OpenShift での AMQ Broker のデプロイ
AMQ Broker 7.8 向け
概要
第1章 OpenShift Container Platform での AMQ Broker について
Red Hat AMQ Broker 7.8 は、OpenShift Container Platform (OCP) 3.11 および 4.5 および 4.6 で使用するコンテナー化イメージとして利用できます。
AMQ Broker は Apache ActiveMQ Artemis をベースにしています。JMS に準拠するメッセージブローカーを提供します。初期ブローカー Pod を設定した後に、OpenShift Container Platform 機能を使用して重複を迅速にデプロイできます。
1.1. バージョンの互換性とサポート
OpenShift Container Platform イメージのバージョンの互換性についての詳細は、以下を参照してください。
1.2. サポートされない機能
マスタースレーブベースの高可用性
マスターとスレーブのペアを設定して実現する高可用性 (HA) はサポートされません。その代わりに、Pod がスケールダウンされると、スケールダウンコントローラーを使用して HA が OpenShift で提供され、メッセージの移行が可能になります。
OpenShift プロキシーまたはバインドポートを使用して、ブローカーのクラスターに接続する外部クライアントを HA に適切に設定しなければならない場合があります。クラスター化されたシナリオでは、ブローカーによって、ブローカーのホストとポート情報のすべてのアドレスについて特定のクライアントに通知します。これらは内部でのみアクセスできるため、一部のクライアント機能は機能しないか、または無効にする必要があります。
クライアント 設定 Core JMS クライアント
外部 Core Protocol JMS クライアントは HA またはいずれのフェイルオーバーもサポートしないため、接続ファクトリーは
useTopologyForLoadBalancing=false
で設定する必要があります。AMQP クライアント
AMQP クライアントがフェイルオーバーリストをサポートしません。
クラスター内の永続サブスクリプション
永続サブスクリプションが作成されると、これはクライアントが接続したブローカーの永続キューとして表されます。クラスターが OpenShift 内で実行されている場合、クライアントが永続サブスクリプションキューが作成されたブローカーを認識しません。サブスクリプションが永続的であり、クライアントが再接続する方法は現在、ロードバランサーが同じノードに再接続する方法はありません。このような場合には、クライアントが別のブローカーに接続し、重複したサブスクリプションキューを作成できます。このため、ブローカーのクラスターで永続サブスクリプションを使用することは推奨されていません。
第2章 OpenShift Container Platform での AMQ Broker のデプロイメントのプランニング
2.1. デプロイメント方法の比較
OpenShift Container Platform に AMQ Broker をデプロイする方法は 2 つあります。
本セクションでは、これらの各デプロイメント方法について説明します。
- AMQ Broker Operator を使用したデプロイメント (推奨)
Operator は、OpenShift アプリケーションのパッケージ化、デプロイ、および管理を可能にするプログラムです。多くの場合、Operator は共通タスクまたは複雑なタスクを自動化します。通常、Operator は以下を提供することを目的としています。
- 一貫性のある繰り返し可能なインストール
- システムコンポーネントのヘルスチェック
- OTA (Over-the-air) 更新
- 管理アップグレード
AMQ Broker Operator は、OpenShift Container Platform でブローカーデプロイメントを作成するにあたり推奨されている方法です。Operator は、デプロイメントの設定に使用したカスタムリソース (CR) インスタンスへの変更を常にリッスンしているため、ブローカーインスタンスの実行中に変更を加えることができます。CR に変更を加えると、Operator は既存のブローカーデプロイメントの変更を調整し、変更を反映するためにデプロイメントを更新します。さらに、Operator は、メッセージングデータの整合性を維持するメッセージ移行機能を提供します。デプロイメントの失敗または意図的に縮小してクラスターデプロイメントのブローカーがシャットダウンすると、この機能はメッセージを同じブローカークラスターで実行されているブローカー Pod に移行します。
- アプリケーションテンプレートを使用したデプロイメント
- 重要
7.8 より、OpenShift Container Platform での AMQ Broker をデプロイするためのアプリケーションテンプレートの使用は非推奨になった機能になりました。この機能は今後のリリースで削除されます。Red Hat では、アプリケーションテンプレートに基づく既存のデプロイメントのサポートを続けています。ただし、Red Hat は、新規デプロイメントにアプリケーションテンプレートを使用することは推奨していません。新規デプロイメントについては、Red Hat は AMQ Broker Operator を使用することを推奨します。
テンプレートとは、OpenShift Container Platform で作成するためにパラメーター化され、処理されるオブジェクトを記述する 1 つの方法です。テンプレートを使用して、サービスまたはビルド設定などの、OpenShift プロジェクト内で作成するパーミッションを持つすべてのものを記述します。AMQ Broker には、さまざまなタイプのブローカーデプロイメントを DeploymentConfig または StatefulSet ベースのアプリケーションとして作成できるサンプルアプリケーションテンプレートがあります。アプリケーションテンプレートに含まれる環境変数の値を指定して、ブローカーデプロイメントを設定します。テンプレートの制限は、初期ブローカーデプロイメントの作成に有効である一方で、デプロイメントを更新するメカニズムを提供しないことです。さらに、AMQ Broker はテンプレートベースのデプロイメント用のメッセージ移行機能を提供しないため、実稼働環境でテンプレートを使用することは推奨されません。
関連情報
- AMQ Broker Operator を使用してブローカーデプロイメントを作成する方法は、3章AMQ Broker Operator を使用した OpenShift Container Platform での AMQ Broker のデプロイ を参照してください。
- Operator を使用したメッセージ移行についての詳細は、「高可用性およびメッセージの移行」 を参照してください。
2.2. AMQ Broker Operator カスタムリソース定義の概要
通常、カスタムリソース定義 (CRD) は、Operator でデプロイされたカスタム OpenShift オブジェクトのスキーマです。対応するカスタムリソース (CR) インスタンスを作成すると、CRD の設定項目の値を指定できます。Operator 開発者の場合、CRD を使用して公開する内容は基本的に、デプロイされたオブジェクトの設定および使用方法のために API になります。CRD は Kubernetes 経由で自動的に公開されるため、通常の HTTP curl
コマンドを使用して CRD に直接アクセスできます。
OperatorHub グラフィカルインターフェースを使用して、OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) または Operator Lifecycle Manager を使用して AMQ Broker Operator をインストールできます。いずれの場合も、AMQ Broker Operator に以下で説明されている CRD が含まれます。
- メインブローカー CRD
この CRD に基づいて CR インスタンスをデプロイし、ブローカーデプロイメントを作成および設定します。
Operator のインストール方法に基づいて、この CRD は以下になります。
-
Operator インストールアーカイブの
crds
ディレクトリーにあるbroker_activemqartemis_crd
ファイル (OpenShift CLI インストール方法) -
OpenShift Container Platform Web コンソールの
Custom Resource Definitions
(OperatorHub インストール方法) のActiveMQArtemis CRD
-
Operator インストールアーカイブの
- Address CRD
この CRD に基づいて CR インスタンスをデプロイし、ブローカーデプロイメントのアドレスおよびキューを作成します。
Operator のインストール方法に基づいて、この CRD は以下になります。
-
Operator インストールアーカイブの
crds
ディレクトリーにあるbroker_activemqartemisaddress_crd
ファイル (OpenShift CLI インストール方法) -
OpenShift Container Platform Web コンソールの
Custom Resource Definitions
セクションのActiveMQArtemisAddresss
CRD (OperatorHub インストール方法)
-
Operator インストールアーカイブの
- Scaledown CRD
Operator は、メッセージ移行用にスケールダウンコントローラーをインスタンス化する際に、この CRD に基づいて CR インスタンスを自動的に作成します。
Operator のインストール方法に基づいて、この CRD は以下になります。
-
Operator インストールアーカイブの
crds
ディレクトリーにあるbroker_activemqartemisscaledown_crd
ファイル (OpenShift CLI インストール方法) -
OpenShift Container Platform Web コンソールの
Custom Resource Definitions
セクションのActiveMQArtemisScaledown
CRD (OperatorHub インストール方法)
-
Operator インストールアーカイブの
関連情報
以下を使用して AMQ Broker Operator (および含まれるすべての CRD) のインストール方法については、以下を実行します。
- OpenShift CLI については、「CLI を使用した Operator のインストール」 を参照してください。
- Operator Lifecycle Manager および OperatorHub グラフィカルインターフェースについては、「OperatorHub を使用した Operator のインストール」 を参照してください。
メインブローカーおよび CRD に基づいて CR インスタンスの作成時に使用する完全な設定の参照については、以下を参照してください。
2.3. AMQ Broker Operator サンプルカスタムリソースの概要
インストール時にダウンロードして展開する AMQ Broker Operator アーカイブには、deploy/crs
ディレクトリーにサンプルカスタムリソース (CR) ファイルが含まれます。以下のサンプル CR ファイルでは、以下が可能になります。
- SSL またはクラスタリングなしで最小ブローカーをデプロイします。
- アドレスを定義します。
ダウンロードするブローカー Operator アーカイブには、以下に一覧表示されているように deploy/examples
ディレクトリーにデプロイメントの CR が含まれます。
artemis-basic-deployment.yaml
- 基本ブローカーデプロイメント。
artemis-persistence-deployment.yaml
- 永続ストレージのあるブローカーデプロイメント。
artemis-cluster-deployment.yaml
- クラスター化したブローカーのデプロイメント。
artemis-persistence-cluster-deployment.yaml
- 永続ストレージのあるクラスターブローカーのデプロイメント。
artemis-ssl-deployment.yaml
- SSL セキュリティーを使用したブローカーデプロイメント。
artemis-ssl-persistence-deployment.yaml
- SSL セキュリティーおよび永続ストレージを使用したブローカーデプロイメント。
artemis-aio-journal.yaml
- ブローカージャーナルで非同期 I/O (AIO) の使用。
address-queue-create.yaml
- アドレスおよびキューの作成。
2.4. Operator によるコンテナーイメージの選択方法
Operator のバージョン 7.8.5-opr-2 以上 に基づいてブローカーデプロイメントのカスタムリソース(CR)インスタンスを作成する場合、CR でブローカーまた は Init コンテナーイメージ名を明示的に指定する必要はありません。デフォルトで、CR をデプロイし、コンテナーイメージの値を明示的に指定しない場合、Operator は使用する適切なコンテナーイメージを自動的に選択します。
OpenShift コマンドラインインターフェースを使用して Operator をインストールする場合、Operator インストールアーカイブには broker_activemqartemis_cr.yaml
というサンプル CR ファイルが含まれます。サンプル CR では、spec.deploymentPlan.image
プロパティーが含まれ、placeholder
のデフォルト値に設定されます。この値は、Operator が CR をデプロイするまでブローカーコンテナーイメージを選択しないことを示します。
Init コンテナーイメージを指定する spec.deploymentPlan.initImage
プロパティーは、broker_activemqartemis_cr.yaml
サンプル CR ファイルには含まれません。spec.deploymentPlan.initImage
プロパティーを明示的に CR に追加し、値を指定する場合、Operator は CR のデプロイ時に使用する適切な組み込み Init コンテナーイメージを選択します。
このセクションでは、Operator がこのイメージを選択する仕組みについて説明します。
ブローカーおよび init コンテナーイメージを選択するには、Operator はまず、イメージが対応する AMQ Broker バージョンを判別します。Operator は以下のようにバージョンを判別します。
-
メイン CR の
spec.upgrades.enabled
プロパティーがすでにtrue
に設定され、spec.version
プロパティーが7.7.0
、7.8.0
、7.8.1
、または7.8.2
を指定し、Operator はその指定されたバージョンを使用します。 -
spec.upgrades.enabled
がtrue
に設定されて いない 場合や、spec.version
が7
)を使用します。.7.0
よりも前の AMQ Broker バージョンに設定されている場合、Operator は 最新 バージョンの AMQ Broker(7.8.5
注記:IBM Z および IBM Power Systems の場合は、7.8.1
および 7.8.2
のみが spec.version
の唯一の有効な値になります。
その後、Operator はコンテナープラットフォームを検出します。AMQ Broker Operator は以下のコンテナープラットフォームで実行できます。
- OpenShift Container Platform (x86_64)
- OpenShift Container Platform on IBM Z (s390x)
- OpenShift Container Platform on IBM Power Systems (ppc64le)
AMQ Broker およびコンテナープラットフォームのバージョンに基づいて、Operator は operator.yaml
設定ファイルで環境変数の 2 セットを参照します。以下のサブセクションで説明されているように、環境変数のセットは、さまざまなバージョンの AMQ Broker のブローカーおよび Init コンテナーイメージを指定します。
2.4.1. ブローカーコンテナーイメージの環境変数
ブローカーコンテナーイメージの operator.yaml
設定ファイルに含まれる環境変数には、以下の命名規則があります。
- OpenShift Container Platform
-
RELATED_IMAGE_ActiveMQ_Artemis_Broker_Kubernetes_<AMQ_Broker_version_identifier>
- IBM Z での OpenShift Container Platform
-
RELATED_IMAGE_ActiveMQ_Artemis_Broker_Kubernetes_<AMQ_Broker_version_identifier>_s390x
- OpenShift Container Platform on IBM Power Systems
-
RELATED_IMAGE_ActiveMQ_Artemis_Broker_Kubernetes_<AMQ_Broker_version_identifier>_ppc64le
サポート対象のコンテナープラットフォームと特定の AMQ Broker バージョンの環境変数名を以下の表に示します。
コンテナープラットフォーム | 環境変数名 |
---|---|
OpenShift Container Platform |
|
IBM Z での OpenShift Container Platform |
|
OpenShift Container Platform on IBM Power Systems |
|
各環境変数の値は、Red Hat から利用できるブローカーコンテナーイメージを指定します。以下に例を示します。
- name: RELATED_IMAGE_ActiveMQ_Artemis_Broker_Kubernetes_787 #value: registry.redhat.io/amq7/amq-broker:7.8-33 value: registry.redhat.io/amq7/amq-broker@sha256:4d60775cd384067147ab105f41855b5a7af855c4d9cbef1d4dea566cbe214558
そのため、AMQ Broker のバージョンとコンテナープラットフォームをベースとするため、Operator は該当する環境変数名を決定します。Operator はブローカーコンテナーの起動時に対応するイメージ値を使用します。
operator.yaml
ファイルでは、Operator は Secure Hash Algorithm (SHA) 値で表されるイメージを使用します。数字記号 (#
) 記号で始まるコメント行は、SHA 値が特定のコンテナーイメージタグに対応していることを示します。
2.4.2. Init コンテナーイメージの環境変数
Init コンテナーイメージの operator.yaml
設定ファイルに含まれる環境変数には、以下の命名規則があります。
- OpenShift Container Platform
-
RELATED_IMAGE_ActiveMQ_Artemis_Broker_Init_<AMQ_Broker_version_identifier>
- IBM Z での OpenShift Container Platform
-
RELATED_IMAGE_ActiveMQ_Artemis_Broker_Init_s390x_<AMQ_Broker_version_identifier>
- OpenShift Container Platform on IBM Power Systems
-
RELATED_IMAGE_ActiveMQ_Artemis_Broker_Init_ppc64le_<AMQ_Broker_version_identifier>
サポート対象のコンテナープラットフォームと特定の AMQ Broker バージョンの環境変数名を以下の表に示します。
コンテナープラットフォーム | 環境変数名 |
---|---|
OpenShift Container Platform |
|
IBM Z での OpenShift Container Platform |
|
OpenShift Container Platform on IBM Power Systems |
|
各環境変数の値は、Red Hat で利用できる Init コンテナーイメージを指定します。以下に例を示します。
- name: RELATED_IMAGE_ActiveMQ_Artemis_Broker_Init_787 #value: registry.redhat.io/amq7/amq-broker-init-rhel7:7.8-1 value: registry.redhat.io/amq7/amq-broker-init-rhel7@sha256:f7482d07ecaa78d34c37981447536e6f73d4013ec0c64ff787161a75e4ca3567
そのため、AMQ Broker のバージョンとコンテナープラットフォームをベースとするため、Operator は該当する環境変数名を決定します。Operator は init コンテナーの起動時に対応するイメージ値を使用します。
例のように、Operator は Secure Hash Algorithm (SHA) 値で表されるイメージを使用します。数字記号 (#
) 記号で始まるコメント行は、SHA 値が特定のコンテナーイメージタグに対応していることを示します。対応するコンテナーイメージタグが 0.2
の形式でフローティングタグではないことを確認します。つまり、Operator で使用されるコンテナーイメージは固定されたままになります。Operator は、Red Hat から利用可能になる際に新規のマイクロイメージバージョン (0.2-n
など) を自動的にプルし、使用しません。n は最新のマイクロバージョンになります。
関連情報
- AMQ Broker Operator を使用してブローカーデプロイメントを作成する方法は、3章AMQ Broker Operator を使用した OpenShift Container Platform での AMQ Broker のデプロイ を参照してください。
- Operator が init コンテナーを使用してブローカー設定を生成する方法の詳細は、「Operator によるブローカー設定の生成方法」 を参照してください。
- カスタム Init コンテナーイメージをビルドし、指定する方法については、「カスタム Init コンテナーイメージの指定」 を参照してください。
2.5. Operator デプロイメントノート
このセクションでは、Operator ベースのデプロイメントを計画する際の重要な考慮事項について説明します。
- AMQ Broker Operator に付随するカスタムリソース定義 (CRD) をデプロイするには、OpenShift クラスターのクラスター管理者権限が必要です。Operator がデプロイされると、管理者以外のユーザーは対応するカスタムリソース (CR) を使用してブローカーインスタンスを作成できます。通常ユーザーが CR をデプロイできるようにするには、クラスター管理者はまずロールおよびパーミッションを CRD に割り当てる必要があります。詳細は、OpenShift Container Platform ドキュメントの「カスタムリソース定義のクラスターロールの作成」を参照してください。
- 最新の Operator バージョンの CRD を使用してクラスターを更新する場合、今回の更新はクラスターのすべてのプロジェクトに影響を与えます。以前のバージョンの Operator からデプロイされたブローカー Pod は、それらのステータスを更新できなくなる可能性があります。OpenShift Container Platform Web コンソールで実行中のブローカー Pod の Logs タブをクリックすると、「UpdatePodStatus」が失敗したことを示すメッセージが表示されます。ただし、そのプロジェクトのブローカー Pod および Operator は予想通りに機能し続けます。影響を受けるプロジェクトに対してこの問題を解決するには、Operator の最新バージョンを使用するようプロジェクトをアップグレードする必要もあります。
- 複数のブローカーカスタムリソース (CR) インスタンスをデプロイして、指定の OpenShift プロジェクトに複数のブローカーデプロイメントを作成することはできません。ただし、プロジェクトにブローカーデプロイメントを作成した場合は、アドレスに複数の CR インスタンスをデプロイできます。
永続ストレージでブローカーをデプロイし、OpenShift クラスターに Container-native ストレージがない場合、永続ボリューム (PV) を手動でプロビジョニングし、それらが Operator で要求できるようにする必要があります。たとえば、永続ストレージ (CR に
persistenceEnabled=true
) を使用して 2 つのブローカーで構成されるクラスターを作成する場合は、永続ボリュームを 2 つ利用可能にしておく必要があります。デフォルトでは、各ブローカーインスタンスには 2 GiB のストレージが必要です。CR に
persistenceEnabled=false
を指定した場合、デプロイされたブローカーは 一時 ストレージを使用します。一時ストレージは、ブローカー Pod を再起動するたびに、既存のデータが失われることを意味します。OpenShift Container Platform での永続ストレージのプロビジョニングについての詳細は、以下を参照してください。
- 永続ストレージについて (OpenShift Container Platform 4.5)
- 永続ストレージ (OpenShift Container Platform 3.11)
CR を初めてデプロイする前に、一覧表示されている項目の設定をメインブローカー CR インスタンスに追加する必要があります。これらのアイテムの設定をすでに実行中のブローカーデプロイメントに追加することはできません。
次のセクションの手順では、Operator をインストールし、カスタムリソース (CR) を使用して OpenShift Container Platform でブローカーデプロイメントを作成する方法を説明します。この手順を正常に完了したら、Operator が個別の Pod で実行されます。作成する各ブローカーインスタンスは、Operator と同じプロジェクトの StatefulSet の個別の Pod として実行されます。その後、専用のアドレス CR を使用してブローカーデプロイメントでアドレスを定義する方法を確認できます。
第3章 AMQ Broker Operator を使用した OpenShift Container Platform での AMQ Broker のデプロイ
3.1. 前提条件
- Operator をインストールし、これを使用してブローカーデプロイメントを作成する前に、Operator のデプロイメントについて「「Operator デプロイメントノート」」で参照する必要があります。
3.2. CLI を使用した Operator のインストール
各 Operator リリースでは、以下で説明されているように、最新の AMQ Broker 7.8.5 .3 Operator インストールおよびサンプルファイル をダウンロードする必要があります。
本セクションの手順では、OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) を使用して、指定の OpenShift プロジェクトで AMQ Broker 7.8 の Operator の最新バージョンをインストールし、デプロイする方法を説明します。後続の手順で、この Operator を使用して一部のブローカーインスタンスをデプロイします。
- OperatorHub グラフィカルインターフェースを使用する AMQ Broker Operator の代替方法については、「OperatorHub を使用した Operator のインストール」 を参照してください。
- 既存の Operator ベースのブローカーデプロイメントのアップグレードに関する詳細は、6章Operator ベースのブローカーデプロイメントのアップグレード を参照してください。
3.2.1. Operator コードの取得
この手順では、最新バージョンの AMQ Broker 7.8 用 Operator をインストールするのに必要なコードにアクセスし、準備する方法を説明します。
手順
- Web ブラウザーで、AMQ Broker 7.8.5 patches の Software Downloads ページに移動します。
-
Version ドロップダウンリストの値が
7.8.5
に設定され、Patches タブが選択されていることを確認します。 AMQ Broker 7.8.5 .3 Operator Installation and Example Files の横にある Download をクリックします。
amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
圧縮アーカイブのダウンロードが自動的に開始します。ダウンロードが完了したら、アーカイブを選択したインストールディレクトリーに移動します。以下の例では、アーカイブを
~/broker/operator
という名前のディレクトリーに移動します。$ mkdir ~/broker/operator $ mv amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip ~/broker/operator
選択したインストールディレクトリーで、アーカイブの内容を展開します。以下に例を示します。
$ cd ~/broker/operator $ unzip amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
アーカイブの展開時に作成されたディレクトリーに移動します。以下に例を示します。
$ cd amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples
クラスター管理者として OpenShift Container Platform にログインします。以下に例を示します。
$ oc login -u system:admin
Operator をインストールするプロジェクトを指定します。新規プロジェクトを作成するか、または既存プロジェクトに切り替えることができます。
新しいプロジェクトを作成します。
$ oc new-project <project-name>
または、既存のプロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project-name>
Operator で使用するサービスアカウントを指定します。
-
展開した Operator アーカイブの
deploy
ディレクトリーで、service_account.yaml
ファイルを開きます。 -
kind
要素がServiceAccount
に設定されていることを確認します。 -
metadata
セクションで、カスタム名をサービスアカウントに割り当てるか、デフォルト名を使用します。デフォルトの名前はamq-broker-operator
です。 プロジェクトにサービスアカウントを作成します。
$ oc create -f deploy/service_account.yaml
-
展開した Operator アーカイブの
Operator のロール名を指定します。
-
role.yaml
ファイルを開きます。このファイルは、Operator が使用できるリソースを指定し、変更します。 -
kind
要素がRole
に設定されていることを確認します。 -
metadata
セクションで、カスタム名をロールに割り当てるか、デフォルト名を使用します。デフォルトの名前はamq-broker-operator
です。 プロジェクトにロールを作成します。
$ oc create -f deploy/role.yaml
-
Operator のロールバインディングを指定します。ロールバインディングは、指定した名前に基づいて、事前に作成されたサービスアカウントを Operator ロールにバインドします。
role_binding.yaml
ファイルを開きます。ServiceAccount
とRole
のname
の値がservice_account.yaml
およびrole.yaml
ファイルで指定された値と一致していることを確認します。以下に例を示します。metadata: name: amq-broker-operator subjects: kind: ServiceAccount name: amq-broker-operator roleRef: kind: Role name: amq-broker-operator
プロジェクトでロールバインディングを作成します。
$ oc create -f deploy/role_binding.yaml
以下の手順では、Operator をプロジェクトにデプロイします。
3.2.2. CLI を使用した Operator のデプロイ
本セクションの手順では、OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) を使用して、OpenShift プロジェクトに最新バージョンの Operator for AMQ Broker 7.8 をデプロイする方法を説明します。
前提条件
- Operator デプロイメントのために OpenShift プロジェクトを準備している必要があります。「Operator コードの取得」 を参照してください。
- AMQ Broker 7.3 以降では、新しいバージョンの Red Hat Ecosystem Catalog を使用してコンテナーイメージにアクセスします。この新しいバージョンのレジストリーでは、イメージにアクセスする前に認証されたユーザーである必要があります。本セクションの手順を実行する前に、「Red Hat Container Registry Authentication」で説明されている手順を完了する必要があります。
永続ストレージでブローカーをデプロイし、OpenShift クラスターに Container-native ストレージがない場合、永続ボリューム (PV) を手動でプロビジョニングし、これらが Operator で要求できるようにする必要があります。たとえば、永続ストレージ (Custom Resource に
persistenceEnabled=true
を設定して) とともに 2 つのブローカーで構成されるクラスターを作成する場合は、2 つの PV が利用可能である必要があります。デフォルトでは、各ブローカーインスタンスには 2 GiB のストレージが必要です。カスタムリソースで
persistenceEnabled=false
を指定した場合、デプロイされたブローカーは一時ストレージを使用します。一時ストレージは、ブローカー Pod を再起動するたびに、既存のデータが失われることを意味します。永続ストレージのプロビジョニングの詳細は、以下を参照してください。
- 永続ストレージについて (OpenShift Container Platform 4.5)
- 永続ストレージ (OpenShift Container Platform 3.11)
手順
OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) で、クラスター管理者として OpenShift にログインします。以下に例を示します。
$ oc login -u system:admin
Operator デプロイメント用に以前に準備したプロジェクトに切り替えます。以下に例を示します。
$ oc project <project_name>
以前の手順で Operator インストールアーカイブを展開する際に作成されたディレクトリーに移動します。以下に例を示します。
$ cd ~/broker/operator/amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples
Operator に含まれる CRD をデプロイします。Operator をデプロイし、起動する前に CRD を OpenShift クラスターにインストールする必要があります。
メインブローカー CRD をデプロイします。
$ oc create -f deploy/crds/broker_activemqartemis_crd.yaml
アドレス CRD をデプロイします。
$ oc create -f deploy/crds/broker_activemqartemisaddress_crd.yaml
スケールダウンコントローラー CRD をデプロイします。
$ oc create -f deploy/crds/broker_activemqartemisscaledown_crd.yaml
Red Hat Ecosystem Catalog での認証に使用されるアカウントに関連付けられたプルシークレットを、OpenShift プロジェクトの
default
、deployer
、およびbuilder
サービスアカウントにリンクします。$ oc secrets link --for=pull default <secret_name> $ oc secrets link --for=pull deployer <secret_name> $ oc secrets link --for=pull builder <secret_name>
ダウンロードした Operator アーカイブの
deploy
ディレクトリーで、operator.yaml
ファイルを開きます。注記operator.yaml
ファイルでは、Operator は Secure Hash Algorithm (SHA) 値で表されるイメージを使用します。数字記号 (#
) 記号で始まるコメント行は、SHA 値が特定のコンテナーイメージタグに対応していることを示します。Operator をデプロイします。
$ oc create -f deploy/operator.yaml
OpenShift プロジェクトで、Operator は新規 Pod で起動します。
OpenShift Container Platform Web コンソールで、Operator Pod の Events タブにある情報により、OpenShift が指定した Operator イメージがデプロイされ、新規コンテナーが OpenShift クラスターのノードに割り当てられ、新規コンテナーが起動されていることを確認します。
さらに、Pod 内の Logs タブをクリックしても、出力には、以下のような行が含まれるはずです。
... {"level":"info","ts":1553619035.8302743,"logger":"kubebuilder.controller","msg":"Starting Controller","controller":"activemqartemisaddress-controller"} {"level":"info","ts":1553619035.830541,"logger":"kubebuilder.controller","msg":"Starting Controller","controller":"activemqartemis-controller"} {"level":"info","ts":1553619035.9306898,"logger":"kubebuilder.controller","msg":"Starting workers","controller":"activemqartemisaddress-controller","worker count":1} {"level":"info","ts":1553619035.9311671,"logger":"kubebuilder.controller","msg":"Starting workers","controller":"activemqartemis-controller","worker count":1}
上記の出力では、新たにデプロイされた Operator が Kubernetes と通信していること、ブローカーおよびアドレス指定のコントローラーが実行されていることと、これらのコントローラーが一部のワーカーを起動していることを確認します。
所定の OpenShift プロジェクトに AMQ Interconnect Operator の 単一のインスタンス のみをデプロイすることが推奨されます。Operator デプロイメントの spec.replicas
プロパティーを 1
より大きい値に設定し、同じプロジェクトで Operator を複数回デプロイしたりすることは推奨されません。
関連情報
- OperatorHub グラフィカルインターフェースを使用する AMQ Broker Operator の代替方法については、「OperatorHub を使用した Operator のインストール」 を参照してください。
3.3. OperatorHub を使用した Operator のインストール
3.3.1. Operator Lifecycle Manager の概要
OpenShift Container Platform 4.5 以降では、Operator Lifecycle Manager (OLM) は、ユーザーがクラスター全体で実行されるすべての Operator やそれらの関連サービスをインストール、更新、およびそのライフサイクルを全般的に管理するのに役立ちます。これは、Kubernetes ネイティブアプリケーション (Operator) を効果的かつ自動化されたスケーラブルな方法で管理するために設計されたオープンソースツールキットの Operator Framework の一部です。
OLM は OpenShift Container Platform 4.5 以降 でデフォルトで実行されます。これは、クラスター管理者がクラスターで実行されている Operator をインストールし、アップグレードし、そのアクセス権限を付与するのに役立ちます。OpenShift Container Platform Web コンソールでは、クラスター管理者が Operator をインストールし、特定のプロジェクトアクセスを付与して、クラスターで利用可能な Operator のカタログを使用するための管理画面を利用できます。
OperatorHub は、OpenShift クラスター管理者が OLM を使用して Operator を検出し、インストールし、アップグレードするために使用するグラフィカルインターフェースです。1 回のクリックで、これらの Operator を OperatorHub からプルし、クラスターにインストールし、OLM で管理して、エンジニアリングチームが開発環境、テスト環境、および本番環境でソフトウェアをセルフサービスで管理できるようにします。
Operator をデプロイしている場合、カスタムリソース (CR) インスタンスを使用してスタンドアロンおよびクラスターブローカーブローカーデプロイメントを作成できます。
3.3.2. OperatorHub への Operator のインストール
OperatorHub では、AMQ Broker 7.8 の Operator の名前は Red Hat Integration - AMQ Broker
です。Operator が OperatorHub で自動的に利用できることが確認できるはずです。ただし、これが表示されない場合は、以下の手順を実行して OperatorHub で Operator を手動でインストールします。
このセクションでは、RHEL 7 Operator をインストールする方法を説明します。RHEL 8 イメージを提供する RHEL 8 の Operator もあります。
選択する Operator を判別するには、「Red Hat Enterprise Linux Container Compatibility Matrix」を参照してください。
手順
- Web ブラウザーで、AMQ Broker 7.8.5 releases の Software Downloads ページに移動します。
-
Version ドロップダウンリストの値が
7.8.5
に設定され、Releases タブが選択されて いる ことを確認します。 AMQ Broker 7.8.5 .3 Operator Installation and Example Files の横にある Download をクリックします。
amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
圧縮アーカイブのダウンロードが自動的に開始します。ダウンロードが完了したら、アーカイブを選択したインストールディレクトリーに移動します。以下の例では、アーカイブを
~/broker/operator
という名前のディレクトリーに移動します。mkdir ~/broker/operator mv amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip ~/broker/operator
選択したインストールディレクトリーで、アーカイブの内容を展開します。以下に例を示します。
cd ~/broker/operator unzip amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
展開した Operator アーカイブのディレクトリーに移動します。以下に例を示します。
cd amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples
クラスター管理者として OpenShift Container Platform にログインします。以下に例を示します。
$ oc login -u system:admin
OperatorHub に Operator をインストールします。
$ oc create -f deploy/catalog_resources/activemq-artemis-operatorsource.yaml
数分後に、AMQ Broker 7.8 の Operator は OpenShift Container Platform Web コンソールの OperatorHub セクションで利用可能になります。Operator の名前は
Red Hat Integration - AMQ Broker
です。
3.3.3. OperatorHub からの Operator のデプロイ
この手順では、OperatorHub を使用して、AMQ Broker の Operator の最新バージョンを指定された OpenShift プロジェクトにデプロイする方法について説明します。
OperatorHub を使用した Operator のデプロイには、クラスター管理者権限が必要です。
前提条件
-
Red Hat Integration - AMQ Broker
Operator は OperatorHub で利用できる必要があります。Operator が自動的に利用可能でない場合は、OperatorHub への Operator の手動インストール手順については、「OperatorHub への Operator のインストール」 を参照してください。
手順
- クラスター管理者として OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
- 左側のナビゲーションメニューで、Operators → OperatorHub をクリックします。
- OperatorHub ページ上部の Project ドロップダウンメニューで、Operator をデプロイするプロジェクトを選択します。
OperatorHub ページで、Filter by keyword… Box:
Red Hat Integration - AMQ Broker
Operator を見つけます。注記OperatorHub では、名前に
AMQ Broker
が含まれているよりも多くの Operator を見つける可能性があります。Red Hat Integration - AMQ Broker
Operator をクリックします。この Operator をクリックしたら、開いている情報ペインを確認します。AMQ Broker 7.8 では、この Operator の最新のマイナーバージョンタグは 7.8.5-opr-2
です。RHEL 8 イメージを提供する RHEL 8 の Operator は、
Red Hat Integration - AMQ Broker for RHEL 8
という名前で、バージョン7.8.5-opr-2
があります。選択する Operator を判別するには、「Red Hat Enterprise Linux Container Compatibility Matrix」を参照してください。
-
Red Hat Integration - AMQ Broker
Operator をクリックします。表示されるダイアログボックスで、Install をクリックします。 Install Operator ページで以下を行います。
Update Channel で、以下のラジオボタンのいずれかを選択して、Operator の更新を追跡および受信するために使用されるチャネルを指定します。
-
7.x
: このチャンネルは利用可能な場合に7.9
に更新されます。 -
7.8.x
: Long Term Support (LTS) チャンネルです。
-
- Installation Mode で、クラスターの特定の名前区間 のラジオボタンが選択されていることを確認します。
- Installed Namespace ドロップダウンメニューから、Operator をインストールするプロジェクトを選択します。
-
Approval Strategy で、
Automatic
のラジオボタンが選択されていることを確認します。このオプションは、インストールを実行するために Operator への更新を手動で承認する必要がないように指定します。 - Install をクリックします。
Operator のインストールが完了すると、Installed Operators ページが開きます。Red Hat Integration - AMQ Broker
Operator が指定したプロジェクト名前空間にインストールされていることが確認できるはずです。
関連情報
- AMQ Broker がインストールされているプロジェクトでブローカーデプロイメントを作成する方法は、「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 を参照してください。
3.4. Operator ベースのブローカーデプロイメントの作成
3.4.1. 基本的なブローカーインスタンスのデプロイ
以下の手順では、カスタムリソース (CR) インスタンスを使用して基本的なブローカーデプロイメントを作成する方法を説明します。
- 複数のカスタムリソース (CR) インスタンスをデプロイして、指定の OpenShift プロジェクトに複数のブローカーデプロイメントを作成することはできません。ただし、プロジェクトにブローカーデプロイメントを作成した場合は、アドレスに複数の CR インスタンスをデプロイできます。
AMQ Broker 7.8 では、以下の項目を設定する必要がある場合、最初に CR をデプロイする前に、メインのブローカー CR インスタンスに適切な設定を追加する必要があります。
前提条件
AMQ Broker Operator がすでにインストールされている必要があります。
- OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) を使用して AMQ Broker Operator をインストールするには、「CLI を使用した Operator のインストール」 を参照してください。
- OperatorHub グラフィカルインターフェースを使用して AMQ Broker Operator をインストールするには、「OperatorHub を使用した Operator のインストール」 を参照してください。
- Operator がブローカーデプロイメントに使用するブローカーコンテナーイメージを選択する方法を理解している必要があります。詳細は、「Operator によるコンテナーイメージの選択方法」 を参照してください。
- AMQ Broker 7.3 以降では、新しいバージョンの Red Hat Ecosystem Catalog を使用してコンテナーイメージにアクセスします。この新しいバージョンのレジストリーでは、イメージにアクセスする前に認証されたユーザーである必要があります。本セクションの手順を実行する前に、「Red Hat Container Registry Authentication」で説明されている手順を完了する必要があります。
手順
Operator が正常にインストールされると、Operator は実行され、CR に関連する変更をリッスンします。以下の手順では、CR インスタンスを使用して基本的なブローカーをプロジェクトにデプロイする方法を説明します。
ブローカーデプロイメントのカスタムリソース (CR) インスタンスの設定を開始します。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
デプロイメントを作成するプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとして OpenShift にログインします。
oc login -u <user> -p <password> --server=<host:port>
-
ダウンロードした Operator インストールアーカイブの
deploy/crs
ディレクトリーに含まれるbroker_activemqartemis_cr.yaml
というサンプル CR ファイルを開きます。
OpenShift Container Platform Web コンソールの使用
- デプロイメントを作成するプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとしてコンソールにログインします。
- メインブローカー CRD に基づいて新規 CR インスタンスを起動します。左側のペインで、Administration → Custom Resource Definitions をクリックします。
- ActiveMQArtemis CRD をクリックします。
- Instances タブをクリックします。
Create ActiveMQArtemis をクリックします。
コンソールで、YAML エディターが開き、CR インスタンスを設定できます。
基本的なブローカーデプロイメントの場合、設定が以下のように表示される可能性があります。この設定は、
broker_activemqartemis_cr.yaml
サンプル CR ファイルのデフォルトコンテンツです。apiVersion: broker.amq.io/v2alpha4 kind: ActiveMQArtemis metadata: name: ex-aao application: ex-aao-app spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true
broker_activemqartemis_cr.yaml
サンプル CR ファイルで、image
プロパティーがplaceholder
のデフォルト値に設定されていることを確認します。この値はデフォルトで、image
プロパティーによってデプロイメントに使用するブローカーコンテナーイメージが指定されていないことを示します。Operator が使用する適切なブローカーコンテナーイメージを判別する方法については、「Operator によるコンテナーイメージの選択方法」 を参照してください。注記metadata
セクションで、namespace
プロパティーを追加し、OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して CR インスタンスを作成する場合にのみ値を指定する必要があります。指定する値は、ブローカーデプロイメントの OpenShift プロジェクトの名前です。注記broker_activemqartemis_cr.yaml
サンプル CR は、ex-aao
の命名規則を使用します。この命名規則は、CR が AMQ Broker Operator のリソースの例になります。AMQ Broker は ActiveMQ Artemis プロジェクトをベースにしています。このサンプル CR をデプロイする場合、生成される StatefulSet はex-aao-ss
の名前を使用します。さらに、デプロイメントのブローカー Pod は StatefulSet 名に基づいて直接使用されます (例:ex-aao-ss-0
、ex-aao-ss-1
など)。CR のアプリケーション名が StatefulSet のラベルとしてデプロイメントに表示されます。このラベルは Pod セレクターで使用できます。-
size
プロパティーはデプロイするブローカーの数を指定します。2
以上の値は、クラスターブローカーデプロイメントを指定します。ただし、単一のブローカーインスタンスをデプロイするには、値が1
に設定されていることを確認します。 CR インスタンスをデプロイします。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
- CR ファイルを保存します。
ブローカーデプロイメントを作成するプロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project_name>
CR インスタンスを作成します。
$ oc create -f <path/to/custom_resource_instance>.yaml
OpenShift Web コンソールの使用
- CR の設定が完了したら、Create をクリックします。
OpenShift Container Platform Web コンソールで、Workloads → StatefulSets (OpenShift Container Platform 4.5 以降) または Applications → StatefulSets (OpenShift Container Platform 3.11)をクリックします。
ex-aao-ss
という新しい StatefulSet が表示されます。- ex-aao-ss StatefulSet をクリックします。CR で定義される単一ブローカーに対応する Pod が 1 つあることが分かります。
- StatefulSet 内で Pods タブをクリックします。ex-aao-ss Pod をクリックします。実行中の Pod の Events タブで、ブローカーコンテナーが起動したことを確認できます。Logs タブには、ブローカー自体が実行中であることを示します。
ブローカーは通常実行されていることをテストするには、ブローカー Pod のシェルにアクセスしてテストメッセージを送信します。
OpenShift Container Platform Web コンソールの使用
- Workloads → Pods (OpenShift Container Platform 4.5 またはそれ以降) または Applications → Pods (OpenShift Container Platform 3.11) をクリックします。
- ex-aao-ss Pod をクリックします。
- Terminal タブをクリックします。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
プロジェクトの Pod 名および内部 IP アドレスを取得します。
$ oc get pods -o wide NAME STATUS IP amq-broker-operator-54d996c Running 10.129.2.14 ex-aao-ss-0 Running 10.129.2.15
ブローカー Pod のシェルにアクセスします。
$ oc rsh ex-aao-ss-0
シェルから
artemis
コマンドを使用して、一部のテストメッセージを送信します。URL にブローカー Pod の内部 IP アドレスを指定します。以下に例を示します。sh-4.2$ ./amq-broker/bin/artemis producer --url tcp://10.129.2.15:61616 --destination queue://demoQueue
上記のコマンドは、ブローカーに
demoQueue
というキューを自動的に作成し、デフォルトの数量 1000 のメッセージをキューに送信します。以下のような出力が表示されるはずです。
Connection brokerURL = tcp://10.129.2.15:61616 Producer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Started to calculate elapsed time ... Producer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Produced: 1000 messages Producer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Elapsed time in second : 3 s Producer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Elapsed time in milli second : 3492 milli seconds
関連情報
- メインのブローカーカスタムリソース (CR) の完全な設定リファレンスは、「カスタムリソース設定リファレンス」 を参照してください。
- 稼働中のブローカーを AMQ 管理コンソールに接続する方法は、5章Operator ベースのブローカーデプロイメント用の AMQ 管理コンソール への接続 を参照してください。
3.4.2. クラスター化されたブローカーのデプロイ
2 つ以上のブローカー Pod がプロジェクトで実行されている場合、Pod はブローカークラスターを自動的に形成します。クラスター化の設定により、ブローカーは相互に接続でき、必要に応じてメッセージを再配布できます。
以下の手順では、クラスター化されたブローカーをデプロイする方法を説明します。デフォルトでは、このデプロイメントのブローカーはオンデマンド負荷分散を使用します。つまり、ブローカーは一致するコンシューマーを持つ他のブローカーにのみメッセージを転送します。
前提条件
- 基本的なブローカーインスタンスはすでにデプロイされています。「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 を参照してください。
手順
- 基本的なブローカーデプロイメントに使用した CR ファイルを開きます。
クラスター化したデプロイメントの場合は、
deploymentPlan.size
の値が2
以上であることを確認します。以下に例を示します。apiVersion: broker.amq.io/v2alpha4 kind: ActiveMQArtemis metadata: name: ex-aao application: ex-aao-app spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 4 image: placeholder ...
