第4章 アイデンティティーおよびアクセス管理

Red Hat Ceph Storage は、以下の ID およびアクセス管理を提供します。

  • Ceph Storage クラスターのユーザーアクセス
  • Ceph Object Gateway ユーザーアクセス
  • Ceph Object Gateway LDAP/AD 認証
  • Ceph Object Gateway OpenStack Keystone 認証

4.1. Ceph Storage クラスターのユーザーアクセス

ユーザーを特定し、中間者攻撃から保護するために、Ceph は cephx 認証システムを提供し、ユーザーおよびデーモンを認証します。cephx の詳細情報は、「Ceph ユーザー管理」を参照してください。

重要

cephx プロトコルは、転送時のデータ暗号化または保存時の暗号化には対応 していません

Cephx は共有シークレットキーを使用して認証を行います。つまり、クライアントとモニタークラスターの両方にはクライアントの秘密鍵のコピーがあります。認証プロトコルは、実際にキーを公開することなく、両方の当事者がキーのコピーを持っていることをお互いに証明できるようなものです。これは相互認証を提供します。つまり、ユーザーがシークレットキーを所有し、ユーザーにはシークレットキーのコピーがあることを確認します。

ユーザーは、Ceph クライアントを使用して Red Hat Ceph Storage クラスターデーモンと対話する個人またはアプリケーションなどのシステムアクターです。

OSD States

Ceph は、デフォルトで有効になっている認証および認可で実行されます。Ceph クライアントは、通常はコマンドラインを使用して、指定されたユーザーの秘密鍵を含むユーザー名とキーリングを指定できます。ユーザーとキーリングが引数として提供されていない場合、Ceph は client.admin 管理ユーザーをデフォルトとして使用します。キーリングが指定されていない場合は、Ceph が Ceph 設定の keyring 設定を使用してキーリングを探します。

重要

Ceph クラスターを強化するには、キーリングは、現在のユーザーおよび rootのみ 読み取り/書き込み権限を付与します。client.admin 管理ユーザーキーを含むキーリングは root ユーザーに制限する必要があります。

認証を使用するように Red Hat Ceph Storage クラスターを設定する方法は、Red Hat Ceph Storage 4 の『設定ガイド』を参照してください。具体的には、『CephX 設定リファレンス』を参照してください。