Quarkus アプリケーションでのデータソースの設定
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第1章 Quarkus でのデータソース使用の概要
アプリケーションに永続データストレージを追加する場合は、アプリケーションをリレーショナルデータベースに接続する必要があります。これには、データベースドライバーを使用してアプリケーションに接続するデータソースを使用します。Quarkus アプリケーションを 1 つまたは複数のデータソースに接続できます。Quarkus に統合されているデータソース管理機能を使用して、以下を行うことができます。
- 1 つまたは複数のデータソースを使用するようにアプリケーションを設定
- コードでのデータソースへの参照の取得
- プールチューニング設定プロパティーの表示および設定
Quarkus アプリケーションで、2 種類のデータベースドライバーを使用して、アプリケーションをリレーショナルデータベースに接続できます。1 つのアプリケーションで、両方のタイプの複数のデータソースを同時に使用できます。
- JDBC ドライバー
- Java ベースのアプリケーションのデータベース接続を提供する標準の JDBC API を使用します。Quarkus JDBC ドライバーは、Agroal を使用してデータベース接続を管理します。Agroal は、Quarkus の他の機能 (セキュリティー、トランザクション管理、ヘルスチェックなど) と統合された、高速、軽量、および非常にスケーラブルはデータベース接続プール実装です。
- リアクティブドライバー
- これは、Eclipse Vert.x のデータソースドライバー実装に基づいています。Eclipse Vert.x リアクティブデータソースドライバーは、Quarkus のノンブロッキングおよびリアクティブネットワーク関連の機能を提供し、非常にスケーラブルでイベント駆動型のアプリケーションに適しています。
Quarkus が提供する統一された柔軟な設定オプションのセットを使用して、両方のタイプのデータソースドライバーを設定できます。
1.1. データソースの db-kind プロパティーの設定
使用するデータソースのタイプと一致するように、アプリケーションの設定ファイルの db-kind
プロパティーを設定すると、Quarkus は適切なタイプのデータベースドライバーを自動的に解決します。以下の手順は、データソースの db-kind
プロパティーを設定する方法を示しています。
前提条件
- Quarkus Maven プロジェクトが存在する。
手順
- Quarkus プロジェクトディレクトリーに移動します。
src/main/resources/application.properties
ファイルで、使用する データソースのタイプ と一致するように、db-kind
プロパティーの値を設定します。以下の例では、データソースタイプにpostgresql
を使用しています。quarkus.datasource.db-kind=postgresql
1.2. データベース認証情報の設定
アプリケーションがデータベースへのアクセスに使用する認証情報を定義できます。データベースのアクセス認証情報の定義は任意となっています。アプリケーションのデータソースを設定する際に、この手順を省略できます。
前提条件
- Quarkus Maven プロジェクトが存在する。
-
データソースの
db-kind
プロパティーを設定している。 - Quarkus アプリケーションが JVM モードになっている。この前提条件は、Quarkus がネイティブモードでサポートしない JDBC ドライバーを使用する場合に該当します。
手順
- Quarkus プロジェクトディレクトリーに移動します。
src/main/resources/application.properties
ファイルで、アプリケーションがデータベースへのアクセスに使用するユーザー名と一致するようにquarkus.datasource.username
プロパティーの値を設定します。quarkus.datasource.username=<username>
src/main/resources/application.properties
ファイルで、アプリケーションがデータベースへのアクセスに使用するユーザー名と一致するようにquarkus.datasource.password
プロパティーの値を設定します。quarkus.datasource.password=<password>
1.3. ビルトインデータベース向けの Quarkus ドライバーエクステンション
以下の表は、Quarkus ビルトインデータベースと、アプリケーションをリレーショナルデータベースに接続するために使用できるエクステンションの概要を示しています。
表1.1 ビルトインデータベース向けの Quarkus ドライバーエクステンション
データベースビルトイン | db-kind | Agroal エクステンション | リアクティブエクステンション |
---|---|---|---|
DB2 |
|
|
|
Derby |
|
| 該当なし |
H2 |
|
| 該当なし |
MariaDB |
|
|
|
Microsoft SQL Server |
|
| 該当なし |
MySQL |
|
|
|
PostgreSQL |
|
|
|
H2 データベースおよび Derby データベースを組み込みモードで実行するように設定できます。H2 ドライバーおよび Derby ドライバーのエクステンションは、組み込みデータベースエンジンをネイティブ実行可能ファイルにコンパイルすることはサポートしません。