注記metadata
セクションで、namespace
プロパティーを追加し、OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して CR インスタンスを作成する場合にのみ値を指定する必要があります。指定する値は、ブローカーデプロイメントの OpenShift プロジェクトの名前です。- 変更された CR ファイルを保存します。
基本的なブローカーデプロイメントを作成したプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとして OpenShift にログインします。
$ oc login -u <user> -p <password> --server=<host:port>
基本的なブローカーデプロイメントを先に作成したプロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project_name>
コマンドラインで変更を適用します。
$ oc apply -f <path/to/custom_resource_instance>.yaml
OpenShift Container Platform Web コンソールで、追加のブローカー Pod は CR で指定される数に基づいてプロジェクトで起動します。デフォルトで、プロジェクトで実行されているブローカーはクラスター化されます。
各 Pod の Logs タブを開きます。ログには、OpenShift が各ブローカーでクラスター接続ブリッジが確立されていることが示されています。具体的には、ログ出力には以下のような行が含まれます。
targetConnector=ServerLocatorImpl (identity=(Cluster-connection-bridge::ClusterConnectionBridge@6f13fb88
3.4.3. ブローカーデプロイメントの実行へのカスタムリソース変更の適用
以下は、ブローカーデプロイメントの実行にカスタムリソース (CR) 変更の適用について留意すべき重要な事項です。
-
CR の
persistenceEnabled
属性を動的に更新することはできません。この属性を変更するには、クラスターをゼロにスケールダウンします。既存の CR を削除します。次に、変更で CR を再作成し、再デプロイします。また、デプロイメントサイズも指定します。 -
CR の
deploymentPlan.size
属性の値は、oc scale
コマンドによるブローカーデプロイメントのサイズの変更を上書きします。たとえば、oc scale
を使用してデプロイメントのサイズを3
つのブローカーから 2 つ変更する場合、CR のdeploymentPlan.size
の値は 3 つになります。この場合、OpenShift はまずデプロイメントを 2 つのブローカーにスケールダウンします。ただし、縮小操作が完了すると、Operator は CR で指定される 3 つのブローカーにデプロイメントを復元します。 -
「CLI を使用した Operator のデプロイ」 で説明されているように、永続ストレージ (CR に
persistenceEnabled=true
) でブローカーデプロイメントを作成する場合、ブローカー Pod について AMQ Broker Operator が要求する永続ボリューム (PV) をプロビジョニングする必要がある場合があります。ブローカーデプロイメントのサイズを縮小する場合、Operator はシャットダウンされるブローカー Pod で以前に要求された PV を解放します。ただし、CR を削除してブローカーデプロイメントを削除する場合、AMQ Broker Operator は削除時にデプロイメントにあるブローカー Pod の Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) を解放しません。また、これらのリリースされていない PV はいずれの新規デプロイメントでも利用できません。この場合は、ボリュームを手動で解放する必要があります。詳細は、OpenShift ドキュメントの「Release a persistent volume」を参照してください。 AMQ Broker 7.8 では、以下の項目を設定する必要がある場合、最初に CR をデプロイする前に、メインの CR インスタンスに適切な設定を追加する必要があります。
- アクティブなスケーリングイベント時に、さらに適用する変更は Operator によってキューに入れられ、スケーリングが完了した場合にのみ実行されます。たとえば、デプロイメントのサイズを 4 つのブローカーから 1 つにスケールダウンするとします。次に、縮小が行われる間、ブローカー管理者のユーザー名およびパスワードの値も変更します。この場合、Operator は 1 つのアクティブなブローカーでデプロイメントが実行されるまで、ユーザー名とパスワードの変更をキューに入れます。
-
すべての CR の変更: デプロイメントのサイズを変更したり、アクセプター、コネクター、またはコンソールの
expose
属性の値を変更することとは別に、既存のブローカーが再起動されます。デプロイメントに複数のブローカーがある場合は、1 度に 1 つのブローカーのみを再起動します。
第4章 Operator ベースのブローカーデプロイメントの設定
4.1. Operator によるブローカー設定の生成方法
カスタムリソース (CR) インスタンスを使用してブローカーデプロイメントを設定する前に、Operator がブローカー設定を生成する方法を理解する必要があります。
Operator ベースのブローカーのデプロイメントを作成する場合、各ブローカーの Pod は OpenShift プロジェクトの StatefulSet で実行されます。ブローカーのアプリケーションコンテナーは各 Pod 内で実行されます。
Operator は、各 Pod を初期化する際に Init コンテナーと呼ばれるコンテナーのタイプを指定します。OpenShift Container Platform では、Init コンテナーはアプリケーションコンテナーの前に実行される特殊なコンテナーです。Init コンテナーには、アプリケーションイメージに存在しないユーティリティーまたはセットアップスクリプトを含めることができます。
デフォルトで、AMQ Broker Operator は組み込み Init コンテナーを使用します。Init コンテナーはデプロイメントのメイン CR インスタンスを使用して、各ブローカーアプリケーションコンテナーで使用される設定を生成します。
CR にアドレス設定を指定した場合、Operator はデフォルト設定を生成し、その設定を CR で指定された設定にマージするか、または置き換えます。このプロセスについては、以下の項で説明します。
4.1.1. Operator によるアドレス設定の生成方法
デプロイメントの主要カスタムリソース (CR) インスタンスにアドレス設定を追加している場合、以下で説明されているように Operator は各ブローカーのアドレス設定を生成します。
Operator は、ブローカーのアプリケーションコンテナーの前に Init コンテナーを実行します。Init コンテナーはデフォルトのアドレス設定を生成します。デフォルトのアドレス設定を以下に示します。
<address-settings> <!-- if you define auto-create on certain queues, management has to be auto-create --> <address-setting match="activemq.management#"> <dead-letter-address>DLQ</dead-letter-address> <expiry-address>ExpiryQueue</expiry-address> <redelivery-delay>0</redelivery-delay> <!-- with -1 only the global-max-size is in use for limiting --> <max-size-bytes>-1</max-size-bytes> <message-counter-history-day-limit>10</message-counter-history-day-limit> <address-full-policy>PAGE</address-full-policy> <auto-create-queues>true</auto-create-queues> <auto-create-addresses>true</auto-create-addresses> <auto-create-jms-queues>true</auto-create-jms-queues> <auto-create-jms-topics>true</auto-create-jms-topics> </address-setting> <!-- default for catch all --> <address-setting match="#"> <dead-letter-address>DLQ</dead-letter-address> <expiry-address>ExpiryQueue</expiry-address> <redelivery-delay>0</redelivery-delay> <!-- with -1 only the global-max-size is in use for limiting --> <max-size-bytes>-1</max-size-bytes> <message-counter-history-day-limit>10</message-counter-history-day-limit> <address-full-policy>PAGE</address-full-policy> <auto-create-queues>true</auto-create-queues> <auto-create-addresses>true</auto-create-addresses> <auto-create-jms-queues>true</auto-create-jms-queues> <auto-create-jms-topics>true</auto-create-jms-topics> </address-setting> <address-settings>
- カスタムリソース (CR) インスタンスでアドレス設定も指定した場合、Init Container プロセスがその設定を行い、それを XML に変換します。
-
CR の
applyRule
プロパティーの値に基づき、Init Container がマージするか、上記のデフォルトのアドレス設定を CR で指定した設定に置き換えます。このマージまたは置換の結果は、ブローカーが使用する最終アドレス設定になります。 -
Init コンテナーがブローカー設定の生成が終了すると (アドレス設定を含む)、ブローカーのアプリケーションコンテナーが起動します。起動時に、ブローカーコンテナーは以前に init コンテナーによって使用されたインストールディレクトリーから設定をコピーします。
broker.xml
設定ファイルでアドレス設定を確認できます。実行中のブローカーの場合、このファイルは/home/jboss/amq-broker/etc
ディレクトリーにあります。
関連情報
-
CR で
applyRule
プロパティーを使用する例については、「Operator ベースのブローカーデプロイメントで設定されたアドレスへのマッチングアドレス設定」 を参照してください。
4.1.2. ブローカー Pod のディレクトリー構造
Operator ベースのブローカーのデプロイメントを作成する場合、各ブローカーの Pod は OpenShift プロジェクトの StatefulSet で実行されます。ブローカーのアプリケーションコンテナーは各 Pod 内で実行されます。
Operator は、各 Pod を初期化する際に Init コンテナーと呼ばれるコンテナーのタイプを指定します。OpenShift Container Platform では、Init コンテナーはアプリケーションコンテナーの前に実行される特殊なコンテナーです。Init コンテナーには、アプリケーションイメージに存在しないユーティリティーまたはセットアップスクリプトを含めることができます。
ブローカーインスタンスの設定を生成する際に、Init コンテナーはデフォルトのインストールディレクトリーに含まれるファイルを使用します。このインストールディレクトリーは、Operator がブローカー Pod にマウントし、Init Container およびブローカーコンテナーを共有するボリュームにあります。共有ボリュームをマウントするために Init コンテナーが使用するパスは、CONFIG_INSTANCE_DIR
という環境変数で定義されます。CONFIG_INSTANCE_DIR
のデフォルト値は /amq/init/config
です。本書では、このディレクトリーは <install_dir>
と呼ばれます。
CONFIG_INSTANCE_DIR
環境変数の値を変更することはできません。
デフォルトでは、インストールディレクトリーには以下のサブディレクトリーがあります。
サブディレクトリー | コンテンツ |
---|---|
| ブローカーの実行に必要なバイナリーおよびスクリプト。 |
| 設定ファイル。 |
| ブローカーのジャーナル。 |
| ブローカーの実行に必要な JAR およびライブラリー。 |
| ブローカーのログファイル。 |
| 一時的な Web アプリケーションファイル。 |
Init コンテナーがブローカー設定の生成が終了すると、ブローカーのアプリケーションコンテナーが起動します。起動時に、ブローカーコンテナーは以前に init コンテナーによって使用されたインストールディレクトリーから設定をコピーします。ブローカー Pod が初期化され、実行されている場合、ブローカー設定はブローカーの /home/jboss/amq-broker
ディレクトリー (およびサブディレクトリー) に置かれます。
関連情報
- Operator がビルトインの Init コンテナーのコンテナーイメージを選択する方法についての詳細は、「Operator によるコンテナーイメージの選択方法」 を参照してください。
- カスタム Init コンテナーイメージをビルドし、指定する方法については、「カスタム Init コンテナーイメージの指定」 を参照してください。
4.2. Operator ベースのブローカーデプロイメントのアドレスおよびキューの設定
Operator ベースのブローカーのデプロイメントの場合、2 つの異なるカスタムリソース (CR) インスタンスを使用してアドレスおよびキューと関連する設定を行います。
ブローカーでアドレスおよびキューを作成するには、アドレスカスタムリソース定義 (CRD) に基づいて CR インスタンスをデプロイします。
-
OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) を使用して Operator をインストールした場合、アドレス CRD は、ダウンロードした Operator インストールアーカイブの
deploy/crds
に含まれているbroker_activemqartemisaddress_crd.yaml
ファイルです。 -
OperatorHub を使用して Operator をインストールした場合、アドレス CRD は OpenShift Container Platform Web コンソールのAdministration → Custom Resource Definitions に一覧表示されている
ActiveMQAretmisAddress
CRD になります。
-
OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) を使用して Operator をインストールした場合、アドレス CRD は、ダウンロードした Operator インストールアーカイブの
特定のアドレスに一致するアドレスおよびキュー設定を設定するには、ブローカーデプロイメントの作成に使用されるメインのカスタムリソース (CR) インスタンスに設定を含めます。
-
OpenShift CLI を使用して Operator をインストールした場合、メインのブローカー CRD は、ダウンロードした Operator インストールアーカイブの
deploy/crds
に含まれるbroker_activemqartemis_crd.yaml
ファイルです。 -
OperatorHub を使用して Operator をインストールした場合、メインブローカー CRD は OpenShift Container Platform Web コンソールのAdministration → Custom Resource Definitions に一覧表示されている
ActiveMQAretmis
CRD になります。
注記Operator ベースのデプロイメントのアドレス設定を設定するには、AMQ Broker 7.7 の Operator の最新バージョン (バージョン 0.17) を使用する必要があります。Operator を AMQ Broker 7.8 の最新バージョンにアップグレードする方法については、6章Operator ベースのブローカーデプロイメントのアップグレード を参照してください。
通常、OpenShift Container Platform でのブローカーデプロイメントに設定できるアドレスおよびキュー設定は、Linux または Windows のスタンドアロンブローカーデプロイメントのいずれでも完全に同等です。ただし、これらの設定についての違いに注意してください。これらの違いは、以下のサブセクションで説明します。
-
OpenShift CLI を使用して Operator をインストールした場合、メインのブローカー CRD は、ダウンロードした Operator インストールアーカイブの
4.2.1. OpenShift とスタンドアロンブローカーデプロイメント間のアドレスおよびキュー設定の相違点
-
OpenShift Container Platform のブローカーデプロイメントのアドレスおよびキュー設定を設定するには、ブローカーデプロイメントのメインカスタムリソース (CR) インスタンスの
addressSettings
セクションに設定を追加します。これは、Linux または Windows のスタンドアロンデプロイメントとは対照的で、broker.xml
設定ファイルのaddress-settings
要素に設定を追加します。 設定項目の名前に使用される形式は、OpenShift Container Platform とスタンドアロンブローカーデプロイメントとは異なります。OpenShift Container Platform デプロイメントでは、設定アイテム名は camel ケースに置かれます (例:
defaultQueueRoutingType
)。一方、スタンドアロンデプロイメントの設定項目名は小文字にあり、dash (-
) セパレーターを使用します (例:default-queue-routing-type
)。以下の表は、この命名に関する他の例を紹介します。
スタンドアロンブローカーデプロイメントの設定アイテム OpenShift ブローカーデプロイメントの設定アイテム address-full-policy
addressFullPolicy
auto-create-queues
autoCreateQueues
default-queue-routing-type
defaultQueueRoutingType
last-value-queue
lastValueQueue
関連情報
OpenShift Container Platform ブローカーデプロイメントのアドレスおよびキューの作成と一致する設定の例については、以下を参照してください。
- OpenShift Container Platform ブローカーデプロイメントのアドレス、キュー、およびアドレス設定のすべての設定オプションについては、「カスタムリソース設定リファレンス」 を参照してください。
- スタンドアロンブローカーデプロイメントのアドレス、キュー、および関連アドレス設定に関する包括的な情報は、『AMQ Broker の設定』の「アドレス、キュー、およびトピック」を参照してください。この情報を使用して、OpenShift Container Platform のブローカーデプロイメントの同等の設定を作成できます。
4.2.2. Operator ベースのブローカーデプロイメントのアドレスおよびキューの作成
以下の手順では、カスタムリソース (CR) インスタンスを使用してアドレスおよび関連付けられたキューを Operator ベースのブローカーデプロイメントに追加する方法を説明します。
ブローカーデプロイメントに複数のアドレスやキューを作成するには、個別の CR ファイルを作成してそれらを個別にデプロイし、それぞれのケースに新しいアドレスやキュー名を指定する必要があります。さらに、各 CR インスタンスの name
属性は一意である必要があります。
前提条件
ブローカーでアドレスおよびキューを作成するために必要な専用のカスタムリソース定義 (CRD) を含む AMQ Broker Operator がすでにインストールされている必要があります。Operator のインストール方法の 2 つの代替方法については、以下を参照してください。
- CR インスタンスを使用して基本的なブローカーデプロイメントを作成する方法を理解する必要があります。詳細は、「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 を参照してください。
手順
カスタムリソース (CR) インスタンスの設定を開始し、ブローカーデプロイメントのアドレスおよびキューを定義します。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
ブローカーデプロイメントのプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとして OpenShift にログインします。
oc login -u <user> -p <password> --server=<host:port>
-
ダウンロードした Operator インストールアーカイブの
deploy/crs
ディレクトリーに含まれるbroker_activemqartemisaddress_cr.yaml
というサンプル CR ファイルを開きます。
OpenShift Container Platform Web コンソールの使用
- ブローカーデプロイメントのプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとしてコンソールにログインします。
- アドレス CRD に基づいて新規 CR インスタンスを起動します。左側のペインで、Administration → Custom Resource Definitions をクリックします。
- ActiveMQArtemisAddresss CRD をクリックします。
- Instances タブをクリックします。
Create ActiveMQArtemisAddress をクリックします。
コンソールで、YAML エディターが開き、CR インスタンスを設定できます。
CR の
spec
セクションで、行を追加してアドレス、キュー、およびルーティングタイプを定義します。以下に例を示します。apiVersion: broker.amq.io/v2alpha2 kind: ActiveMQArtemisAddress metadata: name: myAddressDeployment0 namespace: myProject spec: ... addressName: myAddress0 queueName: myQueue0 routingType: anycast ...
上記の設定では、
myQueue0
という名前のキューとanycast
ルーティングタイプを持つmyAddress0
という名前のアドレスが定義されます。注記metadata
セクションで、namespace
プロパティーを追加し、OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して CR インスタンスを作成する場合にのみ値を指定する必要があります。指定する値は、ブローカーデプロイメントの OpenShift プロジェクトの名前です。CR インスタンスをデプロイします。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
- CR ファイルを保存します。
ブローカーデプロイメントのプロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project_name>
CR インスタンスを作成します。
$ oc create -f <path/to/address_custom_resource_instance>.yaml
OpenShift Web コンソールの使用
- CR の設定が完了したら、Create をクリックします。
(オプション) CR インスタンスを使用して以前にデプロイメントに追加されたアドレスおよびキューを削除するには、以下のコマンドを使用します。
$ oc delete -f <path/to/address_custom_resource_instance>.yaml
4.2.3. Operator ベースのブローカーデプロイメントで設定されたアドレスへのマッチングアドレス設定
クライアントにメッセージの配信に失敗した場合は、ブローカーがメッセージの配信を継続しようとしない場合があります。無限配信を試行するのを防ぐために、デッドレターアドレスと関連するデッドレターキューを定義できます。指定の数の配信試行後、ブローカーは元のキューから未配信メッセージを削除し、そのメッセージを設定済みのデッドレターアドレスに送信します。システム管理者は、デッド文字キューから未配信メッセージを後で消費してメッセージを検査できます。
以下の例は、Operator ベースのブローカーデプロイメントのデッドレターアドレスおよびキューを設定する方法を示しています。この例では、以下の方法を示しています。
-
メインのブローカーカスタムリソース (CR) インスタンスの
addressSetting
セクションを使用して、アドレスを設定します。 - これらのアドレス設定をブローカーデプロイメントのアドレスに一致させます。
前提条件
- AMQ Broker 7.8 の Operator の最新バージョン(バージョン 7.8.5-opr-2)を使用する必要があります。Operator を最新バージョンにアップグレードする方法については、6章Operator ベースのブローカーデプロイメントのアップグレード を参照してください。
- CR インスタンスを使用して基本的なブローカーデプロイメントを作成する方法を理解する必要があります。詳細は、「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 を参照してください。
- Operator がマージするか、または CR インスタンスで指定された設定に置き換えるデフォルトのアドレス設定について理解している必要があります。詳細は、「Operator によるアドレス設定の生成方法」 を参照してください。
手順
CR インスタンスを設定して、デッドレターアドレスとキューを追加して、デプロイメント内の各ブローカーの配信されていないメッセージを受信します。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
ブローカーデプロイメントのプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとして OpenShift にログインします。
oc login -u <user> -p <password> --server=<host:port>
-
ダウンロードした Operator インストールアーカイブの
deploy/crs
ディレクトリーに含まれるbroker_activemqartemisaddress_cr.yaml
というサンプル CR ファイルを開きます。
OpenShift Container Platform Web コンソールの使用
- ブローカーデプロイメントのプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとしてコンソールにログインします。
- アドレス CRD に基づいて新規 CR インスタンスを起動します。左側のペインで、Administration → Custom Resource Definitions をクリックします。
- ActiveMQArtemisAddresss CRD をクリックします。
- Instances タブをクリックします。
Create ActiveMQArtemisAddress をクリックします。
コンソールで、YAML エディターが開き、CR インスタンスを設定できます。
CR の
spec
セクションで、未配信のメッセージを受信するデッドレターアドレスおよびキューを指定する行を追加します。以下に例を示します。apiVersion: broker.amq.io/v2alpha2 kind: ActiveMQArtemisAddress metadata: name: ex-aaoaddress spec: ... addressName: myDeadLetterAddress queueName: myDeadLetterQueue routingType: anycast ...
