Data Grid のアップグレード
Data Grid を 8.2 にアップグレード
概要
Red Hat Data Grid
Data Grid は、高性能の分散型インメモリーデータストアです。
- スキーマレスデータ構造
- さまざまなオブジェクトをキーと値のペアとして格納する柔軟性があります。
- グリッドベースのデータストレージ
- クラスター間でデータを分散および複製するように設計されています。
- エラスティックスケーリング
- サービスを中断することなく、ノードの数を動的に調整して要件を満たします。
- データの相互運用性
- さまざまなエンドポイントからグリッド内のデータを保存、取得、およびクエリーします。
Data Grid のドキュメント
Data Grid のドキュメントは、Red Hat カスタマーポータルで入手できます。
Data Grid のダウンロード
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多様性を受け入れるオープンソースの強化
Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、今後の複数のリリースで段階的に用語の置き換えを実施して参ります。詳細は、弊社の CTO である Chris Wright のメッセージ を参照してください。
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第1章 Data Grid 8 のアップグレードに関する注意点
本セクションの詳細を確認してから 1 つの Data Grid 8 バージョンから別のバージョンにアップグレードしてください。
1.1. Data Grid 8.2 へのアップグレード
以下の情報を参照して、以前のバージョンの Data Grid 8 から 8.2 へのアップグレードが成功するようにします。
単一ファイルキャッシュストアを使用したデプロイメントのアップグレード
Data Grid を 8.2.0 にアップグレードすると、SingleFileStore 永続性設定を含むキャッシュで、データの破損につながる問題が発生する可能性があります。
この問題は、Data Grid 8.2.0 へのアップグレードのみに影響します。Data Grid 8.2.1 以降、この問題はアップグレード中に発生しなくなりました。
以前のバージョンから 8.2.0 にすでにアップグレードしている場合は、できるだけ早く次のことを行う必要があります。
-
$RHDG_HOME/server/data/*.datファイルをバックアップします。 - Data Grid 8.2.1 以降にアップグレードします。
アップグレードが正常に完了すると、Data Grid は破損したデータを回復し、最初の起動時に単一ファイルストアを復元します。
クロスサイトレプリケーションの状態転送
クロスサイトレプリケーションを介して他のクラスターにバックアップするキャッシュの場合は、8.2 にアップグレードした後に状態転送を実行する必要があります。
Infinispan CLI から、次のように site push-site-state コマンドを使用します。
[//containers/default]> site push-site-state --cache=cacheName --site=NYC
最低でも 8.1 からのアップグレード
8.0 からアップグレードする場合は、最初に 8.1 にアップグレードする必要があります。Data Grid 8.0 の永続データは、Data Grid 8.2 とのバイナリー互換性がありません。これは、8.2 ではユーザーのシリアライゼーションコンテキストが Data Grid のシリアライゼーションコンテキストから分離されているためです。この非互換性の問題に対処するために、Data Grid 8.2 では、クラスター起動時に Data Grid 8.1 から既存の永続キャッシュストアを自動的に変換します。ただし、Data Grid は、Data Grid 8.0 からキャッシュストアを変換しません。
ProtoStream マーシャラー設定の移行
Data Grid 8.2 は、マーシャリング機能を提供する ProtoStream ライブラリーをアップグレードします。Data Grid 8.1 からのアップグレードプロセスの一部として、ProtoStreams エントリーを Protobuf としてエンコードする方法の違いにより、データ互換性の問題が発生するのを防ぐために、ProtoStream 移行の詳細も確認する必要があります。
さらに、MessageMarshaller API および ProtoSchemaBuilder アノテーションは ProtoStream API で非推奨になりました。Data Grid 8.1 のシリアライズコンテキストイニシャライザーを、Data Grid 8.2 へのアップグレードの一環として AutoProtoSchemaBuilder アノテーションに移行する必要があります。
第2章 Data Grid サーバーのローリングアップグレードの実行
Data Grid クラスターのローリングアップグレードを実行して、ダウンタイムやデータの損失なしにバージョン間で変更します。ローリングアップグレードは、Hot Rod 経由で Data Grid サーバーおよびデータの両方をターゲットバージョンに移行します。
2.1. ターゲットクラスターの設定
ターゲット Data Grid バージョンを実行し、リモートキャッシュストアを使用してソースクラスターからデータを読み込むクラスターを作成します。
前提条件
- ターゲットアップグレードバージョンとともに Data Grid クラスターをインストールします。
ターゲットクラスターのネットワークプロパティーはソースクラスターのネットワークプロパティーが重複していないことを確認します。JGroups トランスポート設定でターゲットおよびソースクラスターの一意の名前を指定する必要があります。環境に応じて、異なるネットワークインターフェイスを使用し、ターゲットクラスターとソースクラスターを分離するためにポートオフセットを指定することもできます。
手順
ソースクラスターから移行する各キャッシュについて、ターゲットクラスターに
aRemoteCacheStoreを追加します。リモートキャッシュストアは Hot Rod プロトコルを使用して、リモート Data Grid クラスターからデータを取得します。リモートキャッシュストアをターゲットクラスターに追加する場合は、ソースクラスターからデータをレイジーに読み込み、クライアント要求を処理します。
