7.2. Ceph File システムのクォータ

Ceph File System (CephFS) のクォータにより、ディレクトリー構造に保存されたファイルの数またはバイト数を制限できます。Ceph File System のクォータは、FUSE クライアントまたはカーネルクライアント (バージョン 4.17 以降) を使用して完全にサポートされます。

制限

  • CephFS のクォータは、設定された制限に達するとデータの書き込みを停止するためにファイルシステムをマウントするクライアントとの協調に依存しています。ただし、クォータのみでは、信頼できないクライアントがファイルシステムを埋めないようにすることはできません。
  • ファイルシステムにデータを書き込むプロセスが、設定された制限に到達したら、データ量がクォータ制限を超えるか、プロセスがデータの書き込みを停止するまでの短い期間が長くなります。通常、期間 (秒) は数十秒で測定されます。ただし、プロセスは、その期間中データの書き込みを続けます。プロセスが書き込む追加データ量は、停止前の経過時間によって異なります。
  • パスベースのアクセス制限を使用する場合は、クライアントが制限されているディレクトリーのクォータを設定するか、その下でネスト化されたディレクトリーにクォータを設定してください。クライアントが MDS 機能に基づいて特定のパスへのアクセス制限があり、そのクォータがクライアントにアクセスできない上位ディレクトリーに設定されている場合、クライアントはクォータを強制しません。たとえば、クライアントが /home/ ディレクトリーにアクセスできず、クォータが /home/ で設定されている場合、クライアントは /home/user/ ディレクトリーのクォータを強制できません。
  • 削除または変更されたスナップショットファイルデータは、クォータに対してカウントされません。
  • setxattr の使用時、NFS クライアントを使用したクォータのサポートはありません。NFS のファイルレベルのクォータはサポートされません。NFS 共有でクォータを使用するには、サブボリュームをエクスポートし、--size オプションを設定します。