上記の設定では、
myDeadLetterQueue
という名前のデッドレターキューとanycast
ルーティングタイプを持つmyDeadLetterAddress
という名前のデッドレターアドレスを定義します。注記metadata
セクションで、namespace
プロパティーを追加し、OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して CR インスタンスを作成する場合にのみ値を指定する必要があります。指定する値は、ブローカーデプロイメントの OpenShift プロジェクトの名前です。アドレス CR インスタンスをデプロイします。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
- CR ファイルを保存します。
ブローカーデプロイメントのプロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project_name>
アドレス CR を作成します。
$ oc create -f <path/to/address_custom_resource_instance>.yaml
OpenShift Web コンソールの使用
- CR の設定が完了したら、Create をクリックします。
ブローカーデプロイメントのカスタムリソース (CR) インスタンスの設定を開始します。
CR ファイルのサンプルの場合:
-
ダウンロードした Operator インストールアーカイブの
deploy/crs
ディレクトリーに含まれるbroker_activemqartemis_cr.yaml
というサンプル CR ファイルを開きます。
-
ダウンロードした Operator インストールアーカイブの
OpenShift Container Platform Web コンソールの使用
- メインブローカー CRD に基づいて新規 CR インスタンスを起動します。左側のペインで、Administration → Custom Resource Definitions をクリックします。
- ActiveMQArtemis CRD をクリックします。
- Instances タブをクリックします。
Create ActiveMQArtemis をクリックします。
コンソールで、YAML エディターが開き、CR インスタンスを設定できます。
基本的なブローカーデプロイメントの場合、設定が以下のように表示される可能性があります。この設定は、
broker_activemqartemis_cr.yaml
サンプル CR ファイルのデフォルトコンテンツです。apiVersion: broker.amq.io/v2alpha4 kind: ActiveMQArtemis metadata: name: ex-aao application: ex-aao-app spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true
broker_activemqartemis_cr.yaml
サンプル CR ファイルで、image
プロパティーがplaceholder
のデフォルト値に設定されていることを確認します。この値はデフォルトで、image
プロパティーによってデプロイメントに使用するブローカーコンテナーイメージが指定されていないことを示します。Operator が使用する適切なブローカーコンテナーイメージを判別する方法については、「Operator によるコンテナーイメージの選択方法」 を参照してください。注記metadata
セクションで、namespace
プロパティーを追加し、OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して CR インスタンスを作成する場合にのみ値を指定する必要があります。指定する値は、ブローカーデプロイメントの OpenShift プロジェクトの名前です。CR の
deploymentPlan
セクションで、以下に示すように単一のaddressSetting
セクションが含まれる新規addressSettings
セクションを追加します。spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true addressSettings: addressSetting:
addressSetting
ブロックにmatch
プロパティーのインスタンスを 1 つ追加します。アドレス一致式を指定します。以下に例を示します。spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true addressSettings: addressSetting: - match: myAddress
match
-
ブローカーが以下の設定を適用するアドレスまたはアドレスのセットを指定します。この例では、
match
プロパティーの値はmyAddress
と呼ばれる単一のアドレスに対応します。
未配信メッセージに関連するプロパティーを追加し、値を指定します。以下に例を示します。
spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true addressSettings: addressSetting: - match: myAddress deadLetterAddress: myDeadLetterAddress maxDeliveryAttempts: 5
deadLetterAddress
- ブローカーが未達のメッセージを送信するアドレス。
maxDeliveryAttempts
メッセージを設定済みのデッドレターアドレスに移動する前にブローカーが行う最大配信試行数。
上記の例では、ブローカーによって、
myAddress
で始まるアドレスにメッセージの配信が 5 回失敗する場合、ブローカーはメッセージを指定の dead letter address (myDeadLetterAddress
) に移動します。
(オプション) 別のアドレスまたはアドレスセットに同様の設定を適用します。以下に例を示します。
spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true addressSettings: addressSetting: - match: myAddress deadLetterAddress: myDeadLetterAddress maxDeliveryAttempts: 5 - match: 'myOtherAddresses*' deadLetterAddress: myDeadLetterAddress maxDeliveryAttempts: 3
この例では、2 つ目の
match
プロパティーの値にはアスタリスクワイルドカード文字が含まれます。ワイルドカード文字では、上記の設定が文字列myOtherAddresses
で始まる任意のアドレスに適用されることを意味します。注記ワイルドカード式を
match
プロパティーの値として使用する場合には、値を単一引用符で囲む必要があります (例:'myOtherAddresses*'
)。addressSettings
セクションの最初にapplyRule
プロパティーを追加し、値を指定します。以下に例を示します。spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true addressSettings: applyRule: merge_all addressSetting: - match: myAddress deadLetterAddress: myDeadLetterAddress maxDeliveryAttempts: 5 - match: 'myOtherAddresses*' deadLetterAddress: myDeadLetterAddress maxDeliveryAttempts: 3
applyRule
プロパティーは、Operator を一致するアドレスまたはアドレスのセットごとに CR に追加する設定を適用する方法を指定します。指定できる値は次のとおりです。merge_all
CR で指定されるアドレス設定と、同じアドレスまたはアドレスのセットに一致するデフォルト設定の両方の場合:
- デフォルト設定で指定されるプロパティー値を CR で指定されたプロパティー値に置き換えます。
- CR またはデフォルト設定で一意で指定されるプロパティー値を保持します。これらはそれぞれ最終マージされた設定の組み込みます。
- CR で指定されるアドレス設定または特定のアドレスセットに一意になるデフォルト設定の場合は、これらを最終でマージされた設定に含めます。
merge_replace
- CR に指定されたアドレス設定と、同じアドレスまたはアドレスセットに一致するデフォルト設定について、最終的なマージされた設定の CR に指定された設定を含めます。それらのプロパティーが CR で指定されていない場合でも、デフォルト設定に指定されたプロパティーを含めないでください。
- CR で指定されるアドレス設定または特定のアドレスセットに一意になるデフォルト設定の場合は、これらを最終でマージされた設定に含めます。
replace_all
- デフォルト設定に指定されたすべてのアドレス設定を CR で指定されたアドレス設定に置き換えます。最後にマージされた設定は、CR で指定したものと完全に対応します。
注記CR に
applyRule
プロパティーを明示的に含ない場合、Operator はmerge_all
のデフォルト値を使用します。ブローカー CR インスタンスをデプロイします。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
- CR ファイルを保存します。
CR インスタンスを作成します。
$ oc create -f <path/to/broker_custom_resource_instance>.yaml
OpenShift Web コンソールの使用
- CR の設定が完了したら、Create をクリックします。
関連情報
- OpenShift Container Platform ブローカーデプロイメントのアドレス、キュー、およびアドレス設定のすべての設定オプションについては、「カスタムリソース設定リファレンス」 を参照してください。
OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) を使用して AMQ Broker Operator をインストールしている場合、ダウンロードしたインストールアーカイブおよび抽出したインストールアーカイブには、アドレス設定に関する追加例が含まれています。インストールアーカイブの
deploy/examples
ディレクトリーで、以下を参照してください。-
artemis-basic-address-settings-deployment.yaml
-
artemis-merge-replace-address-settings-deployment.yaml
-
artemis-replace-address-settings-deployment.yaml
-
- スタンドアロンブローカーデプロイメントのアドレス、キュー、および関連アドレス設定に関する包括的な情報は、『AMQ Broker の設定』の「アドレス、キュー、およびトピック」を参照してください。この情報を使用して、OpenShift Container Platform のブローカーデプロイメントの同等の設定を作成できます。
OpenShift Container Platform の Init コンテナーの詳細については、以下を参照してください。
- Pod をデプロイする前に Init コンテナーを使用したタスクの実行 (OpenShift Container Platform 4.1 以降)
- Init コンテナー (OpenShift Container Platform 3.11)
4.3. ブローカーのストレージ要件の設定
Operator ベースのブローカーデプロイメントで永続ストレージを使用するには、デプロイメントの作成に使用されるカスタムリソース (CR) インスタンスで persistenceEnabled
を true
に設定します。OpenShift クラスターに Container-native ストレージがない場合、永続ボリューム (PV) を手動でプロビジョニングし、それらは Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) を使用して Operator で要求できるようにする必要があります。たとえば、永続ストレージを持つ 2 つのブローカーで構成されるクラスターを作成する場合は、2 つの PV が利用可能である必要があります。デフォルトでは、デプロイメントの各ブローカーには 2 GiB のストレージが必要です。ただし、ブローカーデプロイメントの CR を、各ブローカーに必要な PVC のサイズを指定するように設定できます。
- Operator ベースのデプロイメントのブローカーで必要な PVC のサイズを設定するには、AMQ Broker 7.7 (バージョン 0.17) の Operator の 少なくとも 最新バージョンを使用する必要があります。Operator を AMQ Broker 7.8 の最新バージョンにアップグレードする方法については、6章Operator ベースのブローカーデプロイメントのアップグレード を参照してください。
- 初めて CR をデプロイする前に、ブローカーストレージサイズの設定をブローカーデプロイメントのメイン CR に追加する必要があります。すでに実行中のブローカーデプロイメントに設定を追加できません。
4.3.1. ブローカーのストレージサイズの設定
以下の手順では、ブローカーデプロイメントのカスタムリソース (CR) インスタンスを設定し、永続メッセージストレージ用に各ブローカーに必要な Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) のサイズを指定する方法を説明します。
初めて CR をデプロイする前に、ブローカーストレージサイズの設定をブローカーデプロイメントのメイン CR に追加する必要があります。すでに実行中のブローカーデプロイメントに設定を追加できません。
前提条件
- 最低でも AMQ Broker 7.7 の Operator の最新バージョン (バージョン 0.17) を使用する必要があります。Operator を AMQ Broker 7.8 の最新バージョンにアップグレードする方法については、6章Operator ベースのブローカーデプロイメントのアップグレード を参照してください。
- CR インスタンスを使用して基本的なブローカーデプロイメントを作成する方法を理解する必要があります。「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 を参照してください。
永続ボリューム (PV) がすでにプロビジョニングされ、それらを Operator で要求できるように利用可能にする必要があります。たとえば、永続ストレージを持つ 2 つのブローカーのクラスターを作成する場合は、2 つの PV が利用可能である必要があります。
永続ストレージのプロビジョニングの詳細は、以下を参照してください。
- 永続ストレージについて (OpenShift Container Platform 4.5)
- 永続ストレージ (OpenShift Container Platform 3.11)
手順
ブローカーデプロイメントのカスタムリソース (CR) インスタンスの設定を開始します。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
デプロイメントを作成するプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとして OpenShift にログインします。
oc login -u <user> -p <password> --server=<host:port>
-
ダウンロードした Operator インストールアーカイブの
deploy/crs
ディレクトリーに含まれるbroker_activemqartemis_cr.yaml
というサンプル CR ファイルを開きます。
OpenShift Container Platform Web コンソールの使用
- デプロイメントを作成するプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとしてコンソールにログインします。
- メインブローカー CRD に基づいて新規 CR インスタンスを起動します。左側のペインで、Administration → Custom Resource Definitions をクリックします。
- ActiveMQArtemis CRD をクリックします。
- Instances タブをクリックします。
Create ActiveMQArtemis をクリックします。
コンソールで、YAML エディターが開き、CR インスタンスを設定できます。
基本的なブローカーデプロイメントの場合、設定が以下のように表示される可能性があります。この設定は、
broker_activemqartemis_cr.yaml
サンプル CR ファイルのデフォルトコンテンツです。apiVersion: broker.amq.io/v2alpha4 kind: ActiveMQArtemis metadata: name: ex-aao application: ex-aao-app spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true
broker_activemqartemis_cr.yaml
サンプル CR ファイルで、image
プロパティーがplaceholder
のデフォルト値に設定されていることを確認します。この値はデフォルトで、image
プロパティーによってデプロイメントに使用するブローカーコンテナーイメージが指定されていないことを示します。Operator が使用する適切なブローカーコンテナーイメージを判別する方法については、「Operator によるコンテナーイメージの選択方法」 を参照してください。注記metadata
セクションで、namespace
プロパティーを追加し、OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して CR インスタンスを作成する場合にのみ値を指定する必要があります。指定する値は、ブローカーデプロイメントの OpenShift プロジェクトの名前です。ブローカーストレージ要件を指定するには、CR の
deploymentPlan
セクションで、Storage
セクションを追加します。size
プロパティーを追加し、値を指定します。以下に例を示します。spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true storage: size: 4Gi
storage.size
-
各ブローカー Pod が永続ストレージに必要な Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) のサイズ (バイト単位)。このプロパティーは、
persistenceEnabled
がtrue
に設定されている場合にのみ適用されます。指定する値には単位が含まれている必要があります。バイト表記 (K、M、G など)、または同等のバイナリー (Ki、Mi、Gi) をサポートします。
CR インスタンスをデプロイします。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
- CR ファイルを保存します。
ブローカーデプロイメントを作成するプロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project_name>
CR インスタンスを作成します。
$ oc create -f <path/to/custom_resource_instance>.yaml
OpenShift Web コンソールの使用
- CR の設定が完了したら、Create をクリックします。
4.4. Operator ベースのブローカーデプロイメントのリソース制限および要求の設定
Operator ベースのブローカーデプロイメントを作成する場合、デプロイメントのブローカー Pod は OpenShift クラスターのノードの StatefulSet で実行されます。デプロイメントのカスタムリソース (CR) インスタンスを設定し、各 Pod で実行されるブローカーコンテナーによって使用される host-node コンピュートリソースを指定できます。CPU およびメモリー (RAM) の制限および要求値を指定することで、ブローカー Pod のパフォーマンスを確保できます。
- Operator ベースのデプロイメントでブローカーのリソース制限および要求を設定するには、AMQ Broker 7.7 の少なくとも最新バージョンの Operator を使用する必要があります (バージョン 0.17)。Operator を AMQ Broker 7.8 の最新バージョンにアップグレードする方法については、6章Operator ベースのブローカーデプロイメントのアップグレード を参照してください。
- ブローカーデプロイメントの CR を初めてデプロイする前に、制限および要求を CR インスタンスに追加する必要があります。すでに実行中のブローカーデプロイメントに設定を追加できません。
- これらの値は特定のメッセージングシステムのユースケースと実装したアーキテクチャーをベースとするため、Red Hat は制限およびリクエストの値を推奨できません。ただし、実稼働環境で設定する前に、これらの値をテストして開発環境で調整することが推奨されます。
- Operator は、各ブローカー Pod を初期化する際に Init コンテナーと呼ばれるコンテナーのタイプを指定します。各ブローカーコンテナーについて設定するリソース制限および要求は、各 Init コンテナーにも適用されます。ブローカーデプロイメントで Init コンテナーを使用する方法についての詳細は、「Operator によるブローカー設定の生成方法」 を参照してください。
以下の制限および要求値を指定できます。
CPU limit
- Pod で実行されている各ブローカーコンテナーの場合、この値は、コンテナーが消費できるホストノード CPU の最大量になります。ブローカーコンテナーが指定の CPU 制限を超えると、OpenShift スロットルでコンテナーを調整します。これにより、ノードで実行中の Pod の数にかかわらず、コンテナーがパフォーマンスに一貫性を持たせることができます。
Memory limit
- Pod で実行されている各ブローカーコンテナーの場合、この値は、コンテナーが消費できるホストノードメモリーの最大量です。ブローカーコンテナーが指定のメモリー制限を超過しようとすると、OpenShift はコンテナーを終了します。ブローカー Pod を再起動します。
CPU request
Pod で実行される各ブローカーコンテナーの場合、この値は、コンテナーが要求するホストノード CPU の量になります。OpenShift スケジューラーは、Pod の配置時に CPU 要求の値を考慮し、ブローカー Pod を十分なコンピュートリソースを持つノードにバインドします。
CPU request の値は、ブローカーコンテナーの実行に必要な CPU の最小量です。ただし、ノード上の CPU の競合がない場合、コンテナーは利用可能なすべての CPU を使用できます。CPU 制限を指定する場合には、コンテナーは CPU 使用量を超過することはできません。ノードに CPU の競合がある場合、CPU 要求の値により、OpenShift がすべてのコンテナーにおいて CPU 使用率を重み付けすることができます。
メモリー要求
Pod で実行されている各ブローカーコンテナーについて、この値は、コンテナーが要求するホストノードメモリーの量になります。OpenShift スケジューラーは、Pod の配置時にメモリー要求の値を考慮し、ブローカー Pod を十分なコンピュートリソースを持つノードにバインドします。
メモリー要求値は、ブローカーコンテナーの実行に必要なメモリーの最小量です。ただし、コンテナーは可能な限り多くのメモリーを使用できます。メモリー制限を指定した場合、ブローカーコンテナーはそのメモリー量を超えることができません。
CPU は millicore という単位で測定されます。OpenShift クラスターの各ノードは、オペレーティングシステムを検査して、ノード上の CPU コア数を判別します。次に、ノードはその値を 1000 で乗算して、合計容量を表します。たとえば、ノードに 2 つのコアがある場合に、ノードの CPU 容量は 2000m
として表現されます。したがって、1 つのコアの連結を使用する場合は、100m
の値を指定します。
メモリーはバイト単位で測定されます。バイト表記 (E、P、T、G、M、K) または同等のバイナリー (Ei、Pi、Ti、Gi、Mi、Ki) を使用して値を指定できます。指定する値には単位が含まれている必要があります。
4.4.1. ブローカーリソース制限および要求の設定
以下の例は、デプロイメントデプロイメントの主なカスタムリソース (CR) インスタンスを設定し、デプロイメントの Pod で実行される各ブローカーコンテナーの CPU およびメモリーの制限および要求を設定する方法を示しています。
- ブローカーデプロイメントの CR を初めてデプロイする前に、制限および要求を CR インスタンスに追加する必要があります。すでに実行中のブローカーデプロイメントに設定を追加できません。
- これらの値は特定のメッセージングシステムのユースケースと実装したアーキテクチャーをベースとするため、Red Hat は制限およびリクエストの値を推奨できません。ただし、実稼働環境で設定する前に、これらの値をテストして開発環境で調整することが推奨されます。
前提条件
- 最低でも AMQ Broker 7.7 の Operator の最新バージョン (バージョン 0.17) を使用する必要があります。Operator を AMQ Broker 7.8 の最新バージョンにアップグレードする方法については、6章Operator ベースのブローカーデプロイメントのアップグレード を参照してください。
- CR インスタンスを使用して基本的なブローカーデプロイメントを作成する方法を理解する必要があります。「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 を参照してください。
手順
ブローカーデプロイメントのカスタムリソース (CR) インスタンスの設定を開始します。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
デプロイメントを作成するプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとして OpenShift にログインします。
oc login -u <user> -p <password> --server=<host:port>
-
ダウンロードした Operator インストールアーカイブの
deploy/crs
ディレクトリーに含まれるbroker_activemqartemis_cr.yaml
というサンプル CR ファイルを開きます。
OpenShift Container Platform Web コンソールの使用
- デプロイメントを作成するプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとしてコンソールにログインします。
- メインブローカー CRD に基づいて新規 CR インスタンスを起動します。左側のペインで、Administration → Custom Resource Definitions をクリックします。
- ActiveMQArtemis CRD をクリックします。
- Instances タブをクリックします。
Create ActiveMQArtemis をクリックします。
コンソールで、YAML エディターが開き、CR インスタンスを設定できます。
基本的なブローカーデプロイメントの場合、設定が以下のように表示される可能性があります。この設定は、
broker_activemqartemis_cr.yaml
サンプル CR ファイルのデフォルトコンテンツです。apiVersion: broker.amq.io/v2alpha4 kind: ActiveMQArtemis metadata: name: ex-aao application: ex-aao-app spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true
broker_activemqartemis_cr.yaml
サンプル CR ファイルで、image
プロパティーがplaceholder
のデフォルト値に設定されていることを確認します。この値はデフォルトで、image
プロパティーによってデプロイメントに使用するブローカーコンテナーイメージが指定されていないことを示します。Operator が使用する適切なブローカーコンテナーイメージを判別する方法については、「Operator によるコンテナーイメージの選択方法」 を参照してください。注記metadata
セクションで、namespace
プロパティーを追加し、OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して CR インスタンスを作成する場合にのみ値を指定する必要があります。指定する値は、ブローカーデプロイメントの OpenShift プロジェクトの名前です。CR の
deploymentPlan
セクションで、resources
セクションを追加します。limits
およびrequests
サブセクションを追加します。各サブセクションでcpu
およびmemory
プロパティーを追加し、値を指定します。以下に例を示します。spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true resources: limits: cpu: "500m" memory: "1024M" requests: cpu: "250m" memory: "512M"
limits.cpu
- デプロイメントで Pod で実行される各ブローカーコンテナーは、このホストノードの CPU 使用率を超過することはできません。
limits.memory
- デプロイメントで Pod で実行される各ブローカーコンテナーは、このホストノードのメモリー使用率を超過することはできません。
requests.cpu
- デプロイメントで Pod で実行される各ブローカーコンテナーはこのホストノード CPU の量を要求します。この値は、ブローカーコンテナーの実行に必要な CPU の最小量です。
requests.memory
- デプロイメントで Pod で実行される各ブローカーコンテナーはこのホストノードメモリーを要求します。この値は、ブローカーコンテナーの実行に必要なメモリーの最小量です。
CR インスタンスをデプロイします。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
- CR ファイルを保存します。
ブローカーデプロイメントを作成するプロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project_name>
CR インスタンスを作成します。
$ oc create -f <path/to/custom_resource_instance>.yaml
OpenShift Web コンソールの使用
- CR の設定が完了したら、Create をクリックします。
4.5. カスタム Init コンテナーイメージの指定
「Operator によるブローカー設定の生成方法」 で説明されているように、AMQ Broker Operator はデフォルトの組み込み Init コンテナーを使用してブローカー設定を生成します。設定を生成するために、Init コンテナーはデプロイメント用にメインのカスタムリソース (CR) インスタンスを使用します。CR に指定できる唯一の項目は、メインのブローカーカスタムリソース定義 (CRD) で公開される項目です。
ただし、CRD で公開されない設定を含める必要があるかもしれません。この場合、メイン CR インスタンスでカスタム Init コンテナーを指定できます。カスタム Init コンテナーは Operator によってすでに作成された設定を修正したり、追加したりできます。たとえば、カスタムの Init コンテナーを使用して、ブローカーのロギング設定を変更することができます。または、カスタムの Init コンテナーを使用して、ブローカーのインストールディレクトリーに追加のランタイム依存関係 (.jar
ファイル) を含めることができます。
カスタムの Init コンテナーイメージを構築する場合は、以下の重要なガイドラインに従う必要があります。
カスタムイメージ用に作成するビルドスクリプト (Docker Dockerfile または Podman Containerfile など) では、
FROM
命令は最新バージョンの AMQ Broker Operator ビルトインの Init コンテナーイメージをベースイメージとして指定する必要があります。スクリプトに以下の行を追加します。FROM registry.redhat.io/amq7/amq-broker-init-rhel7:0.2-13
-
カスタムイメージには、
/amq/scripts
というディレクトリーに追加するpost-config.sh
というスクリプトが含まれている必要があります。post-config.sh
スクリプトは、Operator が生成する初期設定を変更または追加できます。カスタム Init コンテナーを指定する場合、Operator はpost-config.sh
スクリプトを実行します。これは、CR インスタンスを使用して設定を生成した後ですが、ブローカーアプリケーションコンテナーを起動する前に実行します。 -
「ブローカー Pod のディレクトリー構造」 で説明されているように、Init コンテナーによって使用されるインストールディレクトリーへのパスは、
CONFIG_INSTANCE_DIR
という環境変数で定義されます。post-config.sh
スクリプトは、インストールディレクトリーを参照する際に、この環境変数名 (例:${CONFIG_INSTANCE_DIR}/lib
) を使用し、この変数の値 (例:/amq/init/config/lib
) ではなく、この環境変数名を使用する必要があります。 -
カスタムブローカー設定に追加のリソース (
.xml
または.jar
ファイルなど) を含める場合は、これらがカスタムイメージに含まれ、post-config.sh
スクリプトからアクセスできることを確認する必要があります。
以下の手順では、カスタムの Init コンテナーイメージを指定する方法を説明します。
前提条件
- Operator のバージョン 7.8.5-opr-2 以上 を使用している必要があります。最新の Operator バージョンにアップグレードする方法は、6章Operator ベースのブローカーデプロイメントのアップグレード を参照してください。
- 上記のガイドラインを満たす、カスタムの Init コンテナーイメージを構築する必要があります。ArtemisCloud Operator のカスタム Init コンテナーイメージをビルドし、指定する完全な例については、「JDBC ベースの永続性のカスタム Init コンテナーイメージ」を参照してください。
- AMQ Broker Operator のカスタム Init コンテナーイメージを提供するには、Quay コンテナーレジストリーなどのコンテナーレジストリーのリポジトリーにイメージを追加できる必要があります。
- Operator による Init コンテナーの使用方法を理解し、ブローカー設定を生成する必要があります。詳細は、「Operator によるブローカー設定の生成方法」 を参照してください。
- CR を使用してブローカーデプロイメントを作成する方法を理解している。詳細は、「Operator ベースのブローカーデプロイメントの作成」 を参照してください。
手順
ブローカーデプロイメントのカスタムリソース (CR) インスタンスの設定を開始します。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
デプロイメントを作成するプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとして OpenShift にログインします。
oc login -u <user> -p <password> --server=<host:port>
-
ダウンロードした Operator インストールアーカイブの
deploy/crs
ディレクトリーに含まれるbroker_activemqartemis_cr.yaml
というサンプル CR ファイルを開きます。
OpenShift Container Platform Web コンソールの使用
- デプロイメントを作成するプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとしてコンソールにログインします。
- メインブローカー CRD に基づいて新規 CR インスタンスを起動します。左側のペインで、Administration → Custom Resource Definitions をクリックします。
- ActiveMQArtemis CRD をクリックします。
- Instances タブをクリックします。
Create ActiveMQArtemis をクリックします。
コンソールで、YAML エディターが開き、CR インスタンスを設定できます。
基本的なブローカーデプロイメントの場合、設定が以下のように表示される可能性があります。この設定は、
broker_activemqartemis_cr.yaml
サンプル CR ファイルのデフォルトコンテンツです。apiVersion: broker.amq.io/v2alpha4 kind: ActiveMQArtemis metadata: name: ex-aao application: ex-aao-app spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true
broker_activemqartemis_cr.yaml
サンプル CR ファイルで、image
プロパティーがplaceholder
のデフォルト値に設定されていることを確認します。この値はデフォルトで、image
プロパティーによってデプロイメントに使用するブローカーコンテナーイメージが指定されていないことを示します。Operator が使用する適切なブローカーコンテナーイメージを判別する方法については、「Operator によるコンテナーイメージの選択方法」 を参照してください。注記metadata
セクションで、namespace
プロパティーを追加し、OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して CR インスタンスを作成する場合にのみ値を指定する必要があります。指定する値は、ブローカーデプロイメントの OpenShift プロジェクトの名前です。CR の
deploymentPlan
セクションで、initImage
プロパティーを追加します。apiVersion: broker.amq.io/v2alpha4 kind: ActiveMQArtemis metadata: name: ex-aao application: ex-aao-app spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 1 image: placeholder initImage: requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true
initImage
プロパティーの値をカスタム Init コンテナーイメージの URL に設定します。apiVersion: broker.amq.io/v2alpha4 kind: ActiveMQArtemis metadata: name: ex-aao application: ex-aao-app spec: version: 7.8.5 deploymentPlan: size: 1 image: placeholder initImage: <custom_init_container_image_url> requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true
initImage
- カスタムの Init コンテナーイメージの完全な URL を指定します。この URL をコンテナーレジストリーのリポジトリーに追加しておく必要があります。
CR インスタンスをデプロイします。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
- CR ファイルを保存します。
ブローカーデプロイメントを作成するプロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project_name>
CR インスタンスを作成します。
$ oc create -f <path/to/custom_resource_instance>.yaml
OpenShift Web コンソールの使用
- CR の設定が完了したら、Create をクリックします。
関連情報
- ArtemisCloud Operator のカスタム Init コンテナーイメージをビルドし、指定する完全な例については、「JDBC ベースの永続性のカスタム Init コンテナーイメージ」を参照してください。
4.6. クライアント接続用の Operator ベースのブローカーデプロイメントの設定
4.6.1. アクセプターの設定
OpenShift デプロイメントでブローカー Pod へのクライアント接続を有効にするには、デプロイメントのアクセプターを定義します。アクセプターは、ブローカー Pod が接続を受け入れる方法を定義します。ブローカーのデプロイメントに使用されるメインのカスタムリソース (CR) でアクセプターを定義します。アクセプターを作成する場合は、アクセプターを有効にするメッセージングプロトコルや、これらのプロトコルに使用するブローカー Pod のポートなどの情報を指定します。
以下の手順は、ブローカーデプロイメントの CR で新規アクセプターを定義する方法を示しています。
前提条件
- アクセプターを設定するには、ブローカーのデプロイメントは AMQ Broker Operator のバージョン 0.9 以上をベースとする必要があります。Operator の最新バージョンのインストールについての詳細は、「CLI を使用した Operator のインストール」 を参照してください。
- このセクションの情報は、AMQ Broker Operator をベースとしたブローカーデプロイメントにのみ適用されます。アプリケーションテンプレートを使用してブローカーデプロイメントを作成する場合は、プロトコル固有のアクセプターは定義できません。クライアント接続でこの種のデプロイメントを設定する方法は、第 6 章「外部クライアントのテンプレートベースのブローカーデプロイメントへの接続」を参照してください。
手順
-
初回インストール時にダウンロードして展開した Operator アーカイブの
deploy/crs
ディレクトリーで、broker_activemqartemis_cr.yaml
カスタムリソース (CR) ファイルを開きます。 acceptors
要素に名前付きアクセプターを追加します。protocols
およびport
パラメーターを追加します。値を設定して、アクセプターおよび各ブローカー Pod のポートによってこれらのプロトコル用に公開されるメッセージングプロトコルを指定します。以下に例を示します。spec: ... acceptors: - name: my-acceptor protocols: amqp port: 5672 ...
設定されたアクセプターはポート 5672 を AMQP クライアントに公開します。
protocols
パラメーターに指定できる値の完全なセットが表に表示されます。プロトコル 値 Core Protocol
core
AMQP
amqp
OpenWire
openwire
MQTT
mqtt
STOMP
stomp
すべてのサポート対象プロトコル
all
注記- デプロイメントの各ブローカー Pod に対して、Operator はポート 61616 を使用するデフォルトのアクセプターも作成します。このデフォルトのアクセプターはブローカークラスタリングに必要ですが、Core Protocol は有効になっています。
- デフォルトでは、AMQ Broker 管理コンソールはブローカー Pod で 8161 ポートを使用します。デプロイメントの各ブローカー Pod には、コンソールへのアクセスを提供する専用のサービスがあります。詳細は、5章Operator ベースのブローカーデプロイメント用の AMQ 管理コンソール への接続 を参照してください。
同じアクセプターで別のプロトコルを使用するには、
protocol
パラメーターを変更します。プロトコルのコンマ区切りリストを指定します。以下に例を示します。spec: ... acceptors: - name: my-acceptor protocols: amqp,openwire port: 5672 ...
設定されたアクセプターはポート 5672 を AMQP および OpenWire クライアントに公開するようになりました。
アクセプターが許可する同時クライアント接続の数を指定するには、
connectionAllowed
パラメーターを追加して値を設定します。以下に例を示します。spec: ... acceptors: - name: my-acceptor protocols: amqp,openwire port: 5672 connectionsAllowed: 5 ...
デフォルトでは、アクセプターはブローカーデプロイメントと同じ OpenShift クラスターのクライアントにのみ公開されます。アクセプターを OpenShift 外部のクライアントに公開するには、
expose
パラメーターを追加し、値をtrue
に設定します。さらに、OpenShift 外部のクライアントからアクセプターへのセキュアな接続を有効にするには、
sslEnabled
パラメーターを追加し、値をtrue
に設定します。spec: ... acceptors: - name: my-acceptor protocols: amqp,openwire port: 5672 connectionsAllowed: 5 expose: true sslEnabled: true ... ...
アクセプター (またはコネクター) で SSL (Secure Sockets Layer) セキュリティーを有効にすると、以下のような関連する設定を追加できます。
- OpenShift クラスターに認証情報を保存するために使用されるシークレット名。アクセプターで SSL を有効にする場合は、シークレットが必要です。このシークレットの生成に関する詳細は、「ブローカークライアント接続のセキュリティー保護」 を参照してください。
-
セキュアなネットワーク通信に使用する TLS (Transport Layer Security) プロトコル。TLS は、よりセキュアな SSL バージョンで更新されています。
enabledProtocols
パラメーターで TLS プロトコルを指定します。 -
ブローカーとクライアント間で、アクセプターが相互認証とも呼ばれる双方向 TLS を使用するかどうか。これは、
needClientAuth
パラメーターの値をtrue
に設定して指定します。
関連情報
- 認証情報を保存するシークレットの生成など、ブローカークライアント接続をセキュアにするように TLS を設定する方法は、「ブローカークライアント接続のセキュリティー保護」 を参照してください。
- アクセプターおよびコネクターの設定を含む完全なカスタムリソース参照については、「カスタムリソース設定リファレンス」 を参照してください。
4.6.2. ブローカークライアント接続のセキュリティー保護
アクセプターまたはコネクター (sslEnabled
を true
に設定) でセキュリティーを有効にしている場合、ブローカーとクライアント間での証明書ベースの認証を許可するように Transport Layer Security (TLS) を設定する必要があります。TLS は、よりセキュアな SSL バージョンで更新されています。2 つの主要な TLS 設定があります。
- 一方向 TLS
- ブローカーのみが証明書を表示します。証明書はクライアントによってブローカーを認証するために使用されます。これが最も一般的な設定です。
- 双方向 TLS
- ブローカーとクライアントの両方が証明書を提示します。これは相互認証と呼ばれることもあります。
これ以降のセクションで以下を説明します。
一方向と双方向 TLS の両方の場合、ブローカーとクライアント間の正常な TLS ハンドシェイクに必要な認証情報を保存するシークレットを生成して、設定を完了します。これは、セキュアなアクセプターまたはコネクターの sslSecret
パラメーターに指定する必要のあるシークレット名です。シークレットには、Base64 でエンコードされたブローカーキーストア (一方向と双方向 TLS の両方)、Base64 でエンコードされたブローカートラストストア (two-way TLS のみ)、およびこれらのファイルに対応するパスワード (Base64 エンコード) が含まれる必要があります。一方向および双方向 TLS の設定手順では、このシークレットの生成方法を説明します。
セキュアなアクセプターまたはコネクターの sslSecret
パラメーターにシークレット名を明示的に指定しないと、アクセプターまたはコネクターはデフォルトのシークレット名を想定します。デフォルトのシークレット名の形式は <CustomResourceName>-<AcceptorName>-secret
または <CustomResourceName>-<ConnectorName>-secret
です。例: my-broker-deployment-my-acceptor-secret
アクセプターまたはコネクターがデフォルトのシークレット名を想定している場合でも、このシークレットを独自に生成する必要があります。これは自動的に作成されません。
4.6.2.1. ホスト名検証用のブローカー証明書の設定
本セクションでは、一方向または双方向 TLS の設定時に生成する必要のあるブローカー証明書の要件をいくつか説明します。
クライアントがデプロイメントでブローカー Pod への接続を試行する場合、クライアント接続 URL の verifyHost
オプションはクライアントによって、ブローカーの証明書の Common Name (CN) をホスト名に比較するかどうかを判別し、一致することを確認します。クライアントが、クライアント接続 URL に verifyHost=true
や同様の場合、クライアントはこの検証を実行します。
たとえば、ブローカーが分離されたネットワークの OpenShift クラスターにデプロイされる場合など、接続のセキュリティーに懸念がない場合、この検証を省略する場合があります。セキュアな接続では、クライアントがこの検証を実行することが推奨されます。この場合、ブローカーキーストア証明書の正しい設定は、クライアント接続を成功させるために不可欠です。
通常、クライアントがホストの検証を使用している場合、ブローカー証明書の生成時に指定する CN はクライアントが接続しているブローカー Pod の Route の完全なホスト名と一致する必要があります。たとえば、単一のブローカー Pod を持つデプロイメントがある場合、CN は以下のようになります。
CN=my-broker-deployment-0-svc-rte-my-openshift-project.my-openshift-domain
CN が複数のブローカーを持つデプロイメントの任意のブローカー Pod に解決するようにするには、ブローカー Pod の ordinal の場所でアスタリスク (*
) ワイルドカード文字を指定できます。以下に例を示します。
CN=my-broker-deployment-*-svc-rte-my-openshift-project.my-openshift-domain
前述の例に記載されている CN は、my-broker-deployment
デプロイメントのブローカー Pod に正常に解決します。
さらに、ブローカー証明書の生成時に指定する SAN (Subject Alternative Name) は、カンマ区切りのリストとして、デプロイメント内のすべてのブローカー Pod を個別に一覧表示する必要があります。以下に例を示します。
"SAN=DNS:my-broker-deployment-0-svc-rte-my-openshift-project.my-openshift-domain,DNS:my-broker-deployment-1-svc-rte-my-openshift-project.my-openshift-domain,..."
4.6.2.2. 一方向 TLS の設定
本セクションの手順では、broker-client 接続のセキュリティーを保護するために一方向トランスポート層セキュリティー (TLS) を設定する方法を説明します。
一方向 TLS では、証明書を表示するブローカーのみが表示されます。この証明書は、クライアントがブローカーを認証するために使用されます。
前提条件
- クライアントがホスト名の検証を使用する場合のブローカー証明書の生成の要件を理解する必要があります。詳細は、「ホスト名検証用のブローカー証明書の設定」 を参照してください。
手順
ブローカーキーストアの自己署名証明書を生成します。
$ keytool -genkey -alias broker -keyalg RSA -keystore ~/broker.ks
ブローカーキーストアから証明書をエクスポートし、クライアントと共有できるようにします。Base64 エンコードの
.pem
形式の証明書をエクスポートします。以下に例を示します。$ keytool -export -alias broker -keystore ~/broker.ks -file ~/broker_cert.pem
クライアントで、ブローカー証明書をインポートするクライアントトラストストアを作成します。
$ keytool -import -alias broker -keystore ~/client.ts -file ~/broker_cert.pem
管理者として OpenShift Container Platform にログインします。以下に例を示します。
$ oc login -u system:admin
ブローカーのデプロイメントが含まれるプロジェクトに切り替えます。以下に例を示します。
$ oc project my-openshift-project
TLS 認証情報を保存するためのシークレットを作成します。以下に例を示します。
$ oc create secret generic my-tls-secret \ --from-file=broker.ks=~/broker.ks \ --from-file=client.ts=~/broker.ks \ --from-literal=keyStorePassword=<password> \ --from-literal=trustStorePassword=<password>
注記シークレットを生成する際に、OpenShift ではキーストアとトラストストアの両方を指定する必要があります。トラストストアキーは、基本的に
client.ts
という名前です。ブローカーとクライアント間の一方向 TLS では、トラストストアは実際には必要ありません。ただし、シークレットを正常に生成するには、一部の有効なストアファイルをclient.ts
の値として指定する必要があります。前述の手順では、以前に生成されたブローカーキーストアファイルを再利用することで、client.ts
の「dummy」値を指定します。これは、一方向 TLS に必要なすべての認証情報でシークレットを生成するには十分です。シークレットを Operator のインストール時に作成したサービスアカウントにリンクします。以下に例を示します。
$ oc secrets link sa/amq-broker-operator secret/my-tls-secret
セキュアなアクセプターまたはコネクターの
sslSecret
パラメーターにシークレット名を指定します。以下に例を示します。spec: ... acceptors: - name: my-acceptor protocols: amqp,openwire port: 5672 sslEnabled: true sslSecret: my-tls-secret expose: true connectionsAllowed: 5 ...
