4.4. ブローカーのストレージ要件の設定

Operator ベースのブローカーデプロイメントで永続ストレージを使用するには、デプロイメントの作成に使用されるカスタムリソース (CR) インスタンスで persistenceEnabledtrue に設定します。OpenShift クラスターに Container-native ストレージがない場合、永続ボリューム (PV) を手動でプロビジョニングし、それらは Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) を使用して Operator で要求できるようにする必要があります。たとえば、永続ストレージを持つ 2 つのブローカーで構成されるクラスターを作成する場合は、2 つの PV が利用可能である必要があります。デフォルトでは、デプロイメントの各ブローカーには 2 GiB のストレージが必要です。ただし、ブローカーデプロイメントの CR を、各ブローカーに必要な PVC のサイズを指定するように設定できます。

重要

初めて CR をデプロイする前に、ブローカーストレージサイズの設定をブローカーデプロイメントのメイン CR に追加する必要があります。すでに実行中のブローカーデプロイメントに設定を追加できません

4.4.1. ブローカーのストレージサイズの設定

以下の手順では、ブローカーデプロイメントのカスタムリソース (CR) インスタンスを設定し、永続メッセージストレージ用に各ブローカーに必要な Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) のサイズを指定する方法を説明します。

重要

初めて CR をデプロイする前に、ブローカーストレージサイズの設定をブローカーデプロイメントのメイン CR に追加する必要があります。すでに実行中のブローカーデプロイメントに設定を追加できません

前提条件

  • 最低でも AMQ Broker 7.7 の Operator の最新バージョン (バージョン 0.17) を使用する必要があります。Operator を AMQ Broker 7.9 の最新バージョンにアップグレードする方法については、6章Operator ベースのブローカーデプロイメントのアップグレード を参照してください。
  • CR インスタンスを使用して基本的なブローカーデプロイメントを作成する方法を理解する必要があります。「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 を参照してください。
  • 永続ボリューム (PV) がすでにプロビジョニングされ、それらを Operator で要求できるように利用可能にする必要があります。たとえば、永続ストレージを持つ 2 つのブローカーのクラスターを作成する場合は、2 つの PV が利用可能である必要があります。

    永続ストレージのプロビジョニングの詳細は、以下を参照してください。

手順

  1. ブローカーデプロイメントのカスタムリソース (CR) インスタンスの設定を開始します。

    1. OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:

      1. デプロイメントを作成するプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとして OpenShift にログインします。

        oc login -u <user> -p <password> --server=<host:port>
      2. ダウンロードした Operator インストールアーカイブの deploy/crs ディレクトリーに含まれる broker_activemqartemis_cr.yaml というサンプル CR ファイルを開きます。
    2. OpenShift Container Platform Web コンソールの使用

      1. デプロイメントを作成するプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとしてコンソールにログインします。
      2. メインブローカー CRD に基づいて新規 CR インスタンスを起動します。左側のペインで、AdministrationCustom Resource Definitions をクリックします。
      3. ActiveMQArtemis CRD をクリックします。
      4. Instances タブをクリックします。
      5. Create ActiveMQArtemis をクリックします。

        コンソールで、YAML エディターが開き、CR インスタンスを設定できます。

    基本的なブローカーデプロイメントの場合、設定が以下のように表示される可能性があります。この設定は、broker_activemqartemis_cr.yaml サンプル CR ファイルのデフォルトコンテンツです。

    apiVersion: broker.amq.io/v2alpha4
    kind: ActiveMQArtemis
    metadata:
      name: ex-aao
      application: ex-aao-app
    spec:
        version: 7.9.3
        deploymentPlan:
            size: 1
            image: placeholder
            requireLogin: false
            persistenceEnabled: true
            journalType: nio
            messageMigration: true

    broker_activemqartemis_cr.yaml サンプル CR ファイルで、image プロパティーが placeholder のデフォルト値に設定されていることを確認します。この値はデフォルトで、image プロパティーによってデプロイメントに使用するブローカーコンテナーイメージが指定されていないことを示します。Operator が使用する適切なブローカーコンテナーイメージを判別する方法については、「Operator によるコンテナーイメージの選択方法」 を参照してください。

  2. ブローカーストレージ要件を指定するには、CR の deploymentPlan セクションで、Storage セクションを追加します。size プロパティーを追加し、値を指定します。以下に例を示します。

    spec:
        version: 7.9.3
        deploymentPlan:
            size: 1
            image: placeholder
            requireLogin: false
            persistenceEnabled: true
            journalType: nio
            messageMigration: true
            storage:
                size: 4Gi
    storage.size
    各ブローカー Pod が永続ストレージに必要な Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) のサイズ (バイト単位)。このプロパティーは、persistenceEnabledtrue に設定されている場合にのみ適用されます。指定する値には単位が含まれている必要があります。バイト表記 (K、M、G など)、または同等のバイナリー (Ki、Mi、Gi) をサポートします。
  3. CR インスタンスをデプロイします。

    1. OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:

      1. CR ファイルを保存します。
      2. ブローカーデプロイメントを作成するプロジェクトに切り替えます。

        $ oc project <project_name>
      3. CR インスタンスを作成します。

        $ oc create -f <path/to/custom_resource_instance>.yaml
    2. OpenShift Web コンソールの使用

      1. CR の設定が完了したら、Create をクリックします。