Red Hat Training

A Red Hat training course is available for Red Hat Decision Manager

Red Hat Decision Manager 7.0 リリースノート

Red Hat Decision Manager 7.0

Red Hat Customer Content Services

概要

本書は、Red Hat Decision Manager 7.0 のリリースノートです

前書き

本リリースノートでは、Red Hat Decision Manager 7.0 の新機能に焦点を当てて説明します。また、テクノロジープレビュー機能の一覧を示すと共に、既知の問題についても触れます。

第1章 Red Hat Decision Manager について

Red Hat Decision Manager は、ビジネスルール管理、複合イベント処理、Decision Model & Notation (DMN) 実行、およびプランニングの問題を解決するための Business Optimizer を組み合わせた、オープンソースの意思決定管理プラットフォームです。これにより、ビジネス上の意思決定を自動化し、そのロジックをビジネス全体で利用できるようにします。

ルール、デシジョンテーブル、および DMN モデル等のビジネスアセットは、集中リポジトリーに保存されます。これにより、ビジネス全体で一貫性や透明性を維持し、監査を行えます。ビジネスユーザーは、IT 担当者のサポートを受けることなくビジネスロジックを編集できます。

Red Hat Decision Manager は OpenShift 上で完全にサポートされ、さまざまなプラットフォームにインストールできます。

第2章 新機能

本セクションでは、Red Hat Decision Manager 7.0 の新機能に焦点を当てて説明します。

2.1. Red Hat Decision Manager

2.1.1. ナビゲーションの改善

Red Hat Decision Manager ホームページ

Red Hat Decision Manager ホームページのデザインが改められ、ナビゲーションが容易になりました。

2.1.2. ガイド付きデシジョンテーブル

  • ガイド付きデシジョンテーブルで、列を作成および編集するための新たなウィザードを利用できるようになりました。
  • ヒットポリシーを利用できるようになりました。ヒットポリシーにより、ガイド付きデシジョンテーブルのルール (行) を適用する順番が決められます。
  • ガイド付きデシジョンテーブルエディターで、リンクされた複数のガイド付きデシジョンテーブルが表示されるようになりました。

2.1.3. Projects Metrics ダッシュボード

Project パースペクティブのリストに表示される全プロジェクトに対して、新たなダッシュボードが利用できるようになりました。Projects Metrics ダッシュボードには、すべてのプロジェクトコントリビューションメトリックが表示されます。この新たなダッシュボードは、Authoring グループにあった Contributors ページに代わるものです。

2.1.4. Team Metrics ダッシュボード

Team Metrics ダッシュボードには、チームの全プロジェクトメトリックが 1 ページに表示されます。この新たなダッシュボードは、以前 Authoring グループにあった Contributors ページに代わるものです。

2.1.5. Decision Server

Decision Server (kie-server とも呼ばれます) の機能が拡張されました。これにより、コアエンジン機能がサポートされ、リモート API を利用できるようになりました。さらに、以下に示すアーキテクチャー変更が取り入れられました。

2.1.5.1. Red Hat Decision Manager と実行サーバーの分離

Red Hat Decision Manager は、すべてのリクエストを実行サーバーに委譲するようになりました。主なメリットは、Red Hat Decision Manager を使用してあらゆる実行サーバーのセットを監視できるようになったことです。

2.1.5.2. スマートルーター

スマートルーター (kie-server-router とも呼ばれます) をプロキシーとして使用し、独立した複数のプロセス実行サーバーの管理に役立てることができるようになりました。

2.1.5.3. エイリアス

実行サーバーのリモート REST API で、コンテナー ID の代わりにエイリアスを使用できるようになりました。

2.1.6. Red Hat Decision Manager Monitoring Web アプリケーション

今回のリリースには、新たなディストリビューション war ファイルが含まれています。これにより、カスタムクラウドイメージをビルドできます。Decision Server インスタンスと共に Red Hat Decision Manager Monitoring Web アプリケーションを使用して、コンテナー、プロセスインスタンス、タスク、ダッシュボード、およびクラウドのその他のランタイム機能を管理することができます。標準の Red Hat Decision Manager ディストリビューションとは異なり、オーサリング機能を利用することはできません。

注記

オンプレミスのデプロイメントには、標準の Red Hat Decision Manager war ファイルを使用してください。

2.1.7. KIE Server Maven プラグイン

新たな Maven プラグインにより KIE Server の機能が拡張されました。これにより、ビルド内から直接 KIE Server および KIE Controller の REST API と対話することができます。この対話により、KJar をビルドする際の CI/CD パイプラインとのインテグレーションが容易になります。したがって、(KIE Server か管理対象かどうかに関係なく) KJar を実行環境に直接デプロイすることができます。