4.6.2.3. 双方向 TLS の設定
本セクションの手順では、broker-client 接続のセキュリティーを保護するために双方向トランスポート層セキュリティー (TLS) を設定する方法を説明します。
双方向 TLS では、ブローカーとクライアントの両方が証明書を表示します。ブローカーおよびクライアントはこれらの証明書を使用して相互認証と呼ばれることもあります。
前提条件
- クライアントがホスト名の検証を使用する場合のブローカー証明書の生成の要件を理解する必要があります。詳細は、「ホスト名検証用のブローカー証明書の設定」 を参照してください。
手順
ブローカーキーストアの自己署名証明書を生成します。
$ keytool -genkey -alias broker -keyalg RSA -keystore ~/broker.ks
ブローカーキーストアから証明書をエクスポートし、クライアントと共有できるようにします。Base64 エンコードの
.pem
形式の証明書をエクスポートします。以下に例を示します。$ keytool -export -alias broker -keystore ~/broker.ks -file ~/broker_cert.pem
クライアントで、ブローカー証明書をインポートするクライアントトラストストアを作成します。
$ keytool -import -alias broker -keystore ~/client.ts -file ~/broker_cert.pem
クライアントで、クライアントキーストアの自己署名証明書を生成します。
$ keytool -genkey -alias broker -keyalg RSA -keystore ~/client.ks
クライアントで、クライアントキーストアから証明書をエクスポートし、ブローカーと共有できるようにします。Base64 エンコードの
.pem
形式の証明書をエクスポートします。以下に例を示します。$ keytool -export -alias broker -keystore ~/client.ks -file ~/client_cert.pem
クライアント証明書をインポートするブローカートラストストアを作成します。
$ keytool -import -alias broker -keystore ~/broker.ts -file ~/client_cert.pem
管理者として OpenShift Container Platform にログインします。以下に例を示します。
$ oc login -u system:admin
ブローカーのデプロイメントが含まれるプロジェクトに切り替えます。以下に例を示します。
$ oc project my-openshift-project
TLS 認証情報を保存するためのシークレットを作成します。以下に例を示します。
$ oc create secret generic my-tls-secret \ --from-file=broker.ks=~/broker.ks \ --from-file=client.ts=~/broker.ts \ --from-literal=keyStorePassword=<password> \ --from-literal=trustStorePassword=<password>
注記シークレットを生成する際に、OpenShift ではキーストアとトラストストアの両方を指定する必要があります。トラストストアキーは、基本的に
client.ts
という名前です。ブローカーとクライアント間の双方向 TLS の場合は、クライアント証明書を保持するため、ブローカートラストストアを含むシークレットを生成する必要があります。そのため、前の手順では、client.ts キーに指定した値は実際にブローカー
のトラストストアファイルになります。シークレットを Operator のインストール時に作成したサービスアカウントにリンクします。以下に例を示します。
$ oc secrets link sa/amq-broker-operator secret/my-tls-secret
セキュアなアクセプターまたはコネクターの
sslSecret
パラメーターにシークレット名を指定します。以下に例を示します。spec: ... acceptors: - name: my-acceptor protocols: amqp,openwire port: 5672 sslEnabled: true sslSecret: my-tls-secret expose: true connectionsAllowed: 5 ...
4.6.3. ブローカーデプロイメントのネットワークサービス
ブローカーデプロイメントの OpenShift Container Platform Web コンソールの Networking ペインで、2 つの実行中のサービスがあり、ヘッドレス サービスと ping サービスが 2 つあります。ヘッドレスサービスのデフォルト名は、<Custom Resource name>-hdls-svc
の形式を使用します (例: my-broker-deployment-hdls-svc
)。ping サービスのデフォルト名は、<Custom Resource name>-ping-svc
の形式を使用します (例: 'my-broker-deployment-ping-svc
)。
ヘッドレスサービスは、各ブローカー Pod でポート 8161 および 61616 へのアクセスを提供します。ポート 8161 はブローカー管理コンソールに使用され、ポート 61616 はブローカーのクラスタリングに使用されます。ヘッドレスサービスを使用して、内部クライアントからブローカー Pod に接続することもできます (つまり、ブローカーデプロイメントと同じ OpenShift クラスター内のクライアント)。
ping サービスは検出のブローカーによって使用されます。また、ブローカーは OpenShift 環境内でクラスターを形成できるようにします。内部的には、このサービスはポート 8888 を公開します。
関連情報
- ヘッドレスサービスを使用して内部クライアントからブローカー Pod に接続する方法については、「内部クライアントからのブローカーへの接続」 を参照してください。
4.6.4. 内部および外部クライアントからのブローカーへの接続
このセクションの例では、内部クライアント (つまりブローカーデプロイメントと同じ OpenShift クラスターのクライアント) および外部クライアント (OpenShift クラスター外のクライアント) からブローカーに接続する方法を示しています。
4.6.4.1. 内部クライアントからのブローカーへの接続
内部クライアントは、ブローカーデプロイメント用に実行されている ヘッドレス サービスを使用してブローカー Pod に接続できます。
ヘッドレスサービスを使用してブローカー Pod に接続するには、アドレスを <Protocol>://<PodName>.<HeadlessServiceName>.<ProjectName>.svc.cluster.local
形式で指定します。以下に例を示します。
$ tcp://my-broker-deployment-0.my-broker-deployment-hdls-svc.my-openshift-project.svc.cluster.local
OpenShift DNS は、Operator ベースのブローカーデプロイメントによって作成された StatefulSets は安定した Pod 名を提供するため、この形式でアドレスが正常に解決されました。
関連情報
- ブローカーデプロイメントのデフォルトで実行するヘッドレスサービスの詳細は、「ブローカーデプロイメントのネットワークサービス」 を参照してください。
4.6.4.2. 外部クライアントからのブローカーへの接続
外部クライアントにアクセプターを公開する場合 (つまり expose
パラメーターの値を true
に設定して)、デプロイメントの各ブローカー Pod に専用のサービスと Route が自動的に作成されます。指定のブローカー Pod で設定された Routes を表示するには、OpenShift Container Platform Web コンソールの Pod を選択し、Routes タブをクリックします。
外部クライアントはブローカー Pod 用に作成される Route の完全なホスト名を指定して、ブローカーに接続できます。基本的な curl
コマンドを使用して、この完全なホスト名への外部アクセスをテストできます。以下に例を示します。
$ curl https://my-broker-deployment-0-svc-rte-my-openshift-project.my-openshift-domain
Route の完全なホスト名は、OpenShift ルーターをホストするノードに解決する必要があります。OpenShift ルーターは、ホスト名を使用して、OpenShift 内部ネットワーク内のトラフィックを送信する場所を判別します。
デフォルトでは、OpenShift ルーターは、セキュアでないトラフィック (SSL 以外) トラフィックとポート 443 (SSL で暗号化した) トラフィックに対してポート 80 をリッスンします。HTTP 接続の場合、ルーターはセキュアな接続 URL (https
) を指定する場合 (https
) またはポート 80 を指定する場合は、トラフィックをポート 443 に自動的に転送します。
HTTP 以外の接続の場合:
- クライアントは、接続 URL の一部としてポート番号 (ポート 443 など) を明示的に指定する必要があります。
- 一方向 TLS では、クライアントは接続 URL の一部としてトラストストアと対応するパスワードへのパスを指定する必要があります。
- 双方向 TLS の場合、クライアントは接続 URL の一部としてそのキーストアと対応するパスワードへのパスも指定する必要があります。
以下は、サポートされるメッセージングプローブ用のクライアント接続 URL の例は次のとおりです。
一方向 TLS を使用する外部 Core クライアント
tcp://my-broker-deployment-0-svc-rte-my-openshift-project.my-openshift-domain:443?useTopologyForLoadBalancing=false&sslEnabled=true \ &trustStorePath=~/client.ts&trustStorePassword=<password>
外部コアクライアントはブローカーによって返されるトポロジー情報を使用できないため、useTopologyForLoadBalancing
キーは接続 URL で false
に明示的に設定されます。このキーが true
に設定されているか、値を指定しないと、DEBUG ログメッセージが作成されます。
双方向 TLS を使用する外部 Core クライアント
tcp://my-broker-deployment-0-svc-rte-my-openshift-project.my-openshift-domain:443?useTopologyForLoadBalancing=false&sslEnabled=true \ &keyStorePath=~/client.ks&keyStorePassword=<password> \ &trustStorePath=~/client.ts&trustStorePassword=<password>
一方向 TLS を使用する外部 OpenWire クライアント
ssl://my-broker-deployment-0-svc-rte-my-openshift-project.my-openshift-domain:443" # Also, specify the following JVM flags -Djavax.net.ssl.trustStore=~/client.ts -Djavax.net.ssl.trustStorePassword=<password>
双方向 TLS を使用する外部 OpenWire クライアント
ssl://my-broker-deployment-0-svc-rte-my-openshift-project.my-openshift-domain:443" # Also, specify the following JVM flags -Djavax.net.ssl.keyStore=~/client.ks -Djavax.net.ssl.keyStorePassword=<password> \ -Djavax.net.ssl.trustStore=~/client.ts -Djavax.net.ssl.trustStorePassword=<password>
一方向 TLS を使用する外部 AMQP クライアント
amqps://my-broker-deployment-0-svc-rte-my-openshift-project.my-openshift-domain:443?transport.verifyHost=true \ &transport.trustStoreLocation=~/client.ts&transport.trustStorePassword=<password>
双方向 TLS を使用する外部 AMQP クライアント
amqps://my-broker-deployment-0-svc-rte-my-openshift-project.my-openshift-domain:443?transport.verifyHost=true \ &transport.keyStoreLocation=~/client.ks&transport.keyStorePassword=<password> \ &transport.trustStoreLocation=~/client.ts&transport.trustStorePassword=<password>
4.6.4.3. NodePort を使用したブローカーへの接続
ルートを使用する代わりに、OpenShift 管理者は NodePort を OpenShift 外部のクライアントからブローカー Pod に接続するように設定できます。NodePort は、ブローカーに設定されたアクセプターによって指定されるプロトコル固有のポートのいずれかにマップする必要があります。
デフォルトで、NodePort は 30000 から 32767 の範囲に置かれます。つまり、NodePort はブローカー Pod の意図されるポートとは一致しません。
NodePort 経由で OpenShift 外のクライアントからブローカーに接続するには、<Protocol>://<OCPNodeIP>:<NodePortNumber>
の形式で URL を指定します。
関連情報
クラスターで実行されているサービスを使って OpenShift クラスター外からの通信を行うために Routes および NodePort などの方法についての詳細は、以下を参照してください。
- ingress クラスタートラフィックの設定の概要 (OpenShift Container Platform 4.1 以降)
- クラスターへのトラフィックの送信 (OpenShift Container Platform 3.11)
4.7. AMQP メッセージに対する大きなメッセージ処理の設定
クライアントは、ブローカーの内部バッファーのサイズを超える大きな AMQP メッセージを送信する可能性があり、予期せぬエラーが発生する可能性があります。この状態を回避するには、メッセージが指定の最小値よりも大きい場合にメッセージをファイルとして保存するようにブローカーを設定できます。このように大きなメッセージを処理すると、ブローカーはメモリー内にメッセージを保持しません。代わりに、ブローカーはメッセージを大きなメッセージファイルを保存するために使用される専用ディレクトリーに保存します。
OpenShift Container Platform でのブローカーデプロイメントでは、大きなメッセージディレクトリーは、メッセージストレージ用にブローカーが使用する永続ボリューム (PV) の /opt/<custom-resource-name>/data/large-messages
です。ブローカーがメッセージを大きなメッセージとして保存すると、キューは大きなメッセージディレクトリーのファイルへの参照を保持します。
- AMQP メッセージに大きなメッセージ処理を設定するには、最低でも AMQ Broker 7.7 の Operator の最新バージョンを使用する必要があります (バージョン 0.17)。Operator を AMQ Broker 7.8 の最新バージョンにアップグレードする方法については、6章Operator ベースのブローカーデプロイメントのアップグレード を参照してください。
- AMQ Broker 7.8 の Operator ベースのブローカーデプロイメントでは、AMQP プロトコルでのみ大きなメッセージ処理を利用することができます。
4.7.1. 大規模なメッセージ処理のための AMQP アクセプターの設定
以下の手順は、指定したサイズよりも大きい AMQP メッセージを処理するようにアクセプターを設定する方法を説明します。
前提条件
- 最低でも AMQ Broker 7.7 の Operator の最新バージョン (バージョン 0.17) を使用する必要があります。Operator を AMQ Broker 7.8 の最新バージョンにアップグレードする方法については、6章Operator ベースのブローカーデプロイメントのアップグレード を参照してください。
- Operator ベースのブローカーデプロイメントのアクセプターの設定方法を理解する必要があります。「アクセプターの設定」 を参照してください。
大規模な AMQP メッセージを専用の大きなメッセージディレクトリーに保存するには、ブローカーデプロイメントは永続ストレージ (つまり、
persistenceEnabled
はデプロイメントの作成に使用するカスタムリソース (CR) インスタンスでtrue
に設定する必要があります)。永続ストレージの設定についての詳細は、以下のドキュメントを参照してください。
手順
AMQP アクセプターを定義したカスタムリソース (CR) インスタンスを開きます。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
$ oc edit -f <path/to/custom-resource-instance>.yaml
OpenShift Container Platform Web コンソールの使用
- 左側のナビゲーションメニューで、Administration → Custom Resource Definitions をクリックします。
-
ActiveMQArtemis CRD
をクリックします。 -
Instances
タブをクリックします。 - プロジェクトの名前空間に対応する CR インスタンスを見つけます。
以前に設定された AMQP アクセプターは、以下のようになります。
spec: ... acceptors: - name: my-acceptor protocols: amqp port: 5672 connectionsAllowed: 5 expose: true sslEnabled: true ...
ブローカーが大きいメッセージとして処理する AMQP メッセージの最小サイズをバイト単位で指定します。以下に例を示します。
spec: ... acceptors: - name: my-acceptor protocols: amqp port: 5672 connectionsAllowed: 5 expose: true sslEnabled: true amqpMinLargeMessageSize: 204800 ... ...
上記の例では、ブローカーはポート 5672 で AMQP メッセージを受け入れるように設定されます。
amqpMinLargeMessageSize
の値に基づいて、アクセプターが 204800 バイトよりも大きい AMQP メッセージ (200 キロバイト以上) を受信する場合、ブローカーはメッセージを大きなメッセージとして格納します。ブローカーはメッセージを、メッセージストレージ用にブローカーが使用する永続ボリューム(PV)の永続ボリューム (デフォルトでは
/opt/<custom-resource-name>/data/large-messages
) にメッセージを保存します。amqpMinLargeMessageSize
プロパティーの値を明示的に指定しないと、ブローカーは 102400 (つまり 100 キロバイト) のデフォルト値を使用します。amqpMinLargeMessageSize
を-1
に設定すると、AMQP メッセージに対する大きなメッセージ処理が無効になります。
4.8. 高可用性およびメッセージの移行
4.8.1. 高可用性
高可用性という用語は、そのシステムの一部に障害が発生したりシャットダウンしている場合でも、稼働を継続できるシステムを指します。AMQ Broker on OpenShift Container Platform の場合、ブローカー Pod が失敗した場合にメッセージングデータの整合性と可用性を確保したり、デプロイメントを意図的にスケールダウンしてシャットダウンします。
OpenShift Container Platform の AMQ Broker の高可用性を確保するには、ブローカークラスターで複数のブローカー Pod を実行します。各ブローカー Pod は、永続ボリューム要求 (PVC) で使用するために要求する利用可能な永続ボリューム (PV) にメッセージデータを書き込みます。ブローカー Pod が失敗するか、またはシャットダウンされた場合、PV に保存されているメッセージデータはブローカークラスターの別の利用可能なブローカー Pod に移行されます。他のブローカー Pod はメッセージデータを独自の PV に保存します。
メッセージの移行は、AMQ Broker Operator に基づくデプロイメントでのみ利用できます。アプリケーションテンプレートをベースとするデプロイメントは、メッセージの移行機能はありません。
以下の図は、StatefulSet ベースのブローカーのデプロイメントを示しています。この場合、ブローカークラスターの 2 つのブローカー Pod は引き続き実行されます。
ブローカー Pod がシャットダウンすると、AMQ Broker Operator は、ブローカークラスターで実行中の別のブローカー Pod へのメッセージ移行を実行するスケールダウンコントローラーを自動的に開始します。このメッセージの移行プロセスは、Pod のドレインとしても知られています。以降のセクションでは、メッセージの移行について説明します。
4.8.2. メッセージの移行
デプロイメントの失敗や意図的なスケールダウンによってクラスターデプロイメントのブローカーがシャットダウンする場合に、メッセージの移行はメッセージングデータの整合性を確保することです。このプロセスは、Pod のドレインとしても、シャットダウンしたブローカー Pod からのメッセージの削除および再分配を指します。
- メッセージの移行は、AMQ Broker Operator に基づくデプロイメントでのみ利用できます。アプリケーションテンプレートをベースとするデプロイメントは、メッセージの移行機能はありません。
- メッセージ移行を実行するスケールダウンコントローラーは、単一の OpenShift プロジェクト内でのみ動作します。コントローラーは、別のプロジェクトのブローカー間でメッセージを移行できません。
- メッセージの移行を使用するには、デプロイメントに 2 つ以上のブローカーが必要です。デフォルトでは 2 つ以上のブローカーを持つブローカーはクラスター化されます。
Operator ベースのブローカーのデプロイメントでは、デプロイメントのメインブローカーカスタムリソースで messageMigration
を true
に設定して、メッセージの移行を有効にします。
メッセージ移行プロセスは、次の手順を実行します。
- デプロイメントのブローカー Pod がデプロイメントの失敗または意図的にスケールダウンによってシャットダウンすると、Operator はスケールダウンコントローラーを自動的に起動してメッセージ移行の準備を行います。縮小コントローラーは、ブローカークラスターと同じ OpenShift プロジェクト名で実行されます。
- 縮小コントローラーは、それ自体を登録し、プロジェクトの Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) に関連する Kubernetes イベントをリッスンします。
孤立した永続ボリューム (PV) の有無を確認するには、縮小コントローラーはボリューム要求上の序数を探します。コントローラーは、ボリューム要求の序数を、プロジェクトの StatefulSet (ブローカークラスター) で実行されているブローカー Pod と比較します。
ボリューム要求の序数がブローカー Pod の序数よりも高くなる場合、スケールダウンコントローラーは、その序数のブローカー Pod がシャットダウンされ、メッセージングデータが別のブローカー Pod に移行する必要があるかどうかを判断します。
縮小コントローラーはドレイン Pod を起動します。ドレイン Pod はブローカーを実行し、メッセージ移行を実行します。次に、ドレイン Pod は孤立したメッセージを移行する代替ブローカー Pod を識別します。
注記メッセージの移行を可能にするには、少なくとも 1 つ以上のブローカー Pod がデプロイメントで実行されている必要があります。
以下の図は、スケールダウンコントローラー (ドレインコントローラーとしても知られる) がメッセージを稼働中のブローカー Pod に移行する方法を示しています。
メッセージを運用ブローカー Pod に正常に移行した後、ドレイン Pod はシャットダウンし、スケールダウンコントローラーは孤立した PV の PVC を削除します。PV は「Released」の状態に戻ります。
ブローカーデプロイメントを 0 (ゼロ) にスケールダウンする場合、メッセージングデータを移行できる稼働中のブローカー Pod がないため、メッセージ移行は行われません。ただし、デプロイメントをゼロにスケールダウンしてから、元のデプロイメントよりも小さいサイズに再び戻すと、シャットダウンされたブローカーについてのドレイン Pod が起動します。
関連情報
- ブローカーのデプロイメントをスケールダウンする際のメッセージ移行の例については、「縮小後のメッセージの移行」を参照してください。
4.8.3. スケールダウン時のメッセージの移行
ブローカーデプロイメントの縮小時にメッセージを移行するには、メインブローカーカスタムリソース (CR) を使用してメッセージの移行を有効にします。AMQ Broker Operator は、クラスター化されたブローカーデプロイメントをスケールダウンする際に、専用のスケールダウンコントローラーを自動的に実行し、メッセージ移行を実行します。
メッセージ移行を有効にすると、Operator 内のスケールダウンコントローラーがブローカー Pod のシャットダウンを検出し、ドレイン Pod を開始し、メッセージ移行を実行します。ドレイン Pod は、クラスター内の他のライブブローカー Pod の 1 つに接続し、メッセージをそのライブブローカー Pod に移行します。移行が完了すると、スケールダウンコントローラーがシャットダウンします。
- 縮小コントローラーは、単一の OpenShift プロジェクト内でのみ機能します。コントローラーは、別のプロジェクトのブローカー間でメッセージを移行できません。
- ブローカーデプロイメントを 0 (ゼロ) にスケールダウンする場合、メッセージングデータを移行できる稼働中のブローカー Pod がないため、メッセージ移行は行われません。ただし、デプロイメントをゼロブローカーにスケールダウンし、元のデプロイメントに含まれていた一部のブローカーのみに戻っても、シャットダウンされたブローカーのドレイン Pod が起動します。
以下の手順の例は、スケールダウンコントローラーの動作を示しています。
前提条件
- 基本的なブローカーデプロイメントがすでにある。「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 を参照してください。
- メッセージの移行の仕組みを理解している。詳細は、「メッセージの移行」 を参照してください。
手順
-
当初ダウンロードおよび抽出した Operator リポジトリーの
deploy/crs
ディレクトリーで、メインブローカー CR のbroker_activemqartemis_cr.yaml
を開きます。 メインブローカー CR では、
messageMigration
およびpersistenceEnabled
をtrue
に設定します。これらの設定は、クラスターブローカーデプロイメントのサイズを後でスケールダウンすると、Operator はスケールダウンコントローラーが自動的に起動し、メッセージを実行中のブローカー Pod に移行することができます。
既存のブローカーデプロイメントで、実行中の Pod を確認します。
$ oc get pods
以下のような出力が表示されます。
activemq-artemis-operator-8566d9bf58-9g25l 1/1 Running 0 3m38s ex-aao-ss-0 1/1 Running 0 112s ex-aao-ss-1 1/1 Running 0 8s
上記の出力では、3 つの Pod が実行されていることが示されています。1 つはブローカー Operator 自体用で、デプロイメントの各ブローカーに個別の Pod が実行されていることを示しています。
各 Pod にログインし、各ブローカーにメッセージを送信します。
Pod
ex-aao-ss-0
にクラスター IP アドレスが172.17.0.6
である場合は、以下のコマンドを実行します。$ /opt/amq-broker/bin/artemis producer --url tcp://172.17.0.6:61616 --user admin --password admin
Pod
ex-aao-ss-1
にクラスター IP アドレスが172.17.0.7
である場合は、以下のコマンドを実行します。$ /opt/amq-broker/bin/artemis producer --url tcp://172.17.0.7:61616 --user admin --password admin
前述のコマンドは、各ブローカーに
TEST
というキューを作成し、各キューに 1000 個のメッセージを追加します。
クラスターを 2 つのブローカーにスケールダウンします。
-
メインブローカー CR
broker_activemqartemis_cr.yaml
を開きます。 -
CR で、
deploymentPlan.size
を1
に設定します。 コマンドラインで変更を適用します。
$ oc apply -f deploy/crs/broker_activemqartemis_cr.yaml
Pod
ex-aao-ss-1
がシャットダウンを開始したことを確認します。縮小コントローラーは、同じ名前の新しいドレイン Pod を起動します。このドレイン Pod は、ブローカー Podex-aao-ss-1
からクラスター内の他のブローカー Pod にすべてのメッセージを移行した後にシャットダウンします (ex-aao-ss-0
)。
-
メインブローカー CR
-
ドレイン Pod がシャットダウンされたら、ブローカー Pod
ex-aao-ss-0
のTEST
キューのメッセージ数を確認します。キューのメッセージ数が 2000 であることを確認できます。これは、ドレイン Pod がシャットダウンするブローカー Pod から 1000 個のメッセージを正常に移行しました。
第5章 Operator ベースのブローカーデプロイメント用の AMQ 管理コンソール への接続
Operator ベースのデプロイメント内の各ブローカー Pod は、ポート 8161 で AMQ 管理コンソールの独自のインスタンスをホストします。各ブローカーのコンソールへのアクセスを提供するには、ブローカーデプロイメントのカスタムリソース (CR) インスタンスを設定し、Operator に対して各ブローカー Pod に専用のサービスとルートを自動的に作成するように指示できます。
以下の手順では、デプロイされたブローカーの AMQ 管理コンソールに接続する方法を説明します。
前提条件
- AMQ Broker Operator を使用してブローカーデプロイメントを作成している必要があります。たとえば、サンプル CR を使用して基本的なブローカーデプロイメントを作成する方法は、「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 を参照してください。
-
Operator に対して、コンソールアクセスのためにデプロイメントで各ブローカー Pod のサービスおよびルートを自動的に作成するように指示するには、デプロイメントの作成に使用されるカスタムリソース (CR) インスタンスで
console.expose
プロパティーの値をtrue
に設定する必要があります。このプロパティーのデフォルト値はfalse
です。CR のconsole
セクションの設定を含む完全なカスタムリソース設定の参照については、「カスタムリソース設定リファレンス」 を参照してください。
5.1. AMQ 管理コンソールへの接続
ブローカーデプロイメントの作成に使用されるカスタムリソース (CR) インスタンスで console.expose
プロパティーの値を true
に設定すると、Operator は各ブローカー Pod に専用のサービスとルートを自動的に作成し、AMQ 管理コンソールへのアクセスを提供します。
自動作成されたサービスのデフォルト名は <custom-resource-name>-wconsj-<broker-pod-ordinal>-svc
の形式です。例: my-broker-deployment-wconsj-0-svc
自動作成されたルートのデフォルト名は <custom-resource-name>-wconsj-<broker-pod-ordinal>-svc-rte
形式になります。例: my-broker-deployment-wconsj-0-svc-rte
この手順では、稼働中のブローカー Pod のコンソールにアクセスする方法を説明します。
手順
OpenShift Container Platform web コンソールで、Networking → Routes (OpenShift Container Platform 4.5 以降) または Applications → Routes (OpenShift Container Platform 3.11) をクリックします。
Routes ページで、指定のブローカー Pod の
wconsj
Route を特定します。例:my-broker-deployment-wconsj-0-svc-rte
Location (OpenShift Container Platform 4.5 以降) または Hostname (OpenShift Container Platform 3.11) で、ルートに対応するリンクをクリックします。
Web ブラウザーで新しいタブが開きます。
管理コンソール リンクをクリックします。
AMQ Management Console のログインページが開きます。
コンソールにログインするには、ブローカーデプロイメントの作成に使用されるカスタムリソース (CR) インスタンスの
adminUser
およびadminPassword
プロパティーに指定された値を入力します。CR の
adminUser
およびadminPassword
に値が明示的に指定されていない場合は、「AMQ Management Console のログインクレデンシャルへのアクセス」 の手順にしたがって、コンソールにログインするのに必要な認証情報を取得します。注記adminUser
およびadminPassword
の値は、CR のrequireLogin
プロパティーがtrue
に設定されている場合のみコンソールにログインする必要があります。このプロパティーは、ブローカーおよびコンソールにログインするためにログイン認証情報が必要であるかどうかを指定します。requireLogin
がfalse
に設定されている場合、OpenShift プロジェクトの管理者権限を持つすべてのユーザーがコンソールにログインできます。
5.2. AMQ Management Console のログインクレデンシャルへのアクセス
ブローカーデプロイメントに使用するカスタムリソース (CR) インスタンスに adminUser
および adminPassword
の値を指定しない場合、Operator はこれらの認証情報を自動的に生成し、それらをシークレットに保存します。デフォルトのシークレット名は <custom-resource-name>-credentials-secret
の形式を取ります (例: my-broker-deployment-credentials-secret
)。
adminUser
および adminPassword
の値は、CR の requireLogin
パラメーターが true
に設定されている場合にのみ管理コンソールにログインする必要があります。requireLogin
が false
に設定されている場合、OpenShift プロジェクトの管理者権限を持つすべてのユーザーがコンソールにログインできます。
以下の手順では、ログイン認証情報にアクセスする方法を説明します。
手順
OpenShift プロジェクトのシークレットの詳細な一覧を参照してください。
- OpenShift Container Platform Web コンソールから、Workload → Secrets (OpenShift Container Platform 4.5 以降) または Resources → Secrets (OpenShift Container Platform 3.11) をクリックします。
コマンドラインで以下を行います。
$ oc get secrets
適切なシークレットを開き、Base64 でエンコードされたコンソールログイン認証情報を表示します。
- OpenShift Container Platform Web コンソールから、名前にブローカーカスタムリソースインスタンスが含まれるシークレットをクリックします。YAML タブ (OpenShift Container Platform 4.5 以降) または Actions → Edit YAML (OpenShift Container Platform 3.11) をクリックします。
コマンドラインで以下を行います。
$ oc edit secret <my-broker-deployment-credentials-secret>
シークレットの値をデコードするには、以下のようなコマンドを実行します。
$ echo 'dXNlcl9uYW1l' | base64 --decode console_admin
関連情報
- AMQ 管理コンソールを使用したブローカーの表示および管理に関する詳細は、『Managing AMQ Broker』の「Managing brokers using AMQ Management Console」を参照してください。
第6章 Operator ベースのブローカーデプロイメントのアップグレード
本セクションの手順では、アップグレードする方法を説明します。
- OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) と OperatorHub の両方を使用した AMQ Broker Operator バージョン
- Operator ベースのブローカーデプロイメント用のブローカーコンテナーイメージ
6.1. 作業を開始する前に
このセクションでは、Operator ベースのブローカーデプロイメントの Operator およびブローカーコンテナーイメージをアップグレードする前に、いくつかの重要な考慮事項について説明します。
- OpenShift Container Platform 3.11 で稼働している Operator ベースのブローカーデプロイメントをアップグレードして OpenShift Container Platform 4.5 以降で実行するには、まず OpenShift Container Platform インストールをアップグレードする必要があります。次に、既存のデプロイメントに一致する新規の Operator ベースのブローカーデプロイメントを作成する必要があります。新規 Operator ベースのブローカーデプロイメントの作成方法は、3章AMQ Broker Operator を使用した OpenShift Container Platform での AMQ Broker のデプロイ を参照してください。
- OpenShift コマンドラインインターフェース(CLI)または OperatorHub のいずれかを使用して Operator をアップグレードするには、OpenShift クラスターのクラスター管理者権限が必要です。
CLI を使用して Operator をインストールした場合、CLI を使用して Operator をアップグレードする必要もあります。OperatorHub を使用して Operator をインストールします (つまり、OpenShift Container Platform Web コンソールのプロジェクトの Operators → Installed Operators の下に表示される)、OperatorHub を使用して Operator をアップグレードする必要もあります。これらのアップグレード方法の詳細については、以下を参照してください。
