第1章 Red Hat Ansible Automation Platform インストールの計画
本セクションを使用すると、Red Hat Ansible Automation Platform インストールの計画に役立ちます。インストールの前に、セットアップインストーラー、システム要件、およびサポートされるインストールシナリオに関する情報を確認してください。
1.1. Red Hat Ansible Automation Platform のシステム要件
Red Hat Ansible Automation Platform インストールを計画する際に、この情報を使用します。インストール済みの各 Ansible Automation Platform コンポーネント: 自動化ハブおよび自動化コントローラーには、以下の要件があります。
お使いのシステムは、Red Hat Ansible Automation Platform をインストールして実行するために、以下の最小システム要件を満たしている必要があります。
表1.1 Red Hat Ansible Automation Platform のシステム要件
必須 | 備考 | |
---|---|---|
サブスクリプション | 有効な Red Hat Ansible Automation Platform | |
OS | Red Hat Enterprise Linux 8.2 以降 64 ビット (x86) | |
Ansible | バージョン 2.9 が必要です。 | |
RAM | 最小 4 GB |
|
CPU | 最小 2 つ |
|
ディスク: サービスノード | 40 GB の専用ハードディスク領域 |
|
ディスク: データベースノード | 20 GB の専用ハードディスク領域 |
|
Browser | Mozilla Firefox または Google Chrome の現行のサポートバージョン | |
Database | PostgreSQL バージョン 12 |
- すべての自動化コントローラーデータはデータベースに保存されます。データベースストレージは、管理対象ホストの数、ジョブ実行数、ファクトキャッシュに保存されているファクトの数、および個別ジョブのタスク数と共に増加します。たとえば、ホスト 250 台で 1 時間ごと (1 日に 24 回) に 20 個のタスクの Playbook を実行する場合、毎週 800000 を超えるイベントを保存します。
- データベースに十分な容量が確保されていない場合は、以前のジョブ実行やファクトを定期的に消去する必要があります。詳細は、『自動化コントローラー管理ガイド』の「管理ジョブ」を参照してください。
Amazon EC2
- インスタンスのサイズは m4.large 以上
- ホスト 100 台以上ある場合には m4.xlarge 以上
Red Hat Ansible Automation Platform 要件に関する注意点
-
実際の RAM 要件は、同時に管理するホストの自動化コントローラーの数により異なります (これはジョブテンプレートまたはシステムの
ansible.cfg
ファイルのforks
パラメーターによって制御されます)。リソースの競合の可能性を回避するには、Ansible は 10 つのフォークごとに 1 GB のメモリーと、自動化コントローラー用に 2 GB のメモリーを予約すことを推奨しています。詳細は、:ref:`容量アルゴリズム <userguide:ug_job_concurrency>` を参照してください。forks
が 400 に設定されている場合、42 GB のメモリーが推奨されます。 - より多くのホストにも対応できますが、フォーク数がホストの総数より少ない場合は、ホスト間でより多くのパスが必要になります。これらの RAM の制限は、ローリング更新を使用する場合、または構成を要求する各システムがキューに入り、可能な限り迅速に処理される自動化コントローラーに組み込まれたプロビジョニングコールバックシステムを使用する場合、または、自動化コントローラーが AMI などのイメージを作成または展開している場合は回避されます。これらはすべて、より大規模な環境を管理するための優れたアプローチです。詳細な質問は、Red Hat カスタマーポータル( https://access.redhat.com/) から Ansible サポートにお問い合わせください。
- Ansible Automation Platform が管理するシステムの要件は Ansible と同じです。Ansible ユーザーガイドの「スタートガイド」を参照してください。
PostgreSQL の主な変更
Red Hat Ansible Automation Platform は PostgreSQL 12 を使用します。
- PostgreSQL ユーザーパスワードは、データベースに保存する前に SCRAM-SHA-256 のセキュアハッシュアルゴリズムでハッシュ化されます。
-
PostgreSQL 12 ではユーザーのパスワードをより安全に保存できるため、インストール時にインベントリーファイルに
pg_hashed_password
を指定する必要がなくなりました。インストーラーのインベントリーファイルでパスワードを指定した場合 (pg_password
) に、このパスワードは、インストールプロセスの一部として PostgreSQL により SCRAM-SHA-256 にハッシュ化されます。pg_password
で特殊文字を使用すると設定が失敗する場合があるため、使用 しない でください。 -
自動化コントローラーおよび自動化ハブは、3.8 で PostgreSQL の Software Collections バージョンを使用しているため、データベースにアクセスするために
rh-postgresql10
scl を有効にする必要があります。管理者はawx-manage dbshell
コマンドを使用して、PostgreSQL SCL を自動的に有効にできます。 -
自動化コントローラーのインスタンスがデータベースにアクセスできるかどうかを判断する必要がある場合は、
awx-manage check_db
コマンドで実行できます。
PostgreSQL の設定
必要に応じて、PostgreSQL データベースを、Red Hat Ansible Automation Platform インストーラーで管理されていない個別ノードとして設定できます。Ansible Automation Platform インストーラーがデータベースサーバーを管理する場合は、大半のワークロードで一般的に推奨されているデフォルト値を使用してサーバーを設定します。ただし、スタンドアロンのデータベースサーバーノードの PostgreSQL 設定を調整できます。ansible_memtotal_mb
は、データベースサーバーの合計メモリーサイズになります。
max_connections == 1024 shared_buffers == ansible_memtotal_mb*0.3 work_mem == ansible_memtotal_mb*0.03 maintenance_work_mem == ansible_memtotal_mb*0.04
PostgreSQL サーバーのチューニングに関する詳細は、PostgreSQL のドキュメント を参照してください。
Ansible のソフトウェア要件
Red Hat Ansible Automation Platform は Ansible Playbook に依存しており、自動化コントローラーをインストールする前に最新の安定したバージョンの Ansible をインストールする必要がありますが、Ansible の手動インストールは不要になりました。
新規インストールの実行時に、コントローラーの自動化は Ansible 2.9 の最新のリリースパッケージをインストールします。
バンドルの Ansible Automation Platform インストールを実行する場合は、インストールプログラムにより、バンドルから Ansible (およびその依存関係) のインストールが試行されます。
Ansible を自身でインストールすることにした場合、Ansible Automation Platform インストールプログラムは Ansible がインストールされていることを検出して、再インストールを試行しません。Red Hat Ansible Automation Platform が正しく機能するようにするには、yum
などのパッケージマネージャーを使用して Ansible をインストールし、最新の安定したバージョンをインストールする必要があります。|at| バージョン 3.8 以降には、Ansible バージョン 2.9 が必要です。