要になります。

第7章 Red Hat シングルサインオンとの統合

Red Hat シングルサインオン (RH-SSO) は、ブラウザーアプリケーションと REST Web サービス、および Git へのアクセスのセキュリティーを確保するために使用できるシングルサインオンソリューションです。

Red Hat Decision Manager と RH-SSO を統合する際に、Red Hat Decision Manager 向けに SSO と IDM (アイデンティティ管理) を作成します。RH-SSO のセッション管理機能により、一度認証するだけで、Web 上でさまざまな Red Hat Decision Manager 環境を使用できます。

RH-SSO 7.3 は Red Hat JBoss EAP 7.2 上の Red Hat Decision Manager でサポートされています。

第8章 関連資料

付録A バージョン情報

Documentation last updated on Monday, August 12, 2019.

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