6.2. CLI を使用した Operator のアップグレード
本セクションの手順では、OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) を使用して、異なるバージョンの Operator を AMQ Broker 7.8 で利用可能な最新バージョンに更新する方法を説明します。
6.2.1. 前提条件
- CLI を使用して最初に CLI を使用して Operator をインストールした場合のみ Operator をアップグレードする必要があります。OperatorHub を使用して Operator をインストールします (つまり、Operator は OpenShift Container Platform Web コンソールのプロジェクトの Operators → Installed Operators に表示されます)、OperatorHub を使用して Operator をアップグレードする必要があります。OperatorHub を使用して Operator をアップグレードする方法については、「OperatorHub を使用した Operator のアップグレード」 を参照してください。
6.2.2. Operator のバージョン 0.19 のアップグレード
この手順では、OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) を使用して Operator のバージョン 0.19 を AMQ Broker 7.8 の最新バージョンにアップグレードする方法を説明します。
手順
- Web ブラウザーで、AMQ Broker 7.8.5 patches の Software Downloads ページに移動します。
-
Version ドロップダウンリストの値が
7.8.5
に設定され、Patches タブが選択されていることを確認します。 AMQ Broker 7.8.5 .3 Operator Installation and Example Files の横にある Download をクリックします。
amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
圧縮アーカイブのダウンロードが自動的に開始します。ダウンロードが完了したら、アーカイブを選択したインストールディレクトリーに移動します。以下の例では、アーカイブを
~/broker/operator
という名前のディレクトリーに移動します。mkdir ~/broker/operator mv amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip ~/broker/operator
選択したインストールディレクトリーで、アーカイブの内容を展開します。以下に例を示します。
cd ~/broker/operator unzip amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
既存の Operator デプロイメントが含まれるプロジェクトの管理者として OpenShift Container Platform にログインします。
$ oc login -u <user>
Operator バージョンをアップグレードする OpenShift プロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project-name>
ダウンロードした最新の Operator アーカイブの
deploy
ディレクトリーで、operator.yaml
ファイルを開きます。注記operator.yaml
ファイルでは、Operator は Secure Hash Algorithm (SHA) 値で表されるイメージを使用します。数字記号 (#
) 記号で始まるコメント行は、SHA 値が特定のコンテナーイメージタグに対応していることを示します。-
以前
の Operator デプロイメントの operator.yaml ファイルを開きます。以前の設定で指定したデフォルト以外の値が新しいoperator.yaml
設定ファイルに複製されていることを確認します。 -
新しい
operator.yaml
ファイルへの更新を行った場合は、ファイルを保存します。 更新された Operator 設定を適用します。
$ oc apply -f deploy/operator.yaml
OpenShift は、最新の Operator バージョンを使用するようにプロジェクトを更新します。
-
以前のブローカーデプロイメントを再作成するには、元の CR の目的に一致する新規の CR yaml ファイルを作成し、これを適用します。「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 は、Operator インストールアーカイブに
deploy/crs/broker_activemqartemis_cr.yaml
ファイルを適用する方法について説明しています。
6.2.3. Operator のバージョン 0.18 のアップグレード
この手順では、OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) を使用して Operator のバージョン 0.18 )AMQ Broker 7.8 で最初に利用できるバージョン) を AMQ Broker 7.8 の最新バージョンにアップグレードする方法を説明します。
手順
- Web ブラウザーで、AMQ Broker 7.8.5 patches の Software Downloads ページに移動します。
-
Version ドロップダウンリストの値が
7.8.5
に設定され、Patches タブが選択されていることを確認します。 AMQ Broker 7.8.5 .3 Operator Installation and Example Files の横にある Download をクリックします。
amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
圧縮アーカイブのダウンロードが自動的に開始します。ダウンロードが完了したら、アーカイブを選択したインストールディレクトリーに移動します。以下の例では、アーカイブを
~/broker/operator
という名前のディレクトリーに移動します。mkdir ~/broker/operator mv amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip ~/broker/operator
選択したインストールディレクトリーで、アーカイブの内容を展開します。以下に例を示します。
cd ~/broker/operator unzip amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
既存の Operator デプロイメントが含まれるプロジェクトの管理者として OpenShift Container Platform にログインします。
$ oc login -u <user>
Operator バージョンをアップグレードする OpenShift プロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project-name>
ダウンロードした最新の Operator アーカイブの
deploy
ディレクトリーで、operator.yaml
ファイルを開きます。注記operator.yaml
ファイルでは、Operator は Secure Hash Algorithm (SHA) 値で表されるイメージを使用します。数字記号 (#
) 記号で始まるコメント行は、SHA 値が特定のコンテナーイメージタグに対応していることを示します。以前
の Operator デプロイメントの operator.yaml ファイルを開きます。以前の設定で指定したデフォルト以外の値が新しいoperator.yaml
設定ファイルに複製されていることを確認します。注記Operator のバージョン 0.18 の
operator.yaml
ファイルには、名前がBROKER_IMAGE
で始まる環境変数が含まれます。新規設定では、これらの環境変数を複製しないでください。AMQ Broker 7.8 の最新バージョンの Operator では、これらの環境変数が使用されなくなりました。-
新しい
operator.yaml
ファイルへの更新を行った場合は、ファイルを保存します。 更新された Operator 設定を適用します。
$ oc apply -f deploy/operator.yaml
OpenShift は、最新の Operator バージョンを使用するようにプロジェクトを更新します。
-
以前のブローカーデプロイメントを再作成するには、元の CR の目的に一致する新規の CR yaml ファイルを作成し、これを適用します。「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 は、Operator インストールアーカイブに
deploy/crs/broker_activemqartemis_cr.yaml
ファイルを適用する方法について説明しています。
6.2.4. Operator のバージョン 0.17 のアップグレード
この手順では、OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) を使用して Operator のバージョン 0.17) AMQ Broker 7.8 で最初に利用できるバージョン) を AMQ Broker 7.7 の最新バージョンにアップグレードする方法を説明します。
手順
- Web ブラウザーで、AMQ Broker 7.8.5 patches の Software Downloads ページに移動します。
-
Version ドロップダウンリストの値が
7.8.5
に設定され、Patches タブが選択されていることを確認します。 AMQ Broker 7.8.5 .3 Operator Installation and Example Files の横にある Download をクリックします。
amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
圧縮アーカイブのダウンロードが自動的に開始します。ダウンロードが完了したら、アーカイブを選択したインストールディレクトリーに移動します。以下の例では、アーカイブを
~/broker/operator
という名前のディレクトリーに移動します。mkdir ~/broker/operator mv amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip ~/broker/operator
選択したインストールディレクトリーで、アーカイブの内容を展開します。以下に例を示します。
cd ~/broker/operator unzip amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
クラスター管理者として OpenShift Container Platform にログインします。以下に例を示します。
$ oc login -u system:admin
Operator バージョンをアップグレードする OpenShift プロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project-name>
プロジェクトのメインブローカーカスタムリソース (CR) インスタンスを削除します。これにより、ブローカーデプロイメントも削除されます。以下に例を示します。
$ oc delete -f deploy/crs/broker_activemqartemis_cr.yaml
OpenShift クラスターのメインブローカーカスタムリソース定義 (CRD) を最新バージョンに更新します。
$ oc apply -f deploy/crds/broker_activemqartemis_crd.yaml
注記アドレス指定またはスケールダウンコントローラーのために、CRD の最新バージョンでクラスターを更新する必要はありません。これらの CRD は、以前の Operator バージョンと完全に互換性があります。
ダウンロードした最新の Operator アーカイブの
deploy
ディレクトリーで、operator.yaml
ファイルを開きます。注記operator.yaml
ファイルでは、Operator は Secure Hash Algorithm (SHA) 値で表されるイメージを使用します。数字記号 (#
) 記号で始まるコメント行は、SHA 値が特定のコンテナーイメージタグに対応していることを示します。以前
の Operator デプロイメントの operator.yaml ファイルを開きます。以前の設定で指定したデフォルト以外の値が新しいoperator.yaml
設定ファイルに複製されていることを確認します。注記Operator のバージョン 0.17 の
operator.yaml
ファイルには、名前がBROKER_IMAGE
で始まる環境変数が含まれます。新規設定では、これらの環境変数を複製しないでください。AMQ Broker 7.8 の最新バージョンの Operator では、これらの環境変数が使用されなくなりました。-
新しい
operator.yaml
ファイルへの更新を行った場合は、ファイルを保存します。 更新された Operator 設定を適用します。
$ oc apply -f deploy/operator.yaml
OpenShift は、最新の Operator バージョンを使用するようにプロジェクトを更新します。
-
以前のブローカーデプロイメントを再作成するには、元の CR の目的に一致する新規の CR yaml ファイルを作成し、これを適用します。「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 は、Operator インストールアーカイブに
deploy/crs/broker_activemqartemis_cr.yaml
ファイルを適用する方法について説明しています。
6.2.5. Operator のバージョン 0.15 のアップグレード
この手順では、OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) を使用して Operator のバージョン 0.15 (AMQ Broker 7.7 で最初に利用できるバージョン) を AMQ Broker 7.8 の最新バージョンにアップグレードする方法を説明します。
手順
- Web ブラウザーで、AMQ Broker 7.8.5 patches の Software Downloads ページに移動します。
-
Version ドロップダウンリストの値が
7.8.5
に設定され、Patches タブが選択されていることを確認します。 AMQ Broker 7.8.5 .3 Operator Installation and Example Files の横にある Download をクリックします。
amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
圧縮アーカイブのダウンロードが自動的に開始します。ダウンロードが完了したら、アーカイブを選択したインストールディレクトリーに移動します。以下の例では、アーカイブを
~/broker/operator
という名前のディレクトリーに移動します。mkdir ~/broker/operator mv amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip ~/broker/operator
選択したインストールディレクトリーで、アーカイブの内容を展開します。以下に例を示します。
cd ~/broker/operator unzip amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
クラスター管理者として OpenShift Container Platform にログインします。以下に例を示します。
$ oc login -u system:admin
Operator バージョンをアップグレードする OpenShift プロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project-name>
プロジェクトのメインブローカーカスタムリソース (CR) インスタンスを削除します。これにより、ブローカーデプロイメントも削除されます。以下に例を示します。
$ oc delete -f deploy/crs/broker_activemqartemis_cr.yaml
OpenShift クラスターのメインブローカーカスタムリソース定義 (CRD) を最新バージョンに更新します。
$ oc apply -f deploy/crds/broker_activemqartemis_crd.yaml
注記アドレス指定またはスケールダウンコントローラーのために、CRD の最新バージョンでクラスターを更新する必要はありません。これらの CRD は、以前の Operator バージョンと完全に互換性があります。
ダウンロードした最新の Operator アーカイブの
deploy
ディレクトリーで、operator.yaml
ファイルを開きます。注記operator.yaml
ファイルでは、Operator は Secure Hash Algorithm (SHA) 値で表されるイメージを使用します。数字記号 (#
) 記号で始まるコメント行は、SHA 値が特定のコンテナーイメージタグに対応していることを示します。以前
の Operator デプロイメントの operator.yaml ファイルを開きます。以前の設定で指定したデフォルト以外の値が新しいoperator.yaml
設定ファイルに複製されていることを確認します。注記Operator のバージョン 0.15 の
operator.yaml
ファイルには、名前がBROKER_IMAGE
で始まる環境変数が含まれます。新規設定では、これらの環境変数を複製しないでください。AMQ Broker 7.8 の最新バージョンの Operator では、これらの環境変数が使用されなくなりました。-
新しい
operator.yaml
ファイルへの更新を行った場合は、ファイルを保存します。 更新された Operator 設定を適用します。
$ oc apply -f deploy/operator.yaml
OpenShift は、最新の Operator バージョンを使用するようにプロジェクトを更新します。
-
以前のブローカーデプロイメントを再作成するには、元の CR の目的に一致する新規の CR yaml ファイルを作成し、これを適用します。「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 は、Operator インストールアーカイブに
deploy/crs/broker_activemqartemis_cr.yaml
ファイルを適用する方法について説明しています。
6.2.6. Operator のバージョン 0.13 のアップグレード
この手順では、OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) を使用して Operator のバージョン 0.13 (AMQ Broker 7.6 で利用できるバージョン) を AMQ Broker 7.8 の最新バージョンにアップグレードする方法を説明します。
手順
- Web ブラウザーで、AMQ Broker 7.8.5 patches の Software Downloads ページに移動します。
-
Version ドロップダウンリストの値が
7.8.5
に設定され、Patches タブが選択されていることを確認します。 AMQ Broker 7.8.5 .3 Operator Installation and Example Files の横にある Download をクリックします。
amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
圧縮アーカイブのダウンロードが自動的に開始します。ダウンロードが完了したら、アーカイブを選択したインストールディレクトリーに移動します。以下の例では、アーカイブを
~/broker/operator
という名前のディレクトリーに移動します。mkdir ~/broker/operator mv amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip ~/broker/operator
選択したインストールディレクトリーで、アーカイブの内容を展開します。以下に例を示します。
cd ~/broker/operator unzip amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
クラスター管理者として OpenShift Container Platform にログインします。以下に例を示します。
$ oc login -u system:admin
Operator バージョンをアップグレードする OpenShift プロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project-name>
プロジェクトのメインブローカーカスタムリソース (CR) インスタンスを削除します。これにより、ブローカーデプロイメントも削除されます。以下に例を示します。
$ oc delete -f deploy/crs/broker_activemqartemis_cr.yaml
OpenShift クラスターのメインブローカーカスタムリソース定義 (CRD) を最新バージョンに更新します。
$ oc apply -f deploy/crds/broker_activemqartemis_crd.yaml
OpenShift クラスターのアドレス CRD を、AMQ Broker 7.8 に含まれる最新バージョンに更新します。
$ oc apply -f deploy/crds/broker_activemqartemisaddress_crd.yaml
注記スケールダウンコントローラーのために、CRD の最新バージョンでクラスターを更新する必要はありません。AMQ Broker 7.8 では、この CRD は AMQ Broker 7.6 の Operator に含まれるものと完全に互換性があります。
ダウンロードした最新の Operator アーカイブの
deploy
ディレクトリーで、operator.yaml
ファイルを開きます。注記operator.yaml
ファイルでは、Operator は Secure Hash Algorithm (SHA) 値で表されるイメージを使用します。数字記号 (#
) 記号で始まるコメント行は、SHA 値が特定のコンテナーイメージタグに対応していることを示します。-
以前
の Operator デプロイメントの operator.yaml ファイルを開きます。以前の設定で指定したデフォルト以外の値が新しいoperator.yaml
設定ファイルに複製されていることを確認します。 -
新しい
operator.yaml
ファイルへの更新を行った場合は、ファイルを保存します。 更新された Operator 設定を適用します。
$ oc apply -f deploy/operator.yaml
OpenShift は、最新の Operator バージョンを使用するようにプロジェクトを更新します。
6.2.7. Operator のバージョン 0.9 のアップグレード
以下の手順では、OpenShift コマンドラインインターフェース(CLI)を使用して Operator のバージョン 0.9 (AMQ Broker 7.5 で利用可能なバージョン、または AMQ Broker 7.4 で利用可能な長期サポートバージョン) を AMQ Broker 7.8 の最新バージョンにアップグレードする方法を説明します。
手順
- Web ブラウザーで、AMQ Broker 7.8.5 patches の Software Downloads ページに移動します。
-
Version ドロップダウンリストの値が
7.8.5
に設定され、Patches タブが選択されていることを確認します。 AMQ Broker 7.8.5 .3 Operator Installation and Example Files の横にある Download をクリックします。
amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
圧縮アーカイブのダウンロードが自動的に開始します。ダウンロードが完了したら、アーカイブを選択したインストールディレクトリーに移動します。以下の例では、アーカイブを
~/broker/operator
という名前のディレクトリーに移動します。mkdir ~/broker/operator mv amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip ~/broker/operator
選択したインストールディレクトリーで、アーカイブの内容を展開します。以下に例を示します。
cd ~/broker/operator unzip amq-broker-operator-7.8.5-ocp-install-examples.zip
クラスター管理者として OpenShift Container Platform にログインします。以下に例を示します。
$ oc login -u system:admin
Operator バージョンをアップグレードする OpenShift プロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project-name>
プロジェクトのメインブローカーカスタムリソース (CR) インスタンスを削除します。これにより、ブローカーデプロイメントも削除されます。以下に例を示します。
$ oc delete -f deploy/crs/broker_v2alpha1_activemqartemis_cr.yaml
OpenShift クラスターのメインブローカーカスタムリソース定義 (CRD) を AMQ Broker 7.8 に含まれる最新バージョンに更新します。
$ oc apply -f deploy/crds/broker_activemqartemis_crd.yaml
OpenShift クラスターのアドレス CRD を、AMQ Broker 7.8 に含まれる最新バージョンに更新します。
$ oc apply -f deploy/crds/broker_activemqartemisaddress_crd.yaml
注記スケールダウンコントローラーのために、CRD の最新バージョンでクラスターを更新する必要はありません。AMQ Broker 7.8 では、この CRD は直前の Operator バージョンに含まれるものと完全に互換性があります。
ダウンロードした最新の Operator アーカイブの
deploy
ディレクトリーで、operator.yaml
ファイルを開きます。注記operator.yaml
ファイルでは、Operator は Secure Hash Algorithm (SHA) 値で表されるイメージを使用します。数字記号 (#
) 記号で始まるコメント行は、SHA 値が特定のコンテナーイメージタグに対応していることを示します。-
以前
の Operator デプロイメントの operator.yaml ファイルを開きます。以前の設定で指定したデフォルト以外の値が新しいoperator.yaml
設定ファイルに複製されていることを確認します。 -
新しい
operator.yaml
ファイルへの更新を行った場合は、ファイルを保存します。 更新された Operator 設定を適用します。
$ oc apply -f deploy/operator.yaml
OpenShift は、最新の Operator バージョンを使用するようにプロジェクトを更新します。
-
以前のブローカーデプロイメントを再作成するには、元の CR の目的に一致する新規の CR yaml ファイルを作成し、これを適用します。「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 は、Operator インストールアーカイブに
deploy/crs/broker_activemqartemis_cr.yaml
ファイルを適用する方法について説明しています。
6.3. OperatorHub を使用した Operator のアップグレード
本セクションでは、OperatorHub を使用して、異なるバージョンの Operator を AMQ Broker 7.8 で利用可能な最新バージョンに更新する方法を説明します。
6.3.1. 前提条件
- OperatorHub を使用して Operator をインストールし (つまり、OpenShift Container Platform Web コンソールのプロジェクトの Operators → Installed Operators の下に表示される) OperatorHub を使用して Operator をアップグレードする必要があります。一方、OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) を使用して Operator をインストールした場合、CLI を使用して Operator をアップグレードする必要もあります。CLI を使用して Operator をアップグレードする方法については、「CLI を使用した Operator のアップグレード」 を参照してください。
- OperatorHub を使用して AMQ Broker Operator をアップグレードするには、OpenShift クラスターのクラスター管理者権限が必要です。
6.3.2. 作業を開始する前に
本セクションでは、OperatorHub を使用して AMQ Broker Operator のインスタンスをアップグレードする前に、いくつかの重要な考慮事項について説明します。
- Operator Lifecycle Manager は、OperatorHub から最新の Operator バージョンをインストールする際に、OpenShift クラスターの CRD を自動的に更新します。既存の CRD を削除する必要はありません。
- 最新の Operator バージョンの CRD を使用してクラスターを更新する場合、今回の更新はクラスターのすべてのプロジェクトに影響を与えます。以前のバージョンの Operator からデプロイされたブローカー Pod は、OpenShift Container Platform Web コンソールでそれらのステータスを更新できなくなる可能性があります。稼働中のブローカー Pod の Logs タブをクリックしたら、「UpdatePodStatus」が失敗したことを示すメッセージが表示されます。ただし、そのプロジェクトのブローカー Pod および Operator は予想通りに機能し続けます。影響を受けるプロジェクトに対してこの問題を解決するには、Operator の最新バージョンを使用するようプロジェクトをアップグレードする必要もあります。
6.3.3. OperatorHub を使用した Operator のアップグレード
この手順では、OperatorHub を使用して AMQ Broker Operator のインスタンスをアップグレードする方法を説明します。
手順
- クラスター管理者として OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
プロジェクトのブローカーデプロイメントのメインカスタムリソース (CR) インスタンスを削除します。このアクションにより、ブローカーデプロイメントが削除されます。
- 左側のナビゲーションメニューで、Administration → Custom Resource Definitions をクリックします。
- Custom Resource Definitions ページで、ActiveMQArtemis CRD をクリックします。
- Instances タブをクリックします。
- プロジェクトの名前空間に対応する CR インスタンスを見つけます。
- CR インスタンスの場合は、右側の More Options アイコン (3 つの点) をクリックします。Delete ActiveMQArtemis を選択します。
プロジェクトから既存の AMQ Broker Operator をアンインストールします。
- 左側のナビゲーションメニューで、Operators → Installed Operators をクリックします。
- ページ上部の Project ドロップダウンメニューから、Operator をアンインストールするプロジェクトを選択します。
- アンインストールする Red Hat Integration - AMQ Broker インスタンスを見つけます。
- Operator インスタンスの場合は、右側の More Options アイコン (3 つの点) をクリックします。Uninstall Operator を選択します。
- 確認ダイアログボックスで、Uninstall をクリックします。
- OperatorHub を使用して、AMQ Broker 7.8 の Operator の最新バージョンをインストールします。詳細は、「OperatorHub からの Operator のデプロイ」 を参照してください。
-
以前のブローカーデプロイメントを再作成するには、元の CR の目的に一致する新規の CR yaml ファイルを作成し、これを適用します。「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 は、Operator インストールアーカイブに
deploy/crs/broker_activemqartemis_cr.yaml
ファイルを適用する方法について説明しています。
6.4. AMQ Broker バージョンの指定によるブローカーコンテナーイメージのアップグレード
以下の手順では、AMQ Broker バージョンを指定して、Operator ベースのブローカーデプロイメントのブローカーコンテナーイメージをアップグレードする方法を説明します。たとえば、Operator を AMQ Broker 7.8.5 の最新バージョンにアップグレードするものの、CR の spec.upgrades.enabled
プロパティーがすでに true
に設定され、spec.version
プロパティーが 7 .7.0
または 7.8.0 を指定します。ブローカーコンテナーイメージを アップグレード するには、新しい AMQ Broker バージョンを手動で指定する必要があります(例:
7.8.5
)。新しいバージョンの AMQ Broker を指定する場合、Operator はこのバージョンに対応するブローカーコンテナーイメージを自動的に選択します。
前提条件
7.8.5 には Operator の最新バージョンを使用する必要があります。Operator を最新バージョンにアップグレードする方法については、以下を参照してください。
- 「Operator によるコンテナーイメージの選択方法」 で説明されているように、CR をデプロイし、ブローカーコンテナーイメージを明示的に指定しない場合、Operator は使用する適切なコンテナーイメージを自動的に選択します。このセクションで説明されているアップグレードプロセスを使用するには、このデフォルトの動作を使用する必要があります。CR でブローカーコンテナーイメージを直接指定し、デフォルト動作を上書きする場合、Operator は以下で説明されているように、ブローカーコンテナーイメージを自動的に AMQ Broker バージョンに対応するようにアップグレードすることはできません。
手順
ブローカーデプロイメントのメインブローカー CR インスタンスを編集します。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
ブローカーデプロイメントのプロジェクトで CR を編集およびデプロイする権限を持つユーザーとして OpenShift にログインします。
$ oc login -u <user> -p <password> --server=<host:port>
-
テキストエディターで、ブローカーデプロイメントに使用した CR ファイルを開きます。たとえば、これは以前にダウンロードおよび抽出した Operator インストールアーカイブの
deploy/crs
ディレクトリーにあるbroker_activemqartemis_cr.yaml
ファイルである可能性があります。
OpenShift Container Platform Web コンソールの使用
- ブローカーデプロイメントのプロジェクトに CR を編集およびデプロイする権限を持つユーザーとしてコンソールにログインします。
- 左側のペインで、Administration → Custom Resource Definitions をクリックします。
- ActiveMQArtemis CRD をクリックします。
- Instances タブをクリックします。
- プロジェクトの名前空間に対応する CR インスタンスを見つけます。
CR インスタンスの場合は、右側の More Options アイコン (3 つの点) をクリックします。Edit ActiveMQArtemis を選択します。
コンソールで、YAML エディターが開き、CR インスタンスを編集できるようになります。
ブローカーコンテナーイメージをアップグレードする AMQ Broker のバージョンを指定するには、CR の
spec.version
プロパティーの値を設定します。以下に例を示します。spec: version: 7.8.5 ...
CR の
spec
セクションで、upgrades
セクションを見つけます。このセクションが CR に含まれていない場合は、これを追加します。spec: version: 7.8.5 ... upgrades:
upgrades
セクションに、enabled
およびminor
プロパティーが含まれていることを確認します。spec: version: 7.8.5 ... upgrades: enabled: minor:
指定されたバージョンの AMQ Broker に基づくブローカーコンテナーイメージのアップグレードを有効にするには、
enabled
プロパティーの値をtrue
に設定します。spec: version: 7.8.5 ... upgrades: enabled: true minor:
ブローカーのアップグレード動作を定義するには、
minor
プロパティーの値を設定します。AMQ Broker のマイナーバージョン間のアップグレードを許可するには 、
minor
の値をtrue
に設定します。spec: version: 7.8.5 ... upgrades: enabled: true minor: true
たとえば、現在のブローカーコンテナーイメージが
7
バージョンに対応する新しいイメージが利用できるとします。この場合、Operator は.7.0
に対応し、spec.version
に指定された 7.8.57.7
マイナーバージョンと7.8
マイナーバージョン間の利用可能なアップグレードがあることを判別します。マイナーバージョン間のアップグレードを可能にする前述の設定に基づいて、Operator によってブローカーのコンテナーイメージがアップグレードされます。一方、現在のブローカーコンテナーイメージが
7.8
バージョンに対応する新しいイメージが利用できるとします。この場合、Operator は.0
に対応し、spec.version
に指定された 7.8.57
マイクロバージョン間で利用可能なアップグレードがあることを判別します。マイナーバージョン間のアップグレードのみを許可する前述の設定に基づいて、Operator はブローカーのコンテナーイメージをアップグレードしません。.
8.0 から 7.8.5マイクロ AMQ Broker バージョン間のアップグレードを許可するには、
minor
の値をfalse
に設定します。spec: version: 7.8.5 ... upgrades: enabled: true minor: false
たとえば、現在のブローカーコンテナーイメージが
7
バージョンに対応する新しいイメージが利用できるとします。この場合、Operator は.7.0
に対応し、spec.version
に指定された 7.8.57.7
マイナーバージョンと7.8
マイナーバージョン間の利用可能なアップグレードがあることを判別します。前述の設定に基づいて、マイナーバージョン間のアップグレードを許可しない (マイクロバージョン間のアップグレードのみ)、Operator はブローカーのコンテナーイメージをアップグレードしません。一方、現在のブローカーコンテナーイメージが
7.8
バージョンに対応する新しいイメージが利用できるとします。この場合、Operator は.0
に対応し、spec.version
に指定された 7.8.57
マイクロバージョン間で利用可能なアップグレードがあることを判別します。マイクロバージョン間のアップグレードを可能にする前述の設定に基づいて、Operator によってブローカーのコンテナーイメージがアップグレードされます。.