この表には、サポート対象アーティファクトおよびコミュニティーアーティファクトが含まれます。サポート対象 Maven アーティファクトの一覧は、Red Hat build of Quarkus Component Details ページを参照してください。
ビルトインデータベースのいずれかを使用すると、JDBC ドライバーは以下の値に自動的に解決されます。
表1.2 Quarkus ビルトインデータベースの JDBC および XA ドライバー
データベース | JDBC ドライバー | XA ドライバー |
---|---|---|
DB2 |
|
|
Derby |
|
|
H2 |
|
|
MariaDB |
|
|
Microsoft SQL Server |
|
|
MySQL |
|
|
PostgreSQL |
|
|
H2 データベースおよび Derby データベースを組み込みモードで実行するように設定できます。H2 ドライバーおよび Derby ドライバーのエクステンションは、組み込みデータベースエンジンをネイティブ実行可能ファイルにコンパイルすることはサポートしません。
第2章 JDBC データソースの設定
JDBC は、Java ベースのアプリケーションで最も一般的に使用されているデータベース接続 API です。JDBC データソースドライバーを使用して、アプリケーションをリレーショナルデータベースに接続できます。
JDBC データソースを設定するには、以下を行う必要があります。
-
quarkus-agroal
エクステンションのアプリケーションへの追加 -
アプリケーションへの
db-kind
エクステンションの追加 - アプリケーションがデータソースにアクセスするために使用する JDBC URL の指定
以下の例は、postgresql
データソースをアプリケーションに接続し、データベースのアクセス認証情報と JDBC URL を指定する方法を示しています。JDBC URL の指定方法に関する詳細は、データソースの JDBC URL の設定 を参照してください。
JDBC データソースの設定例
quarkus.datasource.db-kind=postgresql quarkus.datasource.username=<your_username> quarkus.datasource.password=<your_password> quarkus.datasource.jdbc.url=jdbc:postgresql://localhost:5432/hibernate_orm_test quarkus.datasource.jdbc.max-size=16
2.1. JDBC データソースの Quarkus エクステンションのインストール
JDBC データソースを設定するには、quarkus-agroal
エクステンションおよび Quarkus JDBC データベースドライバーエクステンションをインストールする必要があります。追加する JDBC データベースドライバーは、使用する JDBC データベースのタイプと一致する必要があります。
以下の手順では、JDBC データソースの Quarkus エクステンションをインストールする方法を説明します。
前提条件
- Quarkus Maven プロジェクトが存在する。
-
データソースの
db-kind
プロパティーを設定している。
手順
- Quarkus プロジェクトディレクトリーに移動します。
quarkus-agroal
エクステンションをプロジェクトに追加します。./mvnw quarkus:add-extension -Dextensions="agroal"
適切なタイプのリレーショナルデータベースドライバーの Quarkus エクステンションをアプリケーションに追加します。
./mvnw quarkus:add-extension -Dextensions="<extension>"
たとえば、PostgreSQL データベースドライバーエクステンションを追加するには、以下を使用します。
./mvnw quarkus:add-extension -Dextensions="jdbc-postgresql"
Hibernate ORM を使用している場合は、Agroal エクステンションの依存関係を明示的に追加する必要はありません。Agroal は、Hibernate ORM エクステンションの推移的な依存関係です。Hibernate ORM で JDBC データソースドライバーを使用する必要があります。
2.2. データソースの JDBC URL の設定
JDBC データソースの設定を完了するには、JDBC URL を設定する必要があります。以下の手順は、JDBC URL の設定方法を示しています。
前提条件
- Quarkus Maven プロジェクトが存在する。
- 対応するデータソースドライバーをアプリケーションに追加している。
-
データソースの
db-kind
プロパティーを設定している。
手順
- Quarkus プロジェクトディレクトリーに移動します。
-
src/main/resources/application.properties
ファイルを開きます。 データソースの JDBC URL に一致するように、
quarkus.datasource.jdbc.url
プロパティーの値を設定します。quarkus.datasource.jdbc.url=<JDBC_URL>
たとえば、PostgreSQL データソースの JDBC URL を設定するには、以下を使用します。
quarkus.datasource.jdbc.url=jdbc:postgresql://localhost:5432/hibernate_orm_test
