第8章 Red Hat Ceph Storage クラスターおよびオペレーティングシステムの手動によるアップグレード
通常、ceph-ansible
を使用する場合には、Red Hat Ceph Storage および Red Hat Enterprise Linux を同時に新しいメジャーリリースにアップグレードすることはできません。たとえば、Red Hat Enterprise Linux 7 を使用し、ceph-ansible
を使用している場合は、そのバージョンを使用する必要があります。ただし、システム管理者は手動で実行できます。
本章では、Red Hat Enterprise Linux 7.9 で実行しているバージョン 4.1 または 3.3z6 の Red Hat Ceph Storage クラスターを、Red Hat Enterprise Linux 8.4 で実行するバージョン 4.2 の Red Hat Ceph Storage クラスターに手動でアップグレードします。
コンテナー化された Red Hat Ceph Storage クラスターをバージョン 3.x または 4.x からバージョン 4.2 にアップグレードする場合は、Red Hat Ceph Storage インストールガイドの サポートされている Red Hat Ceph Storage のアップグレードシナリオ、アップグレードの準備 および Ansible を使用したストレージクラスターのアップグレード の 3 つのセクションを参照してください。
既存の systemd テンプレートを移行するには、docker-to-podman
Playbook を実行します。
[user@admin ceph-ansible]$ ansible-playbook infrastructure-playbooks/docker-to-podman.yml -i hosts
user は Ansible のユーザーに置き換えます。
1 つのノードに複数のデーモンが配置されている場合には、そのノードに配置されているデーモンに関する、本章の特定のセクションに従ってください。たとえば、Ceph Monitor デーモンや OSD デーモンが配置されているノードなどです。
Ceph Monitor ノードとそのオペレーティングシステムを手動でアップグレード および Ceph OSD ノードとそのオペレーティングシステムの手動によるアップグレード を参照してください。
Leapp アップグレードユーティリティーは OSD 暗号化によるアップグレードをサポートしないため、Ceph OSD ノードとオペレーティングシステムの手動アップグレードは、暗号化された OSD パーティションでは機能しません。
8.1. 前提条件
- Red Hat Ceph Storage クラスターが実行されている。
- 各ノード で Red Hat Enterprise Linux 7.9 を使用している。
- ノードは Red Hat Ceph Storage バージョン 3.3z6 または 4.1 を使用している。
- Red Hat Enterprise Linux 8.3 のインストールソースにアクセスできる。