8.0 から 7.8.5
変更を CR に適用します。
OpenShift コマンドラインインターフェースの使用:
- CR ファイルを保存します。
ブローカーデプロイメントのプロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project_name>
CR を適用します。
$ oc apply -f <path/to/broker_custom_resource_instance>.yaml
OpenShift Web コンソールの使用
- CR の編集が完了したら、Save をクリックします。
CR の変更を適用する際に、Operator はまず
spec.version
に指定された AMQ Broker バージョンへのアップグレードが利用可能であることを検証します。アップグレードする無効なバージョンの AMQ Broker を指定している場合 (たとえば、まだ利用できないバージョンなど)、Operator は警告メッセージをログに記録し、それ以上のアクションを取ることができません。ただし、指定されたバージョンにアップグレードでき、
upgrade.enabled
およびupgrades.minor
に指定される値を指定すると、デプロイメントの各ブローカーが、新しい AMQ Broker バージョンに対応するブローカーコンテナーイメージを使用するようになります。Operator が使用するブローカーコンテナーイメージは、Operator デプロイメントの
operator.yaml
設定ファイルの環境変数で定義されます。環境変数名には、AMQ Broker バージョンの ID が含まれます。たとえば、環境変数RELATED_IMAGE_ActiveMQ_Artemis_Broker_Kubernetes_781
は AMQ Broker 7.8.1 に一致します。Operator が CR の変更を適用すると、デプロイメントで各ブローカー Pod が再起動し、各 Pod が指定されたイメージバージョンを使用するようにします。デプロイメントに複数のブローカーがある場合、1 つのブローカー Pod のみがシャットダウンし、一度に再起動します。
関連情報
- Operator が環境変数を使用してブローカーコンテナーイメージを選択する方法の詳細は、「Operator によるコンテナーイメージの選択方法」 を参照してください。
第7章 アプリケーションテンプレートを使用した AMQ Broker の OpenShift Container Platform へのデプロイ
7.8 より、OpenShift Container Platform での AMQ Broker をデプロイするためのアプリケーションテンプレートの使用は非推奨になった機能になりました。この機能は今後のリリースで削除されます。Red Hat では、アプリケーションテンプレートに基づく既存のデプロイメントのサポートを続けています。ただし、Red Hat は、新規デプロイメントにアプリケーションテンプレートを使用することは推奨していません。新規デプロイメントについては、Red Hat は AMQ Broker Operator を使用することを推奨します。Operator のインストールおよびデプロイに関する詳細は、3章AMQ Broker Operator を使用した OpenShift Container Platform での AMQ Broker のデプロイ を参照してください。
本セクションの手順では、以下を説明します。
- AMQ Broker イメージストリームおよびアプリケーションテンプレートのインストール方法
- テンプレートベースのブローカーデプロイメントの準備方法
- OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して、アプリケーションテンプレートを使用して基本的なブローカーインスタンスをデプロイする例。テンプレートを使用した他のブローカー設定のデプロイ例は、「テンプレートベースのブローカーデプロイメントの例」を参照してください。
7.1. 前提条件
- AMQ Broker を OpenShift Container Platform にデプロイする方法と比較している必要があります。新規デプロイメントについては、Red Hat は AMQ Broker Operator を使用することを推奨します。詳細は、2章OpenShift Container Platform での AMQ Broker のデプロイメントのプランニング を参照してください。
7.2. イメージストリームおよびアプリケーションテンプレートのインストール
AMQ Broker on OpenShift Container Platform イメージストリームおよびアプリケーションテンプレートはデフォルトで OpenShift Container Platform では利用できません。このセクションの手順に従って手動でインストールする必要があります。手動インストールが完了したら、選択したブローカー設定を OpenShift クラスターにデプロイできるようにするテンプレートをインスタンス化できます。この方法でさまざまなブローカー設定を作成する例については、「アプリケーションテンプレートを使用した AMQ Broker の OpenShift Container Platform へのデプロイ」と「テンプレートベースのブローカーデプロイ例」を参照してください。
手順
コマンドラインで、クラスター管理者 (またはグローバル
openshift
プロジェクト名前空間に対する名前空間固有の管理者アクセスを持つユーザー) として OpenShift にログインします。$ oc login -u system:admin $ oc project openshift
openshift
プロジェクトを使用すると、この手順の後半でインストールするイメージストリームおよびアプリケーションテンプレートは、OpenShift クラスターのすべてのプロジェクトでグローバルに利用できるようになります。イメージストリームとアプリケーションテンプレートがopenshift
プロジェクトにインポートされるように明示的に指定する場合は、オプションのパラメーターとして、この手順で後で使用するoc replace
コマンドに-n openshift
を追加することもできます。openshift
プロジェクトを使用する代わりに (クラスター管理者が利用できない場合など)、以下のようにブローカーデプロイメントを作成する特定の OpenShift プロジェクトにログインします。$ oc login -u <USERNAME> $ oc project <PROJECT_NAME>
特定のプロジェクトにログインすると、この手順の後半でインストールするイメージストリームとテンプレートが、そのプロジェクトの名前空間でのみ利用可能になります。
注記OpenShift Container Platform 上の AMQ Broker は、
*-persistence*.yaml
テンプレートすべてで StatefulSet リソースを使用します。*-persistence*.yaml
ではないテンプレートでは、AMQ Broker は Deployment リソースを使用します。どちらのタイプのリソースは、テンプレートがインスタンス化される同じプロジェクト名前空間からのみイメージストリームを使用できる Kubernetes ネイティブリソースです。コマンドラインで以下のコマンドを実行し、ブローカーイメージストリームをプロジェクト名前空間にインポートします。
--force
オプションをoc replace
コマンドに使用してリソースを更新するか、存在しない場合は作成します。$ oc replace --force -f \ https://raw.githubusercontent.com/jboss-container-images/jboss-amq-7-broker-openshift-image/78-7.8.5.GA/amq-broker-7-image-streams.yaml
以下のコマンドを実行して AMQ Broker アプリケーションテンプレートを更新します。
$ for template in amq-broker-78-basic.yaml \ amq-broker-78-ssl.yaml \ amq-broker-78-custom.yaml \ amq-broker-78-persistence.yaml \ amq-broker-78-persistence-ssl.yaml \ amq-broker-78-persistence-clustered.yaml \ amq-broker-78-persistence-clustered-ssl.yaml; do oc replace --force -f \ https://raw.githubusercontent.com/jboss-container-images/jboss-amq-7-broker-openshift-image/78-7.8.5.GA/templates/${template} done
7.3. テンプレートベースのブローカーデプロイメントの準備
前提条件
- Broker インスタンスを OpenShift Container Platform にデプロイする前に、AMQ Broker イメージストリームおよびアプリケーションテンプレートをインストールする必要があります。詳細は、「イメージストリームおよびアプリケーションテンプレートのインストール」を参照してください。
-
以下の手順は、インストールしたブローカーイメージストリームおよびアプリケーションテンプレートがグローバル
openshift
プロジェクトにあることを前提とします。イメージおよびアプリケーションテンプレートを特定のプロジェクトの名前空間にインストールしている場合、amq-demo
などの新規プロジェクトを作成するのではなく、このプロジェクトを引き続き使用します。
手順
コマンドプロンプトを使用して新しいプロジェクトを作成します。
$ oc new-project amq-demo
AMQ Broker デプロイメントに使用するサービスアカウントを作成します。
$ echo '{"kind": "ServiceAccount", "apiVersion": "v1", "metadata": {"name": "amq-service-account"}}' | oc create -f -
view ロールをサービスアカウントに追加します。view ロールにより、サービスアカウントは amq-demo namespace のすべてのリソースを表示できます。これは、ブローカークラスターエンドポイントの検出に OpenShift dns-ping プロトコルを使用する場合に、クラスターを管理するために必要です。
$ oc policy add-role-to-user view system:serviceaccount:amq-demo:amq-service-account
AMQ Broker には、ブローカーキーストア、クライアントキーストア、およびブローカーキーストアが含まれるクライアントトラストストアが必要です。この例では、Java Development Kit に含まれるパッケージである Java Keytool を使用して、AMQ Broker インストールで使用するダミーの認証情報を生成します。
ブローカーキーストアの自己署名証明書を生成します。
$ keytool -genkey -alias broker -keyalg RSA -keystore broker.ks
証明書をクライアントと共有できるようにエクスポートします。
$ keytool -export -alias broker -keystore broker.ks -file broker_cert
クライアントキーストア用に自己署名証明書を生成します。
$ keytool -genkey -alias client -keyalg RSA -keystore client.ks
ブローカー証明書をインポートするクライアントトラストストアを作成します。
$ keytool -import -alias broker -keystore client.ts -file broker_cert
ブローカーのキーストアファイルを使用して、AMQ Broker シークレットを作成します。
$ oc create secret generic amq-app-secret --from-file=broker.ks
シークレットを先に作成したサービスアカウントにリンクします。
$ oc secrets link sa/amq-service-account secret/amq-app-secret
7.4. 基本ブローカーのデプロイ
本セクションの手順では、一時である基本ブローカーをデプロイし、SSL をサポートしない基本的なブローカーをデプロイする方法を説明します。
このブローカーは SSL に対応せず、外部クライアントにアクセスできません。OpenShift クラスターの内部で実行しているクライアントのみがブローカーに接続できます。SSL をサポートするブローカー設定の作成例は、「テンプレートベースのブローカーデプロイメントの例」を参照してください。
前提条件
- ブローカーデプロイメントがすでに準備済みである。「テンプレートベースのブローカーデプロイメントの準備」を参照してください。
-
以下の手順では、「イメージストリームおよびアプリケーションテンプレートのインストール」で作成したブローカーイメージストリームおよびアプリケーションテンプレートがグローバル
openshift
プロジェクトで利用可能であることを前提としています。イメージおよびアプリケーションテンプレートを特定のプロジェクトの名前空間にインストールしている場合、amq-demo
などの新規プロジェクトを作成するのではなく、このプロジェクトを引き続き使用します。 - AMQ Broker 7.3 以降では、新しいバージョンの Red Hat Ecosystem Catalog を使用してコンテナーイメージにアクセスします。この新しいバージョンのレジストリーでは、イメージにアクセスして OpenShift プロジェクトにプルする前に、認証されたユーザーである必要があります。このセクションの手順を実施する前に、「Red Hat コンテナーレジストリーの認証」で説明されている手順を完了する必要があります。
7.4.1. ブローカーアプリケーションの作成
手順
amq-demo
プロジェクトスペースまたはブローカーをデプロイする既存のプロジェクトにログインします。$ oc login -u <USER_NAME> $ oc project <PROJECT_NAME>
基本的なブローカーのテンプレートに基づいて、新しいブローカーアプリケーションを作成します。このテンプレートによって作成されるブローカーは一時的なもので、SSL はサポートしません。
$ oc new-app --template=amq-broker-78-basic \ -p AMQ_PROTOCOL=openwire,amqp,stomp,mqtt,hornetq \ -p AMQ_QUEUES=demoQueue \ -p AMQ_ADDRESSES=demoTopic \ -p AMQ_USER=amq-demo-user \ -p AMQ_PASSWORD=password \
基本的なブローカーアプリケーションテンプレートは、以下の表に記載されている環境変数を設定します。
表7.1 基本ブローカーアプリケーションテンプレート
環境変数 表示名 値 説明 AMQ_PROTOCOL
AMQ プロトコル
openwire,amqp,stomp,mqtt,hornetq
ブローカーによって使用されるプロトコル
AMQ_QUEUES
キュー
demoQueue
demoQueue という名前のキャストキューを作成します。
AMQ_ADDRESSES
アドレス
demoTopic
demoTopic という名前のアドレス (またはトピック) を作成します。デフォルトでは、このアドレスには割り当てられたルーティングタイプが割り当てられていません。
AMQ_USER
AMQ ユーザー名
amq-demo-user
クライアントがブローカーへの接続に使用するユーザー名
AMQ_PASSWORD
AMQ パスワード
パスワード
クライアントがユーザー名と使用してブローカーに接続するパスワード
7.4.2. 機密の認証情報について
AMQ Broker アプリケーションテンプレートでは、以下の環境変数の値はシークレットに保存されます。
- AMQ_USER
- AMQ_PASSWORD
- AMQ_CLUSTER_USER (クラスター化されたブローカーデプロイメント)
- AMQ_CLUSTER_PASSWORD (クラスター化されたブローカーデプロイメント)
- AMQ_TRUSTSTORE_PASSWORD (SSL 対応ブローカーデプロイメント)
- AMQ_KEYSTORE_PASSWORD (SSL 対応のブローカーデプロイメント)
これらの環境変数の値を取得して使用するには、AMQ Broker アプリケーションテンプレートは、AMQ_CREDENTIAL_SECRET 環境変数に指定されたシークレットにアクセスします。デフォルトでは、この環境変数で指定されるシークレット名は amq-credential-secret
です。テンプレートのデプロイ時にこれらの変数のいずれかにカスタム値を指定した場合でも、OpenShift Container Platform は現時点で名前付きシークレットに保存されている値を使用します。さらに、アプリケーションテンプレートは、値を変更して値を変更しない限り、amq-credential-secret
に保存されているデフォルト値を使用するか、新しい値で新しいシークレットを作成および指定します。以下の例のように、OpenShift コマンドラインインターフェースを使用してシークレットを編集できます。
$ oc edit secrets amq-credential-secret
amq-credential-secret
の値は base64 エンコーディングを使用します。シークレットの値をデコードするには、以下のようなコマンドを使用します。
$ echo 'dXNlcl9uYW1l' | base64 --decode user_name
7.4.3. ブローカーアプリケーションのデプロイおよび起動
ブローカーアプリケーションの作成後に、これをデプロイする必要があります。アプリケーションのデプロイにより、ブローカーが実行される Pod が作成されます。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールで Deployments をクリックします。
- broker-amq アプリケーションをクリックします。
デプロイ をクリックします。
注記アプリケーションがデプロイされない場合、Events タブをクリックして設定を確認できます。正しくない場合には、Actions ボタンをクリックしてデプロイメント設定を編集します。
ブローカーアプリケーションのデプロイ後に、ブローカー Pod の現在の状態を確認します。
- DeploymentConfigs をクリックします。
broker-amq Pod をクリックした後、Logs タブをクリックしてブローカーの状態を確認します。アプリケーションテンプレートで以前に作成されたキューが表示されるはずです。
ログに以下が表示される場合:
- ブローカーが稼働しているため、この手順のステップ 9 に進みます。
-
ブローカーログが読み込まれておらず、Pod のステータスは
ErrImagePull
またはImagePullBackOff
を表示し、デプロイメント設定は Red Hat Container Registry から指定されたブローカーイメージを直接プルできませんでした。この手順では、ステップ 5 に進みます。
ブローカーコンテナーイメージのインストール用に Pod を準備するには、実行されているブローカーの数を
0
にスケーリングします。- broker-amq をクリックします。
- Actions → Edit DeploymentConfigs をクリックします。
-
デプロイメントの
.yaml
ファイルで、replicas
属性の値を0
に設定します。 -
Save
をクリックします。 - Pod は、稼働しているブローカーインスタンスがゼロで再起動します。
最新のブローカーコンテナーイメージをインストールします。
- Web ブラウザーで Red Hat Container Catalog に移動します。
-
検索ボックスに
AMQ Broker
と入力します。Search をクリックします。 以下の表の情報をもとにイメージリポジトリーを選択します。
プラットフォーム(アーキテクチャー) コンテナーイメージ名 リポジトリー名 OpenShift Container Platform (amd64)
AMQ Broker または AMQ Broker for RHEL 8
amq7/amq-broker or amq7/amq-broker-rhel8
OpenShift Container Platform on IBM Z (s390x)
OpenJDK 11 での AMQ Broker for RHEL 8
amq7/amq-broker-openjdk-11-rhel8
OpenShift Container Platform on IBM Power Systems (ppc64le)
OpenJDK 11 での AMQ Broker for RHEL 8
amq7/amq-broker-openjdk-11-rhel8
たとえば、OpenShift Container Platform ブローカーコンテナーイメージの場合は、AMQ Broker をクリックします。
amq7/amq-broker
リポジトリーが開き、最新のイメージバージョンが自動的に選択されます。以前のバージョンに変更するには、Tags タブをクリックして、別のバージョンタグを選択します。- Get This Image タブをクリックします。
レジストリートークンの認証 の下で、「OpenShift シークレットの使用」セクションの「ページ」の手順を確認してください。この手順では、Red Hat Container Registry の認証に使用されるアカウントに関連付けられたイメージプルシークレットおよび Pod デプロイメント設定ファイルへの参照を追加する方法について説明します。
たとえば、
amq-demo
プロジェクト名前空間のbroker-amq
デプロイメント設定でブローカーイメージおよびプルシークレットを参照するには、以下のような行を含めます。apiVersion: apps.openshift.io/v1 kind: DeploymentConfig .. metadata: name: broker-amq namespace: amq-demo .. spec: containers: name: broker-amq image: 'registry.redhat.io/amq7/amq-broker:7.8' .. imagePullSecrets: - name: {PULL-SECRET-NAME}
- Save をクリックします。
最新のブローカーイメージバージョンをプロジェクトの名前空間にインポートします。以下に例を示します。
$ oc import-image amq7/amq-broker:7.8 --from=registry.redhat.io/amq7/amq-broker --confirm
前述のように
broker-amq
デプロイメント設定を再度編集します。replicas
属性の値を元の値に設定します。ブローカー Pod は、新規ブローカーイメージを参照する実行中のブローカーすべてで再起動します。
Terminal タブをクリックして、ブローカーを起動し、CLI を使用してメッセージの送受信をテストすることができるシェルにアクセスします。
sh-4.2$ ./broker/bin/artemis run sh-4.2$ ./broker/bin/artemis producer --destination queue://demoQueue Producer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Started to calculate elapsed time ... Producer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Produced: 1000 messages Producer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Elapsed time in second : 4 s Producer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Elapsed time in milli second : 4584 milli seconds sh-4.2$ ./broker/bin/artemis consumer --destination queue://demoQueue Consumer:: filter = null Consumer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 wait until 1000 messages are consumed Received 1000 Consumer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Consumed: 1000 messages Consumer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Consumer thread finished
または、以下の例のように、OpenShift クライアントを使用して Pod 名を使用してシェルにアクセスします。
// Get the Pod names and internal IP Addresses $ oc get pods -o wide // Access a broker Pod by name $ oc rsh <broker-pod-name>
7.5. 外部クライアントのテンプレートベースのブローカーデプロイメントへの接続
このセクションでは、OpenShift Container Platform の外部のクライアントからアプリケーションテンプレートを使用してデプロイされたブローカーへの接続を有効にするために SSL を設定する方法を説明します。
7.5.1. SSL の設定
最小の SSL 設定で OpenShift Container Platform 外の接続を許可するには、AMQ Broker にはブローカーキーストア、クライアントキーストア、およびブローカーキーストアが含まれるクライアントトラストストアが必要です。ブローカーキーストアは、サービスアカウントに追加される OpenShift Container Platform イメージにある AMQ Broker のシークレット作成にも使用されます。
以下のコマンド例では、Java Development Kit に含まれるパッケージ Java KeyTool を使用して、必要な証明書とストアを生成します。
SSL をサポートするブローカーインスタンスをデプロイする詳細な例は、SSL を使用した基本的なブローカーのデプロイ を参照してください。
手順
ブローカーキーストアの自己署名証明書を生成します。
$ keytool -genkey -alias broker -keyalg RSA -keystore broker.ks
証明書をクライアントと共有できるようにエクスポートします。
$ keytool -export -alias broker -keystore broker.ks -file broker_cert
クライアントキーストア用に自己署名証明書を生成します。
$ keytool -genkey -alias client -keyalg RSA -keystore client.ks
ブローカー証明書をインポートするクライアントトラストストアを作成します。
$ keytool -import -alias broker -keystore client.ts -file broker_cert
キーストアからクライアントの証明書をエクスポートします。
$ keytool -export -alias client -keystore client.ks -file client_cert
クライアントのエクスポートされた証明書をブローカーの SERVER トラストストアにインポートします。
$ keytool -import -alias client -keystore broker.ts -file client_cert
7.5.2. AMQ Broker シークレットの生成
ブローカーキーストアを使用して namespace のシークレットを生成します。このシークレットは、アプリケーションの認証を可能にするためにサービスアカウントに追加されます。
手順
コマンドラインで、次のコマンドを実行します。
$ oc create secret generic <secret-name> --from-file=<broker-keystore> --from-file=<broker-truststore> $ oc secrets link sa/<service-account-name> secret/<secret-name>
7.5.3. SSL ルートの作成
OpenShift クラスター外のクライアントアプリケーションがブローカーに送信できるようにするには、ブローカー Pod の SSL ルートを作成する必要があります。OpenShift ルーターには、トラフィックを正しいサービスに送信するために Server Name Indication(SNI)が必要なため、SSL 対応のルートのみを外部クライアントに公開できます。
アプリケーションテンプレートを使用して OpenShift Container Platform にブローカーをデプロイする場合に、AMQ_PROTOCOL
テンプレートパラメーターを使用して、ブローカーが使用するメッセージングプロトコルをコンマ区切りの一覧で指定します。使用可能なオプションは、 amqp
、mqtt
、openwire
、stomp
、およびhornetq
です。プロトコルを指定しない場合には、全プロトコルが利用できます。
ブローカーが使用するメッセージングプロトコルごとに、OpenShift はブローカー Pod の専用ポートを公開します。さらに、OpenShift は すべてのプロトコル の多重化ポートを自動的に作成します。OpenShift 外のクライアントアプリケーションは、使用するプロトコルでどのプロトコルがサポート対象であるかに拘らず、全プロトコル対応の多重化ポートを常に使用して、ブローカーに接続します。
すべてのプロトコルポートへの接続は、OpenShift が自動作成するサービスおよび作成する SSL ルートを介して行われます。ブローカー Pod 内のヘッドレスサービスは、クライアントが直接アクセスできる、独自のサービスやルートがない、他のプロトコル固有のポートにアクセスできるようにします。
各種 AMQ Broker トランスポートプロトコルに対して OpenShift が公開するポートを以下の表に示します。ブローカーは、OpenShift クラスター内のトラフィックに対する SSL 以外のポートをリッスンします。SSL ベース (*.-ssl.yaml
) テンプレートを使用してデプロイメントを作成した場合に、ブローカーは、OpenShift 外部のクライアントからトラフィックを SSL 対応のポートでリッスンします。
表7.2 AMQ Broker トランスポートプロトコルのデフォルトポート
AMQ Broker トランスポートプロトコル | デフォルトのポート |
---|---|
すべてのプロトコル(OpenWire、AMQP、STOMP、MQTT、および HornetQ) | 61616 |
すべてのプロトコル - SSL(OpenWire AMQP、STOMP、MQTT、および HornetQ) | 61617 |
AMQP | 5672 |
AMQP (SSL) | 5671 |
MQTT | 1883 |
MQTT (SSL) | 8883 |
STOMP | 61613 |
STOMP (SSL) | 61612 |
以下は、ブローカー Pod での SSL ルート作成時に注意する必要がある点です。
ルートの作成時に、TLS Termination を Passthrough に設定すると、OpenShift ルーターは復号および再送信を行わずに AMQ Broker に対する全通信をリレーします。
注記OpenShift ルーターは HTTP プロキシーである
HAProxy
を使用するため、通常の HTTP トラフィックには TLS パススルールートは必要ありません。外部ブローカークライアントは、SSL 接続のブローカー URL 設定時に OpenShift ルーターポート(443)を指定する必要があります。クライアント接続が OpenShift ルーターポートを指定する場合、ルーターはクライアントトラフィックを転送する必要のあるブローカー Pod の適切なポートを決定します。
注記デフォルトで、OpenShift ルーターは 443 ポートを使用します。ただし、ルーターは
ROUTER_SERVICE_HTTPS_PORT
環境変数に指定された値に基づいて異なるポート番号を使用するように設定できます。詳細は OpenShift Container Platform Routes を参照してください。ブローカー URL にフェイルオーバープロトコルを含めると、Pod が再起動またはアップグレードされた場合に備えてクライアント接続が維持されます。
先ほどの両設定が以下の例のようになります。
... factory.setBrokerURL("failover://ssl://<broker-pod-route-name>:443"); ...
関連情報
- SSL をサポートするブローカーのデプロイと SSL ルートの作成をサポートして外部クライアントアクセスを有効にするブローカーの例の完全な詳細は、「SSL を 使用した基本的なブローカーのデプロイ 」を参照してください。
- クラスター化されたブローカーが AMQ ブローカー管理コンソールの独自のインスタンスに接続するためのルートを作成する例は、AMQ ブローカー管理コンソールのルートの作成を参照してください。
第8章 テンプレートベースのブローカーデプロイメントの例
前提条件
- これらの手順は、 OpenShift Container PlatformGetting Started で作成した OpenShift Container Platform インスタンスを想定しています。
- AMQ Broker アプリケーションテンプレートでは、AMQ_USER、AMQ_PASSWORD、AMQ_CLUSTER_USER、AMQ_CLUSTER_PASSWORD、AMQ_TRUSTSTORE_PASSWORD、および AMQ_KEYSTORE_PASSWORD 環境変数の値はシークレットに保存されます。以下のチュートリアルのいずれかにテンプレートをデプロイする時にこれらの環境変数の使用および変更方法は、 機密性の高い認証情報についてを参照してください。
以下の手順では、アプリケーションテンプレートを使用してブローカーのさまざまなデプロイメントを作成する方法を説明します。
8.1. SSL を使用した基本的なブローカーのデプロイ
一時的で、かつ SSL をサポートする基本ブローカーをデプロイします。
8.1.1. イメージおよびテンプレートのデプロイ
前提条件
- このチュートリアルは、テンプレートベースのブローカーデプロイメントの準備 をもとに次に進みます。
- 基本的なブローカーのデプロイ のチュートリアルを完了することを推奨します。
手順
- OpenShift Web コンソールに移動し、ログインします。
-
amq-demo
プロジェクトスペースを選択します。 - Add to Project をクリックした後に、Browse Catalog をクリックしてデフォルトのイメージストリームおよびテンプレートをすべて一覧表示します。
-
Filter 検索バーを使用して、一覧を
amq
に一致するものに限定します。See all をクリックして、必要なアプリケーションテンプレートを表示する必要がある場合があります。 -
Red Hat AMQ Broker 7.8 (Ephemeral, with SSL)
というラベルが付いたamq-broker-78-ssl
テンプレートを選択します。 設定で以下の値を設定し、Create をクリックします。
表8.1 テンプレートの例
環境変数 表示名 値 説明 AMQ_PROTOCOL
AMQ プロトコル
openwire,amqp,stomp,mqtt,hornetq
ブローカーによって使用されるプロトコル
AMQ_QUEUES
キュー
demoQueue
demoQueue という名前のキャストキューを作成します。
AMQ_ADDRESSES
アドレス
demoTopic
demoTopic という名前のアドレス (またはトピック) を作成します。デフォルトでは、このアドレスには割り当てられたルーティングタイプが割り当てられていません。
AMQ_USER
AMQ ユーザー名
amq-demo-user
クライアントが使用するユーザー名
AMQ_PASSWORD
AMQ パスワード
パスワード
クライアントがユーザー名で使用するパスワード
AMQ_TRUSTSTORE
トラストストアファイル名
broker.ts
SSL トラストストアファイル名
AMQ_TRUSTSTORE_PASSWORD
トラストストアのパスワード
パスワード
トラストストアの作成時に使用されるパスワード
AMQ_KEYSTORE
AMQ キーストアファイル名
broker.ks
SSL キーストアのファイル名
AMQ_KEYSTORE_PASSWORD
AMQ キーストアのパスワード
パスワード
キーストアの作成時に使用されるパスワード
8.1.2. アプリケーションのデプロイ
アプリケーションの作成後に、これをデプロイして Pod を作成し、ブローカーを起動します。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールで Deployments をクリックします。
- broker-amq デプロイメントをクリックします。
- Deploy をクリックしてアプリケーションをデプロイします。
ブローカーの Pod をクリックした後、Logs タブをクリックしてブローカーの状態を確認します。
ブローカーログが読み込まれておらず、Pod のステータスは
ErrImagePull
またはImagePullBackOff
を表示し、デプロイメント設定は Red Hat Container Registry から指定されたブローカーイメージを直接プルできませんでした。この場合、デプロイメント設定を編集して、正しいブローカーイメージ名と、Red Hat Container Registry の認証に使用するアカウントに関連付けられたイメージプルシークレット名を参照します。これで、ブローカーイメージをインポートし、ブローカーを起動できます。方法は、ブローカーアプリケーションのデプロイおよび起動 に記載の手順を実施します。
8.1.3. ルートの作成
OpenShift Container Platform の外部のクライアントが SSL を使用して接続できるようにブローカーのルートを作成します。デフォルトでは、セキュアなブローカープロトコルは 61617/TCP ポートを介して利用できます。さらに、ブローカーがサポートするメッセージングプロトコルごとに、ブローカー Pod に SSL ポートおよび非 SSL ポートが公開されます。ただし、外部クライアントはブローカーのこれらのポートに直接接続できません。代わりに、外部クライアントは Openshift ルーター経由で OpenShift に接続します。これは、トラフィックをブローカー Pod の適切なポートに転送する方法を決定します。
デプロイメントを、クラスター内にある複数のブローカーにスケールアップする場合、各ブローカーのサービスとルートを手動で作成してから、各サービスおよびルートの組み合わせを使用して特定のクライアントを特定のブローカー、またはブローカーリストにダイレクトする必要があります。クラスター化されたブローカーを AMQ Broker 管理コンソール独自のインスタンスに接続するためのサービスおよびルートを複数設定する例は、Creating Routes for the AMQ Broker management consoleを参照してください。
前提条件
- SSL ルートを作成する前に、外部クライアントがこの ルートを使用してブローカーに接続する方法を理解する必要があります。詳細は、Creating an SSL Routeを参照してください。
手順
- Services → broker-amq-tcp-ssl をクリックします。
- Actions → Create a route をクリックします。
- TLS パラメーターを表示するには、Secure route チェックボックスを選択します。
- TLS Termination ドロップダウンメニューから、Passthrough を選択します。ここで選択する内容では、OpenShift ルーターが復号化および再送信せずに AMQ Broker との通信をすべてリレーします。
ルートを表示するには、Routes をクリックします。以下に例を示します。
https://broker-amq-tcp-amq-demo.router.default.svc.cluster.local
このホスト名は、SNI を使用する SSL でブローカーに接続するのに外部クライアントが使用します。
関連情報
- SSL ルートの作成に関する詳細は、SSL ルートの作成を参照してください。
- OpenShift Container Platform のルートの詳細は、ルートを参照してください。
8.2. 永続性および SSL を使用した基本的なブローカーのデプロイ
SSL をサポートする永続ブローカーをデプロイします。ブローカーの永続性が必要な場合、ブローカーは StatefulSet としてデプロイされ、Persistent Volume Claim(永続ボリューム要求、PVC)経由でブローカー Pod に関連付けられた永続ボリュームにメッセージングデータを保存します。ブローカー Pod が作成されると、Pod をシャットダウンするか、または Pod が予期せずシャットダウンした場合に残されたストレージを使用します。この設定は、標準のデプロイメントであるため、メッセージが失われないことを意味します。
前提条件
- このチュートリアルは、テンプレートベースのブローカーデプロイメントの準備 をもとに次に進みます。
- 基本的なブローカーのデプロイ のチュートリアルを完了することを推奨します。
- 永続ボリューム要求(PVC)経由でブローカー Pod に関連付けるには、OpenShift クラスターに、永続ストレージが十分、プロビジョニングされている必要があります。詳細は、Understanding persistent storage (OpenShift Container Platform 4.5) を参照してください。
8.2.1. イメージおよびテンプレートのデプロイ
手順
- OpenShift Web コンソールに移動し、ログインします。
-
amq-demo
プロジェクトスペースを選択します。 - Add to Project → Browse catalog をクリックしてデフォルトのイメージストリームおよびテンプレートを一覧表示します。
-
Filter 検索バーを使用して、一覧を
amq
に一致するものに限定します。See all をクリックして、必要なアプリケーションテンプレートを表示する必要がある場合があります。 -
Red Hat AMQ Broker 7.8(Persistence)とラベル付けされた
を選択します。amq-broker-78-persistence-ssl
テンプレート 設定で以下の値を設定し、Create をクリックします。
表8.2 テンプレートの例
環境変数 表示名 値 説明 AMQ_PROTOCOL
AMQ プロトコル
openwire,amqp,stomp,mqtt,hornetq
ブローカーによって使用されるプロトコル
AMQ_QUEUES
キュー
demoQueue
demoQueue という名前のキャストキューを作成します。
AMQ_ADDRESSES
アドレス
demoTopic
demoTopic という名前のアドレス (またはトピック) を作成します。デフォルトでは、このアドレスには割り当てられたルーティングタイプが割り当てられていません。
VOLUME_CAPACITY
AMQ ボリュームのサイズ
1Gi
ジャーナル用に作成される永続ボリュームサイズ
AMQ_USER
AMQ ユーザー名
amq-demo-user
クライアントが使用するユーザー名
AMQ_PASSWORD
AMQ パスワード
パスワード
クライアントがユーザー名で使用するパスワード
AMQ_TRUSTSTORE
トラストストアファイル名
broker.ts
SSL トラストストアファイル名
AMQ_TRUSTSTORE_PASSWORD
トラストストアのパスワード
パスワード
トラストストアの作成時に使用されるパスワード
AMQ_KEYSTORE
AMQ キーストアファイル名
broker.ks
SSL キーストアのファイル名
AMQ_KEYSTORE_PASSWORD
AMQ キーストアのパスワード
パスワード
キーストアの作成時に使用されるパスワード
8.2.2. アプリケーションのデプロイ
アプリケーションを作成したら、デプロイする必要があります。アプリケーションのデプロイにより Pod が作成され、ブローカーが起動します。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールで StatefulSets をクリックします。
- broker-amq デプロイメントをクリックします。
- Deploy をクリックしてアプリケーションをデプロイします。
ブローカーの Pod をクリックした後、Logs タブをクリックしてブローカーの状態を確認します。テンプレートから作成されたキューが表示されます。
ブローカーログが読み込まれておらず、Pod のステータスは
ErrImagePull
またはImagePullBackOff
を表示し、設定は Red Hat Container Registry から指定されたブローカーイメージを直接プルできませんでした。この場合、デプロイメント設定を編集して、正しいブローカーイメージ名と、Red Hat Container Registry の認証に使用するアカウントに関連付けられたイメージプルシークレット名を参照します。これで、ブローカーイメージをインポートし、ブローカーを起動できます。方法は、ブローカーアプリケーションのデプロイおよび起動 に記載の手順を実施します。Terminal タブをクリックして、CLI で一部のメッセージを送信できるシェルにアクセスします。
sh-4.2$ ./broker/bin/artemis producer --destination queue://demoQueue Producer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Started to calculate elapsed time ... Producer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Produced: 1000 messages Producer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Elapsed time in second : 4 s Producer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Elapsed time in milli second : 4584 milli seconds sh-4.2$ ./broker/bin/artemis consumer --destination queue://demoQueue Consumer:: filter = null Consumer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 wait until 1000 messages are consumed Received 1000 Consumer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Consumed: 1000 messages Consumer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Consumer thread finished
または、以下の例のように、OpenShift クライアントを使用して Pod 名を使用してシェルにアクセスします。
// Get the Pod names and internal IP Addresses oc get pods -o wide // Access a broker Pod by name oc rsh <broker-pod-name>
oc コマンドを使用してブローカーをスケールダウンします。
$ oc scale statefulset broker-amq --replicas=0 statefulset "broker-amq" scaled
コンソールを使用して、Pod 数が 0 であることを確認します。
次に、ブローカーを
1
に再びスケールアップします。$ oc scale statefulset broker-amq --replicas=1 statefulset "broker-amq" scaled
ターミナルを使用してメッセージを再度消費します。以下に例を示します。
sh-4.2$ broker/bin/artemis consumer --destination queue://demoQueue Consumer:: filter = null Consumer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 wait until 1000 messages are consumed Received 1000 Consumer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Consumed: 1000 messages Consumer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Consumer thread finished
関連情報
- ステートフルなアプリケーションの管理の詳細は、StatefulSets (external) を参照してください。
8.2.3. ルートの作成
OpenShift Container Platform の外部のクライアントが SSL を使用して接続できるようにブローカーのルートを作成します。デフォルトでは、ブローカープロトコルは 61617/TCP ポートから入手できます。
デプロイメントを、クラスター内にある複数のブローカーにスケールアップする場合、各ブローカーのサービスとルートを手動で作成してから、各サービスおよびルートの組み合わせを使用して特定のクライアントを特定のブローカー、またはブローカーリストにダイレクトする必要があります。クラスター化されたブローカーを AMQ Broker 管理コンソール独自のインスタンスに接続するためのサービスおよびルートを複数設定する例は、Creating Routes for the AMQ Broker management consoleを参照してください。
前提条件
- SSL ルートを作成する前に、外部クライアントがこの ルートを使用してブローカーに接続する方法を理解する必要があります。詳細は、Creating an SSL Routeを参照してください。
手順
- Services → broker-amq-tcp-ssl をクリックします。
- Actions → Create a route をクリックします。
- TLS パラメーターを表示するには、Secure route チェックボックスを選択します。
- TLS Termination ドロップダウンメニューから、Passthrough を選択します。ここで選択する内容では、OpenShift ルーターが復号化および再送信せずに AMQ Broker との通信をすべてリレーします。
ルートを表示するには、Routes をクリックします。以下に例を示します。
https://broker-amq-tcp-amq-demo.router.default.svc.cluster.local
このホスト名は、SNI を使用する SSL でブローカーに接続するのに外部クライアントが使用します。
関連情報
- OpenShift Container Platform のルートの詳細は、ルートを参照してください。
8.3. クラスター化されたブローカーのセットのデプロイ
ブローカーのクラスターセットをデプロイし、ここではブローカーごとに独自の Pod で実行されます。
8.3.1. メッセージの分散
メッセージ分散は ON_DEMAND を使用するように設定されます。つまり、メッセージがクラスター化されたブローカーに到達すると、コンシューマーがあるブローカーにラウンドロビン方式で配布されます。
このメッセージ分散ポリシーは、直接または Open Shift ルーターを介して接続されているコンシューマーが別のブローカーに接続されているときに、メッセージが特定のブローカーでスタックするのを防ぎます。
再分散の遅延は、デフォルトではゼロです。メッセージがコンシューマーのないキューにある場合は、別のブローカーに再分散されます。
再分散を有効にすると、メッセージが順番に関係なく分散される可能性があります。
8.3.2. イメージおよびテンプレートのデプロイ
前提条件
- この手順は、テンプレートベースのブローカーデプロイメントの準備 に基づいて構築していきます。
- 基本的なブローカーのデプロイ のチュートリアルを完了することを推奨します。
手順
- OpenShift Web コンソールに移動し、ログインします。
-
amq-demo
プロジェクトスペースを選択します。 - Add to Project > Browse catalog の順にクリックしてデフォルトのイメージストリームおよびテンプレートを一覧表示します。
-
Filter 検索バーを使用して、一覧を
amq
に一致するものに限定します。See all をクリックして、必要なアプリケーションテンプレートを表示します。 -
Red Hat AMQ Broker 7.8 (no SSL, clustered) とラベル付けされた
を選択します。amq-broker-78-persistence-ssl
テンプレート 設定で以下の値を設定し、Create をクリックします。
表8.3 テンプレートの例
環境変数 表示名 値 説明 AMQ_PROTOCOL
AMQ プロトコル
openwire,amqp,stomp,mqtt,hornetq
ブローカーによって使用されるプロトコル
AMQ_QUEUES
キュー
demoQueue
demoQueue という名前のキャストキューを作成します。
AMQ_ADDRESSES
アドレス
demoTopic
demoTopic という名前のアドレス (またはトピック) を作成します。デフォルトでは、このアドレスには割り当てられたルーティングタイプが割り当てられていません。
VOLUME_CAPACITY
AMQ ボリュームのサイズ
1Gi
ジャーナル用に作成される永続ボリュームサイズ
AMQ_CLUSTERED
クラスター化
true
ブローカーがクラスター化されるようにするには、true に指定する必要があります。
AMQ_CLUSTER_USER
クラスターユーザー
generated
ブローカーが相互の接続に使用するユーザー名
AMQ_CLUSTER_PASSWORD
クラスターパスワード
generated
ブローカーが相互接続に使用するパスワード
AMQ_USER
AMQ ユーザー名
amq-demo-user
クライアントが使用するユーザー名
AMQ_PASSWORD
AMQ パスワード
パスワード
クライアントがユーザー名で使用するパスワード
8.3.3. アプリケーションのデプロイ
アプリケーションを作成したら、デプロイする必要があります。アプリケーションのデプロイにより Pod が作成され、ブローカーが起動します。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールで StatefulSets をクリックします。
- broker-amq デプロイメントをクリックします。
Deploy をクリックしてアプリケーションをデプロイします。
注記クラスター化されたテンプレートのデフォルトのレプリカ数は 0 です。Pod は表示されないはずです。
Pod を 3 つにスケールアップし、ブローカーのクラスターを作成します。
$ oc scale statefulset broker-amq --replicas=3 statefulset "broker-amq" scaled
3 つの Pod が実行されていることを確認します。