2.3. Hibernate ORM を使用した JDBC データソースの取得
Hibernate ORM を使用している場合は、アプリケーションが自動的に認識し、利用可能な JDBC データソースに接続します。アプリケーションコードでデータソースにアクセスするには、CDI Bean として取得できます。
前提条件
- Quarkus Maven プロジェクトが存在する。
- Hibernate ORM がインストールされている。
手順
アプリケーションコードでデータソースにアクセスするには、
@Inject
アノテーションをdataSource
プロパティーに追加します。import javax.sql.DataSource; @Inject DataSource dataSource;
2.4. 同時設定での JDBC データソースの無効化
アプリケーションの同じデータソース用に、JDBC ドライバーエクステンションとリアクティブドライバーエクステンションを同時に設定できます。同時設定で JDBC データソースドライバーを無効にできることから、アプリケーションがリアクティブデータソースドライバーを使用するように強制できます。
前提条件
- Quarkus Maven プロジェクトが存在する。
- アプリケーションに、JDBC データソースドライバーとリアクティブデータソースドライバーを同時に設定している。
手順
- Quarkus プロジェクトディレクトリーに移動します。
-
src/main/resources/application.properties
ファイルを開きます。 quarkus.datasource.jdbc
プロパティーをfalse
に設定して JDBC データソースを無効にします。quarkus.datasource.jdbc=false
2.5. ビルトインドライバーエクステンションのない JDBC ドライバーの設定
ビルトインドライバーエクステンションのない JDBC ドライバーおよびデータベースを使用できます。以下の手順は、ビルトインエクステンションのない JDBC ドライバーの設定方法を示しています。
Quarkus アプリケーションを JVM モードで使用している間は、任意の JDBC ドライバーを使用できます。Quarkus をネイティブ実行可能ファイルとしてコンパイルすると、含まれていない JDBC ドライバーが正しく機能しない可能性があります。
前提条件
- Quarkus Maven プロジェクトが存在する。
- Quarkus アプリケーションが JVM モードになっている。
-
プロジェクトの
pom.xml
ファイルに、依存関係として使用するデータソースドライバーが追加されている。
手順
- Quarkus プロジェクトディレクトリーに移動します。
-
src/main/resources/application.properties
ファイルを開きます。 db-kind
プロパティーの値をother
に設定します。quarkus.datasource.db-kind=other
使用するドライバーエクステンションのタイプに一致するように、
quarkus.datasource.jdbc.driver
プロパティーの値を設定します。quarkus.datasource.jdbc.driver=<driver>
データソースの JDBC URL に一致するように、
quarkus.datasource.jdbc.url
プロパティーの値を設定します。quarkus.datasource.jdbc.url=<JDBC_URL>
たとえば、Quarkus は OpenTracing ドライバーのビルトインドライバーエクステンションを提供しません。
opentracing-jdbc
アーティファクトをpom.xml
ファイルに追加し、application.properties
ファイルに以下のプロパティーを設定して OpenTracing ドライバーを設定します。quarkus.datasource.db-kind=postgresql quarkus.datasource.jdbc.url=jdbc:tracing:postgresql://localhost:5432/mydatabase quarkus.datasource.jdbc.driver=io.opentracing.contrib.jdbc.TracingDriver quarkus.hibernate-orm.dialect=org.hibernate.dialect.PostgreSQLDialect
2.6. 複数の JDBC データソースの設定
Agroal を使用して、Quarkus アプリケーションの複数の JDBC データソースを設定できます。
Hibernate ORM エクステンションを使用する場合は、複数の永続データストレージユニットをアプリケーションに追加できます。永続ユニットごとに、選択したデータソースを参照できます。
前提条件
- Quarkus Maven プロジェクトが存在する。
- JDBC データソースが複数ある。
手順
- Quarkus プロジェクトディレクトリーに移動します。
src/main/resources/application.properties
ファイルで、データソースごとに次のプロパティーを設定します。以下の例は、3 つの JDBC データソースの完全な設定を示しています。
