第3章 テクノロジープレビュー
テクノロジープレビュー機能は、Red Hat の実稼働環境のサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされません。また、機能的に完全ではない可能性があるため、Red Hat はテクノロジープレビュー機能を実稼働環境に実装することは推奨しません。テクノロジープレビュー機能は、最新の技術をいち早く提供し、開発段階で機能のテストやフィードバックの収集を可能にするために提供されます。サポート範囲の詳細は、「テクノロジプレビュー機能のサポート範囲」を参照してください。
3.1. Cruise Control によるクラスターのリバランス
Cruise Control は本リリースでもテクノロジープレビューですが、新たな改良が加えられました。
Cruise Control をデプロイし、これを使用して 最適化ゴール (CPU、ディスク、ネットワーク負荷などに定義された制約) を使用し、Kafka をリバランスできます。バランス調整された Kafka クラスターでは、ワークロードがブローカー Pod 全体に均等に分散されます。
Cruise Control は Kafka
リソースの一部として設定され、デプロイされます。デフォルトの最適化ゴールを使用するか、要件に合わせて変更できます。Cruise Control の YAML 設定ファイルのサンプルは、examples/cruise-control/
にあります。
Cruise Control がデプロイされると、KafkaRebalance
カスタムリソースを作成して以下を行うことができます。
- 複数の最適化のゴールから、最適化プロポーザルを生成します。
- 最適化プロポーザルを基にして Kafka クラスターを再分散します。
異常検出、通知、独自ゴールの作成、トピックレプリケーション係数の変更などの、その他の Cruise Control の機能は現在サポートされていません。
「Cruise Control によるクラスターのリバランス」を参照してください。
3.1.1. テクノロジープレビューの改良
テクノロジープレビューである Cruise Control のクラスターのリバランスに、以下の改良が追加されました。
新しいゴール: ブローカーごとの最小トピックリーダー数
MinTopicLeadersPerBrokerGoal
という名前の新しいゴールを使用できます。
定義されたトピックグループの各トピックに対し、アクティブなブローカーごとに最低でも一定数のリーダーレプリカがあるようにします。
MinTopicLeadersPerBrokerGoal
はデフォルトのゴールで、ハードゴールとして事前設定されています。
「最適化ゴールの概要」を参照してください。
ロギングの改良: 動的ロギング設定および Log4j 2
Cruise Control が動的ロギング設定をサポートするようになりました。そのため、Cruise Control のロギングレベルを変更しても、Kafka クラスターまたは Cruise Control Pod へのローリングアップデートがトリガーされなくなりました。
Log4j 2
が Cruise Control のロギングに使用されるようになりました。
Cruise Control ロギングの既存の設定を Log4j から
と互換性のある構文に更新する 必要 があります。ロギングは Log4j
2Kafka
カスタムリソースで設定されます。
-
inline ロギング の場合は、
cruisecontrol.root.logger
プロパティーをrootLogger.level
プロパティーに置き換えます。 -
外部ロギング の場合は、既存の設定を
log4j2.properties
という名前の新規設定ファイルに置き換えます。設定は、Log4j 2
互換構文を使用する 必要があり ます。
「外部ロギング」および「Cruise Control の設定」を参照してください。