2.12. ディレクトリーツリーを特定のランクに手動で固定する

メタデータを特定の Ceph Metadata Server (MDS) ランクに明示的にマッピングすることで、ダイナミックバランサーをオーバーライドしたい場合もあります。これを手動で行うことで、アプリケーションの負荷を均等に分散したり、ユーザーのメタデータ要求が Ceph File System クラスターに与える影響を抑えることができます。ディレクトリーを手動で固定することは、ceph.dir.pin 拡張属性を設定することで、エクスポートピンとも呼ばれます。

ディレクトリーのエクスポートピンは、最も近い親ディレクトリーから継承されますが、そのディレクトリーにエクスポートピンを設定することで、上書きすることができます。例えば、あるディレクトリーにエクスポートピンを設定すると、そのディレクトリーのすべてのサブディレクトリーに影響します。

[root@client ~]# mkdir -p a/b 1
[root@client ~]# setfattr -n ceph.dir.pin -v 1 a/ 2
[root@client ~]# setfattr -n ceph.dir.pin -v 0 a/b 3
1
ディレクトリー a/a/b はどちらも輸出用のピンセットがない状態でスタートします。
2
ディレクトリー a/ および a/b は、ランク 1 に固定されるようになりました。
3
ディレクトリー a/b は、ランク 0 およびディレクトリー a/ にピニングされ、そのサブディレクトリーの残りの部分は、引き続きランク 1 に固定されています。

前提条件

  • 稼働中の Red Hat Ceph Storage クラスターがある。
  • 実行中の Ceph File System
  • CephFS クライアントへのルートレベルのアクセス。
  • attr パッケージのインストール。

手順

  • ディレクトリーにエクスポートピンを設定します。

    構文

    setfattr -n ceph.dir.pin -v RANK PATH_TO_DIRECTORY

    [root@client ~]# setfattr -n ceph.dir.pin -v 2 cephfs/home

関連情報

  • ピンの自動設定の詳細は、Red Hat Ceph Storage File System GuideEphemeral pinning policies セクションを参照してください。