quarkus.datasource.db-kind=h2 1 quarkus.datasource.username=username-default 2 quarkus.datasource.jdbc.url=jdbc:h2:tcp://localhost/mem:default 3 quarkus.datasource.jdbc.min-size=3 4 quarkus.datasource.jdbc.max-size=13 5 quarkus.datasource.users.db-kind=h2 6 quarkus.datasource.users.username=username1 quarkus.datasource.users.jdbc.url=jdbc:h2:tcp://localhost/mem:users quarkus.datasource.users.jdbc.min-size=1 quarkus.datasource.users.jdbc.max-size=11 quarkus.datasource.inventory.db-kind=h2 quarkus.datasource.inventory.username=username2 quarkus.datasource.inventory.jdbc.url=jdbc:h2:tcp://localhost/mem:inventory quarkus.datasource.inventory.jdbc.min-size=2 quarkus.datasource.inventory.jdbc.max-size=12
@Inject
アノテーションを各クラスプロパティーに追加して、複数のデータソースを注入します。アプリケーションに複数のデータソースを設定する場合は、データソースの名前を持つio.quarkus.agroal.DataSource
修飾子を値として各DataSource
クラスに追加してください。import javax.inject.Inject; import io.agroal.api.AgroalDataSource; import io.quarkus.agroal.DataSource; @Inject AgroalDataSource defaultDataSource; @Inject @DataSource("users") AgroalDataSource usersDataSource; @Inject @DataSource("inventory") AgroalDataSource inventoryDataSource;
第3章 リアクティブデータソースの設定
リアクティブデータソースドライバーを使用して、アプリケーションをリレーショナルデータベースに接続できます。
3.1. リアクティブデータソース接続 URL の設定
データソースの設定を完了するには、リアクティブデータソースの接続 URL を設定する必要があります。
前提条件
- Quarkus Maven プロジェクトが存在する。
- リアクティブデータソースドライバーをアプリケーションに追加している。
手順
- Quarkus プロジェクトディレクトリーに移動します。
src/main/resources/application.properties
ファイルで、リアクティブデータソースの接続 URL に一致するようにquarkus.datasource.reactive.url
プロパティーの値を設定します。quarkus.datasource.reactive.url=<datasource_URL>
たとえば、PostgreSQL データソースのリアクティブデータソース接続 URL を設定するには、以下を実行します。
quarkus.datasource.reactive.url=postgresql:///your_database
オプションで、データソースの接続プールで接続の最大数を設定し、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。
quarkus.datasource.reactive.max-size=20
たとえば、リアクティブデータソースドライバーを持つ
postgresql
データソースを追加するには、以下のコマンドを実行します。quarkus.datasource.db-kind=postgresql quarkus.datasource.username=<your_username> quarkus.datasource.password=<your_password> quarkus.datasource.reactive.url=postgresql://localhost:5432/quarkus_test_database quarkus.datasource.reactive.max-size=20
3.2. 同時設定でのリアクティブデータソースの無効化
アプリケーションの同じデータソース用に、リアクティブドライバーエクステンションと JDBC ドライバーエクステンションを同時に設定できます。同時設定でリアクティブデータソースドライバーを無効にできることから、アプリケーションが JDBC データソースドライバーを使用するように強制できます。
前提条件
- Quarkus Maven プロジェクトが存在する。
- アプリケーションに、JDBC データソースドライバーとリアクティブデータソースドライバーを同時に設定している。
手順
- Quarkus プロジェクトディレクトリーに移動します。
-
src/main/resources/application.properties
ファイルを開きます。 quarkus.datasource.reactive
プロパティーをfalse
に設定して、リアクティブデータソースを無効にします。quarkus.datasource.reactive=false
第4章 データソース管理
アプリケーションプロパティーを使用して追加機能を有効にし、データソースを管理できます。
4.1. データソースヘルスチェック
