第3章 自動化実行環境への移行

3.1. 自動化実行環境にアップグレードする理由

Red Hat Ansible Automation Platform 2.3 には、自動化実行環境が導入されています。自動化実行環境は、単一のコンテナー内で Ansible Automation を実行するために必要なすべてのものを含めることにより、Ansible の管理を容易にするコンテナーイメージです。自動化実行環境には、以下が含まれます。

  • RHEL UBI 8
  • Ansible 2.9 または Ansible Core 2.13
  • Python 3.9 以降
  • Ansible コンテンツコレクション
  • Python またはバイナリーの依存関係のコレクション

これらの要素を含めることで、Ansible はプラットフォーム管理者は、自動化が実行される環境を標準化して定義、構築、および配布できるようになります。

新しい自動化実行環境により、管理者がカスタムプラグインや自動化コンテンツを作成する必要がなくなりました。管理者は、これまでよりも短時間で、サイズのより小さい自動化実行環境を起動できるようになります。

すべてのカスタム依存関係は、管理およびデプロイメントフェーズではなく、開発フェーズで定義されるようになりました。コントロールプレーンから分離することで、開発サイクルの高速化、スケーラビリティ、信頼性、および環境間での移植性が実現します。自動化実行環境により、Ansible Automation Platform を分散アーキテクチャーに移行して、管理者が組織全体で自動化を拡張できるようになります。