2.2. Business Optimizer

  • マルチスレッド分割検索を利用することができます。Business Optimizer では、複雑な設定をせずに、単一のデータセットを複数スレッドに分割して解決できるようになりました。この機能拡張では、1 つの問題に複数の CPU コアが活用されます。分割検索により、配送経路のユースケースにジオフェンシングを実装することができます。
  • Solution インターフェースは非推奨となりました。ソリューションクラスには @PlanningSolution アノテーションしか必要ありません。
  • ソルバー設定でスコアのタイプを定義する必要がなくなりました。Business Optimizer がドメインモデルから自動的に判断します。
  • Business Optimizer エディター画面で、すべての終了タイプを追加できるようになりました (複合的な終了を含みます)。フェーズ設定セクションでは、Construction Heuristic 設定を調整し、プランニング時の問題解決を最適化するローカル検索アルゴリズムを選択することができます。
  • Business Optimizer ドメインエディターで、プランニングエンティティーの複雑性を指定できるようになりました。オブジェクト階層をナビゲートして、並べ替えの属性を定義します。多くの構築ヒューリスティックアルゴリズムが、この情報を使用してより優れた初期ソリューションを構築します。
  • Business Optimizer 実行サーバーで、リアルタイムプランニングがサポートされるようになりました。

2.3. 新規コンポーネント名

Red Hat Decision Manager 7.0 では、コンポーネントの名前が以下のように変更されています。

Red Hat JBoss BRMSRed Hat Decision Manager (RHDM)

BRMS

Decision Manager

Business Central

Decision Central

Business Resource Planner

Business Optimizer

ガイド付きデシジョンテーブルエディター

ガイド付きデシジョンテーブルデザイナー

Realtime Decision Server

Decision Server

KIE Execution Server

Decision Server (Decision Management 機能)、Planner Server (Business Optimization 機能)、KIE Server (Decision Server と Planner Server の両方を包む)

組織単位

スペース

Drools エンジン、ルールエンジン

デシジョンエンジン

2.4. ビジネスアプリケーションテンプレート

2.4.1. テンプレート

Red Hat Decision Manager にはビジネスアプリケーションテンプレートが用意されており、ビジネスの要件に合わせて修正できます。Red Hat Decision Manager 7.0 には、Employee Roster テンプレートが含まれています。

2.4.2. テンプレートの配布

テンプレートは、カスタマーポータルからダウンロード可能な Red Hat Decision Manager ディストリビューションに含まれています。

2.4.3. テンプレートに関するサポート

ビジネスアプリケーションテンプレートは Red Hat Decision Manager の根幹部分ではなく、お客様のソリューションを構築する目的で提供されるものです。お客様側でテンプレートを選択し、特定のニーズに合わせて修正していただく必要があります。テンプレートの内容そのものに、製品固有のサービスレベルアグリーメント (SLA) は適用されません。テンプレートのアップデート時に考慮できるように、機能上の問題、機能拡張の要求、およびフィードバックがあれば是非お知らせください。

Red Hat サポートは、想定される用途に対し、商慣習上妥当と考えられる範囲でこのテンプレートの使用に関するガイダンスを提供します。ただし、テンプレートで提供される UI コードの例は除きます。

注記

製品サポート の適用は、Red Hat Decision Manager ディストリビューションに限定されます。

第3章 テクノロジープレビュー

本セクションでは、Red Hat Decision Manager 7.0 のテクノロジープレビュー機能を一覧にして示します。テクノロジープレビュー機能について説明した以下の注記をご確認ください。

重要

これらの機能は、テクノロジープレビュー用途に限られます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされていません。これらは、機能的に完全でない可能性があり、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨しません。テクノロジープレビュー機能は、近々発表予定の製品機能をリリースに先駆けてご提供することにより、お客様に機能性をテストしていただき、開発プロセス中にフィードバックをお寄せいただくことを目的としています。Red Hat テクノロジープレビュー機能のサポート対象範囲に関する詳しい情報は、「テクノロジプレビュー機能のサポート範囲」を参照してください。

3.1. テクノロジープレビュー機能

  • エイリアス: Planner Server のリモート REST API で、コンテナー ID の代わりにエイリアスを使用できます。
  • アプリケーションライフサイクルオートメーション: Red Hat Decision Manager の一機能で、デフォルトでは無効になっています。
  • コンテンツ管理システム (CMS) パースペクティブ: Red Hat Decision Manager の一機能で、デフォルトでは無効になっています。
  • OpenShift コンテナープラットフォーム: Decision Server、Planner Server、および Decision Central で構成されます。
  • プロビジョニングユーザーインターフェース: 選択したプロジェクトのビルドを Decision Central から実行中に、サーバーを OpenShift にプロビジョニングすることができます。Red Hat Decision Manager の一機能で、デフォルトでは無効になっています。
  • 予測モデルマークアップ言語 (PMML): PMML 機能は、以下の予測モデルタイプに対して完全に実装されています。

