12.3. イベントの内容に応じた変更イベントレコードのトピックへのルーティング

デフォルトでは、Debezium はテーブルから読み取るすべての変更イベントを 1 つの静的なトピックにストリーミングします。ただし、イベントの内容に応じて、選択したイベントを別のトピックに再ルーティングする必要がある状況が考えられます。メッセージをその内容に基づいてルーティングするプロセスは、コンテンツベースのルーティング メッセージングパターンで説明されています。このパターンを Debezium に適用するには、コンテンツベースのルーティング 単一メッセージ変換 (SMT) を使用して、イベントごとに評価される式を記述します。イベントがどのように評価されるかに応じて、SMT はイベントメッセージを元の宛先トピックにルーティングするか、あるいは式で指定したトピックに再ルーティングします。

重要

Debezium コンテンツベースのルーティング SMT はテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat の実稼働環境のサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされません。また、機能的に完全ではない可能性があるため、Red Hat はテクノロジープレビュー機能を実稼働環境に実装することは推奨しません。テクノロジープレビュー機能は、最新の技術をいち早く提供し、開発段階で機能のテストやフィードバックの収集を可能にするために提供されます。サポート範囲の詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

カスタム SMT を作成してルーティングロジックをエンコードするのに Java を使用することは可能ですが、カスタムコーディングされた SMT の使用にはデメリットがあります。以下に例を示します。

  • 変換を事前にコンパイルし、それを Kafka Connect にデプロイする必要がある。
  • 変更が生じるたびにコードの再コンパイルおよび再デプロイが必要になり、運用の柔軟性が失われる。

コンテンツベースのルーティング SMT は、JSR 223 (Scripting for the Java™ Platform) と統合するスクリプト言語をサポートしています。

Debezium には、JSR 223 API の実装は同梱されていません。Debezium で式言語を使用するには、その言語の JSR 223 スクリプトエンジン実装をダウンロードする必要があります。Debezium をデプロイする方法によって、必要な成果物を Maven Central から自動的にダウンロードするか、または成果物を手動でダウンロードし、言語実装で使用する他の JAR ファイルと共に Debezium コネクターのプラグインディレクトリーに追加することが可能です。

12.3.1. Debezium コンテンツベースのルーティング SMT の設定

セキュリティー上の理由から、コンテンツベースのルーティング SMT は Debezium コネクターアーカイブには含まれていません。代わりに、別のアーティファクト debezium-scripting-1.9.7.Final.tar.gz で提供されます。

Dockerfile からカスタム Kafka Connect コンテナーイメージを構築して Debezium コネクターを導入する場合、フィルター SMT を使用するには、Kafka Connect 環境に SMT アーティファクトを明示的に追加する必要があります。AMQ Streams を使用してコネクターをデプロイすると、Kafka Connect カスタムリソースで指定した設定パラメーターに基づいて、必要なアーティファクトを自動的にダウンロードすることができます。重要: ルーティング SMT が Kafka Connect インスタンスに追加されると、インスタンスにコネクターを追加できる任意のユーザーはスクリプト式を実行することができます。許可されたユーザーだけがスクリプト式を実行できるようにするには、ルーティング SMT を追加する前に、Kafka Connect インスタンスおよびその設定インターフェイスをセキュアにする必要があります。

以下の手順は、Dockerfile から Kafka Connect コンテナーイメージを構築する場合に適用されます。AMQ Streams を使用して Kafka Connect イメージを作成する場合は、お使いのコネクターのデプロイメントトピックに記載されている説明に従ってください。

手順

  1. ブラウザーから、Debezium ダウンロードサイト の Red Hat ビルドを開き、Debezium スクリプト SMT アーカイブ(debezium-scripting-1.9.7.Final.tar.gz)をダウンロードします。
  2. アーカイブのコンテンツを Kafka Connect 環境の Debezium プラグインのディレクトリーに展開します。
  3. JSR-223 スクリプトエンジンの実装を取得し、そのコンテンツを Kafka Connect 環境の Debezium プラグインのディレクトリーに追加します。
  4. Kafka Connect プロセスを再起動し、新しい JAR ファイルを取得します。

Groovy 言語には、クラスパスで以下のライブラリーが必要です。

  • groovy
  • groovy-json (任意)
  • groovy-jsr223

JavaScript 言語には、クラスパスで以下のライブラリーが必要です。

  • graalvm.js
  • graalvm.js.scriptengine