すべての要求の処理を開始するために、クライアントをターゲットクラスターに切り替えます。
- クライアント設定をターゲットクラスターの場所で更新します。
- クライアントを再起動します。
2.1.1. ローリングアップグレードのリモートキャッシュストア
以下のようにローリングアップグレードを実行するには、特定のリモートキャッシュストア設定を使用する必要があります。
<!-- Remote cache stores for rolling upgrades must disable passivation. -->
<persistence passivation="false">
<!-- The value of the cache attribute matches the name of a cache in the source cluster. Target clusters load data from this cache using the remote cache store. -->
<!-- The "protocol-version" attribute matches the Hot Rod protocol version of the source cluster. 2.5 is the minimum version and is suitable for any upgrade path. -->
<!-- You should enable segmentation for remote cache stores only if the number of segments in the target cluster matches the number of segments for the cache in the source cluster. -->
<remote-store xmlns="urn:infinispan:config:store:remote:12.1"
cache="myDistCache"
protocol-version="2.5"
hotrod-wrapping="true"
raw-values="true"
segmented="false">
<!-- Configures authentication and encryption according to the security realm of the source cluster. -->
<security>
<authentication server-name="infinispan">
<digest username="admin"
password="changeme"
realm="default"/>
</authentication>
</security>
<!-- Points to the location of the source cluster. -->
<remote-server host="127.0.0.1" port="11222"/>
</remote-store>
</persistence>2.2. ターゲットクラスターへのデータの同期
ターゲットクラスターがリモートキャッシュストアを使用してクライアント要求を実行し、オンデマンドでデータを読み込む場合は、ソースクラスターからターゲットクラスターにデータを同期できます。
この操作はソースクラスターからデータを読み取り、ターゲットクラスターに書き込みます。データは、ターゲットクラスターのすべてのノードに並行して移行され、各ノードはデータのサブセットを受け取ります。Data Grid 設定で、各キャッシュの同期を実行する必要があります。
手順
ターゲットクラスターに移行する Data Grid 設定の各キャッシュの同期操作を開始します。
Data Grid REST API を使用し、
?action=sync- dataパラメーターでPOST要求を呼び出します。たとえば、myCache という名前のキャッシュ内のデータをソースクラスターからターゲットクラスターに同期するには、以下を実行します。POST /v2/caches/myCache?action=sync-data
操作が完了すると、Data Grid はターゲットクラスターにコピーされたエントリーの合計数で応答します。
または、
RollingUpgradeManagerMBean でsynchronizeData(migratorName=hotrod)を呼び出すことで JMX を使用できます。ターゲットクラスター内の各ノードをソースクラスターから切断します。
たとえば、ソースクラスターから myCache キャッシュを切断するには、以下の
POST要求を呼び出します。POST /v2/caches/myCache?action=disconnect-source
JMX を使用するには、
RollingUpgradeManagerMBean でdisconnectSource(migratorName=hotrod)を呼び出します。
次のステップ
ソースクラスターからすべてのデータを同期した後、ローリングアップグレードプロセスが完了しました。ソースクラスターの使用を停止できるようになりました。
第3章 キャッシュストア間のデータの移行
Data Grid は、キャッシュストア間で永続化されたデータを移行するための Java ユーティリティーを提供します。
Data Grid をアップグレードする場合、メジャーバージョン間の機能相違点は、キャッシュストア間の後方互換性を許可しません。StoreMigrator を使用してデータを変換し、ターゲットバージョンとの互換性を持つことができます。
たとえば、Data Grid 8.0 にアップグレードすると、デフォルトのマーシャラーが Protostream に変更されます。以前の Data Grid バージョンでは、キャッシュストアはバイナリー形式を使用し、マーシャリングする変更との互換性がありません。つまり、Data Grid 8.0 は、以前の Data Grid バージョンでキャッシュストアから読み込むことができません。
他の場合は、Data Grid のバージョンが、JDBC Mixed および Binary ストアなどのキャッシュストア実装を非推奨または削除します。このような場合は、StoreMigrator を使用して異なるキャッシュストア実装に変換できます。
3.1. キャッシュストアマイグレーション
Data Grid は、最新の Data Grid キャッシュストア実装のデータを再作成する StoreMigrator.java ユーティリティーを提供します。