    • デシジョンツリー
    • リグレッション
    • スコアカード

      マイニングモデルタイプに関しては、PMML は部分的に実装されており、以下のモデルサブタイプに対して利用可能です。

    • すべて選択
    • 最初を選択
    • モデルチェーン

3.2. テクノロジープレビューの実験的機能

以下のテクノロジープレビュー機能は実験的で、新たな API の変更が必要となる場合があります。

  • マルチスレッド実行: 1 つのデータセットを複数スレッドに分割して解決します。デフォルトでは無効になっていますが、KieBaseConfiguration オプションまたはシステムプロパティーにより有効にすることができます。詳細は、『Drools Documentation』の「Multithreaded rule engine」を参照してください。
  • ルールユニット: ルールユニットでは、宣言型のアプローチが用いられます。1 つのルールセットを小さなルールに分割し、異なるデータソースをこれらのユニットにバインドし、個々のユニットを実行します。ルールユニットはデータソース、グローバル変数、およびルールで構成されます。

3.2.1. アプリケーションライフサイクルオートメーションおよびプロビジョニングユーザーインターフェースの有効化

Red Hat Decision Manager の設定により、アプリケーションライフサイクルオートメーションおよびプロビジョニングユーザーインターフェース機能を有効にすることができます。

  1. SettingsRolesadmin に移動します。
  2. Pages を展開し、Read フィールドをクリックして Deployments を有効にします。

3.2.2. コンテンツ管理システム (CMS) パースペクティブの有効化

Red Hat Decision Manager の設定により、CMS パースペクティブを有効にすることができます。

  1. SettingsRolesadmin に移動します。
  2. Pages を展開し、Read フィールドをクリックして Page Authoring を有効にします。

3.2.3. 予測モデルマークアップ言語 (PMML) の有効化

この機能では、設定オプション org.drools.compiler.compiler.PMMLCompiler が使用されます。この設定オプションの有効な値は、以下のとおりです。

  • org.kie.pmml.pmml_4_2.PMML4Compiler: PMML のサポートが必要なほとんどの場合に、この値を使用します。
  • org.drools.pmml.pmml_4_2.PMML4Compiler: この値では下位互換性が得られます。従来の drools-pmml モジュールおよび drools-scorecards モジュールに依存している場合に限り使用してください。

第4章 既知の問題

本セクションでは、Red Hat Decision Manager 7.0 の既知の問題を紹介します。

Red Hat JBoss EAP のパスにスペースがあると、Decision Central のデプロイに失敗する [RHDM-371]

問題再現のステップ:

  1. 最新の Red Hat JBoss EAP および Decision Central をダウンロードします。
  2. Red Hat JBoss EAP を展開し、新しいディレクトリー名にスペースを挿入します。
  3. セットアップを完了し、./standalone.sh を実行します。

期待される結果: Decision Central がデプロイできます。

実際の結果: Decision Central がデプロイできず、コンソールログにエラーが表示されます。

回避策: スペースを含むディレクトリーを指定しないでください。

別のユーザーがクラスターに新しいスペースを開くと、リポジトリーが作成される [RHDM-385]

問題再現のステップ:

  1. 新しいスペースを作成し、開きます。
  2. クラスターで別のユーザーとしてスペースを開きます。

期待される結果: 別のユーザーが開いたスペースが、同じリポジトリーを使用します。

実際の結果: すべてのユーザーに対する新しいリポジトリーがクラスターに作成されます。

回避策: なし

第5章 Red Hat Decision Manager 7.0.1 で修正された問題

Red Hat Decision Manager 7.0.1 の安定性が増し、本セクションに挙げる問題が修正されました。

5.1. インストール

  • Red Hat JBoss EAP の新規インストールで、Red Hat Decision Manager インストールが失敗する [RHDM-394]
  • Red Hat Decision Manager インストーラーのインストールパスオプションに null 文字が表示される [RHDM-388]
  • Red Hat Decision Manager インストーラーの中止画面に表示されるバージョン番号が間違っている [RHDM-640]

5.2. デシジョンエンジン

  • ProtobufOutputMarshaller.orderFacts により "Comparison method violates its general contract" エラーが発生する [RHDM-459]
  • misfire および IndexOutOfBoundsError で差分コンパイルに失敗する [RHDM-486]
  • 増分更新でネストされたファクトを修正すると、ClassCastException エラーが生成される [RHDM-490]
  • 最初のパターンに制約がないと、プロパティーリアクティブの監視への join 条件プロパティーの自動追加が機能しない [RHDM-399]
  • @watch アノテーションが、ルールの累積と連携しない [RHDM-509]