$ oc get pods NAME READY STATUS RESTARTS AGE broker-amq-0 1/1 Running 0 33m broker-amq-1 1/1 Running 0 33m broker-amq-2 1/1 Running 0 29m
-
表示される Pod のステータスが
ErrImagePull
またはImagePullBackOff
の場合には、デプロイメントは Red Hat Container Registry から指定されたブローカーイメージを直接プルできていません。この場合、StatefulSet を編集して、正しいブローカーイメージ名と、Red Hat Container Registry の認証に使用するアカウントに関連付けられたイメージプルシークレット名を参照します。次に、ブローカーイメージをインポートし、ブローカーを起動できます。方法は、ブローカーアプリケーションのデプロイおよび起動 に記載の手順を実施します。 ログをチェックして、ブローカーが新しい Pod でクラスター化されていることを確認します。
$ oc logs broker-amq-2
これにより、新しいブローカーのログと、ブローカー間で作成されるクラスター化されたブリッジのエントリーが表示されます。
2018-08-29 07:43:55,779 INFO [org.apache.activemq.artemis.core.server] AMQ221027: Bridge ClusterConnectionBridge@1b0e9e9d [name=$.artemis.internal.sf.my-cluster.4333c830-ab5f-11e8-afb8-0a580a82006e, queue=QueueImpl[name=$.artemis.internal.sf.my-cluster.4333c830-ab5f-11e8-afb8-0a580a82006e, postOffice=PostOfficeImpl [server=ActiveMQServerImpl::serverUUID=9cedb69d-ab5e-11e8-87a4-0a580a82006c], temp=false]@5e0c0398 targetConnector=ServerLocatorImpl (identity=(Cluster-connection-bridge::ClusterConnectionBridge@1b0e9e9d [name=$.artemis.internal.sf.my-cluster.4333c830-ab5f-11e8-afb8-0a580a82006e, queue=QueueImpl[name=$.artemis.internal.sf.my-cluster.4333c830-ab5f-11e8-afb8-0a580a82006e, postOffice=PostOfficeImpl [server=ActiveMQServerImpl::serverUUID=9cedb69d-ab5e-11e8-87a4-0a580a82006c], temp=false]@5e0c0398 targetConnector=ServerLocatorImpl [initialConnectors=[TransportConfiguration(name=artemis, factory=org-apache-activemq-artemis-core-remoting-impl-netty-NettyConnectorFactory) ?port=61616&host=10-130-0-110], discoveryGroupConfiguration=null]]::ClusterConnectionImpl@806813022[nodeUUID=9cedb69d-ab5e-11e8-87a4-0a580a82006c, connector=TransportConfiguration(name=artemis, factory=org-apache-activemq-artemis-core-remoting-impl-netty-NettyConnectorFactory) ?port=61616&host=10-130-0-108, address=, server=ActiveMQServerImpl::serverUUID=9cedb69d-ab5e-11e8-87a4-0a580a82006c])) [initialConnectors=[TransportConfiguration(name=artemis, factory=org-apache-activemq-artemis-core-remoting-impl-netty-NettyConnectorFactory) ?port=61616&host=10-130-0-110], discoveryGroupConfiguration=null]] is connected
8.3.4. AMQ Broker 管理コンソールのルートの作成
クラスタリングテンプレートでは、デフォルトで AMQ Broker 管理コンソールは公開されません。これは、OpenShift プロキシーがクラスター内の各ブローカー間で負荷分散を実行し、特定のタイミングで接続されるブローカーコンソールを制御できないためです。
以下の手順は、独自の管理コンソールインスタンスに接続するようにクラスター内の各ブローカーを設定する方法を示しています。これを行うには、クラスター内の各ブローカー Pod に専用のサービスとルートの組み合わせを作成します。
前提条件
- 各ブローカーが独自の Pod で実行されるクラスター化されたブローカーセットがすでにデプロイされている。クラスター化されたブローカーのセットのデプロイを参照してください。
手順
StatefulSet セレクターを使用して Pod 間を選択し、クラスターの各 Pod に通常のサービスを作成します。これを実行するには、以下のようなサービステンプレートを
.yaml
形式でデプロイします。apiVersion: v1 kind: Service metadata: annotations: description: 'Service for the management console of broker pod XXXX' labels: app: application2 application: application2 template: amq-broker-78-persistence-clustered name: amq2-amq-console-XXXX namespace: amq75-p-c-ssl-2 spec: ports: - name: console-jolokia port: 8161 protocol: TCP targetPort: 8161 selector: deploymentConfig: application2-amq statefulset.kubernetes.io/pod-name: application2-amq-XXXX type: ClusterIP
上記のテンプレートの
XXXX
は、サービスに関連付けるブローカー Pod の ordinal 値に置き換えます。たとえば、サービス をクラスターの最初の Pod に関連付けるには、XXXX
を0
に設定します。サービスと 2 つ目の Pod を関連付けるには、XXXX
を1
に設定するなどです。クラスターにある各ブローカー Pod のテンプレートのインスタンスを保存してデプロイします。
注記上記のテンプレート例では、セレクターは Kubernetes 定義の Pod 名を使用します。
AMQ Broker 管理コンソールが Pod に接続できるように、各ブローカー Pod のルートを作成します。
Routes → Create Route の順にクリックします。
Edit Route ページが表示されます。
-
Services ドロップダウンメニューで、以前に作成したブローカーサービスで、ルートの関連付け先を選択します(例:
amq2-amq-console-0
)。 -
Target Port を
8161
に設定し、AMQ Broker 管理コンソールへのアクセスを有効にします。 TLS パラメーターを表示するには、Secure route チェックボックスを選択します。
TLS Termination ドロップダウンメニューから、Passthrough を選択します。
ここで選択する内容では、OpenShift ルーターが復号化および再送信せずに AMQ Broker との通信をすべてリレーします。
Create をクリックします。
ブローカー Pod の 1 つに関連付けられたルートを作成する場合には、生成される
.yaml
ファイルには以下のような行が含まれます。spec: host: amq2-amq-console-0-amq75-p-c-2.apps-ocp311.example.com port: targetPort: console-jolokia tls: termination: passthrough to: kind: Service name: amq2-amq-console-0 weight: 100 wildcardPolicy: None
-
Services ドロップダウンメニューで、以前に作成したブローカーサービスで、ルートの関連付け先を選択します(例:
- 特定のブローカーインスタンスの管理コンソールにアクセスするには、上記の ホスト URL を Web ブラウザーにコピーします。
関連情報
- ブローカーのクラスタリングの詳細は、メッセージ再分配の設定 を参照してください。
8.4. クラスター化された SSL ブローカーセットのデプロイ
ブローカーのクラスター化されたセットをデプロイします。各ブローカーは独自の Pod で実行され、ブローカーは SSL を使用した接続を受け入れるように設定されています。
8.4.1. メッセージの分散
メッセージ分散は ON_DEMAND を使用するように設定されます。つまり、メッセージがクラスター化されたブローカーに到達すると、コンシューマーがあるブローカーにラウンドロビン方式で配布されます。
このメッセージ分散ポリシーは、直接または Open Shift ルーターを介して接続されているコンシューマーが別のブローカーに接続されているときに、メッセージが特定のブローカーでスタックするのを防ぎます。
再分散の遅延は、デフォルトではゼロではありません。メッセージがコンシューマーのないキューにある場合は、別のブローカーに再分散されます。
再分散を有効にすると、メッセージが順番に関係なく分散される可能性があります。
8.4.2. イメージおよびテンプレートのデプロイ
前提条件
- この手順は、テンプレートベースのブローカーデプロイメントの準備 に基づいて構築していきます。
- 基本的なブローカーのデプロイ の例を完了しておくことをお勧めします。
手順
- OpenShift Web コンソールに移動し、ログインします。
-
amq-demo
プロジェクトスペースを選択します。 - Add to Project > Browse catalog の順にクリックしてデフォルトのイメージストリームおよびテンプレートを一覧表示します。
-
Filter 検索バーを使用して、一覧を
amq
に一致するものに限定します。See all をクリックして、必要なアプリケーションテンプレートを表示します。 -
Red Hat AMQ Broker 7.8(SSL, clustered)
というラベルが付いたamq-broker-78-persistence-clustered-ssl
テンプレートを選択します。 設定で以下の値を設定し、Create をクリックします。
表8.4 テンプレートの例
環境変数 表示名 値 説明 AMQ_PROTOCOL
AMQ プロトコル
openwire,amqp,stomp,mqtt,hornetq
ブローカーによって使用されるプロトコル
AMQ_QUEUES
キュー
demoQueue
demoQueue という名前のキャストキューを作成します。
AMQ_ADDRESSES
アドレス
demoTopic
demoTopic という名前のアドレス (またはトピック) を作成します。デフォルトでは、このアドレスには割り当てられたルーティングタイプが割り当てられていません。
VOLUME_CAPACITY
AMQ ボリュームのサイズ
1Gi
ジャーナル用に作成される永続ボリュームサイズ
AMQ_CLUSTERED
クラスター化
true
ブローカーがクラスター化されるようにするには、true に指定する必要があります。
AMQ_CLUSTER_USER
クラスターユーザー
generated
ブローカーが相互の接続に使用するユーザー名
AMQ_CLUSTER_PASSWORD
クラスターパスワード
generated
ブローカーが相互接続に使用するパスワード
AMQ_USER
AMQ ユーザー名
amq-demo-user
クライアントが使用するユーザー名
AMQ_PASSWORD
AMQ パスワード
パスワード
クライアントがユーザー名で使用するパスワード
AMQ_TRUSTSTORE
トラストストアファイル名
broker.ts
SSL トラストストアファイル名
AMQ_TRUSTSTORE_PASSWORD
トラストストアのパスワード
パスワード
トラストストアの作成時に使用されるパスワード
AMQ_KEYSTORE
AMQ キーストアファイル名
broker.ks
SSL キーストアのファイル名
AMQ_KEYSTORE_PASSWORD
AMQ キーストアのパスワード
パスワード
キーストアの作成時に使用されるパスワード
8.4.3. アプリケーションのデプロイ
アプリケーションの作成後にデプロイします。アプリケーションのデプロイにより Pod が作成され、ブローカーが起動します。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールで StatefulSets をクリックします。
- broker-amq デプロイメントをクリックします。
Deploy をクリックしてアプリケーションをデプロイします。
注記クラスター化されたテンプレートのデフォルトのレプリカ数は
0
であるため、Pod は表示されません。Pod を 3 つにスケールアップし、ブローカーのクラスターを作成します。
$ oc scale statefulset broker-amq --replicas=3 statefulset "broker-amq" scaled
3 つの Pod が実行されていることを確認します。
$ oc get pods NAME READY STATUS RESTARTS AGE broker-amq-0 1/1 Running 0 33m broker-amq-1 1/1 Running 0 33m broker-amq-2 1/1 Running 0 29m
-
表示される Pod のステータスが
ErrImagePull
またはImagePullBackOff
の場合には、デプロイメントは Red Hat Container Registry から指定されたブローカーイメージを直接プルできていません。この場合、StatefulSet を編集して、正しいブローカーイメージ名と、Red Hat Container Registry の認証に使用するアカウントに関連付けられたイメージプルシークレット名を参照します。次に、ブローカーイメージをインポートし、ブローカーを起動できます。これを実行するには、ブローカーアプリケーションのデプロイおよび起動 にある手順と同様の手順を実行します。 ログをチェックして、ブローカーが新しい Pod でクラスター化されたことを確認します。
$ oc logs broker-amq-2
これにより、以下のように、新しいブローカーのログと、ブローカー間で作成されたクラスター化されたブリッジのエントリーがすべて表示されます。
2018-08-29 07:43:55,779 INFO [org.apache.activemq.artemis.core.server] AMQ221027: Bridge ClusterConnectionBridge@1b0e9e9d [name=$.artemis.internal.sf.my-cluster.4333c830-ab5f-11e8-afb8-0a580a82006e, queue=QueueImpl[name=$.artemis.internal.sf.my-cluster.4333c830-ab5f-11e8-afb8-0a580a82006e, postOffice=PostOfficeImpl [server=ActiveMQServerImpl::serverUUID=9cedb69d-ab5e-11e8-87a4-0a580a82006c], temp=false]@5e0c0398 targetConnector=ServerLocatorImpl (identity=(Cluster-connection-bridge::ClusterConnectionBridge@1b0e9e9d [name=$.artemis.internal.sf.my-cluster.4333c830-ab5f-11e8-afb8-0a580a82006e, queue=QueueImpl[name=$.artemis.internal.sf.my-cluster.4333c830-ab5f-11e8-afb8-0a580a82006e, postOffice=PostOfficeImpl [server=ActiveMQServerImpl::serverUUID=9cedb69d-ab5e-11e8-87a4-0a580a82006c], temp=false]@5e0c0398 targetConnector=ServerLocatorImpl [initialConnectors=[TransportConfiguration(name=artemis, factory=org-apache-activemq-artemis-core-remoting-impl-netty-NettyConnectorFactory) ?port=61616&host=10-130-0-110], discoveryGroupConfiguration=null]]::ClusterConnectionImpl@806813022[nodeUUID=9cedb69d-ab5e-11e8-87a4-0a580a82006c, connector=TransportConfiguration(name=artemis, factory=org-apache-activemq-artemis-core-remoting-impl-netty-NettyConnectorFactory) ?port=61616&host=10-130-0-108, address=, server=ActiveMQServerImpl::serverUUID=9cedb69d-ab5e-11e8-87a4-0a580a82006c])) [initialConnectors=[TransportConfiguration(name=artemis, factory=org-apache-activemq-artemis-core-remoting-impl-netty-NettyConnectorFactory) ?port=61616&host=10-130-0-110], discoveryGroupConfiguration=null]] is connected
関連情報
- クラスターで各ブローカーを設定して独自の管理コンソールインスタンスに接続する方法は、AMQ Broker 管理コンソールのルートの作成 を参照してください。
- ブローカークラスターのメッセージングの詳細は、メッセージ再分配の有効化 を参照してください。
8.5. カスタム設定を使用したブローカーのデプロイ
カスタム設定でブローカーをデプロイします。テンプレートを使用すると機能を取得できますが、必要に応じてブローカー設定をカスタマイズできます。
前提条件
- このチュートリアルは、テンプレートベースのブローカーデプロイメントの準備 をもとに次に進みます。
- 基本的なブローカーのデプロイ のチュートリアルを完了することを推奨します。
8.5.1. イメージおよびテンプレートのデプロイ
手順
- OpenShift Web コンソールに移動し、ログインします。
-
amq-demo
プロジェクトスペースを選択します。 - Add to Project > Browse catalog の順にクリックしてデフォルトのイメージストリームおよびテンプレートを一覧表示します。
-
Filter 検索バーを使用して、
amq
に一致するものだけに結果を限定します。See all をクリックして、必要なアプリケーションテンプレートを表示します。 -
Red Hat AMQ Broker 7.8(Ephemeral, no SSL)
というラベルが付いたamq-broker-78-custom
テンプレートを選択します。 設定で
broker.xml
を、使用するカスタム設定に更新します。Create をクリックします。注記テキストエディターを使用してブローカーの XML 設定を作成します。次に、変更詳細を
broker.xml
フィールドに切り取って貼り付けます。注記OpenShift Container Platform では、このプラットフォームにデプロイされる多くのアプリケーションに共通するので、
ConfigMap
オブジェクトを使用してbroker.xml
フィールドに指定するカスタム設定は保存されません。代わりに、ブローカーコンテナーの起動時に設定をスタンドアロンファイルに転送する前に、OpenShift は指定された設定を環境変数に一時的に保存します。
8.5.2. アプリケーションのデプロイ
アプリケーションを作成したら、デプロイする必要があります。アプリケーションのデプロイにより Pod が作成され、ブローカーが起動します。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールで Deployments をクリックします。
- broker-amq デプロイメントをクリックします。
- Deploy をクリックしてアプリケーションをデプロイします。
8.6. 基本的な SSL クライアントの例
Qpid JMS クライアントを使用して、SSL を使用するように設定されたブローカーからメッセージを送受信するクライアントを実装します。
前提条件
- このチュートリアルは、テンプレートベースのブローカーデプロイメントの準備 をもとに次に進みます。
- SSL チュートリアルを使用した基本的なブローカーのデプロイ を完了することが推奨されます。
- AMQ JMS の例
8.6.1. クライアントの設定
SSL ブローカーに接続するために更新可能なサンプルクライアントを作成します。以下の手順では、AMQ JMS の例 を基にしています。
手順
/etc/hosts ファイルにエントリーを追加して、ルート名を OpenShift クラスターの IP アドレスにマッピングします。
10.0.0.1 broker-amq-tcp-amq-demo.router.default.svc.cluster.local
以下のように、jndi.properties 設定ファイルは、前のステップで作成したルート、トラストストア、およびキーストアを使用するように更新します。
connectionfactory.myFactoryLookup = amqps://broker-amq-tcp-amq-demo.router.default.svc.cluster.local:8443?transport.keyStoreLocation=<keystore-path>client.ks&transport.keyStorePassword=password&transport.trustStoreLocation=<truststore-path>/client.ts&transport.trustStorePassword=password&transport.verifyHost=false
jndi.properties 設定ファイルは、先に作成したキューを使用するように更新します。
queue.myDestinationLookup = demoQueue
- 送信側のクライアントを実行してテキストメッセージを送信します。
受信側クライアントを実行して、テキストメッセージを受信します。以下が表示されるはずです。
Received message: Message Text!
8.7. サブドメインを使用した外部クライアントの例
ノードポートを介してクラスター化されたブローカーセットを公開し、コア JMS クライアントを使用して接続します。これにより、クライアントは amq-broker-78-persistence-clustered-ssl
テンプレートを使用して設定されるブローカーのセットに接続できます。
8.7.1. ブローカーの公開
ブローカーのクラスターが外部で利用可能になり、OpenShift ルーターをバイパスして直接接続できるようにブローカーを設定します。これは、各 Pod を独自のホスト名で公開するルートを作成して実行されます。
手順
- Add to Project ドロップダウンから import YAML/JSON を選択します。
以下を入力し、Create をクリックします。
apiVersion: v1 kind: Route metadata: labels: app: broker-amq application: broker-amq name: tcp-ssl spec: port: targetPort: ow-multi-ssl tls: termination: passthrough to: kind: Service name: broker-amq-headless weight: 100 wildcardPolicy: Subdomain host: star.broker-ssl-amq-headless.amq-demo.svc
注記ここで重要な設定は、
Subdomain
のワイルドカードポリシーです。これにより、各ブローカーは独自のホスト名からアクセスできます。
8.7.2. クライアントの接続
SSL ブローカーに接続するために更新可能なサンプルクライアントを作成します。この手順は、AMQ JMS の例 を基にしています。
手順
/etc/hosts ファイルにエントリーを追加して、ルート名をブローカーの実際の IP アドレスにマッピングします。
10.0.0.1 broker-amq-0.broker-ssl-amq-headless.amq-demo.svc broker-amq-1.broker-ssl-amq-headless.amq-demo.svc broker-amq-2.broker-ssl-amq-headless.amq-demo.svc
以下のように、jndi.properties 設定ファイルを、前のステップで作成したルート、トラストストア、およびキーストアを使用するように更新します。
connectionfactory.myFactoryLookup = amqps://broker-amq-0.broker-ssl-amq-headless.amq-demo.svc:443?transport.keyStoreLocation=/home/ataylor/projects/jboss-amq-7-broker-openshift-image/client.ks&transport.keyStorePassword=password&transport.trustStoreLocation=/home/ataylor/projects/jboss-amq-7-broker-openshift-image/client.ts&transport.trustStorePassword=password&transport.verifyHost=false
jndi.properties 設定ファイルは、先に作成したキューを使用するように更新します。
queue.myDestinationLookup = demoQueue
- 送信側のクライアントコードを実行してテキストメッセージを送信します。
受信側クライアントコードを実行して、テキストメッセージを受信します。以下が表示されるはずです。
Received message: Message Text!
関連情報
- AMQ JMS クライアントの使用の詳細は、AMQ JMS Examplesを参照してください。
8.8. ポートバインディングを使用した外部クライアントの例
NodePort を介してブローカーのクラスターセットを公開し、コア JMS クライアントを使用して接続します。これにより、SNI または SSL をサポートしないクライアントが有効になります。これは、amq-broker-78-persistence-clustered
テンプレートを使用して設定されたクラスターで使用されます。
8.8.1. ブローカーの公開
ブローカーのクラスターが外部で利用可能になり、OpenShift ルーターをバイパスして直接接続できるようにブローカーを設定します。これは、NodePort を使用してクラスター周辺の負荷分散を行うサービスを作成して行われます。
手順
- Add to Project ドロップダウンから import YAML/JSON を選択します。
以下を入力し、Create をクリックします。
apiVersion: v1 kind: Service metadata: annotations: description: The broker's OpenWire port. service.alpha.openshift.io/dependencies: >- [{"name": "broker-amq-amqp", "kind": "Service"},{"name": "broker-amq-mqtt", "kind": "Service"},{"name": "broker-amq-stomp", "kind": "Service"}] creationTimestamp: '2018-08-29T14:46:33Z' labels: application: broker template: amq-broker-78-statefulset-clustered name: broker-external-tcp namespace: amq-demo resourceVersion: '2450312' selfLink: /api/v1/namespaces/amq-demo/services/broker-amq-tcp uid: 52631fa0-ab9a-11e8-9380-c280f77be0d0 spec: externalTrafficPolicy: Cluster ports: - nodePort: 30001 port: 61616 protocol: TCP targetPort: 61616 selector: deploymentConfig: broker-amq sessionAffinity: None type: NodePort status: loadBalancer: {}
注記NodePort 設定は重要です。NodePort はクライアントがブローカーにアクセスするポートで、タイプは NodePort です。
8.8.2. クライアントの接続
AMQ ブローカー CLI を使用して、クラスターのブローカーにラウンドロビンされるコンシューマーを作成します。
手順
端末でコンシューマーを作成し、OpenShift が実行している IP アドレスにアタッチします。
artemis consumer --url tcp://<IP_ADDRESS>:30001 --message-count 100 --destination queue://demoQueue
ステップ 1 を 2 回繰り返して、2 つのコンシューマーを起動します。
注記これで、3 つのブローカー全体で 3 つのコンシューマー負荷が分散されます。
メッセージを送信するプロデューサーを作成します。
artemis producer --url tcp://<IP_ADDRESS>:30001 --message-count 300 --destination queue://demoQueue
各コンシューマーがメッセージを受信することを確認します。
Consumer:: filter = null Consumer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 wait until 100 messages are consumed Consumer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Consumed: 100 messages Consumer ActiveMQQueue[demoQueue], thread=0 Consumer thread finished
第9章 テンプレートベースのブローカーデプロイメントのアップロード
以下の手順では、アプリケーションテンプレートをベースとするデプロイメントのブローカーコンテナーイメージをアップグレードする方法を説明します。
OpenShift Container Platform 3.11 で既存の AMQ Broker デプロイメントを OpenShift Container Platform 4.5 以降で実行するには、既存のデプロイメントに一致する AMQ Broker をクリーンインストールする前に、まず OpenShift Container Platform インストールをアップグレードする必要があります。AMQ Broker をクリーンインストールするには、以下のいずれかの方法を使用します。
以下の手順では、マイナー バージョン間でイメージ仕様を手動でアップグレードする方法を説明します(例:
7.x
から7.y
)。イメージ仕様で7.y
などの Floatingタグを使用する場合、StatefulSet または DeploymentConfig のimagePullPolicy
属性がAlways
に設定されていると、デプロイメントは、新しい マイクロ イメージバージョン(7.y-z
)が利用できるように 自動的 にプルし、使用します。たとえば、デプロイメントの
image
属性が7.8
の Floating タグを指定するとします。デプロイメントで現在マイナーバージョン7.8-5
を使用し、新しいマイナーバージョン7.8-6
がレジストリーで利用可能な場合に、デプロイメントは新しいマイナーバージョンを自動的にプルし、これを使用します。新しいイメージを使用するには、デプロイメントの各ブローカー Pod が再起動します。デプロイメントに複数のブローカーがある場合、ブローカー Pod は一度に 1 つずつ再起動されます。
9.1. 永続的でないブローカーデプロイメントのアップグレード
この手順では、永続的ではないブローカーデプロイメントをアップグレードする方法を説明します。OpenShift Container Platform サービスカタログの永続ではないブローカーテンプレートには、以下のようなラベルがあります。
- Red Hat AMQ Broker 7.x(Ephemeral, no SSL)
- Red Hat AMQ Broker 7.x(Ephemeral, with SSL)
- Red Hat AMQ Broker 7.x(Custom Config、Ephemeral、no SSL)
前提条件
- AMQ Broker 7.3 以降では、新しいバージョンの Red Hat Ecosystem Catalog を使用してコンテナーイメージにアクセスします。この新しいバージョンのレジストリーでは、イメージにアクセスして OpenShift プロジェクトにプルする前に、認証されたユーザーである必要があります。このセクションの手順を実施する前に、「Red Hat コンテナーレジストリーの認証」で説明されている手順を完了する必要があります。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールに移動し、ログインします。
- 永続的ではないブローカーデプロイメントをアップグレードするプロジェクトをクリックします。
ブローカーのデプロイメントに対応する DeploymentConfig(DC)を選択します。
- OpenShift Container Platform 4.5 以降では、Workloads → DeploymentConfigs をクリックします。
- OpenShift Container Platform 3.11 で、Applications → Deployments をクリックします。ブローカーのデプロイメント内で、Configuration タブをクリックします。
Actions メニューから Edit DeploymentConfig (OpenShift Container Platform 4.5 以降)または Edit YAML (OpenShift Container Platform 3.11)をクリックします。
DeploymentConfig の YAML タブが開き、編集可能なモードの
.yaml
ファイルが表示されます。-
image
属性を編集して、最新の AMQ Broker 7.8 コンテナーイメージregistry.redhat.io/amq7/amq-broker:7.8
を指定します。 imagePullSecrets
属性を追加し、Red Hat コンテナーレジストリーで認証に使用するアカウントに関連付けられたイメージプルシークレットを指定します。前述の 2 つの手順に基づく変更は、以下の例で示されています。
... spec: containers: image: 'registry.redhat.io/amq7/amq-broker:7.8' .. imagePullSecrets: - name: {PULL-SECRET-NAME}
注記AMQ Broker では、Red Hat イメージレジストリーに追加されたコンテナーイメージの新しいバージョンごとにコンテナーイメージタグが
1
ずつ増えます(例: 7.8-1、7.8-2 など)。最後の数字なしでタグ名を指定した場合(例:7.8
)、このタグは Floating タグ と呼ばれています。Floating タグを指定する場合、OpenShift Container Platform は利用可能な最新のイメージ(最後の番号が最も大きいイメージタグ)を自動的に識別し、このイメージを使用してブローカーデプロイメントをアップグレードします。Save をクリックします。
現在インストールされているものよりも新しいブローカーイメージが Red Hat から利用できる場合には、OpenShift Container Platform はブローカーデプロイメントをアップグレードします。これを実行するには、OpenShift Container Platform は既存ブローカー Pod を停止し、新規イメージを使用する新規 Pod を起動します。
9.2. 永続的なブローカーデプロイメントのアップグレード
この手順では、永続的なブローカーデプロイメントをアップグレードする方法を説明します。OpenShift Container Platform サービスカタログの永続ブローカーテンプレートには、以下のようなラベルがあります。
- Red Hat AMQ Broker 7.x (Persistence, clustered, no SSL)
- Red Hat AMQ Broker 7.x (Persistence, clustered, with SSL)
- Red Hat AMQ Broker 7.x (Persistence, with SSL)
前提条件
- AMQ Broker 7.3 以降では、新しいバージョンの Red Hat Ecosystem Catalog を使用してコンテナーイメージにアクセスします。この新しいバージョンのレジストリーでは、イメージにアクセスして OpenShift プロジェクトにプルする前に、認証されたユーザーである必要があります。このセクションの手順を実施する前に、「Red Hat コンテナーレジストリーの認証」で説明されている手順を完了する必要があります。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールに移動し、ログインします。
- 永続的なブローカーデプロイメントをアップグレードするプロジェクトをクリックします。
ブローカーのデプロイメントに対応する StatefulSet(SS)を選択します。
- OpenShift Container Platform 4.5 以降では、Workloads → StatefulSets をクリックします。
- OpenShift Container Platform 3.11 で、Applications → StatefulSets をクリックします。
Actions メニューから Edit StatefulSet (OpenShift Container Platform 4.5 以降)または Edit YAML (OpenShift Container Platform 3.11)をクリックします。
StatefulSet の YAML タブが開き、編集可能なモードの
.yaml
ファイルが表示されます。ブローカーのデプロイメントをアップグレードする準備をするには、デプロイメントをゼロのブローカーにスケールダウンします。
-
replicas
属性が現在1
以上に設定されている場合は、0
に設定します。 - Save をクリックします。
-
-
すべてのブローカー Pod がシャットダウンしたら、StatefulSet
.yaml
ファイルを再度編集します。image
属性を編集して、最新の AMQ Broker 7.8 コンテナーイメージregistry.redhat.io/amq7/amq-broker:7.8
を指定します。 imagePullSecrets
属性を追加し、Red Hat コンテナーレジストリーで認証に使用するアカウントに関連付けられたイメージプルシークレットを指定します。前述の 2 つの手順に基づく変更は、以下の例で示されています。
... spec: containers: image: 'registry.redhat.io/amq7/amq-broker:7.8' .. imagePullSecrets: - name: {PULL-SECRET-NAME}
-
replicas
属性を元の値に設定します。 Save をクリックします。
現在インストールされているものよりも新しいブローカーイメージが Red Hat から利用できる場合には、OpenShift Container Platform はブローカーデプロイメントをアップグレードします。これを実行するには、OpenShift Container Platform はブローカー Pod を再起動します。
第10章 ブローカーの監視
10.1. Fuse Console でのブローカーの表示
Operator ベースのブローカーのデプロイメントを、AMQ Management Console ではなく OpenShift に Fuse Console を使用するように設定できます。ブローカーのデプロイメントを適切に設定すると、Fuse Console はブローカーを検出し、専用の Artemis
タブに表示されます。AMQ 管理コンソールで行うのと同じブローカーランタイムデータを表示できます。アドレスやキューの作成など、同じ基本的な管理操作を実行することもできます。
以下の手順では、ブローカーデプロイメントのカスタムリソース(CR)インスタンスを設定して、Fuse Console for Open Shift がデプロイメント内のブローカーを検出して表示できるようにする方法について説明します。
Fuse Console からのブローカーの表示は、テクノロジープレビュー機能のみです。テクノロジープレビュー機能は Red Hat の実稼働環境でのサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされていないため、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨していません。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。これらの機能は、近々発表予定の製品機能をリリースに先駆けてご提供することにより、開発プロセスの中でお客様に機能性のテストとフィードバックをしていただくことを目的としています。Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、「テクノロジプレビュー機能のサポート範囲」を参照してください。
前提条件
- Fuse Console for Open Shift は、OCP クラスター、またはそのクラスター上の特定の名前空間にデプロイする必要があります。コンソールを特定の名前空間にデプロイした場合に、コンソールがブローカーを検出できるようにするには、ブローカーのデプロイメントを同じ名前空間に配置する必要があります。それ以外の場合は、Fuse Console とブローカーを同じ OCP クラスターにデプロイするだけで十分です。OCP への Fuse Online のインストールの詳細はFuse Online on OpenShift Container Platform のインストールと操作を参照してください。
- ブローカーデプロイメントをすでに作成している必要があります。たとえば、カスタムリソース(CR)インスタンスを使用して、基本的なオペレーターベースのデプロイメントを作成する方法は、「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」を参照してください。
手順
ブローカーのデプロイメントに使用した CR インスタンスを開きます。たとえば、基本的なデプロイメントの CR は次のようになります。
apiVersion: broker.amq.io/v2alpha4 kind: ActiveMQArtemis metadata: name: ex-aao application: ex-aao-app spec: version: 7.8.0 deploymentPlan: size: 4 image: registry.redhat.io/amq7/amq-broker:7.8 ...
次に示すように、
deployment Plan
セクションで、jolokia Agent Enabled
プロパティーとmanagement RBACEnabled
プロパティーを追加し、値を指定します。apiVersion: broker.amq.io/v2alpha4 kind: ActiveMQArtemis metadata: name: ex-aao application: ex-aao-app spec: version: 7.8.0 deploymentPlan: size: 4 image: registry.redhat.io/amq7/amq-broker:7.8 ... jolokiaAgentEnabled: true managementRBACEnabled: false
- jolokiaAgentEnabled
-
Fuse Console がデプロイメント内のブローカーのランタイムデータを検出して表示できるかどうかを指定します。Fuse Console を使用するには、値を
true
に設定します。 - managementRBACEnabled
デプロイメント内のブローカーに対してロールベースのアクセス制御 (RBAC) を有効にするかどうかを指定します。Fuse Console は独自のロールベースのアクセス制御を使用するため、Fuse Console を使用するには値を
false
に設定する必要があります。重要managementRBACEnabled
の値をfalse
に設定して、Fuse Console の使用を有効にすると、ブローカーの管理 MBean では認可が必要なくなります。management RBACEnabled
がfalse
に設定されている間は、ブローカーでの全管理操作が不正に使用される可能性があるので、AMQ 管理コンソールを使用しないでください。
- CR インスタンスを保存します。
ブローカーデプロイメントを先に作成したプロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project-name>
コマンドラインで変更を適用します。
$ oc apply -f <path/to/custom-resource-instance>.yaml
- Fuse Console で、Fuse アプリケーションを表示するには、オンライン タブをクリックします。実行中のブローカーを表示するには、左側のナビゲーションメニューで Artemis をクリックします。
関連情報
- OpenShift での Fuse Console の使用の詳細は、OpenShift でのRed Hat Fuse アプリケーションの監視と管理 を参照してください。
- Fuse Console と同じ方法で AMQ 管理コンソールを使用してブローカーを表示および管理する場合は、AMQ 管理コンソールを使用したブローカーの管理を参照してください。
10.2. Prometheus を使用したブローカーのランタイムメトリックの監視
以下のセクションでは、OpenShift Container Platform で AMQ Broker の Prometheus メトリクスプラグインを設定する方法について説明します。プラグインを使用して、ブローカーのランタイムメトリックを監視および保存できます。Grafana などのグラフィカルツールを使用して、Prometheus プラグインが収集するデータをさらに詳細にわたり視覚化する設定や、ダッシュボードの設定も行うことができます。
Prometheus メトリクスプラグインを使用すると、ブローカーメトリクスを Prometheus形式で収集およびエクスポートできます。ただし、Red Hat では、Prometheus 自体のインストールや構成、または Grafana などの視覚化ツールは、サポートしていません。Prometheus または Grafana のインストール、構成、または実行に関するサポートが必要な場合は、製品の Web サイトにアクセスして、コミュニティーのサポートやドキュメントなどのリソースを入手してください。
10.2.1. メトリクスの概要
AMQ Broker の Prometheus プラグインを使用し、ブローカーのランタイムメトリックを監視および保存して、ブローカーインスタンスの正常性とパフォーマンスを監視できます。AMQ Broker Prometheus プラグインは、ブローカーのランタイムメトリックを Prometheus 形式にエクスポートし、Prometheus 自体を使用してデータのクエリを視覚化および実行できるようにします。
Grafana などのグラフィカルツールを使用して、Prometheus プラグインが収集するメトリクスをさらに詳細にわたり視覚化する設定や、ダッシュボードの設定も行うことができます。
プラグインが Prometheus 形式にエクスポートするメトリクスを以下に説明します。
ブローカーのメトリクス
artemis_address_memory_usage
- メモリーメッセージ向けに、このブローカの全アドレスにより使用されるバイト数。
artemis_address_memory_usage_percentage
-
このブローカ上のすべてのアドレスで使用されるメモリを、
global-max-size
パラメータの割合で示したもの。 artemis_connection_count
- このブローカーに接続されているクライアントの数。
artemis_total_connection_count
- 開始してから、このブローカーに接続しているクライアントの数。
アドレスメトリクス
artemis_routed_message_count
- 1 つ以上のキューバインディングにルーティングされたメッセージの数。
artemis_unrouted_message_count
- キューバインディングにルーティングされなかったメッセージの数。
キューメトリクス
artemis_consumer_count
- 特定のキューからのメッセージを消費しているクライアントの数。
artemis_delivering_durable_message_count
- 特定のキューが現在コンシューマーに配信している永続メッセージの数。
artemis_delivering_durable_persistent_size
- 特定のキューが現在コンシューマーに配信している永続メッセージの永続サイズ。
artemis_delivering_message_count
- 特定のキューが現在コンシューマーに配信しているメッセージの数。
artemis_delivering_persistent_size
- 特定のキューが現在コンシューマーに配信しているメッセージの永続サイズ。
artemis_durable_message_count
- 特定のキューに現存する永続メッセージの数。これには、スケジュールされたメッセージ、ページングされたメッセージ、および配信中のメッセージが含まれます。
artemis_durable_persistent_size
- 現在特定のキューにある永続メッセージの永続サイズ。これには、スケジュールされたメッセージ、ページングされたメッセージ、および配信中のメッセージが含まれます。
artemis_messages_acknowledged
- キューが作成されてから、特定のキューから確認応答されたメッセージの数。
artemis_messages_added
- キューが作成されてから特定のキューに追加されたメッセージの数。
artemis_message_count
- 特定のキューに現在あるメッセージの数。これには、スケジュールされたメッセージ、ページングされたメッセージ、および配信中のメッセージが含まれます。
artemis_messages_killed
- キューが作成されてからその特定のキューから削除されたメッセージの数。メッセージが設定済みの最大配信試行回数を超えると、ブローカはメッセージを強制終了します。
artemis_messages_expired
- キューが作成されてから、その特定のキューから期限切れになったメッセージの数。
artemis_persistent_size
- 現在特定のキューにある全メッセージ(永続および一時)の永続サイズ。これには、スケジュールされたメッセージ、ページングされたメッセージ、および配信中のメッセージが含まれます。
artemis_scheduled_durable_message_count
- 特定のキューにあるスケジュールされた永続メッセージの数。
artemis_scheduled_durable_persistent_size
- 特定のキューにあるスケジュールされた永続メッセージの永続サイズ。
artemis_scheduled_message_count
- 特定のキューでスケジュールされたメッセージの数。
artemis_scheduled_persistent_size
- 特定のキューでスケジュールされたメッセージの永続サイズ。
上記にリストされていない上位レベルのブローカーメトリクスについては、下位レベルのメトリクスを集計することで算出できます。たとえば、メッセージの合計数を算出するには、ブローカーデプロイメントのすべてのキューから artemis_message_count
メトリクスを集約できます。
AMQ Broker のオンプレミスデプロイメントの場合には、ブローカーをホストする Java 仮想マシン(JVM)のメトリクスも Prometheus 形式にエクスポートされます。これは、OpenShift Container Platform での AMQ Broker のデプロイには適用されません。
10.2.2. 実行中のブローカーデプロイメントの Prometheus プラグインの有効化
この手順では、指定のデプロイメントでブローカー Pod の Prometheus プラグインを有効にする方法を説明します。
前提条件
- アプリケーションテンプレートまたは AMQ Broker Operator で作成されたブローカー Pod の Prometheus プラグインを有効にしてください。ただし、デプロイされたブローカーは、AMQ Broker 7.5 以降のブローカーコンテナーイメージを使用する必要があります。ブローカーのデプロイメントで最新のブローカーコンテナーイメージが使用されることを確認する方法は、9章テンプレートベースのブローカーデプロイメントのアップロード を参照してください。
手順
- ブローカーのデプロイメントなどのプロジェクトに対する管理者権限で、OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
- Web コンソールで、Home → Projects (OpenShift Container Platform 4.5 以降)または左上隅 (OpenShift Container Platform 3.11)のドロップダウンリストをクリックします。ブローカーのデプロイメントが含まれるプロジェクトを選択します。
プロジェクトで StatefulSets または DeploymentConfigs を表示するには、以下を実行します。
- Workloads → StatefulSets または Workloads → DeploymentConfigs (OpenShift Container Platform 4.5 以降)。
- Applications → StatefulSets または Applications → Deployments (OpenShift Container Platform 3.11).