Kubernetes などの外部システムは、データソースでヘルスチェックを実行し、アプリケーションが要求に応答できるかどうかを判断します。
quarkus-smallrye-health
エクステンションを使用している場合は、quarkus-agroal
エクステンションおよびリアクティブクライアントエクステンションが自動的に readiness ヘルスチェックを追加してデータソースを検証します。
データソースの検証ステータスに関する情報を表示するには、アプリケーションの /health/ready
エンドポイントにアクセスします。複数のデータソースがある場合、アプリケーションはすべてのデータソースをチェックし、データソースの検証エラーがあると、それらのステータスはエンドポイントで DOWN
と一覧表示されます。
この動作は、quarkus.datasource.health.enabled
プロパティーを使用して無効にできます。
4.2. データソースメトリクス
quarkus-smallrye-metrics
または quarkus-micrometer
エクステンションを使用する場合、quarkus-agroal
エクステンションにより出力されるメトリクスは、メトリクスエンドポイント /q/metrics
で公開されます。
すべてのデータソースのメトリクスを有効にするには、quarkus.datasource.jdbc.enable-metrics
プロパティーを true
に設定します。すべてのデータソースのメトリクスを無効にするには、quarkus.datasource.jdbc.enable-metrics
プロパティーを false
に設定します。
データソースメトリクスを有効にしている場合 (quarkus.datasource.jdbc.enable-metrics=true
) は、名前付きデータソースの quarkus.datasource.<datasource_name>.jdbc.enable-metrics
プロパティーを false
に設定すると、特定のデータソースのメトリクスを無効にすることができます。
データソースメトリクスが無効の場合 (quarkus.datasource.jdbc.enable-metrics=false
)、名前付きデータソースの quarkus.datasource.<datasource_name>.jdbc.enable-metrics
プロパティーを true
に設定すると、特定のデータソースのメトリクスを有効にできます。
この機能を使用して、収集したメトリクスにプログラムを使用してアクセスできます。収集したメトリクスは、注入された AgroalDataSource
インスタンスで dataSource.getMetrics()
メソッドの呼び出し後に利用できます。データソースのメトリクスの収集が無効になっている場合は、すべての値がゼロになります。
4.3. Narayana Transaction Manager インテグレーション
Narayana Transaction Manager インテグレーションは、quarkus-narayana-jta
エクステンションが利用可能な場合に自動的に追加されます。
quarkus.datasource.jdbc.transactions
設定プロパティーを設定することで、これを上書きできます。
4.4. インメモリーデータベースでのテスト
本番環境で使用する予定のデータベースを使用します。コンテナー技術により、これは簡単に実現できます。JVM がサポートするデータベースを使用して、インテグレーションテストを実行することもできます。H2 データベースおよび Derby データベースは、一般的に組み込みモードで使用され、インテグレーションテストの実行に使用されます。
組み込みエンジンは JVM モードで適切に機能しますが、ネイティブ実行可能ファイルにコンパイルすることはできません。Quarkus は、データベースエンジン全体のネイティブ実行可能ファイルへの組み込みをサポートしません。
JVM またはネイティブ実行可能ファイル、もしくはその両方で統合テストを実行する場合は、統合テストの任意のクラスに @QuarkusTestResource
(H2DatabaseTestResource.class
) または @QuarkusTestResource
(DerbyDatabaseTestResource.class
) を追加できます。テストスイートは、テストの実行に必要な個別のプロセスとして組み込みデータベースを開始および停止できるようになりました。
@QuarkusTestResource
(H2DatabaseTestResource.class
) および @QuarkusTestResource
(DerbyDatabaseTestResource.class
) は、H2 および Derby の場合にそれぞれ、Maven コーディネート io.quarkus:quarkus-test-h2
および io.quarkus:quarkus-test-derby
を持つアーティファクトによって提供されます。
以下の例は、H2 データベースでヘルパーを使用する方法を示しています。
package my.app.integrationtests.db; import io.quarkus.test.common.QuarkusTestResource; import io.quarkus.test.h2.H2DatabaseTestResource; @QuarkusTestResource(H2DatabaseTestResource.class) public class TestResources { }
これにより、データベースが通常どおりに JVM で実行される間、アプリケーションがネイティブ実行可能ファイルにコンパイルされていても、アプリケーションをテストできます。