5.3. Decision Central

  • 名前を変更したプロジェクトの新しい名前がスペースに表示されない [RHDM-414]
  • Red Hat JBoss EAP 管理コンソールで SSL を有効にすると、ユーザーとグループの管理が機能しない [RHDM-453]
  • Decision Central でルールアセットを検証すると、空の "Validation errors" ポップアップが表示される [RHDM-462]
  • Red Hat Decision Manager に日本語の翻訳が追加されていない [RHDM-600]
  • ファイル名にスペースが含まれていると、そのファイルをプロジェクトにアップロードできない [RHDM-395]
  • ガイド付きディシジョンテーブルのグラフデザイナーから、開いているガイド付きディシジョンテーブルを選択すると TypeError 例外が生成される [RHDM-471]
  • 数分間休止状態が続くと、Decision Central がタイムアウトになり、TypeError 例外が発生する [RHDM-457]
  • プロジェクトを削除すると、"Loading assets" ポップアップがいつまでも表示される [RHDM-382]
  • Internet Explorer の Decision Central で、テストシナリオを実行できない [RHDM-541]
  • ソルバー設定検証が完了しない [RHDM-572]
  • DMN XSD の公開 URL が正しくない [RHDM-512]
  • DMN の org.kie:kie-dmn-validation アーティファクトおよび org.kie:kie-dmn-signavio アーティファクトは Red Hat Decision Manager Maven リポジトリーに存在しない [RHDM-573]

5.4. Red Hat Business Optimizer

  • Red Hat Business Optimizer において、連鎖型で動かせない (ピン留めされた) プランニングエンティティーは移動できないはずなのに、移動する場合がある [RHDM-386]
  • Red Hat Business Optimizer の従業員の勤務表サンプルで arquillian テストが適切に作成されない [RHDM-495]
  • Red Hat Business Optimizer の従業員勤務表サンプルの errai バージョンが、サンプルの pom.xml ファイルと、kie-parent ファイルで異なっている [RHDM-518]
  • Red Hat Business Optimizer に関するいくつかの依存関係が rhdm-7.0.1.GA-add-ons.zip ディストリビューションに含まれていない [RHDM-637, RHDM-635]

5.5. OpenShift における Red Hat Decision Manager

  • Red Hat Decision Manager イメージで ActiveMQ バージョンが更新されていない [RHDM-492]
  • OpenShift テンプレート rhdm70-kieserver をインポートできない [RHDM-508, RHDM-597]
  • OpenShift テンプレートにおけるデフォルトのメモリー制限が低すぎる [RHDM-494]
  • OpenShift における永続性のボリューム要求は 1Gi が正しいはずだが、512Mi となっている [RHDM-583]
  • OpenShift テンプレートで更新したパラメーターの説明が、OpenShift カタログに含まれていない[RHDM-503]
  • OpenShift テンプレートのサービスアカウントが必要に応じて自動的に作成されず、手動で作成する必要がある [RHDM-584]
  • OpenShift リソースは ZIP ディストリビューションとして配信する必要がある [RHDM-374]

付録A バージョン情報

Documentation last updated on: Monday, October 1, 2018.

法律上の通知

Copyright © 2019 Red Hat, Inc.
The text of and illustrations in this document are licensed by Red Hat under a Creative Commons Attribution–Share Alike 3.0 Unported license ("CC-BY-SA"). An explanation of CC-BY-SA is available at http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/. In accordance with CC-BY-SA, if you distribute this document or an adaptation of it, you must provide the URL for the original version.
Red Hat, as the licensor of this document, waives the right to enforce, and agrees not to assert, Section 4d of CC-BY-SA to the fullest extent permitted by applicable law.
Red Hat, Red Hat Enterprise Linux, the Shadowman logo, JBoss, OpenShift, Fedora, the Infinity logo, and RHCE are trademarks of Red Hat, Inc., registered in the United States and other countries.
Linux® is the registered trademark of Linus Torvalds in the United States and other countries.
Java® is a registered trademark of Oracle and/or its affiliates.
XFS® is a trademark of Silicon Graphics International Corp. or its subsidiaries in the United States and/or other countries.
MySQL® is a registered trademark of MySQL AB in the United States, the European Union and other countries.
Node.js® is an official trademark of Joyent. Red Hat Software Collections is not formally related to or endorsed by the official Joyent Node.js open source or commercial project.
The OpenStack® Word Mark and OpenStack logo are either registered trademarks/service marks or trademarks/service marks of the OpenStack Foundation, in the United States and other countries and are used with the OpenStack Foundation's permission. We are not affiliated with, endorsed or sponsored by the OpenStack Foundation, or the OpenStack community.
All other trademarks are the property of their respective owners.