5.6. ディレクトリーツリーから Metadata Server デーモンのランクへのマッピング
ディレクトリーとそのサブディレクトリーを特定のアクティブな Metadata Server (MDS) ランクにマッピングするには、そのメタデータがランクを保持する MDS デーモンによってのみ管理されるようにします。このアプローチにより、アプリケーションの負荷や、ユーザーのメタデータ要求の影響をストレージクラスター全体に均等に分散させることができます。
重要
内部バランサーは、すでにアプリケーションの負荷を動的に分散します。そのため、特定の慎重に選択したアプリケーションに対して、ディレクトリーツリーのみをマップします。
さらに、ディレクトリーがランクにマップされると、バランサーはこれを分割できません。そのため、マップされたディレクトリー内の多数の操作を行うと、ランクおよびそれを管理する MDS デーモンをオーバーロードできます。
前提条件
- 少なくとも 2 つのアクティブな MDS デーモン。
- CephFS クライアントノードへのユーザーアクセス
-
マウントされた Ceph File System を含む CephFS クライアントノードに
attr
パッケージがインストールされていることを確認します。
手順
Ceph ユーザーのケイパビリティーに
p
フラグを追加します。構文
ceph fs authorize FILE_SYSTEM_NAME client.CLIENT_NAME /DIRECTORY CAPABILITY [/DIRECTORY CAPABILITY] ...
例
[user@client ~]$ ceph fs authorize cephfs_a client.1 /temp rwp client.1 key: AQBSdFhcGZFUDRAAcKhG9Cl2HPiDMMRv4DC43A== caps: [mds] allow r, allow rwp path=/temp caps: [mon] allow r caps: [osd] allow rw tag cephfs data=cephfs_a
ディレクトリーに
ceph.dir.pin
拡張属性を設定します。構文
setfattr -n ceph.dir.pin -v RANK DIRECTORY
例
[user@client ~]$ setfattr -n ceph.dir.pin -v 2 /temp
この例では、
/temp
ディレクトリーとそのすべてのサブディレクトリーを rank 2 に割り当てます。
関連情報
-
p
フラグの詳細については、Red Hat Ceph Storage ファイルシステムガイドの レイアウト、クォータ、スナップショット、ネットワークの制限 についてのセクションを参照してください。 - 詳細は、Red Hat Ceph Storage File System ガイドの Manually pinning directory trees to a particular rank セクションを参照してください。
- 詳細は、Red Hat Ceph Storage ファイルシステムガイドの 複数のアクティブな Metadata Server デーモンの設定 セクションを参照してください。