以下を使用して接続します。
quarkus.datasource.db-kind=h2 quarkus.datasource.jdbc.url=jdbc:h2:tcp://localhost/mem:test
付録A 実稼働および開発をサポートするデータベースの JDBC データベース接続 URL
JDBC データベース接続 URL を使用して、リレーショナルデータベースに接続できます。各データベースには、データベース自体およびその他の設定プロパティーに関する情報が含まれる、独自形式のデータベース URL があります。
以下の例は、Red Hat ビルドの Quarkus でテストしたデータベースの JDBC データベース接続 URL を示しています。サポート対象データベースおよびバージョンの詳細は、Red Hat build of Quarkus Supported Configurations を参照してください。
A.1. PostgreSQL データベース URL の例
PostgreSQL はサーバーとしてのみ実行されます。接続の詳細を指定するか、デフォルト値を使用する必要があります。
設定オプション
jdbc:postgresql:[//][host][:port][/database][?key=value…]
例
jdbc:postgresql://localhost/test
関連情報
A.2. MariaDB データベース URL の例
MariaDB はサーバーとしてのみ実行されます。接続の詳細を指定するか、デフォルト値を使用する必要があります。
設定オプション
jdbc:mariadb:[replication:|failover:|sequential:|aurora:]//<hostDescription>[,<hostDescription>…]/[database][?<key1>=<value1>[&<key2>=<value2>]] hostDescription:: <host>[:<portnumber>] or address=(host=<host>)[(port=<portnumber>)][(type=(master|slave))]
例
jdbc:mariadb://localhost:3306/test
関連情報
A.3. MySQL データベース URL の例
MySQL はサーバーとしてのみ実行されます。接続の詳細を指定するか、デフォルト値を使用する必要があります。
設定オプション
jdbc:mysql:[replication:|failover:|sequential:|aurora:]//<hostDescription>[,<hostDescription>…]/[database][?<key1>=<value1>[&<key2>=<value2>]] hostDescription:: <host>[:<portnumber>] or address=(host=<host>)[(port=<portnumber>)][(type=(master|slave))]
例
jdbc:mysql://localhost:3306/test
関連情報
A.4. Microsoft SQL Server データベース URL の例
Microsoft SQL Server は、別の値を指定しない場合はデフォルトのシステム値を使用します。Microsoft SQL Server の JDBC ドライバーは、他のドライバーと同じように機能します。接続 URL は、以下の形式にする必要があります。
設定オプション
jdbc:sqlserver://[serverName[\instanceName][:portNumber]][;property=value[;property=value]]
例
jdbc:sqlserver://localhost:1433;databaseName=AdventureWorks
付録B 開発をサポートするデータベースの JDBC データベース接続 URL
JDBC データベース接続 URL を使用して、リレーショナルデータベースに接続できます。各データベースには、データベース自体およびその他の設定プロパティーに関する情報が含まれる、独自形式のデータベース URL があります。
以下の例は、開発をサポートするデータベースの JDBC データベース接続 URL を示しています。開発サポートの詳細は、開発サポートの対象範囲 を参照してください。
B.1. Derby データベース URL の例
Derby は組み込みデータベースで、ファイルに基づいてサーバーとして実行したり、メモリー内で稼働したりできます。
設定オプション
jdbc:derby:[//serverName[:portNumber]/][memory:]databaseName[;property=value[;property=value]]
例
jdbc:derby://localhost:1527/myDB, jdbc:derby:memory:myDB;create=true
関連情報
B.2. H2 データベース URL の例
H2 は組み込みデータベースで、ファイルに基づいてサーバーとして実行したり、完全にメモリー内で稼働したりできます。
設定オプション
jdbc:h2:{ {.|mem:}[name] | [file:]fileName | {tcp|ssl}:[//]server[:port][,server2[:port]]/name }[;key=value…]
例
jdbc:h2:tcp://localhost/~/test, jdbc:h2:mem:myDB
関連情報
改訂日時: 2023-05-16