5.2. コミュニティー Vert.x スターターを使用した Eclipse Vert.x プロジェクトの作成

コミュニティー Vert.x スターターを使用して Eclipse Vert.x プロジェクトを作成できます。スターターはコミュニティープロジェクトを作成します。コミュニティープロジェクトを Red Hat ビルドの Eclipse Vert.x プロジェクトに変換する必要があります。

要件

  • OpenJDK 8 または OpenJDK 11 がインストールされている。
  • Maven 3 以降がインストールされている。
  • テキストエディターまたは IDE が利用できる。
  • HTTP リクエストを実行する Curl または HTTPie、またはブラウザーが利用できる。

手順

  1. コマンドターミナルで以下のコマンドを入力して、Maven が OpenJDK 8 または OpenJDK 11 を使用し、Maven のバージョンが 3.6.0 以降であることを確認します。

    mvn --version
  2. 上記のコマンドで OpenJDK 8 または OpenJDK 11 が返されない場合は、OpenJDK 8 または OpenJDK 11 へのパスを PATH 環境変数に追加し、コマンドを再度入力します。
  3. Vert.x Starter に移動します。
  4. Eclipse Vert.x の Version を選択します。
  5. 言語として Java を選択します。
  6. ビルドツールとして Maven を選択します。
  7. プロジェクトの一意識別子である Group Id を入力します。この手順では、デフォルトの com.example のままにしておきます。
  8. プロジェクトおよびプロジェクトディレクトリーの名前である Artifact Id を入力します。この手順では、デフォルトの starter のままにしておきます。
  9. プロジェクトに追加する依存関係を指定します。この手順では、 De­pen­den­cies テキストボックスに入力するか、De­pen­den­cies のリストから選択して、Vert.x Web 依存関係を追加します。
  10. Advanced options をクリックして OpenJDK バージョンを選択します。この手順では、デフォルトの JDK 11 のままにしておきます。
  11. Gen­er­ate Project をクリックします。Eclipse Vert.x プロジェクトのアーティファクトが含まれる starter.zip ファイルがダウンロードされます。
  12. getting-started ディレクトリーを作成します。
  13. ZIP ファイルの内容を getting-started フォルダーに展開します。Vert.x Starter は、以下のアーティファクトで Eclipse Vert.x プロジェクトを作成します。

    • Maven ビルド記述子 pom.xml ファイル。このファイルには、アプリケーションをビルドおよび実行するための設定が含まれています。
    • src/main/java フォルダーの verticle の例。
    • src/test/java フォルダーで JUnit 5 を使用したサンプルテスト。
    • コードスタイルを適用するためのエディター設定。
    • ファイルを無視するための Git 設定。
  14. コミュニティープロジェクトを Red Hat ビルドの Eclipse Vert.x プロジェクトに変換するには、pom.xml ファイルの以下の値を置き換えます。

    • vertx.version: 使用する Eclipse Vert.x バージョンを指定します。たとえば、Eclipse Vert.x 4.1.8 バージョンを使用する場合は、バージョンを 4.1.8.redhat-00003 として指定します。
    • vertx-stack-depchain: この依存関係を vertx-dependencies に置き換えます。
  15. pom.xml ファイルで、アプリケーションをビルドするための Eclipse Vert.x アーティファクトを含むリポジトリーを指定します。

    <repositories>
        <repository>
          <id>redhat-ga</id>
          <name>Red Hat GA Repository</name>
          <url>https://maven.repository.redhat.com/ga/</url>
        </repository>
      </repositories>

    または、settings.xml ファイルでビルドアーティファクトを指定するように Maven リポジトリーを設定することもできます。詳細は、「Configuring the Apache Maven repository for your Eclipse Vert.x projects」セクションを参照してください。

  16. Eclipse Vert.x プロジェクトをテンプレートとして使用し、独自のアプリケーションを作成します。
  17. アプリケーションのルートディレクトリーから Maven を使用してアプリケーションをビルドします。

    mvn package
  18. アプリケーションのルートディレクトリーから Maven を使用してアプリケーションを実行します。

    mvn exec:java
  19. アプリケーションが実行していることを確認します。

    curl またはブラウザーを使用して、アプリケーションが http://localhost:8888 で実行されているかどうかを確認し、"Hello from Vert.x!" がレスポンスとして返されるかを確認します。

    $ curl http://localhost:8888
    Hello from Vert.x!