StoreMigrator は以前のバージョンの Data Grid のキャッシュストアを取得し、キャッシュストア実装をターゲットとして使用します。
StoreMigrator を実行すると、EmbeddedCacheManager インターフェイスを使用して定義したキャッシュストアタイプでターゲットキャッシュが作成されます。StoreMigrator は、ソースストアからメモリーにエントリーを読み込み、それらをターゲットキャッシュに配置します。
StoreMigrator を使用すると、あるタイプのキャッシュストアから別のストアにデータを移行することもできます。たとえば、JDBC String ベースのキャッシュストアから Single File キャッシュストアに移行することができます。
StoreMigrator は、セグメント化されたキャッシュストアから以下にデータを移行できません。
- 非セグメント化されたキャッシュストア。
- セグメント数が異なるセグメント化されたキャッシュストア。
3.2. Store Migrator の取得
StoreMigrator は、Data Grid ツールライブラリー infinispan-tools の一部として利用でき、Maven リポジトリーに含まれます。
手順
StoreMigratorのpom.xmlを以下のように設定します。<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <project xmlns="http://maven.apache.org/POM/4.0.0" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:schemaLocation="http://maven.apache.org/POM/4.0.0 http://maven.apache.org/xsd/maven-4.0.0.xsd"> <modelVersion>4.0.0</modelVersion> <groupId>org.infinispan.example</groupId> <artifactId>jdbc-migrator-example</artifactId> <version>1.0-SNAPSHOT</version> <dependencies> <dependency> <groupId>org.infinispan</groupId> <artifactId>infinispan-tools</artifactId> </dependency> <!-- Additional dependencies --> </dependencies> <build> <plugins> <plugin> <groupId>org.codehaus.mojo</groupId> <artifactId>exec-maven-plugin</artifactId> <version>1.2.1</version> <executions> <execution> <goals> <goal>java</goal> </goals> </execution> </executions> <configuration> <mainClass>org.infinispan.tools.store.migrator.StoreMigrator</mainClass> <arguments> <argument>path/to/migrator.properties</argument> </arguments> </configuration> </plugin> </plugins> </build> </project>
3.3. ストア移行の設定
ソースおよびターゲットのキャッシュストアのプロパティーを migrator.properties ファイルに設定します。
手順
-
migrator.propertiesファイルを作成します。 ソースキャッシュストアを
migrator.propertiesに設定します。以下の例にあるように、すべての設定プロパティーの先頭に
source.を追加します。source.type=SOFT_INDEX_FILE_STORE source.cache_name=myCache source.location=/path/to/source/sifs
migrator.propertiesでターゲットキャッシュストアを設定します。以下の例のように、すべての設定プロパティーの先頭に
target.を付けます。target.type=SINGLE_FILE_STORE target.cache_name=myCache target.location=/path/to/target/sfs.dat
3.3.1. 移行プロパティーの保存
ソースおよびターゲットのキャッシュストアを StoreMigrator プロパティーで設定します。
表3.1 キャッシュストアタイププロパティー
| プロパティー | 説明 | 必須/オプション |
|---|---|---|
|
| ソースまたはターゲットのキャッシュストアタイプのタイプを指定します。
| 必須 |
表3.2 一般的なプロパティー
| プロパティー | 説明 | 値の例 | 必須/オプション |
|---|---|---|---|
|
| ストアがバックアップするキャッシュに名前を付けます。 |
| 必須 |
|
| セグメンテーションを使用できるターゲットキャッシュストアのセグメント数を指定します。
セグメント数は、Data Grid 設定の つまり、キャッシュストアのセグメント数は、対応するキャッシュのセグメント数と一致する必要があります。セグメントの数が同一でない場合、Data Grid はキャッシュストアからデータを読み込めません。 |
| Optional |
表3.3 JDBC プロパティー
| プロパティー | 説明 | 必須/オプション |
|---|---|---|
|
| 基礎となるデータベースのダイアレクトを指定します。 | 必須 |
|
| ソースキャッシュストアのマーシャラーバージョンを指定します。以下のいずれかの値を設定します。
* Data Grid 7.2.x の場合は
* Data Grid 7.3.x の場合は
* Data Grid 8.x の場合は | ソースストアにのみ必要です。
例: |
|
| カスタムマーシャラークラスを指定します。 | カスタムマーシャラーを使用する場合に必要です。 |
|
|
| Optional |
|
| JDBC 接続 URL を指定します。 | 必須 |
|
