第24章 1 次キャッシュのセットアップ

24.1. 1 次キャッシュについて

1 次 (L1) キャッシュは、最初にアクセスされた後にリモートキャッシュエントリーを格納するため、同じエントリーがその後使用される時に不必要なリモートフェッチ操作が行われないようにします。1 次キャッシュは、Red Hat JBoss Data Grid のキャッシュモードがディストリビューションに設定されている場合にのみ利用できます。他のキャッシュモードでは、1 次キャッシュに関連するいずれの設定も無視されます。
キャッシュがディストリビューションモードで設定される場合、エントリーがすべてのクラスター化されたキャッシュ間で均等に分散されます。それぞれのエントリーは、必要な数の所有者にコピーされ、その数はキャッシュの合計数より小さくなる可能性があります。その結果、システムのスケーラビリティーが改善されるだけでなく、いくつかのエントリーがすべてのノードで利用できなくなり、それらの所有者ノードから取り込まれる必要があります。この状態では、後続のユーザーに対して繰り返される取り込みを避けるために、キャッシュコンポーネントを、所有しないエントリーを一時的に保存するための 1 次キャッシュを使用できるように設定します。
キーが更新される度に、インバリデーションメッセージが生成されます。このメッセージは、現在の 1 次キャッシュエントリーに対応するデータを含むそれぞれのノードのマルチキャストです。インバリデーションメッセージにより、それらの各ノードは、関連するエントリーを無効なものとしてマークします。さらに、エントリーのロケーションがクラスター内で変更されると、対応する 1 次キャッシュエントリーは無効にされ、古くなったキャッシュエントリーが発生しないようにします。