- ブローカーのデプロイメントに対応する StatefulSet または DeploymentConfig をクリックします。
- ブローカーデプロイメントの環境変数にアクセスするには、環境 タブをクリックします。
新しい環境変数
AMQ_ENABLE_METRICS_PLUGIN
を追加します。変数の値をtrue
に設定します。AMQ_ENABLE_METRICS_PLUGIN
環境変数を設定すると、OpenShift は StatefulSet または DeploymentConfig で各ブローカー Pod を再起動します。デプロイメントに複数の Pod がある場合、OpenShift は各 Pod を順番に再起動します。各ブローカー Pod が再起動すると、そのブローカーの Prometheus プラグインがブローカーのランタイムメトリックの収集を開始します。
AMQ_ENABLE_METRICS_PLUGIN
環境変数はデフォルトで AMQ Broker 7.5 以降のアプリケーションテンプレートに含まれています。新しい テンプレートベースのデプロイメントで各ブローカーのプラグインを有効にするには、アプリケーションテンプレートのデプロイ時に AMQ_ENABLE_METRICS_PLUGIN
の値が true
に設定されていることを確認します。
関連情報
- 最新のアプリケーションテンプレートのインストールに関する詳細は、「イメージストリームおよびアプリケーションテンプレートのインストール」 を参照してください。
10.2.3. 実行中のブローカー Pod の Prometheus メトリクスへのアクセス
以下の手順では、実行中のブローカー Pod の Prometheus メトリクスにアクセスする方法を説明します。
前提条件
- ブローカー Pod の Prometheus プラグインを有効にしておく必要があります。「実行中のブローカーデプロイメントの Prometheus プラグインの有効化」 を参照してください。
手順
メトリクスのアクセス先のブローカー Pod では、以前に Pod への接続用に作成したルートを特定して、AMQ Broker 管理コンソールに接続する必要があります。メトリクスへのアクセスに必要な URL の一部に、ルート名が含まれます。
- Networking → Routes (OpenShift Container Platform 4.5 以降)または Applications → Routes (OpenShift Container Platform 3.11)をクリックします。
選択したブローカー Pod で、AMQ Broker 管理コンソールへのPod の接続用に作成されたルートを特定します。ホスト名に表示される完全な URL をメモします。以下に例を示します。
http://rte-console-access-pod1.openshiftdomain
Prometheus メトリクスにアクセスするには、Web ブラウザーで、先程メモをしたルート名に
/ metrics
が付けて入力します。以下に例を示します。http://rte-console-access-pod1.openshiftdomain/metrics
コンソール設定で SSL を使用しない場合は、URL にhttp
を指定してください。この場合、ホスト名の DNS が解決されて、トラフィックは OpenShift ルーターのポート 80 に転送されます。コンソール設定で SSL を使用する場合は、URL にhttps
を指定します。この場合、ブラウザーはデフォルトで OpenShift ルーターのポート 443 になります。この設定により、OpenShift ルーターが SSL トラフィックにポート 443 も使用する場合には、コンソールに正常に接続できます (これは、ルーターのデフォルト設定)。
10.3. JMX を使用したブローカーランタイムデータの監視
この例では、JMX への Jolokia REST インターフェイスを使用してブローカーをモニターする方法を説明します。
前提条件
- この例は、テンプレートベースのブローカーデプロイメントの準備 に基づいて構築していきます。
- 基本的なブローカーのデプロイ を完了しておくことをお勧めします。
手順
実行中の Pod のリストを取得します。
$ oc get pods NAME READY STATUS RESTARTS AGE broker-amq-1-ftqmk 1/1 Running 0 14d
oclogs
コマンドを実行します。$ oc logs -f broker-amq-1-ftqmk Running /amq-broker-71-openshift image, version 1.3-5 INFO: Loading '/opt/amq/bin/env' INFO: Using java '/usr/lib/jvm/java-1.8.0/bin/java' INFO: Starting in foreground, this is just for debugging purposes (stop process by pressing CTRL+C) ... INFO | Listening for connections at: tcp://broker-amq-1-ftqmk:61616?maximumConnections=1000&wireFormat.maxFrameSize=104857600 INFO | Connector openwire started INFO | Starting OpenShift discovery agent for service broker-amq-tcp transport type tcp INFO | Network Connector DiscoveryNetworkConnector:NC:BrokerService[broker-amq-1-ftqmk] started INFO | Apache ActiveMQ 5.11.0.redhat-621084 (broker-amq-1-ftqmk, ID:broker-amq-1-ftqmk-41433-1491445582960-0:1) started INFO | For help or more information please see: http://activemq.apache.org WARN | Store limit is 102400 mb (current store usage is 0 mb). The data directory: /opt/amq/data/kahadb only has 9684 mb of usable space - resetting to maximum available disk space: 9684 mb WARN | Temporary Store limit is 51200 mb, whilst the temporary data directory: /opt/amq/data/broker-amq-1-ftqmk/tmp_storage only has 9684 mb of usable space - resetting to maximum available 9684 mb.
クエリーを実行して、ブローカーの
Max Consumers
を監視します。$ curl -k -u admin:admin http://console-broker.amq-demo.apps.example.com/console/jolokia/read/org.apache.activemq.artemis:broker=%22broker%22,component=addresses,address=%22TESTQUEUE%22,subcomponent=queues,routing-type=%22anycast%22,queue=%22TESTQUEUE%22/MaxConsumers {"request":{"mbean":"org.apache.activemq.artemis:address=\"TESTQUEUE\",broker=\"broker\",component=addresses,queue=\"TESTQUEUE\",routing-type=\"anycast\",subcomponent=queues","attribute":"MaxConsumers","type":"read"},"value":-1,"timestamp":1528297825,"status":200}
第11章 リファレンス
11.1. カスタムリソース設定リファレンス
カスタムリソース定義(CRD)は、オペレーターでデプロイされたカスタム OpenShift オブジェクトの設定項目のスキーマです。対応するカスタムリソース(CR)インスタンスをデプロイして、CRD に表示される設定アイテムの値を指定します。
次のサブセクションでは、メインブローカーおよびアドレス CRD に基づいてカスタムリソースインスタンスで設定できる設定項目について詳説します。
11.1.1. ブローカーカスタムリソース設定リファレンス
メインブローカー CRD に基づく CR インスタンスを使用すると、ブローカーを設定して OpenShift プロジェクトにデプロイできます。次の表に、CR インスタンスで設定できる項目を示します。
アスタリスク( *)でマークされた設定アイテムは、該当するカスタムリソース(CR)でデプロイに必要です。不要なアイテムの値を明示的に指定しない場合には、設定にデフォルト値が使用されます。
エントリー | サブエントリー | 説明と使用法 |
---|---|---|
| ブローカーおよび管理コンソールの接続に必要な管理者ユーザー名。
値を指定しない場合、値は自動的に生成され、シークレットに保存されます。デフォルトのシークレット名の形式は、 型: String 例: my-user デフォルト値:無作為に自動生成された値 | |
| ブローカーおよび管理コンソールへの接続に必要な管理者パスワード。
値を指定しない場合、値は自動的に生成され、シークレットに保存されます。デフォルトのシークレット名の形式は、 型: String 例: my-password デフォルト値:無作為に自動生成された値 | |
| ブローカーのデプロイメント設定 | |
| デプロイメントの各ブローカーに使用されるブローカーコンテナーイメージの完全パス。
CR で Operator が使用するブローカーコンテナーイメージを選択する方法は、「Operator によるコンテナーイメージの選択方法」を参照してください。 型: String 例: registry.redhat.io/amq7/amq-broker@sha256:4d60775cd384067147ab105f41855b5a7af855c4d9cbef1d4dea566cbe214558 デフォルト値: placeholder | |
| デプロイメントで作成するブローカー Pod の数。
2 以上の値を指定すると、ブローカーのデプロイメントはデフォルトでクラスター化されます。クラスターのユーザー名とパスワードは自動的に生成され、同じシークレットに保存されます (デフォルトで 型: int 例:1 デフォルト値:2 | |
| ブローカーへの接続にログイン資格情報が必要かどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: false デフォルト値: true | |
|
デプロイメントでブローカー Pod ごとにジャーナルストレージを使用するかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: false デフォルト値: true | |
| ブローカーの設定に使用される Init Container イメージ。
カスタムイメージを提供する場合を除いて、CR で Operator が使用する組み込みの Init Container イメージの選択方法は、「Operator によるコンテナーイメージの選択方法」を参照してください。 カスタム の Init Container イメージを指定する方法は、「カスタム Init コンテナーイメージの指定」 を参照してください。 型: String 例: registry.redhat.io/amq7/amq-broker-init-rhel7@sha256:f7482d07ecaa78d34c37981447536e6f73d4013ec0c64ff787161a75e4ca3567 デフォルト値:未指定 | |
| 非同期 I/O (AIO) と非ブロッキング I/O(NIO)のどちらを使用するかを指定します。 型: String 例: aio デフォルト値: nio | |
| ブローカーデプロイメントの失敗や、意図的にスケールダウンしたことでブローカー Pod がシャットダウンした場合には、ブローカークラスターでまだ実行中の別のブローカー Pod にメッセージを移行するかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: false デフォルト値: true | |
| デプロイメントの Pod で実行されている各ブローカーコンテナーが消費できるホストノード CPU の最大量 (ミリコア単位)。 型: String 例:"500m" デフォルト値:お使いのバージョンの OpenShift Container Platform と同じデフォルト値を使用します。クラスター管理者に相談してください。 | |
| デプロイメント内のポッドで実行されている各ブローカーコンテナーが消費できるホストノードメモリーの最大量 (バイト単位)。バイト表記 (K、M、G など)、または同等のバイナリー (Ki、Mi、Gi) をサポートします。 型: String 例:"1024M" デフォルト値:お使いのバージョンの OpenShift Container Platform と同じデフォルト値を使用します。クラスター管理者に相談してください。 | |
| デプロイメント内の Pod で実行されている各ブローカーコンテナーが明示的に要求するホストノードの CPU 量(ミリコア単位)。 型: String 例:"250m" デフォルト値:お使いのバージョンの OpenShift Container Platform と同じデフォルト値を使用します。クラスター管理者に相談してください。 | |
| デプロイメント内の Pod で実行されている各ブローカーコンテナーが明示的に要求するホストノードメモリーの量(バイト単位)。バイト表記 (K、M、G など)、または同等のバイナリー (Ki、Mi、Gi) をサポートします。 型: String 例:"512M" デフォルト値:お使いのバージョンの OpenShift Container Platform と同じデフォルト値を使用します。クラスター管理者に相談してください。 | |
|
デプロイメントにある各ブローカーが永続ストレージに必要な Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) のサイズ (バイト単位)。このプロパティーは、 型: String 例:4Gi デフォルト値:2Gi | |
|
デプロイメント内のブローカーに対して Jolokia JVM エージェントを有効にするかどうかを指定します。このプロパティーの値が タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
|
デプロイメント内のブローカーに対してロールベースのアクセス制御 (RBAC) を有効にするかどうかを指定します。Fuse Console を使用するには、値を タイプ:ブール値 例: false デフォルト値: true | |
| ブローカー管理コンソールの設定。 | |
| デプロイメントの各ブローカーの管理コンソールポートを公開するかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
| 管理コンソールポートで SSL を使用するかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
|
ブローカーキーストア、トラストストア、および対応するパスワード (すべて Base64 でエンコードされたもの) が保存されるシークレット。 型: String 例: my-broker-deployment-console-secret デフォルト値:未指定 | |
| 管理コンソールにクライアント認証が必要かどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
| 単一のアクセプターの設定インスタンス。 | |
| アクセプターの名前。 型: String 例: my-acceptor デフォルト値:該当せず | |
| アクセプターインスタンスに使用するポート番号。 型: int 例:5672 デフォルト値:定義する最初のアクセプターは 61626 です。その後、デフォルト値は、定義する後続のアクセプターごとに 10 ずつ増えます。 | |
| アクセプターインスタンスで有効にするメッセージングプロトコル。 型: String 例: amqp、core デフォルト値: all | |
|
アクセプターポートで SSL を有効にするかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
| ブローカーキーストア、トラストストア、および対応するパスワード (すべて Base64 でエンコードされたもの) が保存されるシークレット。
アクセプターでデフォルト名が必要であっても、常にこのシークレットを自分で作成する必要があります。 型: String 例: my-broker-deployment-my-acceptor-secret Default value: <custom_resource_name>-<acceptor_name>-secret | |
| TLS/SSL 通信に使用する暗号スイートのコンマ区切りリスト。
クライアントアプリケーションでサポートする最も安全な暗号スイートを指定します。コンマ区切りのリストを使用して、ブローカーとクライアントの両方に共通の暗号スイートのセットを指定する場合、または暗号スイートを指定しない場合には、ブローカーとクライアントは、使用する暗号スイートについて相互に交渉します。指定する暗号スイートがわからない場合は、最初にデバッグモードで実行されているクライアントとのブローカークライアント接続を確立して、ブローカーとクライアントの両方に共通の暗号スイートを確認することをお勧めします。次に、ブローカーで 型: String デフォルト値:未指定 | |
| TLS/SSL 通信に使用するプロトコルのコンマ区切りリスト。 型: String 例:TLSv1,TLSv1.1,TLSv1.2 デフォルト値:未指定 | |
|
ブローカーがアクセプターで双方向 TLS が必要であることをクライアントに通知するかどうかを指定します。このプロパティーは、 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値:未指定 | |
|
アクセプターで双方向 TLS が要求されていることを通知するかどうかを指定します。ただし、必須ではありません。このプロパティーは タイプ:ブール値 例: True デフォルト値:未指定 | |
| クライアントの証明書のコモンネーム (CN) をホスト名と比較して一致することを確認するかどうかを指定します。このオプションは、双方向 TLS が使用されている場合にのみ適用されます。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値:未指定 | |
| SSL プロバイダーが JDK であるか OPENSSL であるかを指定します。 型: String 例:OPENSSL デフォルト値:JDK | |
|
受信接続の 型: String 例: some_regular_expression デフォルト値:未指定 | |
| Open Shift Container Platform の外部のクライアントにアクセプターを公開するかどうかを指定します。 OpenShift 外部にあるクライアントにアクセプターを公開すると、Operator はデプロイメント内のブローカー Pod ごとに専用のサービスとルートを自動作成します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
|
型: String 例: jms.queue デフォルト値:未指定 | |
|
型: String 例: /topic / デフォルト値:未指定 | |
| アクセプターで許可されている接続の数。この制限に達すると、DEBUG メッセージがログに出力され、接続は拒否されました。使用中のクライアントのタイプによって、接続が拒否されたときに何が起こるかが決まります。 型: integer 例:2 デフォルト値:0(無制限の接続) | |
|
ブローカーが AMQP メッセージを大きなメッセージとして処理するために必要な最小メッセージサイズ (バイト単位)。AMQ メッセージのサイズがこの値以上の場合は、ブローカーはメッセージを、メッセージストレージ用にブローカーが使用する永続ボリューム(PV)の永続ボリューム (デフォルトでは 型: integer 例:204800 デフォルト値:102400 (100 KB) | |
| 単一のコネクター構成インスタンス。 | |
| コネクターの名前。 型: String 例: my-connector デフォルト値:該当せず | |
|
作成するコネクターのタイプ。 型: String 例: vm デフォルト値: tcp | |
| 接続するホスト名または IP アドレス。 型: String 例:192.168.0.58 デフォルト値:未指定 | |
| コネクターインスタンスに使用されるポート番号。 型: int 例:22222 デフォルト値:未指定 | |
|
コネクターポートで SSL を有効にするかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
| ブローカーキーストア、トラストストア、および対応するパスワード (すべて Base64 でエンコードされたもの) が保存されるシークレット。
コネクターでデフォルト名が必要であっても、このシークレットは常に自分で作成する必要があります。 型: String 例: my-broker-deployment-my-connector-secret Default value: <custom_resource_name>-<connector_name>-secret | |
| TLS/SSL 通信に使用する暗号スイートのコンマ区切りリスト。 型: String 注:コネクターの場合、暗号スイートのリストを指定しないことをお勧めします。 デフォルト値:未指定 | |
| TLS/SSL 通信に使用するプロトコルのコンマ区切りリスト。 型: String 例:TLSv1,TLSv1.1,TLSv1.2 デフォルト値:未指定 | |
|
コネクターに双方向 TLS が必要であることをブローカがクライアントに通知するかどうかを指定します。このプロパティーは、 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値:未指定 | |
|
コネクターで双方向 TLS が要求されていることを通知するかどうかを指定します。ただし、必須ではありません。このプロパティーは タイプ:ブール値 例: True デフォルト値:未指定 | |
| クライアントの証明書のコモンネーム (CN) をホスト名と比較して一致することを確認するかどうかを指定します。このオプションは、双方向 TLS が使用されている場合にのみ適用されます。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値:未指定 | |
|
SSL プロバイダーが 型: String 例:OPENSSL デフォルト値:JDK | |
|
送信接続の 型: String 例: some_regular_expression デフォルト値:未指定 | |
| OpenShift Container Platform 外のクライアントにコネクターを公開するかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
| Operator を一致するアドレスまたはアドレスのセットごとに CR に追加する設定を適用する方法を指定します。 指定できる値は次のとおりです。
型: String 例: replace_all デフォルト値: merge_all | |
| 一致するアドレスまたはアドレスの セット の設定。 | |
|
型: String 例:DROP デフォルト値:PAGE | |
| クライアントが、存在しないアドレスにバインドされているキューにメッセージを送信するとき、またはキューからメッセージを消費しようとするときに、ブローカーが自動的にアドレスを作成するかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: false デフォルト値: true | |
| ブローカーがデッドレターアドレスおよびキューを自動的に作成し、未配信メッセージを受信するかどうかを指定します。
パラメーターが タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
| 期限切れのメッセージを受信するため、ブローカーがアドレスとキューを自動的に作成するかどうかを指定します。
パラメーターが タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
|
このプロパティーは非推奨にされています。代わりに | |
|
このプロパティーは非推奨にされています。代わりに | |
| クライアントがまだ存在していないキューにメッセージを送信するとき、またはキューからメッセージを消費しようとするときに、ブローカーが自動的にキューを作成するかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: false デフォルト値: true | |
| ブローカーにキューがなくなったときに、ブローカーが自動的に作成されたアドレスを自動的に削除するかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: false デフォルト値: true | |
| アドレスにキューがない場合に、ブローカーが自動作成されたアドレスを自動削除するまで待機する時間(ミリ秒単位)。 型: integer 例:100 デフォルト値:0 | |
|
このプロパティーは非推奨にされています。代わりに | |
|
このプロパティーは非推奨にされています。代わりに | |
| キューにコンシューマーとメッセージがない場合に、ブローカーが自動作成されたキューを自動削除するかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: false デフォルト値: true | |
| キューにコンシューマーとメッセージがない場合に、ブローカーが手動で作成されたキューを自動削除するかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
| キューにコンシューマーがない場合に、ブローカーが自動作成されたキューを自動削除するまで待機する時間(ミリ秒単位)。 型: integer 例:10 デフォルト値:0 | |
| ブローカーがキューを自動的に削除できるかどうかを評価する前に、キューに入れることができるメッセージの最大数。 型: integer 例:5 デフォルト値:0 | |
| 設定ファイルを再読み込みすると、このパラメーターで、設定ファイルから削除されたアドレス(とそのキュー)を処理する方法を指定します。以下の値を指定できます。
型: String 例:FORCE デフォルト値:OFF | |
| 設定ファイルを再読み込みすると、この設定は、ブローカーが設定ファイルから削除されたキューを処理する方法を指定します。以下の値を指定できます。
型: String 例:FORCE デフォルト値:OFF | |
| ブローカーが未達の (未配信) メッセージを送信するアドレス。 型: String 例:DLA デフォルト値:なし | |
| ブローカーにより、自動作成されたデッドレターキューの名前に適用されるプレフィックス。 型: String 例: my DLQ。 デフォルト値:DLQ. | |
| ブローカーにより、自動作成されたデッドレターキューに適用されるサフィックス。 型: String 例: .DLQ デフォルト値:なし | |
| 自動作成されたアドレスで使用されるルーティングタイプ。 型: String 例:ANYCAST デフォルト値:MULTICAST | |
| アドレスのキューに対してメッセージディスパッチを開始する前に必要なコンシューマーの数。 型: integer 例:5 デフォルト値:0 | |
| コンシューマーのデフォルトのウィンドウサイズ (バイト単位)。 型: integer 例:300000 デフォルト値:1048576 (1024*1024) | |
|
型: integer 例:5 デフォルト値: -1(遅延なし) | |
| アドレス上のすべてのキューがデフォルトで独占キューであるかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
| メッセージのグループ化に使用するバケットの数。 型: integer 例:0(メッセージのグループ化が無効) デフォルト値: -1(制限なし) | |
| グループ内のどのメッセージが最初であるかをコンシューマーに示すために使用されるキー。 型: String Example: firstMessageKey デフォルト値:なし | |
| 新しいコンシューマーがブローカーに接続するときにグループのリバランスするかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
| ブローカーがグループのリバランスをしている間、メッセージのディスパッチを一時停止するかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
| アドレス上のすべてのキューがデフォルトで最後の値のキューであるかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
| 最後の値のキューに使用するデフォルトのキー。 型: String 例: stock_ticker デフォルト値:なし | |
| 任意のタイミングでキューで許可されるコンシューマーの最大数。 型: integer 例:100 デフォルト値: -1(制限なし) | |
| アドレス上のすべてのキューがデフォルトで non-destructive であるかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
| コンシューマーがなくなったときにブローカーがキューの内容をパージするかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
|
自動作成されたキューで使用されるルーティングタイプ。デフォルト値は 型: String 例:ANYCAST デフォルト値:MULTICAST | |
| リングサイズが明示的に設定されていない、一致するキューのデフォルトのリングサイズ。 型: integer 例:3 デフォルト値: -1(サイズ制限なし) | |
| Prometheus プラグインなどの設定されたメトリクスプラグインが一致するアドレスまたはアドレスのセットのメトリクスを収集するかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: false デフォルト値: true | |
| 期限切れのメッセージを受信するアドレス。 型: String Example: myExpiryAddress デフォルト値:なし | |
| デフォルトの有効期限を使用しているメッセージに適用される有効期限(ミリ秒単位)。 型: integer 例:100 デフォルト値: -1(有効期限は適用されません) | |
| ブローカーが自動作成された期限切れキューの名前に適用されるプレフィックス。 型: String Example: myExp. デフォルト値:EXP. | |
| ブローカーが自動作成された期限切れキューの名前に適用されるサフィックス。 型: String 例: .EXP デフォルト値:なし | |
| キューが最後の値のみを使用するかどうかを指定します。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
| 管理リソースが参照できるメッセージの数を指定します。 型: integer 例:100 デフォルト値:200 | |
| アドレス設定と、ブローカーで構成されたアドレスとを照合する文字列。正確なアドレス名を指定するか、ワイルドカード式を使用してアドレス設定をアドレスのセットと照合できます。
ワイルドカード式を 型: String Example: 'myAddresses*' デフォルト値:なし | |
| 設定されたデッドレターアドレスにメッセージを送信するまでに、ブローカがメッセージの配信を試行する回数を指定します。 型: integer 例:20 デフォルト値:10 | |
| この値より大きい有効期限を使用しているメッセージに適用される有効期限(ミリ秒単位)。 型: integer 例:20 デフォルト値: -1(最大有効期限は適用されません) | |
| ブローカーによるメッセージの再配信試行間の最大値 (ミリ秒単位)。 型: integer 例:100
デフォルト値:デフォルト値は、 | |
|
アドレスの最大メモリーサイズ(バイト単位)。 型: String 例:10Mb デフォルト値: -1(制限なし) | |
|
ブローカーがメッセージを拒否する前にアドレスが到達できる最大サイズ(バイト単位)。 型: integer 例:500 デフォルト値: -1(最大サイズなし) | |
| ブローカーがアドレスのメッセージカウンター履歴を保持する日数。 型: integer 例:5 デフォルト値:0 | |
| この値よりも短い有効期限を使用しているメッセージに適用される有効期限(ミリ秒単位)。 型: integer 例:20 デフォルト値: -1(最小有効期限は適用されません) | |
| ページングナビゲーション中に I/O を最適化するためにメモリー内に保持するページファイルの数。 型: integer 例:10 デフォルト値:5 | |
|
ページングサイズ (バイト単位)。 型: String 例:20971520 デフォルト値:10485760(約 10.5 MB) | |
| キャンセルされたメッセージを再配信する前にブローカーが待機する時間(ミリ秒単位)。 型: integer 例:100 デフォルト値:0 | |
|
型: number 例:5 デフォルト値:1 | |
|
競合を回避するために 型: number 例:1.1 デフォルト値:0 | |
| キューの最後のコンシューマーが閉じられてから残りのメッセージを再分配するまでブローカーが待機する時間 (ミリ秒単位) を定義します。 型: integer 例:100 デフォルト値: -1(未設定) | |
| アドレスに今後作成されるキューに対して保持するメッセージの数。 型: integer 例:100 デフォルト値:0 | |
| キューにルーティングされないメッセージは、設定済みのデッドレターアドレスアドレスに送信されます。 タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
| コンシューマーが遅いかどうかをブローカーがチェックする頻度 (秒単位)。 型: integer 例:15 デフォルト値:5 | |
|
低速なコンシューマーが特定されたときにどうするのかを指定します。有効なオプションは 型: String 例:KILL デフォルト値:NOTIFY | |
| 最小限許可されるメッセージ消費速度 (秒単位)。この値を下回るとコンシューマーは遅いと見なされます。 型: integer 例:100 デフォルト値: -1(未設定) | |
| ||
|
タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
|
バージョンの値を AMQ Broker のあるマイナーバージョンから別の マイナー タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false | |
|
対応するブローカーコンテナーイメージを使用するように Operator が CR を自動更新する先の AMQ Broker のマイナーバージョンを指定します。たとえば、 型: String 例:7.7.0 デフォルト値:AMQ Broker の現行バージョン |
11.1.2. アドレスのカスタムリソースの設定リファレンス
アドレス CRD に基づく CR インスタンスを使用して、デプロイメント内のブローカーのアドレスとキューを定義できます。次の表で、設定できる項目の詳細を示します。
アスタリスク( *)でマークされた設定アイテムは、該当するカスタムリソース(CR)でデプロイに必要です。不要なアイテムの値を明示的に指定しない場合には、設定にデフォルト値が使用されます。
エントリー | 説明と使用法 |
---|---|
| ブローカーで作成されるアドレス名。 型: String 例: address0 デフォルト値:未指定 |
| ブローカーで作成されるキュー名。 型: String 例: queue0 デフォルト値:未指定 |
|
デプロイメントのアドレス CR インスタンスを削除するときに、Operator がデプロイメント内のすべてのブローカーの既存のアドレスを削除するかどうかを指定します。デフォルト値は タイプ:ブール値 例: True デフォルト値: false |
|
使用するルーティングタイプ。 型: String 例: anycast デフォルト値:未指定 |
11.2. アプリケーションテンプレートパラメーター
OpenShift Container Platform イメージでの AMQ Broker の設定は、アプリケーションテンプレートパラメーターの値を指定して実行されます。次のパラメーターを設定できます。
表11.1 アプリケーションテンプレートパラメーター
パラメーター | 説明 |
---|---|
| 起動時にブローカーでデフォルトで使用可能なアドレスを、コンマ区切りのリストで指定します。 |
| 多重化プロトコルポート 61616 および 61617 に適用される anycast プレフィックスを指定します。 |
| クラスタリングを有効にします。 |
| クラスタリングに使用するパスワードを指定します。AMQ Broker アプリケーションテンプレートは、AMQ_CREDENTIAL_SECRET で指定されたシークレットに格納されているこのパラメーターの値を使用します。 |
| クラスタリングに使用するクラスターユーザーを指定します。AMQ Broker アプリケーションテンプレートは、AMQ_CREDENTIAL_SECRET で指定されたシークレットに格納されているこのパラメーターの値を使用します。 |
| ブローカーのユーザー名/パスワード、クラスターのユーザー名/パスワード、トラストストアとキーストアのパスワードなどの機密性の高い資格情報が保存されるシークレットを指定します。 |
| データのディレクトリーを指定します。Stateful Sets で使用されます。 |
| データディレクトリーロギング用のディレクトリーを指定します。 |
|
|
| メッセージデータが使用可能な最大メモリー量を指定します。値が指定されていない場合は、システムのメモリーの半分が割り当てられます。 |
| SSL キーストアファイル名を指定します。値が指定されていない場合に、パスワードが無作為に生成されますが、SSL は構成されません。 |
| (オプション) SSL キーストアの復号化に使用するパスワードを指定します。AMQ Broker アプリケーションテンプレートは、AMQ_CREDENTIAL_SECRET で指定されたシークレットに格納されているこのパラメーターの値を使用します。 |
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シークレットがマウントされるディレクトリーを指定します。デフォルト値は |
| SSL の場合のみ、アクセプターが受け入れる接続の最大数を指定します。 |
| 多重化プロトコルポート 61616 および 61617 に適用される multicast プレフィックスを指定します。 |
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ブローカーインスタンスの名前を指定します。デフォルト値は |
| ブローカーへの認証に使用するパスワードを指定します。AMQ Broker アプリケーションテンプレートは、AMQ_CREDENTIAL_SECRET で指定されたシークレットに格納されているこのパラメーターの値を使用します。 |
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ブローカーが使用するメッセージングプロトコルをコンマ区切りのリストで指定します。使用可能なオプションは、 |
| 起動時にブローカーでデフォルトで使用可能なキューを、コンマ区切りのリストで指定します。 |
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作成されたロールの名前を指定します。デフォルト値は |
| SSL トラストストアのファイル名を指定します。値が指定されていない場合に、パスワードが無作為に生成されますが、SSL は構成されません。 |
| (オプション) SSL トラストストアの復号化に使用されるパスワードを指定します。AMQ Broker アプリケーションテンプレートは、AMQ_CREDENTIAL_SECRET で指定されたシークレットに格納されているこのパラメーターの値を使用します。 |
| ブローカーへの認証に使用されるユーザー名を指定します。AMQ Broker アプリケーションテンプレートは、AMQ_CREDENTIAL_SECRET で指定されたシークレットに格納されているこのパラメーターの値を使用します。 |
| OpenShift 内で使用されるアプリケーションの名前を指定します。これは、アプリケーション内のサービス、Pod、およびその他のオブジェクトの名前で使用されます。 |
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イメージを指定します。 |
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イメージストリームの名前空間を指定します。 |
| OpenShift DNSping サービスのポート番号を指定します。 |
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OpenShift DNSping サービスの名前を指定します。 |
| データベースボリュームの永続ストレージのサイズを指定します。 |
カスタム設定にbroker.xml
を使用する場合に、そのファイルで次のパラメーターに指定された値は、アプリケーションテンプレートで同じパラメーターに指定された値をオーバーライドします。
- AMQ_NAME
- AMQ_ROLE
- AMQ_CLUSTER_USER
- AMQ_CLUSTER_PASSWORD
11.3. ロギング
OpenShift ログの表示に加えて、コンテナーのコンソールに出力される AMQ ログを表示することにより、OpenShift Container Platform イメージで実行中の AMQ Broker のトラブルシューティングを行うことができます。
手順
- コマンドラインで、次のコマンドを実行します。
$ oc logs -f <pass:quotes[<pod-name>]> <pass:quotes[<container-name>]>
改訂日時: 2022-08-27 22:32:44 +1000