| JDBC ドライバーのクラスを指定します。 | 必須 |
|
| データベースユーザー名を指定します。 | 必須 |
|
| データベースユーザー名のパスワードを指定します。 | 必須 |
|
| データベースのメジャーバージョンを設定します。 | Optional |
|
| データベースのマイナーバージョンを設定します。 | Optional |
|
| データベース upsert を無効にします。 | Optional |
|
| テーブルインデックスが作成されるかどうかを指定します。 | Optional |
|
| テーブル名の追加接頭辞を指定します。 | Optional |
|
| 列名を指定します。 | 必須 |
|
| 列タイプを指定します。 | 必須 |
|
|
| Optional |
Binary キャッシュストアから古い Data Grid バージョンの移行には、以下のプロパティーで table.string.* を table.binary.\* に変更します。
-
source.table.binary.table_name_prefix -
source.table.binary.<id\|data\|timestamp>.name -
source.table.binary.<id\|data\|timestamp>.type
# Example configuration for migrating to a JDBC String-Based cache store target.type=STRING target.cache_name=myCache target.dialect=POSTGRES target.marshaller.class=org.example.CustomMarshaller target.marshaller.externalizers=25:Externalizer1,org.example.Externalizer2 target.connection_pool.connection_url=jdbc:postgresql:postgres target.connection_pool.driver_class=org.postrgesql.Driver target.connection_pool.username=postgres target.connection_pool.password=redhat target.db.major_version=9 target.db.minor_version=5 target.db.disable_upsert=false target.db.disable_indexing=false target.table.string.table_name_prefix=tablePrefix target.table.string.id.name=id_column target.table.string.data.name=datum_column target.table.string.timestamp.name=timestamp_column target.table.string.id.type=VARCHAR target.table.string.data.type=bytea target.table.string.timestamp.type=BIGINT target.key_to_string_mapper=org.infinispan.persistence.keymappers. DefaultTwoWayKey2StringMapper
表3.4 RocksDB プロパティー
| プロパティー | 説明 | 必須/オプション |
|---|---|---|
|
| データベースディレクトリーを設定します。 | 必須 |
|
| 使用する圧縮タイプを指定します。 | Optional |
# Example configuration for migrating from a RocksDB cache store. source.type=ROCKSDB source.cache_name=myCache source.location=/path/to/rocksdb/database source.compression=SNAPPY
表3.5 SingleFileStore プロパティー
| プロパティー | 説明 | 必須/オプション |
|---|---|---|
|
|
キャッシュストア | 必須 |
# Example configuration for migrating to a Single File cache store. target.type=SINGLE_FILE_STORE target.cache_name=myCache target.location=/path/to/sfs.dat
表3.6 SoftIndexFileStore プロパティー
| プロパティー | 説明 | 値 |
|---|---|---|
| 必須/オプション |
| データベースディレクトリーを設定します。 |
| 必須 |
| データベースインデックスディレクトリーを設定します。 |
# Example configuration for migrating to a Soft-Index File cache store. target.type=SOFT_INDEX_FILE_STORE target.cache_name=myCache target.location=path/to/sifs/database target.location=path/to/sifs/index
3.4. キャッシュストアの移行
StoreMigrator を実行して、あるキャッシュストアから別のキャッシュストアにデータを移行します。
前提条件
-
infinispan-tools.jarを取得します。 -
ソースおよびターゲットのキャッシュストアを設定する
migrator.propertiesファイルを作成します。
手順
ソースから
infinispan-tools.jarをビルドする場合は、以下を実行します。-
JDBC ドライバーなどのソースおよびターゲットのデータベースの
infinispan-tools.jarおよび依存関係をクラスパスに追加します。 -
migrator.propertiesファイルをStoreMigratorの引数として指定します。
-
JDBC ドライバーなどのソースおよびターゲットのデータベースの
Maven リポジトリーから
infinispan-tools.jarをプルする場合は、以下のコマンドを実行します。mvn exec:java