8.4. Kafka のアップグレード

Cluster Operator を 1.8 にアップグレードした後、次にすべての Kafka ブローカーをサポートされる最新バージョンの Kafka にアップグレードします。

Kafka のアップグレードは、Kafka ブローカーのローリングアップデートによって Cluster Operator によって実行されます。

Cluster Operator は、Kafka クラスターの設定に基づいてローリングアップデートを開始します。

Kafka.spec.kafka.config に以下が含まれている場合Cluster Operator によって開始されるもの

inter.broker.protocol.versionlog.message.format.version の両方。

単一のローリングアップデート更新後、inter.broker.protocol.version を手動で更新し、続いて log.message.format.version を更新する必要があります。それぞれの変更により、追加のローリングアップデートがトリガーされます。

inter.broker.protocol.version または log.message.format.version のいずれか。

2 つのローリングアップデート

inter.broker.protocol.version または log.message.format.version の設定なし。

2 つのローリングアップデート

Cluster Operator は、Kafka のアップグレードの一環として、ZooKeeper のローリングアップデートを開始します。

  • ZooKeeper バージョンが変更されなくても、単一のローリングアップデートが発生します。
  • 新しいバージョンの Kafka に新しいバージョンの ZooKeeper が必要な場合、追加のローリングアップデートが発生します。

8.4.1. Kafka バージョン

Kafka のログメッセージ形式バージョンとブローカー間のプロトコルバージョンは、それぞれメッセージに追加されるログ形式バージョンとクラスターで使用される Kafka プロトコルのバージョンを指定します。正しいバージョンが使用されるようにするため、アップグレードプロセスでは、既存の Kafka ブローカーの設定変更と、クライアントアプリケーション (コンシューマーおよびプロデューサー) のコード変更が行われます。

以下の表は、Kafka バージョンの違いを示しています。

Kafka のバージョンInterbroker プロトコルのバージョンログメッセージ形式のバージョンZooKeeper のバージョン

2.7.0

2.7

2.7

3.5.8

2.7.1

2.7

2.7

3.5.9

2.8.0

2.8

2.8

3.5.9

ブローカー間のプロトコルバージョン

Kafka では、ブローカー間の通信に使用されるネットワークプロトコルはブローカー間プロトコル (Inter-broker protocol) と呼ばれます。Kafka の各バージョンには、互換性のあるバージョンのブローカー間プロトコルがあります。上記の表が示すように、プロトコルのマイナーバージョンは、通常 Kafka のマイナーバージョンと一致するように番号が増加されます。

ブローカー間プロトコルのバージョンは、Kafka リソースでクラスター全体に設定されます。これを変更するには、Kafka.spec.kafka.configinter.broker.protocol.version プロパティーを編集します。

ログメッセージ形式のバージョン

プロデューサーが Kafka ブローカーにメッセージを送信すると、特定の形式を使用してメッセージがエンコードされます。この形式は Kafka のリリース間で変更される可能性があるため、メッセージにはエンコードに使用された形式のバージョンが指定されます。ブローカーがメッセージをログに追加する前に、メッセージを新しい形式バージョンから特定の旧形式バージョンに変換するように、Kafka ブローカーを設定できます。

Kafka には、メッセージ形式のバージョンを設定する 2 通りの方法があります。

  • message.format.version プロパティーをトピックに設定します。
  • log.message.format.version プロパティーを Kafka ブローカーに設定します。

トピックの message.format.version のデフォルト値は、Kafka ブローカーに設定される log.message.format.version によって定義されます。トピックの message.format.version は、トピック設定を編集すると手動で設定できます。

本セクションのアップグレード作業では、メッセージ形式のバージョンが log.message.format.version によって定義されることを前提としています。